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JY 1stアルバム『Many Faces -多面性-』インタビュー



JY 『Many Faces -多面性-』 インタビュー

「音楽でここまで自分のことを語ったのは初めて」

昨年春に“4ヶ国語をあやつる国際派女性シンガー”として突如シーンに現れ、一躍脚光を浴びたJY(=知英)。その後に発表してきたシングル作を含めた待望の1stアルバム『Many Faces -多面性-』で、タイトル通り多様性に富んだ快作を完成させた彼女に、“音楽でここまで自分のことを語ったのは初めて”という本作について訊いた。

ひとつのジャンルにとらわれることなく色々やりたい

--昨年末には『恋をしていたこと』『フェイク』と2枚のシングルを同時リリースしました。

▲YouTube「JY 『女子モドキ』Short Ver.」
▲YouTube「JY 『女子モドキ』Short Ver.」

JY:アルバムをリリースするように大変なスケジュールでしたが、それぞれに違うアプローチの楽曲になっていて、その後のライブでは曲中に着替えるパフォーマンスなどにも挑戦しました。

『フェイク』のミュージックビデオでトライしたタップダンスも初めてだったのですが、これまでやってきたダンスとはけっこう違いがありましたし、使ったことのない筋肉を使っていたので筋肉痛になりましたね。

--一方の『恋をしていたこと』はミュージカル調の映像になっていましたが、昨年秋にはミュージカル『スウィート・チャリティ』にも出演していました。

JY:『スウィート・チャリティ』でご一緒したダンサーの方々がミュージックビデオにも出演してくださったので、心強かったですね。

--昨年春のデビュー以降、様々な表情を見せてくれていたJYさんが、初のアルバムとしてこのたび完成させたのが、この『Many Faces -多面性-』という作品です。

JY1stアルバム『Many Faces -多面性-』インタビュー「音楽でここまで自分のことを語ったのは初めて」

JY:アルバムを作ることが決定した時は、こういう作品になるとは思っていませんでしたね。前回のインタビューでもお話しした通り、私にはひとつのジャンルにとらわれることなく色々やりたい気持ちがあるので、それを集めていったらここまで色んな楽曲が揃いました。

--リード曲となる「女子モドキ」はミュージックビデオも公開されていますが、こちらは映像でも色んなスタイルのJYさんが登場します。

JY:今回のアルバムともリンクしていて、色んなJYを見せようというところからこういう映像になりました。雑誌から出てきたり、妄想の中だったり。

--前回のインタビューで「実はそんなにダンスが得意じゃない」と仰っていたJYさんも、かなり踊ることが多くなってきましたね。

JY:やっぱりみんな踊って欲しいんだなって(笑)。もちろん自分も踊るのが好きなので、全然問題ないです。

--しかも編曲には、☆Taku Takahashiさん(m-flo、block.fm)が参加されています。

JY:そうなんですよ! ずっと前からm-floさんの楽曲を聴いていたので、本当に感動しています。明るい曲調は今までにもありましたけど、違う感じが面白いサウンドになりました。

--ここまでキュートなダンス・サウンドはJYとしては初めてですが、ファンが一番待ち望んでいたところだったのかな、とも。

JY:確かに末っ子キャラクターが好きな方にも喜んでもらえると思います(笑)。

--M-06「Come Back」では、西野カナさんの「あなたの好きなところ」も手掛けたCarlos K.さんが作詞作曲、編曲として参加しています。

JY1stアルバム『Many Faces -多面性-』インタビュー「音楽でここまで自分のことを語ったのは初めて」

JY:アルバムを作ることになって候補曲をたくさんいただいたんですけど、この曲がとにかく大好きだったんです! ただ、最初にスタッフさんと一緒に曲を決めていく中では、今までやったことがない曲調だったから慎重になる人もいらっしゃったんです。
だから私は「絶対にやります!絶対!絶対!」って、「すぐにプリプロを始めてレコーディングをしましょう!」って強く推して(笑)。そうしたら最初は意外だと思っていた人も、レコーディングを進めていくうちに「良いねえ」って変わってきて、「ほら!いいでしょ!」って(笑)。

--サウンド的からはUSのトレンドも感じさせるところもあって、そこにJYさんの歌声が加わることでより斬新な楽曲になっています。

JY:Carlos K.さんはブラジルで今流行っているサウンドだと仰ってましたね。やっぱりコンサートなどでも、こういう曲があると良いなって思いもありましたね。

--選曲の上ではコンサートは想定しますか?

