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アンジュルム『七転び八起き/臥薪嘗胆/魔法使いサリー』インタビュー

アンジュルム 『七転び八起き/臥薪嘗胆/魔法使いサリー』 インタビュー

 「「今まで頑張ってきたメンバーがいるのに、そういうのは受け入れられないからファンを辞めます」というコメントがあって……。私、それ、すごく悔しくて、夜ひとりで泣いてたんですよ。」それでも彼女たちは進むしかない。正しく七転び八起き、臥薪嘗胆。「どんどんどんどん続いていけるように「今、未来の為に頑張ろう」って思います。私たちが頑張ってどうにかしないと多分続かないと思うので(笑)。」アンジュルムもまた大河のように続く物語と成り得るか。

 スマイレージからの改名以降、『大器晩成/乙女の逆襲』のヒット、福田花音卒業発表、新メンバーオーディーション開催等々、目まぐるしい現実に翻弄されながらも希望を見出し、今をひた走るアンジュルムより和田彩花(1期)、田村芽実(2期)、室田瑞希(3期)が大いに語る。

「花音、これからもみんなの仕事に関わっていきまーす」

--前回『大器晩成/乙女の逆襲』発売タイミングでのインタビューで、竹内さんは「私、このシングルで売れたいんで。」と仰っていましたが、アンジュルム、売れたんじゃないですか。

※アンジュルム『大器晩成』 (ANGERME[A Late Bloomer]) (Promotion edit(New Ver.))
※アンジュルム『大器晩成』 (ANGERME[A Late Bloomer]) (Promotion edit(New Ver.))

和田彩花:いえいえ。そういう発言を『大器晩成/乙女の逆襲』のタイミングで竹内朱莉ちゃんが結構していたんですけど、結果的にそこまでの状況になってないんで、ちょっと恥ずかしいなって同じメンバーとして思います(笑)。

田村芽実:売り出してはもらえました。

一同:(笑)

田村芽実:でも、結果がどうだったのかとか、手応えとしてどうだったのかとかはスタッフの方々が分かってると思うんですけど、私たちはとにかく頑張ることに徹しました。

--とは言え、過去最高の売上枚数を記録し、セールスランキング2位ですよ? ずっと悔しい想いをしてきた身としては、素直に喜んでいい結果なんじゃないですか。

田村芽実:それは嬉しかったです。

和田彩花:私的に嬉しかったのは、その結果というよりも、いろんな人が「アンジュルム、良いね」って言ってくれたこと。スマイレージからアンジュルムへと新しくなったことでもう一度観て頂けるチャンスが出来て、しかも「大器晩成」という素敵な曲を頂いたことによってアンジュルムを知ってもらえた。そっちのほうが嬉しかったです。

室田瑞希:私たちは、今作が入ってから初めてのシングルだったので、この機会にどんどん有名になりたいなぁ!って思いました。今回のシングル『七転び八起き/臥薪嘗胆/魔法使いサリー』も良い曲ばかりだと思うので、どんどんどんどん上を目指していきたいなって思ってます。

--確実に勢いには乗っていると思います。これまでハロー!プロジェクト自体にも興味がなかったような人たちが「アンジュルム、良いね」「「大器晩成」は凄い」って言ってる場面にもよく立ち会いますし。

一同:えぇー!?

田村芽実:それ、本当ですか!?

--なんでわざわざそんな嘘つかなきゃいけないんですか(笑)。

一同:(笑)

--で、気付けば、和田さんはバラエティ番組『有吉反省会』に出てたり、朝の情報番組『チャージ730!』にレギュラー出演。すごく良い流れが来てると思うんですけど、出演が決まったときはどんな気分でした?

アンジュルム『七転び八起き/臥薪嘗胆/魔法使いサリー』インタビュー
▲和田彩花

和田彩花:『チャージ730!』のお天気お姉さんに関しては、オーディションを受けたんですけど、そのときに「もうちょっと明るく読めたらよかったなぁー」って言われて。それもあって、まさか自分なんかに出来る事じゃないと思っていたんですけど、有り難い事に起用して頂けることになって。新しいことにチャレンジできるのはとっても嬉しいなって思います。長く活動していくと“慣れないことをやる”って減っちゃうじゃないですか。ダンスとか歌も慣れていくとだんだんいろんなことが出来ちゃったりするから、また新しい気持ちで全然出来ないことをやれるっていうのは嬉しいなって思います。

--和田さんのお天気お姉さん、メンバーは観ていたりするんでしょうか?

田村芽実:はい。木曜日は結構観てます(和田彩花は木曜日レギュラー)。爽やかで良いなぁって思いながら(笑)。

和田彩花:かななん(中西香菜)は私が出ない別の曜日も毎日観てるみたいで。その番組で話題になっていたことをブログに書いてたから、「え、『チャージ730!』観たの?」って言ったら「はい、毎日観てます!」って。嬉しいなぁって思いました。

室田瑞希:私は朝起きれないので……

和田彩花:あ、観たことないんだ!

室田瑞希:いや、観たことはあります!「喋るの、上手だなぁ」って思いました!

