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RIRI x Julia Wu 『Summertime』対談~世界に羽ばたく歌姫2人が遂に対面

インタビュー

 16歳からLAで楽曲制作をスタートし、2018年2月にメジャー・デビュー。ゼッドからのオファーで「ステイ」を日本語カヴァーするなど国内外で活躍するシンガーRIRI。そして、KKBOXが運営するレーベルKKFARMよりデビューを果たし、現在台湾を拠点に活動するオーストラリア出身の中国系シンガーJulia Wu。今回、RIRIがリリースした資生堂アネッサのタイアップ・ソング「Summertime」を、Julia Wuがカバーすることが決定。オーディション番組からキャリアをスタートさせたという共通点を持つ、2人の歌姫がリリースを記念し、Skypeを通じて初対面。「Summertime」への想いや、それぞれの音楽活動について等身大の言葉で語られた。

曲のサウンドとヴァイブスが良ければ、言語は関係ないんだと改めて思うことができました

RIRI:はじめまして、RIRIです!お会いできて嬉しいです。

Julia Wu:私も!RIRIの大ファンで「That's My Baby」がお気に入りなの。

RIRI:嬉しい。私もJuliaの新曲を聴いていたけれど、本当に最高だったわ!



▲ 「That’s My Baby」MV / RIRI


−−RIRIさんはデヴィッド・フォスターが主催するオーディション『BORN TO SING ASIA』でアジア地区のファイナリストに選ばれ、Julia Wuさんは、オーストラリアのオーディション番組『X-FACTOR AUSTRALIA』をきっかけに注目を集めるなど、お2人ともオーディション番組からキャリアをスタートされていますね。

Julia Wu:そうなんです。私が、『X-FACTOR AUSTRALIA』に出演したのは19歳の時です。その時大学でピアノを専攻していて、私にとって歌はずっと趣味のようなものでした。そんな時にお母さんから、「本当に歌いたいのであれば、若い才能を支援してくれる、このプラットフォームを使ってみたら?」って、オーディションについて教えてもらいました。それまで公の場で歌ったことは一度もなくて、ものすごく緊張しました……詞をすべて忘れてしまうぐらいに(笑)。ヘマをしてしまったけれど、私にとって大きなターニング・ポイントとなりました。

RIRI:私がオーディションに出演したのは11歳の時でした。しかも、そのオーディションを知ったのが締め切りの2週間前で。それまで歌の勉強をちゃんとしたことはなかったんですが、デヴィッド・フォスターさんに声を聴いてもらいたいっていう一心で応募しました。そうしたら、ファイナリストの1人に選んでいただけて。5,000人ものお客様の前で歌うのは、それが初めてでしたが、デヴィッド・フォスターさんのピアノで大勢の人の前で歌うことができて、「やっぱり、この(歌の)道に進みたい」「世界で活躍したい」って、強く感じたステージでした。

Julia Wu:すごい!私が歌を歌い始めたのは高校生の時です。ずっとクラシック・ピアノ一筋で、家族もジュリアード音楽院やカーティス音楽学校など、クラシックを専門に勉強できるような大学に進学してほしいって思っていたみたい。ある時クラスメイトの前で歌う機会があって、両親に「私は歌いたい。もうピアノはやりたくない」って打ち明けたら、ショックを受けていましたね。でも、今も歌手として活動できているから良かったのだと思います(笑)。

−−「Summertime」は、夏にぴったりな爽快感とチルさを持ち合わせた楽曲になっています。どのように作り上げていかれたのですか。

RIRI:この曲は、小袋成彬さん、KEIJU(KANDYTOWN)さんと一緒に作ったんですが、楽曲の構成は小袋さんに全てお任せして作っていただきました。アネッサのCMソングに起用されているんですが、CMソングは今回が初めてでしたし、ああいった曲調を歌うのも初めてで。聴いただけでCMのイメージが思い浮かんだり、素敵だなと思ってもらえるような曲にするのには、どうすれば良いのかを考えながらレコーディングしました。

−−Juliaさんは、この曲を初めて聴いたときどう感じましたか。

Julia Wu:毎年恒例の休暇でオーストラリアに戻る直前に初めて聴いて、レコーディングしました。曲はチルで、いいヴァイブスがあって、中国語と英語の2か国語で歌うことができるのはとてもクールでした。曲のサウンドとヴァイブスが良ければ、言語は関係ないんだと改めて思うことができました。

RIRI:ありがとう!



