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Seiho 最新アルバム『Collapse』に影響を与えた5曲とは? インタビュー&プレイリスト

 大阪アンダーグラウンドのダンス・ミュージックのシーンから登場し、2013年のアルバム『ABSTRAKTSE』がきっかけの一つになり、一躍大きな注目を集めるようになったSeiho。最近では三浦大知の話題沸騰の一曲「Cry & Fight」をプロデュースしたことも話題となった。そんな彼が新作アルバム『Collapse』にて、LAのサイケデリック/ビート・ミュージックの最高峰レーベル、<LEAVING RECORDS>よりいよいよ世界デビューを果たす。

 『Collapse(=崩壊)』と名付けられた同作は、seiho自身のルーツの一つであるジャズをはじめ、ビート音楽、環境音楽、アンビエントなど、様々な音楽の要素が美しく溶け合った、フェティッシュかつユニークな作品。国内音楽シーンの鬼才と呼ぶべき才能をさらに広く知らしめるであろう作品だ。と、同時に、同作は非常にパーソナルな作品でもあり、ある意味アーティストの名刺代わりの1枚にも相応しい作品となっている。

 今回はそんなseihoに、アルバムに影響を与えた5曲を選んで貰い、そのリストを元に、『Collapse』を作る過程で彼が考えていたことについて話を聞いた。短い時間での対話となったが、止めどなく新しいアイデアが溢れてくるのであろう彼の才気が伝わって来るインタビューとなった。ぜひ楽しんで欲しい。

一周した後に訪れた“冬の時期”に生まれた作品

――アルバムの制作はどのように始めたんですか?

Seiho:僕の中で2014年くらいから(音楽活動の)“冬の時期”があったんです。2009年に大学を卒業して、そこから音楽だけでやっていこうと思ってたんですけど、その時に立てた「自分でレーベルをやりたい」とか「フェスに出る」とかっていう目標が2013年くらいにある程度叶いました。

――ちょうど前作の『ABSTRAKTSEX』を出した年ですね。

Seiho:そうですね。本当は今年くらいまで掛かると思っていたんですけど、意外と前倒しに進んで。もちろん良いことなんですけど、逆に言うと、ブレーキは掛かってないけど、これ以上エンジンの掛けられない状態というか。次に何をしたら良いのかな? みたいな感じになって。

 その頃は、僕らの世代全員が同じようなことを考えてたと思います。2014年、15年はあまり楽しい新譜もなくて、何を作れば良いのかが見えてなかった。でも、そういう中でも、曲作り自体はライフ・ワーク的に続けていて、ずっとアウトプットはしていて。2015年の真ん中くらいになった時、何を作るということでもなく作り貯めていたそれらの曲に後から意味が付いて来ました。出来上がった作品を振り返って後から「あの時、こういうことを考えてたんだな」っていうのが分かり始めた。それでアルバムの内容が固まっていったんです。

――ある意味、その当時の無意識が反映されたような作品でもあるということですね。では、選んで貰った曲を聴きながら、選曲の理由やアルバムとの関係について教えて貰えればと思います。

ハットフィールド・アンド・ザ・ノース「Fitter Stoke Has a Bath」

――『Collapse』にはヴォーカル曲はありませんが、これはいきなり歌モノですね。


▲ハットフィールド&ザ・ノース
『ハットフィールド&ザ・ノース』

Seiho:ハットフィールド・アンド・ザ・ノースという、カンタベリー派というか、当時のソフトマシーンみたいなジャズの要素が入っているプログレのバンドです。彼らの音楽は、コードの難解さと曲の美しさが両立しているのがめちゃくちゃ好きなんです。この「Fitter Stoke Has a Bath」は、歌モノなんですけど、転調が多くてコードが有り得ないところに飛びまくる。曲の構成も、音があちこちに行って、ギターの綺麗な音が鳴ってるなと思ったらエレピが鳴り出したり。ヴォーカルも、声の使い方がちょっと楽器っぽい感じですね。他にも、彼らの『The Rotters' Club』っていうアルバムもすごく好きです。

――なるほど。ハットフィールドの音楽とはいつ頃、出会ったんですか?