JY:「この曲はどうやってパフォーマンスしよう?」と考えますね。どういうダンスを合わせるのか、とか。

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すごい負けず嫌いだし、何より自分に負けることが嫌

--ダンスという意味では、M-09「ブギウギ」も踊れそうな曲調ですよね。

▲YouTube「JY 『ブギウギ』」
▲YouTube「JY 『ブギウギ』」

JY:ライブでも踊っているんですけど、すごい盛り上がりますね!

--GS調のサウンドアプローチも、日本人には懐かしさがあって馴染み良いと思います。

JY:私自身も、昭和っぽいこういう曲調も好きですね。

--しかもこの曲は、JYさんの歌の声質も特徴的で、本作はボーカリストとしての多面性も表現されています。

JY:この曲はレコーディングしながら、自分でも「こんな声で歌ってもいいのかな?」って(笑)。レコーディングをしていた時期が、ちょうど昨年秋に主演させていただいたミュージカル『スウィート・チャリティ』の公演中だったので、発声や歌い方には(自身が演じていた)チャリティが入ってますね。

--M-08「Many Faces」はアルバム・タイトルになっている楽曲です。

JY:最後の方に録った曲なんですけど、こうしたジャズっぽいアプローチも初めてでした。歌詞では女心を語っているんですけど、(作詞を担当した)山本加津彦さんは男性なのに、よく女心がわかるなあって驚きました。サビの“悲しい顔して / 泣いていればいいの? 笑っていればいいの?”というところも、このアルバムを象徴しているようで印象的ですよね。

--また、アルバムはM-01「好きな人がいること」から始まりますが、やはりJYさんを語る上では外せない1曲になりましたよね。

JY:もちろんです! 曲順に関しては、スタッフの皆さんが「1曲目は絶対に「好きこと」だよ!」って推してきたんですけど、アルバムの最初に持ってきて良かったなって思います。

--ちなみに、JYさんが当初1曲目に考えていたのは?

JY1stアルバム『Many Faces -多面性-』インタビュー「音楽でここまで自分のことを語ったのは初めて」

JY:私は「Many Faces」にしたかったんです。初めて聴いた人がびっくりしそうじゃないですか?(笑) でも、最初からこの曲じゃ驚かれちゃうって話になって、みんなが知っている曲から始まって、色んな曲が出てくる曲順にしました。

--JYさんはファンを驚かせることが好きですよね。

JY:そうですね! 早く皆さんの反応を訊きたいです。

--また、シングル曲だったM-05「フェイク」では、阿木燿子さんが作詞を担当していることが当時から話題を呼びました。

JY:光栄だと思いますし、今でも信じられないくらいです!

--しかもJYさんが敬愛する山口百恵さんの楽曲のように、女性のしなやかな強さやミステリアスな部分を表現した作風になっていたのも印象的でした。

JY:阿木さんの描かれる歌詞や、山口百恵さんが歌っていた楽曲の中で一番好きな部分がそういうところで、女性の強さに惹かれて聴いていたので、そういう歌詞を歌わせていただけることは本当に夢のようです。

カラオケなどに行くと時々、周囲から自分の曲を歌うことを求められるんですけど、カラオケだと最初に作詞作曲のクレジットが表示されるじゃないですか。“「フェイク」JY、作詞:阿木燿子”って書いてあるのを見ると、嬉しすぎてついつい写真を撮っちゃったりします(笑)。

--JYさんが手がける歌詞も、女性の強さを感じることが多いです。

JY:確かに私はすごい負けず嫌いだし、何より自分に負けることが嫌なんですよ。一番のライバルは自分だと思ってますし、いつも自分と戦ってる。そういう部分が自然と歌詞に出ているのかもしれませんね。

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音楽でここまで自分のことを語ったのは初めて

--M-10「大切な時間(とき)」は故郷を歌っているバラードだと思いましたが、意外にも作詞はJYさんではなく、清智英さんなんですよね。

▲YouTube「JY 『最後のサヨナラ』MUSIC VIDEO-unveil edit- (Short Ver.)」
▲YouTube「JY 『最後のサヨナラ』MUSIC VIDEO-unveil edit- (Short Ver.)」

JY:この曲について清さんとお電話でお話ししたことがあって、その時に色んな質門をしてくださったんですよ。日本に来てどういう時に韓国が恋しくなるのかとか、つらいと感じる時とか、両国の違いとか……。けっこう深いところまで色々話をした結果、こういう歌詞にしていただきました。