和田彩花:(笑)

室田瑞希:和田さんは取材とかでもすごくスラスラ喋ってたり、イベントで話さなきゃいけないこととかもメモを渡されたらすぐ憶えちゃうから「あー、さすがだなー」って。私もそうなりたいなって思うんですけど、スラスラ喋ったりする事が苦手なので「和田さんはさすがだなぁ」って思います。

--そんな和田さんのレギュラー出演番組も始まったりと、アンジュルムがどんどん上昇気流に乗っていく中で、突然の福田花音卒業発表。知ったときはどんな気持ちになりました?

※福田花音からのお知らせ、アンジュルムツアー、New Fes!、工藤カメラ、尾形ヘアアレンジ MC:高木紗友希・広瀬彩海【ハロ!ステ#118】
※福田花音からのお知らせ、アンジュルムツアー、New Fes!、工藤カメラ、尾形ヘアアレンジ MC:高木紗友希・広瀬彩海【ハロ!ステ#118】

和田彩花:新メンバーが入るとか、そういう流れで花音ちゃんが突然言い出したことなんですよ。ただ、私は初期メンバーで花音ちゃんとずっと一緒にいたので、そんなに驚くこともせず。「このタイミングなんだな」って普通に素直に受け入れました。

田村芽実:福田さんと二人で会話する中で、元々他のメンバーより“卒業”を視野に入れていたメンバーなのかなというのは、ちょっと感じていました。でもそのときは新メンバーが入る前の6人時代で。実力のあるメンバーですし、「今はまだちょっと!」と思っていて。そんな中、シングル『嗚呼 すすきの』のリリースイベントを福田花音さんが休んだときがあって、その日のライブの福田さんパートのカバーを他のメンバーでして、私は「嗚呼 すすきの」でカバーしたんですけど、その情報を知った福田さんから「全部やってくれたんだね。何でも任せられる気になった」ってメッセージが届いたときに、「あー、本人の中ではもう決まってるんだろうな」って。それから実際に「卒業する」って聞いて、私は「またまたー、嘘でしょ?」って返したりしてたんですけど、それが本当だって言われたときは「そういう時期なのかな」って思いました。ビックリするとかじゃなく。でも新しい夢があっての卒業だから、それは良いことなんじゃないかなって思います。

室田瑞希:私は福田花音さんが卒業する事を全く知らなくて。入ったばっかりだったんで、誰かが卒業するなんて全然考えてもなかったんですよ。聞いたときは「早っ!」って。

一同:(笑)

--新メンバーにとってはそうだよね(笑)。まだ1枚しか一緒にリリースしてなかったし。

室田瑞希:すごく早くてビックリしちゃって。最初は「えぇ?」って思って言葉が全然出なかったんですけど、今は「福田さんが決めたことなので、福田さんが決めた道をちゃんと応援したいな」って。福田さんが安心できるように私たちがもっとしっかりしなきゃいけないのかなって思ってます。

--あと、卒業もそうですが、作詞家を目指すというのも驚きでした。

和田彩花:私も予想外で驚きました。

アンジュルム『七転び八起き/臥薪嘗胆/魔法使いサリー』インタビュー
▲田村芽実

田村芽実:私もビックリしました。「花音、これからもみんなの仕事に関わっていきまーす」みたいな感じで(笑)。「え、なんですか? 会社のデスクとかになるんですか?」「ちがーう。もうちょっと距離が近いかも」「なんですか?」「作詞家です」みたいな、すごく言い方も軽かったんですよ(笑)。だからそのときは「えー? 本当に?」って思ったんですけど、今、本当に作詞の勉強をしているので、もう次の夢に向かって着々と近づいていってるんだなって思いますし、ハロー!プロジェクトのメンバーが福田さんの書いた歌詞を歌う未来も本当に有り得るんだなって。

和田彩花:あるかもですね。

田村芽実:それは素敵な未来だなって思います。

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同じ期間、同じハロプロの姿をずっと見てきた 他の何者にも変えられない

--田村さんにとって福田さんはどんな先輩なんでしょう?

田村芽実:和田さんもそうなんですけど、最近は妹みたいな感じがします。

--どういうこと(笑)?

和田彩花:え、私も!? 嘘でしょ?

田村芽実:2人とも。

和田彩花:お姉ちゃんだと思ったことないんだけど(笑)!

--田村さんの中では2人の先輩は今や妹であると。

田村芽実:元々は2人が私のお姉ちゃんみたいな感じだったんですけど、最近すっごい甘えてくるんですよ、私に2人とも。

和田彩花:甘えてない!

一同:(笑)

田村芽実:甘えてきますよ! 和田さんはいつも会うと「めいめい!」って……

和田彩花:言わないよ!

田村芽実:駆け寄ってくるんですよ!

--そんな一面もあるんですね。

※スマイレージ 『有頂天LOVE』 (MV)
※スマイレージ 『有頂天LOVE』 (MV)

和田彩花:ないです(笑)!