Seiho:高1の時の先生がめちゃくちゃプログレが好きな人で、その人に教えて貰いました。僕はもともとジャズが好きで、色々聴いていたんですけどロックはすごく疎くて、ニルヴァーナとかグリーン・デイも聴いたことがなかった。そこで、その先生に「ロックの曲を教えて欲しい」ってお願いしたんです。往年のから現代のやつまで聴かせて貰って、僕はダントツでプログレが好きでしたね。それからその先生が毎回授業に来る度に、10曲くらいプログレの曲をCD-Rで持ってきてくれて。しかも、自分でジャケットも作ってくれるんですよ(笑)。それは今もまだ持ってますね。そこで貰った中に、ハットフィールドと次に曲を選んだゴングがいて、すごく好きになってCDを買いました。

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ゴング「Master Builder」


▲ゴング『You』

Seiho:『You』っていうアルバムの曲です。ドイツのバンドとかイエスとかピンクフロイドみたいな、いわゆる王道のプログレより僕はこういう方が好きですね。あちこちに連れて行ってくれる感じがします。

――やはり、どちらかと言うとジャズ寄りなんですね。この曲からは特にどんな影響を受けていると思いますか?

Seiho:この曲は途中にめっちゃ長いブレイクがあるんですけど、そこに環境音が入っているんです(笑)。後から聴き返して、今回の『Collapse』は、この曲からすごい影響を受けてるな、と思いました。

 “冬の時期”の2014年とか15年は、新譜が面白くなくて旧譜ばっかり聴いてました。その中でも、ハードバップやビバップにもそこまでソソられなかったんですけど、もう一回プログレ聴いたらめっちゃ面白い構成やな!って思って。テンポも変わるし、楽器もガンガン出てくるし、それこそサウンド・コラージュ的なものも多いし、電子音も入ってくる…(ここで曲がブレイクに移り、環境音=小鳥のさえずりが流れる。) …やばくないですか、これ!(笑)。

――たしかにすごい(笑)。ここまで思い切った構成は、他の音楽ジャンルだとなかなか有り得ないですよね。

Seiho:アルバムを作った後、別のミックスの仕事でこの曲を聴き返して、ブレイクのことは覚えてたんですけど、こんなことになってるとは思ってなくて、すごいびっくりしましたね(笑)。

――環境音というと、今作のリリース元である<LEAVING RECORDS>からは、ジュリア・ホルターのような環境音を取り入れることに長けたアーティストの作品も多数リリースされています。ジャンルや音の境界が溶け合っているような作品が多くて、『Collapse』も、そうしたレーベルのカラーにマッチした作品だと思います。制作の段階で<LEAVING>から出すことは決まっていたんですか?

Seiho:決まってなかったですね。2013年くらいにマシュー(・デイヴィッド)とツアーをして、そこで「アルバムを出そうよ!」っていう話を貰ってたんですけど、その時はモードじゃなくて話が流れていました。今回も、アルバムが出来てきた後に「これ、<LEAVING>から出せるな」って逆算的に考えたんです。

 あと、環境音については、僕は他の<LEAVING>のアーティストとは少し違う捉え方をしていて。今回のアルバムの環境音は、一つは、近しい人たちと一緒に旅行や釣りに行った時に録った僕にとって思い入れの深いもの、もう一つは映画のSE的な、サウンドライブラリから取ってきたものの二種類があります。サウンドライブラリの方は、違う曲でも同じ鳥を同じ場所(位相)で鳴らしてるんです。それってもう“テープ”みたいというか、いわゆる環境音のリアリティを持たせたくなかったんですよね。

 例えば、SSWの作品に環境音が入っていると、聴いた人は「ああ、こう場所で歌って録音したのかな。」と思うけど、実際には歌は別に録っていたりする。でも、作った本人にとって、それはすごく重要な問題で。さっき言った“みんなで釣りに行った時の音”みたいな、僕にとっては思い入れのある音も今作には入ってるんですけど、それがリスナーに届いた瞬間には他の音と全く並行に扱われる。ここの部分を今回はすごく意識しました。

