2016/09/24 12:15
BBCの<Sounds of 2016>にもノミネートされていた、ロンドン出身の女性シンガーソングライター、イジー・ビズ。この9月に予定されていたビルボードライブへの出演は、アーティストの都合により2017年頭に振替となったが(東京1月8日・大阪1月10日、各日2ステージ)、2014年にメジャー契約を結んでからじっくりと製作されたという彼女のデビュー・アルバム『ア・モーメント・オブ・マッドネス』が素晴らしい。
イジー・ビズのハスキーでソウルフルな歌唱力が際立つ『ア・モーメント・オブ・マッドネス』だが、レトロフューチャリスティックな音楽性を自由に振り回すさまはエイミー・ワインハウスを、自然体のキュートさやエレガントさを滲ませるさまはコリーヌ・ベイリー・レイを彷彿とさせるところがある。エチオピア人の母と英国人の父の間に生まれ、幼少期にはエチオピアで過ごしたこともあるというイジーは、とりわけ母の影響でエラ・フィッツジェラルドやアレサ・フランクリンなどに触れて育ったそうだ。
デビュー・シングルの「Diamond」で幕を開けるアルバム『ア・モーメント・オブ・マッドネス』だが、2曲目のロマンチックで狂おしいラヴ・ソング「White Tiger」は、本校執筆時点でBillboard JAPAN Hot 100の洋楽チャート1位にも上り詰めたヒット・チューン。生々しいスウィング感とガラージ風の躍動感が折衷した素晴らしいナンバーである。この曲はそもそも、イジーが2013年にデジタルで自主リリースしたEP『Coolbeanz』に収録されていた楽曲であり、クラブDJたちの後押しもあってポップ・シーン/ダンス・シーンの垣根を越えた支持を獲得してきた、という経緯がある。
アルバム中にも「Skinny」のようにダンス・フロアと恋心の高揚感を伝えるディスコ・ファンク曲が収録されているが、一方で「Give Me Love」や「Gorgeous」は、家族に向けられた切実な思いがストーリーから立ち上るシリアスなナンバーとなっている。レトロ・テイストのダンス・ポップを生み出して時代に目配せしながら、あくまでもイジー・ビズとしてのプライヴェートなソウル・ミュージックを紡ごうとする姿勢からは、彼女のアーティストとしての生真面目な一面が垣間見られるようだ。
こちらも先頃デビュー・アルバムを発表したエレクトロ・ポップ・デュオ=ホンネのロマンチックなナンバー「Someone that Loves You」に客演するなど、その歌唱力のおかげでコラボレーションの機会も増えているイジー・ビズ。しかしソロ作品では、ソングライターとしての資質や内面に渦巻くエモーションを色濃く伝える作風に仕上げられている。いつしか彼女の人柄と生き様に強く惹き込まれ魅了されてしまう、そんなアルバムだ。(Text:小池宏和)
◎リリース情報
『ア・モーメント・オブ・マッドネス』
2016/9/7 RELEASE(海外発売は9月2日)
iTunes:http://apple.co/297uSw0
◎公演情報(新日程)
ビルボードライブ東京
2017年1月8日(日)
1st 開場17:00/開演18:00
2nd 開場20:00/開演21:00
ビルボードライブ大阪
2017年1月10日(火)
1st 開場17:30/開演18:30
2nd 開場20:30/開演21:30
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