2026/08/06 16:00
Answer to Remember、SMTKといった自身のプロジェクトも展開しながら、MILLENNIUM PARADE、くるり、椎名林檎、星野源など数々のアーティストのバンドメンバーとしても活躍する石若駿。国内外問わず各地を飛び回り、"日本一忙しいドラマー"ともいわれる音楽家が、徒然なるままに連載中。
~ヨーロッパの旅 ラインガウ音楽祭編。~
ドイツのヴィースバーデンで行われるラインガウ音楽祭への参加日記です。そのアーティスト・イン・レジデンスに就任している角野隼斗くんに呼ばれ、フリードリヒ・グルダのコンチェルトを私とマーティ・ホロベックがサポートします。ブレーメン・ドイツ室内フィルハーモニー管弦楽団の共演と、角野隼斗Trioのコンサートで来ています。
6/29
19:30頃、到着。天気がとても良い! 日が長すぎます。ドイツに来たのは、2018年のミシェル・レイスのカルテットのツアーぶり。その時はミュンヘンでした。フランクフルト空港へ着いて、音楽祭のスタッフ、モーリスと待ち合わせてヴィースバーデンのホテルまで送ってもらう。モーリスおすすめのイタリアンにてソロ活動。街はW杯でブラジルが勝った日で、ブラジル人たちが車のクラクションを鳴らして歓喜しています。藝大時代、指揮科の同級生であり当時最も家が近かった親友である石坂幸治と長電話。会う約束もしました。
6/30
早くに起床して、ベースのマーティがお昼に着くので、それまで街を散歩。なんて素敵な街でしょう。石畳の道に、人々はとても余裕のある雰囲気。道ゆく皆、穏やかで愛が大きい感じがました。気づけば街中に音楽が全く流れていない。教会のベルが定期的に鳴ります。複雑な倍音が心地いいです。時には長い曲もあったり、時には同じピッチのみ連打だったり。思い出せば、過去に結構ヨーロッパで演奏する機会があったけど、こんなにゆっくり街を散策できるのは初めてでした。楽しくてぐるぐる歩いていたら、マーティが到着する時間に。合流してランチへ。ふたりともシュニッツェルにソーセージも頼んで満腹。夜は隼斗とミーティング。ここでもイタリアンへ行き、食べ過ぎて腹がはち切れそう。3人でバーまで行きます。明日からリハーサル。
7/1
朝、教会まで散歩。近くの楽器屋さんもチェック。チェリーと書いたコールドブリューをゲット。マーティとマルシェへ行ってハムなど食べ歩き、ランチはイタリアン。パスタ食べて満腹。いよいよリハーサル。入り時間に会場着くが、セッティングがまだまだ。ゆっくり待つ。すごく状態の良い現行のグレッチのドラムセット登場。会場はとても素敵なコンサートホールです。天井や壁など、数々の壁画に覆われています。座席も赤いふかふかのスエードのようでとても素敵です。いよいよブレーメン・ドイツ室内フィルハーモニー管弦楽団の皆さんも揃い、スムーズにリハが進みます。どの楽器の音もクリアに聴こえる! 過去にも同じ曲をやりましたが、景色が全然違う。弦の鳴り、さらには管楽器ソロの演奏が素晴らしく、感動しました。リハを終え、モーリスとマーティ、隼斗とニーダーヴァルトの森の記念碑まで車で40分。標高の高いところから街を一望できます。きれいだったー! ディナーはそこでステーキを食べました。
7/2
いよいよ本番日。朝10時からゲネプロです。本番がすごく楽しみになる良いゲネプロでした。お昼はみんなでサンド食べに。激うま。いよいよフリードリヒ・グルダのコンチェルトを演奏します。緊張と緩和のバランスがとても心地よく、われわれもリハーサルよりもテンションが高く演奏しました。最後のトゥッティが決まり、拍手大喝采の中、終えました。アンコールはトリオだけで一曲演奏しました。この演奏の模様は後にラジオで聴けるとか。終演後、隼斗とマーティと外のバーでプチ打ち上げをして、その後、このフェスの巨匠達の集まるレセプションにも参加してみなさんと歓談。ホテルに戻ると思いきや、勢いでその後もマーティとケバブ食べに、しっぽり打ち上げ直しました。
7/3