 最近はアナログシンセサイザーとモジュラーシンセサイザーで曲を作っていて、今回もモジュラーで作ったものが元となっているんですけど、一方でソフトシンセも使っている。これも、僕にとっては大事だけど、リスナーにとってはそれほど大事じゃないことの一つですよね。「モジュラーシンセだから聴いている」っていう人も中にはいるかも知れないけど、普通の音楽の聴き方はそうじゃない。でも、聴き方はそうじゃなくても、作り手としての意識があることも事実で。でも、逆にリスナーにとって大事じゃないなら、作り手にとっても大事じゃない、という考え方も出来る。そうすると、最終的に「何を使って作るか?」というのはアーティストの選択の意識に関係していきますよね。

――なるほど。

Seiho:今回のジャケットのアートワークは花と陶器なんですが、花は本物の生花で器も本物で、陶器はCGなんです。CGは影がなければみんなすぐにCGと気付くんですけど、影をつけると途端に本物に錯覚する。こっちの花は、写真で撮るなら造花でも良いし、陶器がCGで作れるなら花もCGで作れる。けど、なぜ僕はこっちを生花にして、こっちをCGにしたのか? みたいな。お客さんにとってはどうでも良いけど、僕にとっては大事で、でも、僕にとってもどうでも良い(笑)。

 そうやって、物事の境界線を超曖昧にしていくことで、最終的に“選択の必然性”が出てくる。何をやっても良いし、何を選択しても良いという世の中で「どっちがどっちでも一緒やん」ということが増えれば増えるほど、「じゃあ、何でこの作品にモジュラーシンセを入れたの?」という部分が際立って来る。そういうことを今回のアルバムには詰め込みたかったんです。

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まだまだ: ゴング「Master Builder」

――それは実験というか、作品を作る上でのコンセプトみたいなものですか?

Seiho:そうですね。ジャズっぽいトランペットが鳴ってる場所も、プレスの音を切ってるんですよ。そうやって吹くという行為を音から切ると、楽器が宙に浮いて勝手に鳴ってるような錯覚に繋がる。アルバムのヴォイス・サンプルも、人が喋ってるのか、スピーカーから鳴ってるのかが分からない。さっきの鳥の声も、「ああ、こういう世界や」って頭でパッと思い浮かべた瞬間に、「ああ、違うんだ。これは真っ白な部屋に入れられて、スピーカーから流れている音を聴いているだけなんだ!」って錯覚にもなるみたいな。この両面を出したかったんですね。

 「Collapse」を聴いて、「森の中で聴いているみたいな音楽ですね」って捉える人と、「真っ暗闇の部屋で耳元で環境音を爆音で流されているだけ」って捉える人を両立させたかったんです。そうやってヴァーチャル・リアリティと現実の垣根をどんどん曖昧にすることで、人間の想像の世界になっていく。自分がどっちとして捉えるかというだけの世界。そういうイメージで環境音を使ったんですが…すいません長くなって(笑)。

――なるほど(笑)。そういうアイデアは、どこから来たんですか?

Seiho:僕の中で、ある種ディストピア的に、「人のいない世界」というのを想像することが増えていて。それは単純に人がいなくなった世界というより、僕が飲んでいる水道水も、コンビニで買う水も、川で流れている水も、僕にとっては一緒の世界。対面で売っているから良い水で、水道水は誰かが浄水している水で、川の水は…という感じじゃなくて、人の手が介在しないで、既にそうなってる世界というか。現実にも、物流とか、コンビニの店員も僕の中で自然の一部として捉えてしまっているんです。コンビニに商品が並ぶことを、雨が降るのと同じように感じてしまう。そういうことを突き詰めていったときに、人工物と環境の差がどんどんなくなっていくというか。インターネットが普通に使えて、お金を払えばApple Musicで音楽が聴けるのも、鳥が鳴くのとほぼ一緒というか。

――人工的なものが自然の環境みたいになっている。

Seiho:そうそうそう。人工のものも自然の現象というか。これ(PCから流れる音楽)も勝手に流れている世界(笑)。

――そういう感覚を普段の生活の中で感じて、それを反映した作品?