この歌詞は本当に私自身のままなんですよね、“23のこの私は 生きてゆきます“とか! だからこの前もリハーサルで歌っていたら、自然と涙が出てきてしまいました。

--最初はJYさんの作詞かと思っていました。

JY:すべてがぴったりで、中盤に“窓を開けて違う街が 私を包む”っていう歌詞がありますよね? 今住んでいる私の家から見える景色は、韓国とはすべてが違っていて、時折“何で今、私はここにいるんだろう?”って思うことがある……っていう話を清さんにしたら、こういう歌詞になっていてびっくりしました。

また、“貴方思う”の貴方はファンの皆さんになるかもしれないし、故郷にいる人たちや家族かもしれない。悲しい時や苦しい時にも、そういう方々がいるからがんばれるって、そういう私の思いを歌詞にしてもらいました。

--ただ、この曲が最後ではなく、1stシングルだった「最後のサヨナラ」があり、本編の最後はM-12「Letter」になっています。この楽曲では、初めて単独での作詞にトライした大きな1曲になっています。

JY:この曲を作る時、山本さんに「自分で歌詞を書きたいから、ミディアムテンポでシンプルなトラックの楽曲にしたいです」ってお願いをしました。それでメロディをいただいて、歌詞を当てはめていくことになるんですけど、最初はノートを開いて書こうとしても何も書けなかったんです。ファンの皆さんへの感謝の気持ちを絶対に入れたいっていう思いはあったんですけど、どうすればいいのかわからなくて……。山本さんにアドバイスをもらいながら、作っていきましたね。

タイトルは「Letter」ですけど、歌詞が手紙になっているわけではないんです。不安な時や辛い時も、皆さんからの手紙の言葉でがんばれた。だから、ありがとうって伝えたかったんです。この曲も含めて、音楽でここまで自分のことを語ったのは、このアルバム『Many Faces -多面性-』が初めてでした。

JY1stアルバム『Many Faces -多面性-』インタビュー「音楽でここまで自分のことを語ったのは初めて」

--結果としてJYさんの姿がより明確に現れた作品になりましたね。

JY:やっぱり曲をもらって、歌詞も書いてもらってただ歌うだけではなく、自分が歌う曲、表現する曲だから、ちょっとでも自分が思う意見を出したいし、納得できないと気持ちが入らない。スタッフさんからするとちょっと面倒くさいかもしれませんが(笑)、ちゃんとに思ったことを言わなきゃいけないと思ってます。中途半端なのは嫌だから、自分が納得できるまではやり続けますね。

--さらに、本作にはボーナストラックとして、これまで発表してきた英語詞の楽曲も収録されています。

JY:こうやって振り返ってみると、本当に色んな曲があるんだなって。英語詞の曲を持っていることも大きな武器になっていると思いますね。

--いずれは世界での活動も?

JY:いやいやいや! 世界を目指すなんて大きすぎて、そんな……(笑)。世界には色んなすごい人がたくさんいらっしゃるので、それはもうちょっと自分自身が見えてきてから考えることだと思いますね。

--そして5月13日からは、いよいよ初のツアー【JY 1st LIVE TOUR】がスタートします。

JY:コンサートでも色んなJYを見せたいですね。耳だけじゃなく、目も楽しくなるような演出もそうですし、曲によって表情や表現の仕方も変えて、皆さんを楽しませられたらいいなって。コンサートは私と来てくれたお客さんだけの時間なので、忘れられない瞬間にしたいです。

--では、最後になりますが、今、JYは今後どのようなアーティストになっていきたいと思いますか?

JY:正直、まだよくわからないので、ツアーが終わってからまた皆さんと一緒に考えていきたいです。ただ、今回アルバム『Many Faces -多面性-』を作って、さらに色んな音楽の楽しさを改めて知ったので、これからも何でもトライしてみたいです!

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JY「MANY FACES -多面性-」

MANY FACES -多面性-

2017/05/10 RELEASE
SRCL-9405/6 ¥ 4,070(税込)

詳細・購入はこちら

Disc01
  1. 01.好きな人がいること
  2. 02.恋をしていたこと
  3. 03.このままで
  4. 04.君にキスを君にハグを君に愛を
  5. 05.フェイク
  6. 06.Come Back
  7. 07.女子モドキ
  8. 08.Many Faces
  9. 09.ブギウギ
  10. 10.大切な時間
  11. 11.最後のサヨナラ
  12. 12.Letter
  13. 13.RADIO (ボーナストラック)
  14. 14.I’m Just Not Into You (ボーナストラック)
  15. 15.Up In The Air (ボーナストラック)

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