▲ 「Summertime」MV / RIRI, KEIJU, 小袋成彬


▲ 「Summertime (Julia Wu Mix)」ティザー映像 / Julia Wu


−−RIRIさんは、Juliaさんのカバーを聴いてみていかがでしたか。

RIRI:新しい「Summertime」を聴けた気がして、すごく新鮮でしたね。Juliaさんの歌声は、私のニュアンスとは違う繊細さがあって。SNSで歌っているのを聞いたのですが、「この子が歌ってる!」ってすごく嬉しくなりました。

Julia Wu:そういってもらえて私も嬉しいです。RIRIのことは、彼女が1stアルバムをリリースした時に知りました。RIRIはとても才能のあるシンガーで、R&Bとソウルフルさを併せ持った曲になると思ったので、(コラボの)オファーを快諾しました。きっと間違いないと思って。

RIRI:えー!嬉しい!

−−RIRIさんは、すでに何度かこの曲をKEIJUさんとパフォーマンスしていますが、3人でのパフォーマンスを見る機会はあるのでしょうか?

Julia Wu & RIRI:ぜひやりたいよね。

−−もし実現したら、どんなパフォーマンスになりそうですか?

RIRI:とにかく楽しみたいです。

Julia Wu:絶対楽しいと思う! 私たち2人ともR&Bシンガーで、R&Bは自由が効くから、息が合えばきっとアドリブなどもできるんじゃないかな。

RIRI:私もそう思う。いいアイディアだね。

−−2人が、この曲を聴いてほしいシチュエーションがあれば教えてください。

Julia Wu:どんなシチュエーションにも合うと思います。真夏に曲を聞きながら、まるでキャットウォークを歩くように、道を歩く自分が想像できる…(笑)。

RIRI:この曲は私のEPの1曲目に収録されているのですが、爽やかな早朝やこれから楽しい1日が始まる、ワクワクしている時に聴いてほしいな、という想いでオープニングにしました。

Julia Wu:絶対いい日になること間違いなしだね!



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子供の時から洋楽を聴いて育っているので、英語の方が自然に歌える

−−「Summertime」もですが、2人は英語、日本語、中国語、韓国語など普段から様々な言語で歌っていますね。

Julia Wu:やはり最初は、(母国語の)英語だけで歌う方が簡単でした。2年前に台北に来た時、中国語で曲を書いて、自然に歌う方法を勉強したんですが、発音方法のせいで中国語だと別の場所から聴こえているような感覚がして。今は慣れましたが、はじめはすごく難しかったですね。

RIRI:日本語と英語も、発音が全然違うので難しいですね。1つの楽曲の中で日本語の歌詞の部分と、英語の歌詞の部分をどうやってバランスよく混ぜるのかっていうことに、いつも苦労します。話すときはもちろん日本語の方が得意ですが、歌う時に限って言うと、子供の時から洋楽を聴いて育っているので、英語の方が自然に歌えるなって思うことが多いです。

−−因みに、アップテンポな曲やラブ・ソングなど、特定の音楽スタイルと相性のいい言語はあると思いますか?

Julia Wu:音楽のスタイルや曲調は、あまり関係ないと思います。私は、英語の方がより自然に表現できますね。中国語だと、歌詞を完全にできなくて、それを歌でカバーしようと、より声を強調してしまうことがあって…。でも、力が入りすぎると自然に聴こえないので、今も日々この葛藤と戦っています。



▲ 「Faded / Different World」(Live) / Alan Walker feat. Julia Wu


▲ 「luv luv」MV / RIRI feat. Junoflo


−−JuliaさんもRIRIさんも、それぞれ様々な国で暮らしたり、活動されたりしています。それらの経験は、どのように自身やその音楽性にフィードバックされているのですか。

RIRI:私が最初に海外でライブをしたのは、【SXSW(サウス・バイ・サウス・ウエスト)】だったんですが、ステージが始まるまで「どういう反応をされるのかな」ってすごく緊張しました。でも実際ライブがスタートすると、海外のオーディエンスの方って、すごくノリが良いじゃないですか?反応がとっても良くって。ライブ中のMCで「海外で活躍していきたい」という強い想いを英語で語った時も、「頑張れ~」ってみんなが温かい拍手をくれたのが、とても嬉しかったです。大きな夢だとは思いますが、海外で活躍したいっていう気持ちをより強めてくれたステージになりました。

