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【特集】ジョン・レジェンド 豪華アーティスト参加の最新アルバムで世界に“より大きな愛”を



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 ジョン・レジェンドの最新アルバム『ビガー・ラヴ』(国内盤)が9月9日にリリース。近年はシンガーとしてはもちろん、一人の父親としてさまざまな愛のかたち(一般的な愛だけでなく、家族愛や夫婦愛など)を発信してきた彼は、本作を通して、2020年に最も必要であろう希望と愛を届ける。
 ここでは、彼のこれまでの輝かしい功績をニュー・アルバムの魅力とともにご紹介。コロナ禍における未曾有の事態、そしてBLM運動など、命や人生について問われる、考えさせられることが多いが、落ち着かない日常のなかのほんの少しの間だけ、彼の音楽に耳を傾けてほしい。

音楽だけじゃない
人権・社会活動も先導する新リーダー

 ジョン・レジェンドは2004年にカニエ・ウェストが主宰するレーベル<G.O.O.D.>の第一弾アーティストとしてアルバム『ゲット・リフテッド』でデビュー。往年のソウルやゴスペル、そして流麗なピアノの音色をベースにした、シンプルでありながらも官能的なサウンドで、瞬く間に世界を魅了し、【第48回グラミー賞】においては<最優秀新人賞>を含む3部門を受賞。その後も、多数の良質なヒット作を量産し続け、13年発表のシングル「オール・オブ・ミー」では、自身初となる全米ビルボード・チャート1位を獲得、グラミーも11冠を達成し、極上の甘い時間を演出する音楽の作り手としての地位を揺るぎないものとしているシンガーソングライターのジョン・レジェンド。



 最近では、12年アカデミー作品賞獲得作である映画『それでも夜は明ける』ではサウンドトラックを担当。17年には、【第89回アカデミー賞】で最多6部門受賞し日本でも社会現象を巻き起こした映画『ラ・ラ・ランド』にサントラだけでなく出演者としても参加。同年春に公開された実写版『美女と野獣』の主題歌をアリアナ・グランデとデュエット。さらに18年にアメリカで放送されたミュージカル『Jesus Christ Superstar Live in Concert|ジーザス・クライスト・スーパースター・ライヴ・イン・コンサート』にジーザス役で登場し、この番組のプロデューサーとして【エミー賞】の<バラエティ・スペシャル(ライブ)部門>を獲得。結果、【エミー賞(Emmy)】、【グラミー賞(Grammy)】、【アカデミー賞(オスカー/Oscar)】、【トニー賞(Tony)】からなる米4大エンターテイメント賞をすべて受賞(EGOT)した歴代13番目の人物となり(アンドリュー・ロイド・ウェバーとティム・ライスと同時達成)、かつ史上最年少、黒人男性として初という快挙も成し遂げ、ショウビズ界に大きな存在感を示したのだった。



 だが、ジョンの活動は音楽など煌びやかなエンタテインメントの領域だけにとどまることはない。人権や社会活動にも精力的に参画していて、アフリカの貧困を撲滅させるためのボランティア・プロジェクトを立ち上げたり、08年の米大統領選挙ではバラク・オバマを支持するキャンペーンを早くから展開し、大統領への道筋を作った立役者と呼ばれるほどの影響力を示したりするなど、その圧倒的な知名度を駆使して世界にさまざまな「現実」や「問題」を提示してきた。もちろん、このたびの米大統領選挙にも声をあげていて、先日開催された民主党全国大会(Democratic National Convention)では、ラッパーであるコモンとのパフォーマンスを披露している。

 結果、15年には社会貢献した人々を称える【トリンプ・アワーズ】を獲得。また、これまでの一連の活動が讃えられた部分もあるのだろう、米『People』誌が発表している「最もセクシーな男性(PEOPLE’s Sexiest Man Alive)」の2019年版に選出されるなど、現在最も輝きにあふれたミュージシャンと断言できるくらい「最強」状態になっているのだ。このたび完成した約2年ぶり通算7作目となるオリジナル・アルバム『ビガー・ラヴ』は、彼の現在の輝きが詰まった作品に仕上がっている。

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一人の男性として、そして親として
世界中に届ける愛のメッセージ

 本アルバムは伝説のR&Bトリオ、トニー・トニー・トニーのフロントマンとして知られ、ディアンジェロやアリシア・キーズの作品などを手がけ、また数多くのジョン作品にも携わっているラファエル・サディークをエグゼクティブ・プロデューサーに迎え制作された。愛する人と向き合って会話をすることの尊さを綴った「カンヴァセーションズ・イン・ザ・ダーク」、ドクター・ドレーの名曲「ザ・ネクスト・エピソード」をサンプリングした「アクションズ」、そして新型コロナウイルスの脅威が世界に混乱をもたらすなかでそれを乗り越えられるエネルギーを与えてくれた楽曲として注目され、また世界中のファンから送られた動画をメインに構成したこの時代ならではのミュージックビデオも話題を呼んだタイトル・トラックの「ビガー・ラヴ」という先行シングルも収録されている。