Seiho:反映ではなく、曲が出来た後にその世界がやっと見えたという感じです。今作に関しては、前回と違って僕の中でも解釈できていない部分が多くて、見えている部分はまだ4~5割くらいですね。

――作る途中で、あるいは作った後で気付いたことが多い。

Seiho:そうですね。でも、「Collapse=崩壊」というタイトルも、ネガティヴなイメージじゃないんです。「Break」という言葉とは違って、誰かが意志を持って壊したのではなく、勝手に壊れたみたいな。勝手に生まれて、勝手に壊れて、また生まれて…というのが、僕にとっての“自然”なんです。誰かが壊したのではなく、自然と『崩壊』したものはまた生まれてくる。僕的には前向きな言葉なんですね。

――ひとつのプロセスということですね。

Seiho:そうですね。音楽体験的にも、2010年に音楽でやっていこうと思って、2013年くらいにちょうど一周した感じだったんです。キャリアのある人は本当に何周もするんだと思うんですけど、僕にとっては一周目だったっていうのがすごく大事で。初めての冬の時期を経験して、初めて2周目の入り口を見た作品なんですね。

Clap! Clap!「Burbuka」

――Clap! Clap!は2014年のアルバム(『Tayi Bebba』)ですね。これも空想の島をテーマにしたという作品ですよね。


▲Clap! Clap!『Tayi Bebba』

Seiho:そうですそうです。もともと彼がミックスで僕の曲を入れて、僕も好きだったので、日本に来た時に色々とコミュニケーションをとりました。

 彼の音楽ってプリミティブだけど、明らかにアフリカじゃないんですよね。彼がイタリア出身っていうのもあるし、それこそモンド・ミュージック的に、全世界の人がイメージするプリミティブな音楽を作ってる。日本人が聴いても、アメリカ人が聴いても、韓国人が聴いても、全員が同意するプリミティブな音楽っていうのを上手く捉えていますよね。

 日本とか海外でも、お土産ものって面白いじゃないですか? ハチマキも刀も、日本で今している人はいないけど、みんな買って行きますよね。そういう感じで、みんなが思ってる総意のアフリカ像みたいなものを作ってるのが面白い作品やなと思います。

――本人はナチュラルに作ってるけど、同時に一歩引いてるっていう感覚もありますよね。

Seiho:そうですね。学者的に見ている部分と、時代を生きてる当事者として見ている部分が両面ある。プラス、本人が元々サックス奏者でプレイヤーらしいんですけど、やっぱりプレイヤーが持つ、エンターテイナーとしての気配りみたいなのが楽曲の中に行き届いている。他のアート作品とはちょっと違って、一般のリスナーの人も聴きやすいし、でも掘って行ったら深いところまで行き着けるみたいなところが良いなと思います。

――Seihoさん自身もそういう指向が強いですか?

Seiho:僕はそういう部分は強いですね。だから彼の作品を聴いた時、そのバランスにグッとくるんです。

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Noriki「エニーウェイ」


▲Noriki『Noriki』

Seiho:Norikiさんは京都のピアニストの方で、ホンマにフュージョンという感じです。僕はスタッフとかコーネル・デュプリーとかもすごい好きで聴いてます。

 森田芳光監督の『キッチン』のサントラを作ってるのがNorikiさんで、今回の『Collapse』アルバムは僕の中で森田芳光イズムというか、映画のイメージがすごい強くて。元々、森田監督の画面の構成の捉え方というか、現実をどこまで非現実に撮れるかという部分からはすごく影響を受けているんです。よくある食事のシーンや、よくある駅で待っているシーンをどこまで非現実に撮れるか。僕も結構そういう考え方をしていて、いつも聴いてる音楽がなぜか今日は非現実に聴こえるとか、いつも聴いてる優しいギターの音が、なぜか今日は冷たく聴こえるみたいなのを意識しているんです。僕の場合、音像がコロコロ変わるのは、森田さんの画面割り、その「イズム」の影響なんです。その音楽を作っているのがNorikiさんで、この曲はその繋がりで入れました。このアルバムはヴァイナルでも持っていて、よく聴きましたね。

――森田さんの映画はずっと好きなんですか?