Julia Wu:自分の性格を形成してくれたのは生まれ育ったオーストラリアだと思っています。オーストラリア人って、おおらかで、リラックスしていて、細かいことを気にしない性格なの(笑)。何か問題が起きてもこの世の終わりと思うようなことはないから。その後バークリー音楽大学で音楽を勉強するために、アメリカに引っ越したんですが、周りはすごく才能のある人ばっかりでした。ピアノを専攻していたけれど、他の生徒たちを見ることで多くを学ぶことができました。ミュージシャンだとお互いから学ぶことが多くあります。バークリーには、様々なバッググラウンドを持つ人々がいるので、こんなにもたくさんの音楽のジャンルや多彩なミュージシャンがいるんだって学んだり、多くの知識を得ることができました。



▲ 「COLOR ME」(Live at SXSW)) / RIRI


−−そういった経験を経て、自分らしさや自分のルーツを貫くために大切していることはありますか。

Julia Wu:バークリーに入学した当初は、多くのプレッシャーを抱えていました。自分より才能のある人ばかりだと思っていて、実際にとても才能に溢れていたから。でも少しずつ、このままではダメだ、自分を向上させなければって思うようになりました。私は常に自分を向上させ、自分磨きを行うことを大切にしています。そして今でも実践しています。これまで2枚のアルバムを制作していて、今3枚目に取り掛かっていますが、時間をかけて、様々な音楽に触れることや時間がある時に曲作りを行うことを心掛けています。そしてどのように自分を磨いていくかを考えています。

RIRI:昔から、自分の個性や、表現したいことをありのままに表現したいというのは、私にとってとても大切なことです。今も、スタッフの皆さんがとても私のことを尊重してくださるので、すごく恵まれた環境だなって思っています。LAで制作をしている時、アジアから小さい子がやってきたなって、現地の人たちに思われているんだろうなって思うこともありました。でも自分が伝えたいことは自信を持って伝えなくちゃけないって思ったし、そうやって一生懸命伝えると、すごく周りのみんなが喜んでくれて。伝えることの大切さをすごく感じました。

−−私たちビルボードは、日米ともに時代を反映したヒット曲のチャートを作っています。2人にとって、ヒット曲とはなんだと思いますか。

Julia Wu:アメリカのヒット・チャートを見ていると、すごくシンプルな曲がヒットになっていたりします。でもそういう曲を書くのは、幼い頃から音楽理論を学んでいた私にとって挑戦なんです。常にコード進行など、考えすぎてしまうから。だから最近は、物事をシンプルに捉えるようにしています。ヒットって、思わぬところから生まれるものだと思うので。

RIRI:シンプルな曲って簡単に聴こえるけど、作るとなるとすごく難しいことが多いですよね。LAで制作を行った時に、海外のチームでも難しいんだな、っていうのは感じました。ヒット曲はキャッチーな曲ばかりではないので、ヒット曲を作るには経験とセンスがすごく必要なんだなって実感してます。

−−2人は洋楽を普段よく聞いていると思うのですが、台湾ではどんな曲が流行っているんですか。

Julia Wu:台湾では、バラードやスローなラブ・ソングがとても人気ですね。最近またヒップホップも再熱してきていて、私が台湾に来て幸運だったと思ったのが、その波に乗れたことです。ラッパーの友人とリリースした「My Bong」という曲のMVが、先日1,000万回を突破したと聞きました。とはいえ、多くの台湾人はバラードが好きみたいです。私個人は、ジョン・メイヤーやH.E.R.など洋楽のR&Bアーティストをよく聞いています。あとチャーリー・プースも大好きです。



▲ 「My Bong」MV / 熊仔×Julia Wu


−−日本はバラードより、もっとアップテンポな曲の方が流行るような気がしますね。

RIRI:日本で流行るとなると、どうなんだろう…どちらもですかね。王道のラブ・ソングやバラードが流行ることもありますし、カラオケで歌ってみんなで楽しめる曲もヒットしている気がしますね。個人的には、ストリーミングでトップ40のようなチャートを聴くことが多いです。あとはR&Bとかジャンル別にヒット曲を集めたプレイリストとか。

−−それでは、最後に2人にとってお気に入りの"Summertime"ソングを教えてください。

RIRI:それは、もちろん私たちの「Summertime」よね。

Julia Wu:あはは(笑)。曲のレコーディングを終えた後、オーストラリアで休暇中にヘビロテしていたのは本当の話よ。心地いいサウンドで、チルなヴァイブだからついつい聞いちゃってた。自分の曲なのに、プライベートで聞いちゃうくらいだから、とても良い曲だと思う。曲の練習をしなきゃいけなかったからじゃなくて、単純にいいヴァイブだから聞いていたわけだから。

RIRI:私も自分の曲だけど、自宅や移動中にいっぱい聞いてます。



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