2017/03/31 12:30
ドアーズが1967年にリリースしたセルフタイトル・デビュー・アルバム(邦題『ハートに火をつけて』)の50周年記念盤、『ザ・ドアーズ:50thアニヴァーサリー・デラックス・エディション』が2017年3月31日に発売された。ギタリストのロビー・クリーガーによると2ndアルバム『ストレインジ・デイズ』(邦題『まぼろしの世界』)のデラックス・エディションも制作中だという。
「言うまでもなく一番最初のやつが常に一番大事なんだろうけど、うん、間違いなく来年同じことを“ストレインジ・デイズ”でやるよ」と彼は米ビルボードに明かした。他にも1970年の【ワイト島音楽祭】のライブ・レコーディングや、ドラマーのジョン・デンズモアと2016年2月にロサンゼルスで開催した、キーボーディストの故レイ・マンザレクへのトリビュート・ライブの映像をリリースしたいと考えているようだ。
「50年経った実感がないんだ。そんなに昔のような感じがしないのは、きっと(ドアーズのことを)人々がずっと話題にしてくれてたからだと思う。50年間忘れられてたことが突然現れたわけじゃない。ずっとそこにあったんだ」とクリーガーは話す。
『ザ・ドアーズ:50thアニヴァーサリー・デラックス・エディション』には、ステレオとモノラル・ミックスのリマスターと『ライブ・アット・マトリックス1967年3月7日』のCD3枚と、モノ・ミックスのアナログ盤、そして音楽ジャーナリストのデヴィッド・フリックによる新ライナー・ノーツが収められている。デビュー当時、このアルバムは米ビルボード・アルバム・チャート“Billboard 200”2位まで上り詰め、「ハートに火をつけて/Light My Fire」や「ブレーク・オン・スルー/Break On Through (To The Other Side)」などのヒットを生み、400万枚売れた。
クリーガーは、「あれほど成功したのは本当に驚きだ。あれは最初小さいレーベルからリリースされたから、注目されたこと自体運が良かった。あの頃<エレクトラ・レコード>はビッグ・レーベルじゃなかったんだよ、フォーク・ミュージックとかフラメンコとか、そういう路線だった。でも(フォーク・ロック・バンドの)ラヴがいたから<エレクトラ>と契約できて嬉しかった」と当時を振り返る。
彼はまた、スタジオ環境が原因でデビュー・アルバムのサウンドに満足していなかったと言い、「何年も経ってから分かったんだけど、マスタリングした時、テープが片方のリールに全部移った時に少しだけスピードが落ちてたんだ。だから俺にはいつも“ハートに火をつけて”がどうも暗く、遅く聴こえてたんだけど、20年経ってからほぼ半音も下がってることが分かったんだ。幸運にも、シングルとしてリリースした時には少しスピードを上げて、本来の音に戻したから素晴らしいサウンドになってた。でもあの曲を演奏する時、多くの人が“これはAマイナーなの?Aなの?”と迷うんだ。どっちのバージョンを聴いたかによるんだよ」と当時の裏話を明かした。
クリーガーは、4月7日からソロ・ツアーで全米を回り、ドアーズのデビュー・アルバムの曲も多数披露する予定だと話している。また、今年はソロ・アルバムもレコーディングする予定だという。
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