Seiho:そうですね。海外の映画では(デヴィッド・)リンチとか(デヴィッド・)クローネンバーグみたいな難解な映画が好きなんですけど、日本だったら森田さんくらいの感じがグッと来るんですよね。なんとも言えない非現実感というか。『キッチン』の話自体もそうなんですけど、僕にとっても家族とか恋人って交換可能なんですよ。

――というのは?

Seiho:家族っていうのは全然唯一の存在じゃなくて、母親が明日から入れ替わっても別に問題ない。これは愛が無いわけじゃなくて、すごい愛を貰ったからこそ、こう言えると思うんです。すごい愛してくれたらかこそ、母親が居なくなっても、母親というものを別のものに見出せる。『キッチン』もそういう話で、ゲイのカップルの話が中心で、男女だから良いとか、恋人という形がどうあるべきとかじゃなくて、親子すらも全て機能でしかない。愛を持っていれば、そこは全然越えていける。

 例えば、すごいおじいちゃんとかでも、その人が子供という機能を持っていたら子供として接することが出来る。実際、離婚して再婚したら、自分より子供の方が年上っていうのはあり得る話ですよね。機能として捉えていたら、人間は乗り越えられるんですよね。

――人間関係をある種、モジュール的に捉えてるということ?

Seiho:そうですね。でも、そうやってバラバラに捉えることもできるのに、産んでここまで育ててくれた母親の偉大さに繋がってくる。だからこそ、僕が例えば養子を貰おうと思っても、その子を愛すことができる。機能でしか無いのに、そこまで愛を持ってくれたということの方がデカいんです。交換可能なものでしかないのに、ここまで育ててくれたっていうのが、やっぱり唯一の関係だなっていうのに戻ってくるんですよね。『キッチン』とか森田さんの作品は、そこを上手く混ぜていて、すごく影響を受けていますね。

Matthewdavid「In My World」


▲Matthewdavid『In My World』

――最後はマシュー・デイヴィッドですね。

Seiho:これはまあ、入れておきたかったなあ。うん。これを聴いていて思ったのが、マシューに子供が生まれたっていうのは僕にとっても大きかったってことですね。

――この『In My World』というアルバム自体、子供が生まれたことがきっかけになって制作された作品ですね。

Seiho:多分僕も、僕は子供が生まれたら子供の世界に入っちゃうんですよね。今は僕の世界にいる。でも、それが子供の世界に入ることになっても不愉快じゃないと思います。

 さっき言った“一周”っていう話もそうなんですけど、子供が生まれたり、結婚したりっていうのは不安じゃないですか? でも、なんか先にマシューが居てくれることで、不安じゃなくなっていくというか。

――よくある言い方ですが、人生の先輩というか。

Seiho:そうそうそう。マシューは近い人間だったし、一緒にツアーも回ったけど、音楽っていうのは人生の先輩が、それこそモーツァルトくらいまで居るみたいな(笑)。

――そう考えると色んな生き方がありますけどね(笑)。

Seiho:だから、その人の人生を知って音楽を読み解いていくと、また色々と違った捉え方ができますよね。

――今回のアルバムはある意味、Seihoさんのパーソナルな部分が出た作品?

Seiho:そうですね。めちゃくちゃパーソナルな感じだと思います。今後は、自分の持っていたパーソナルな部分とか、自分が今回の作品で築いた哲学みたいなものを、さっきのClap! Clap!みたいに、もうちょっとエンターテインとして落としこむ。あるいは、森田さんの映画みたいに判り易いストーリーに落としこむ。そういうのがここからの話なのかなと。とりあえずその原石みたいなものが今回出来たと思います。

 僕ですらまだ全部は分かってないアルバムなので、リテラシーを持って、そうやって読み解いてくれる人がどれだけいるかは分からないですけど、ぜひそういう面からも楽しんで欲しいです。僕はここからどうやって“2周目”にどうやって繋げていくのかを考えていきたいですね。

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