この日はオフで、マーティの祖母のルーツの街、イーダー・オーバーシュタインへ。ヴィースバーデンより人も少なくて穏やかなところ。すごく高い山の上に教会やお城が。なかには洞窟をうまく使って作った教会もありました。石造りの階段を登り降りして、観光名所の教会へ向かう。ガイドさんがドイツ語で歴史を語ること1時間。私は録音の翻訳アプリでお話を聞きます。そこから見渡す景色は本当に美しかった。その後ビールのみにカフェへ。それから名物の熟成&薪焼き豚を頂いたり。石や鉱物、宝石も名物ということで、マーティは石のブレスレットを買って、土地を介したおばあちゃんとの繋がりに嬉しそうでした。夜はヴィースバーデンに戻り、W杯のオーストラリアとエジプトの試合を観に、パブへ。オーストリアが先手を打っていて盛り上がりました。結果は負けてマーティは寂しそうでしたが、今日の〆にパスタとピザで満腹になり、明日の本番へ気合いを入れました。
7/4
朝に家族へのお土産を買って、ランチは魚フライ系のお店へ。最近肉ばかりだったので、とっても美味しかったです。午後は、トリオのみのコンサートのリハ&サウンドチェックで、また別の会場へ。今回の会場はスタンディングで、PAもガッツリ入る感じです。リハでは、メンバーそれぞれのオリジナルを用意して、隼斗のアレンジによるショパンやバッハのピアノの名曲達、そしてジャズスタンダードをメニューに、セッションして整えてゆきます。会場の音も決まって、2時間半くらいでリハを終え、遅めのランチ。またみんなで激うまサンドを食べに行きました。満腹になって、一度休んで、さて本番です。クラシックの名曲をジャズのフォーマットで演奏し、お客さんも知った曲で、すごく盛り上がりました。ドキドキのこのトリオの記念すべき初コンサートは大成功だったと思います。次は8月です。90分近くの演奏を終え、夜遅くから音楽祭のスタッフも含め、打ち上げはケバブを食べに。みんなで歩いていきます。僕はレバーのケバブを食べました。わりと深い時間までみんなでハングしました。ここにわたしを連れてきてくれてほんとにありがとう! 隼斗!!
7/5
約6日間滞在したヴィースバーデンを出て、大学の同級生の石坂幸治に会いに、電車で2時間弱のデュッセルドルフへ。また街の印象が全然違って、少し緊張感漂う雰囲気です。幸治と近況報告をし合い、話に花が咲きます。昔話で爆笑したり、音楽や子供の話をしたり、あっというまに3時間くらい経っていました。次回は東京で会う約束もして別れます。さあ次はケルンへ。今夜からBanksia Trioと八島(敦子)さんと合流です! ここから更にヨーロッパを巡るツアーがスタートします。
つづく。
Photo(1,2):Ansgar Klostermann
◎公演情報
【Banksia Trio 真夏の九州ツアー ー -NEWアルバム”The Great Noon” 発売記念】
2026年8月6日(木)長崎・長崎市チトセピアホール
2026年8月7日(金)福岡・ROOMS
【UO!JAZZ】
2026年8月8日(土)富山・海の駅蜃気楼「風の地平線 蜃気楼」モニュメント前
【上野耕平・山中惇史・石若駿 トリオ・コンサート】
2026年8月9日(日)東京・東久留米市立生涯学習センター まろにえホール
【RISING SUN ROCK FESTIVAL 2026 in EZO】
2026年8月15日(土)RISING SUN ROCK FESTIVAL 2026 in EZO
北海道・石狩湾新港樽川ふ頭横野外特設ステージ
出演:Improvise Session in EZO "episode 0"
【夜会ツアー 2026「SUPER BLUE TRANQUILIZER」】
2026年8月20日(木)愛知・DIAMOND HALL
2026年8月21日(金)石川・EIGHT HALL
2026年8月24日(月)福岡・DRUM LOGOS
2026年8月25日(火)広島・LIVE VANQUISH
2026年8月27日(木)宮城・darwin
2026年8月31日(月)北海道・札幌ペニーレーン24
出演:君島大空 合奏形態
【Metropolitan Jazz Vol.9 -The Jazz Legacy-】
2026年8月23日(日)東京・東京芸術劇場コンサートホール
【SAPPORO CITY JAZZ North JAM Session】
2026年8月29日(土)北海道・札幌芸術の森 野外ステージ
※この記事は、2026年8月3日発行のフリーペーパー『bbl MAGAZINE vol.221 9月号』内の特集を転載しております。記事はHH cross LIBRARYからもご覧いただけます。
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