 往年のソウル・ミュージックの要素を丁寧に表現していることで定評のあるジョンとラファエルだけあり、根底に流れているのはシンプルでオーセンティックなサウンドなのであるが、ディスコな要素を感じる「アイ・ドゥ」にはチャーリー・プース、官能的なグルーヴで踊らせる「ワン・ラヴ」にはアンダーソン・パーク、「フェイヴァリット・プレイス」には日本ではお笑いトリオ<3時のヒロイン>のネタに使用された楽曲で有名になったジュリア・マイケルズなど、最前線で活躍するクリエイターたちをソングライターとして起用し、モダンな感性も柔軟に取り入れて、幅広いリスナーが心地よく楽しめるサウンドに。ただ、比較的ゆったりとソファーでじっくり耳を傾けたくなるような楽曲のボリュームが多めかもしれないが。

 さらに歌詞に関しては、以前は魅力的な女性をエスコートするような雰囲気を感じさせる官能的な内容が目立っていたが、ふたりの子どもを持つ父親になっている現在では、彼が「愛すべき、守るべき」存在についての思いを感じさせるものが多くなってきている印象だ。つまり「人間愛」が徐々に高まっているような雰囲気なのだ。本作に関しては、その「人間愛」がさらに上昇。自分の身の回りに対する「愛」だけでなく、もっと広い世界へ向けた「より大きな愛」に包まれた楽曲が収録されている。

 しかし、彼は聖人君主な訳ではない。時には誰かの言葉や行動に傷つき、苛立つこともある。その感情を素直に吐き出している印象の「ワイルド」が、アルバムの中で異なる輝きを放っている。実力派ブルース・ギタリストであるゲイリー ・クラーク・ジュニアによるエモーショナルで重厚感のある演奏を駆使し完成させたナンバーは、感情をむき出しにしたジョンの表情がうかがえて、新鮮であり衝撃的だ。また、このミュージックビデオも印象的である。妻のクリッシー・テイゲンや愛娘たちも出演し、リアルなジョンの日常を垣間見られた気分に。また、この映像を通して第三子を妊娠したことを公表(実は本作の世界発売日(6月19日)に子どもを宿したことが判明したという)。その事実を知って、ミュージックビデオを観ると、異なる感動を噛みしめられるはずだ。


 また、ジョン作品で欠かせないのが、ピアノ・バラード。デビュー盤収録の「オーディナリー・ピープル」以降、毎作美しい旋律で感動を巻き起こしているが、本作ではラストに「ネヴァー・ブレイク」を収録。「ルード★それでも僕は結婚する」が日本でも大ヒットした、ポップ・レゲエ・バンドであるマジック!のフロントマンとして知られるナズリらがソングライティングに参加したこの曲は、どんな試練が目の前にあっても、絶対に揺らぐことのない真実の「愛」を綴った感動曲だ。リリックビデオでは、これまで「平凡な日常」を得るために戦い続けてきた人々の姿をとらえているような映像で構成。今後も、どんな困難も「愛」さえあれば乗り越えていけるという彼の力強いメッセージが、ここに閉じ込められていることを感じる内容になっている。またこの楽曲は、民主党全国大会でもパフォーマンスされ、楽曲の持つ力強く純粋なメッセージを届けた。


 この作品が世界でリリースされる直前である20年5月に、米ミネアポリスで起こった警官による黒人男性の暴行殺人事件が発生、それをきっかけにアメリカだけでなく世界全体で大きく注目された「Black Lives Matter」運動。以前からこの問題を提起し、深く関わってきたジョンゆえ、図らずとも社会的な意味やメッセージのあるアルバムととらえられてしまいがちな状況になっているが、彼はこの作品について以下のように語る。

「このプロジェクトは、私の人生の愛、妻や家族、そして私をアーティストにしてくれたブラックミュージックの豊かな伝統からインスピレーションを受けています。私は04年に『ゲット・リフテッド』というアルバムでデビューしました。そして2020年、この新しい作品があなたを再び、リフトアップさせ愛とインスピレーションで心を満たし、踊るため、手を繋ぐため、愛し合うための何かを与えることが出来ることを願っています。“より大きな愛”を是非体感してください」

 誰かに恋焦がれることだけが「愛」ではない。あらゆる人や出来事を、大切に思いそして慈しむことによって生まれる「愛」の偉大さをこのアルバムでジョンは表現しているのだと思う。そのあふれる愛を最初から最後まで曲順通りに聴き終えた瞬間には、これまで感じたことのない美しい余韻、すべての出来事を優しく包みこめるような大きな心が生まれているに違いない。

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