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2018/10/04

『プーと大人になった僕』御年90歳のレジェンドが生み出した楽曲に注目

ディズニーが『くまのプーさん』を実写映画化した『プーと大人になった僕』が絶賛公開中だ。世代を超えて幅広く愛される世界的人気キャラクターの実写作品に注目が集まっているが、本作の注目するべき楽曲を紹介しよう。

 ディズニーアニメーション『くまのプーさん』の主題歌「Winnie the Pooh」は、プーというキャラクターを象徴するような名曲だが、本作では、ディズニー音楽の巨匠リチャード・M・シャーマンが本作のために手掛けた新しい楽曲も使用されている。今年で御年90歳を迎えたリチャード・シャーマンは、2012年に亡くなった兄、ロバート・M・シャーマンと共にシャーマン兄弟として、様々な楽曲を手掛けてきた。『くまのプーさん』のほかに、『メリー・ポピンズ』の作詞、作曲を担当し【アカデミー賞作曲賞】、【アカデミー賞歌曲賞】を受賞。『ジャングル・ブック』や、東京ディズニーランドなどでもおなじみのイッツ・ア・スモールワールドの楽曲なども手掛けており、ディズニーの世界を作り上げてきたレジェンドとして知られている。

 そんな彼は今作で、「Goodbye, Farewell / はなれても いっしょ」、「Busy Doing Nothing / “何もしない”は忙しい」、「Christopher Robin / クリストファー・ロビン」を手掛け、本作に更なる彩りを与えている。本作の監督であるマーク・フォスターは、「ぼくはシャーマン兄弟の音楽のファンだったんだ。リチャードにこの作品の事を話したら興味があると言ってくれたんだけど、90歳という年齢だからたいして期待していなかったんだ。そうしたら、いきなり3曲も書いてくれた。まさに、『オー・マイ・ゴッド!』という感じだったよ」と振り返る。

 フォスター監督は続けて、「ロンドンにいたとき、彼から突然電話がきたんだ。『マーク、君のために曲を作ったよ』といって、そのままスピーカーに切り替えて、ピアノの弾き語りをはじめた。『これは録音しなきゃ!』と思って、『もう一回はじめからお願いできますか?』ってお願いして、そのまま録音したんだ。ただ、残念なことにそのあと電話を買い替えてしまったから、あいにくここには入っていないんだけど、もしあったらぜひここで聴いてもらいたかったよ。とてもエモーショナルで、美しくて、ぼくは泣いてしまった」と、貴重なエピソードを語ってくれた。

 「Goodbye, Farewell / はなれても いっしょ」は、本編の冒頭でまだ子供だったクリストファー・ロビンが、寄宿学校へ行くのを機に100エーカーの森の仲間たちに別れを告げるシーンでプー達が歌う楽曲として使用されており、悲しいはずの別れを楽しく送り出そうという雰囲気の伝わる軽快で可愛らしい曲となっている。もう2曲「Busy Doing Nothing / “何もしない”は忙しい」、「Christopher Robin / クリストファー・ロビン」は、本作のテーマである“何もしないこと”の大切さや、本作の余韻を最大限引き出してくれるようなやさしさのある楽曲で、この2曲は本作のエンドクレジットで聞くことができる。これから本作を見る人、もう一度見たいと思っている人は、作品の余韻と共に、最後までこの楽曲を堪能してほしい。映画『プーと大人になった僕』は、現在公開中。


◎「Goodbye, Farewell / はなれても いっしょ」リリックビデオ
https://youtu.be/IV-FzcnNcOA

◎公開情報
『プーと大人になった僕』
現在公開中
監督:マーク・フォスター
出演:ユアン・マクレガー、ヘイリー・アトウェルほか
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
(C)2018 Disney Enterprises, Inc.

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