田村芽実:福田さんにもそんな感じで妹みたいでいてほしいなって思うんですけど、私は元々4人のスマイレージ(和田彩花/福田花音/前田憂佳/小川紗季)に憧れていたので、だから和田さんと福田さんは今でも、私の中の永遠のアイドルっていうか……

和田彩花:(笑)

--永遠のアイドル、笑っちゃってますけれども。

田村芽実:私、本当に大好きだったんですよ! 4人のスマイレージに会うまでは、私、全然ミーハーじゃなくて、テレビの世界とかアイドルの世界とか全然知らなくて、全く興味がなかったんです。だからいつも昔の歌しか聴いてこなかった人間だったんですね。でもスマイレージに出逢って人生が本当に180度変わって! 私のすべてを変えてくれた存在なんです、4人のスマイレージは。今でもずっと憧れです。だから福田さんが卒業するのも、4人のスマイレージ時代のメンバーが和田さん1人になっちゃうのも寂しいんですけど、でも今はアンジュルムとして活動している訳ですし、あの4人のスマイレージは私の中にずっとあるものって思ってます。

--和田さんにとっては、福田さんはどんな存在だったと感じますか?

和田彩花:そんなにお互い干渉することもなく……そういう関係なんですよ。

--不思議ですよね。これだけ長いこと一緒にいたら、2人の絆エピソードとかどんどん出てきそうなもんですけど(笑)。

和田彩花:あります、あります。でもそれと同じぐらいケンカエピソードもかなりあるんです。小さい頃は毎日ケンカだったので……

田村芽実:ケンカするほど仲が良いってことですか?

和田彩花:いや、それとはまた違って(笑)。

--どんなことでケンカしてたんですか?

※スマイレージ 「夢見る 15歳」 (MV)
※スマイレージ 「夢見る 15歳」 (MV)

和田彩花:一番よく憶えているのは、小学生のときにハロー!プロジェクトのコンサートがあって、私たちはハロプロエッグと呼ばれていたんですけど、そのエッグの中で別々のチームに分かれるんですよ。「誰々はこっち、誰々はそっち」って。私は花音ちゃんから「あやちょはこっちでしょ! 味方でしょ! 荷物、こっち持ってきて!」みたいに言われて、それで自分の荷物を全部持っていって、それから花音ちゃんの手下として結構働いてました(笑)。あと、私と花音ちゃんが別々のチームになったとき、お互いのチームの小学生3年生ぐらいの女の子たちが口ゲンカしてて、そこに私たちも入って「泣いたら負けだぞ!」「そんなの関係ないし!」って声援でケンカするっていう……楽しい思い出だな。

--(笑)

和田彩花:でも大人になるにつれ、自分の道というものをお互いにどんどん歩んでいったので、そういうケンカみたいなことは本当になくなりましたね。高校生になったぐらいから。ケンカをしながらもお互いに関わっていたけど、ずーっとずっと。ただ、スマイレージが6人になってからは、初期メンバーで頼れるメンバーは花音ちゃんしかいなかったし、「元々はこうだよね?」とか、その元々の形を共有できるのは花音ちゃんだけだなって思ったし、同じ期間、同じハロプロの姿をずっと見てきたっていうのは、他の何者にも変えられないものだなって思いますね。でもだからと言ってお互いがお互いをそんなに干渉しないし、もうそれぞれの道だったので、卒業の時期もバラバラですし。「あやかのん(和田彩花&福田花音)はずっと一緒だった」とか「一緒に卒業するのかと思ってた」ってブログのコメントによく書いてあったんですけど、「みんなからはそんな風に見えてたんだ?」って驚きました。実際は結構バラバラな考え方だから。でもそれで良かったなと思っていて。それほど“自分”っていうものをそれぞれが確立できて良かったなって。

--室田さんにとって福田さんはどんな先輩だったんですか?

アンジュルム『七転び八起き/臥薪嘗胆/魔法使いサリー』インタビュー
▲室田瑞希

室田瑞希:私が加入したときからすっごい仲良くさせてもらっていて、福田さんのほうから話しかけてくれたり、一緒にご飯に連れていってもらったりして。あと、福田さんはすごく面白いんですよ。場の雰囲気をすごく明るくしてくれる存在なので、最近は福田さんが面白いことをしている姿を見ながら「福田さんが抜けると、この面白い感じを発信する人は誰になるんだろうなぁ」って思っちゃったりしちゃうんですよ。新メンバーがまだ馴染めていないときも福田さんが面白いことをして、私たちが笑って、それでどんどん馴染めていった部分もあったので。なので、悲しい気持ちもあるんですけど、今は今を楽しみたいなって思ってます。福田さんがいるアンジュルムを楽しみたいなって。

--11/29日本武道館での卒業公演まで、福田さんとどんな風に過ごしていけたらいいなと思いますか?

室田瑞希:私はまだあんまり話せてないんですよ。卒業する事が決まってからも今までと同じ感じなので「自分から話しかけに行きたいなぁ!」って思うんですけど、なかなか行けないんです。それで福田さんから「むろ~」って来てくれることが多いので、これからは私からも話しかけたいなって思います。今までの倍ぐらい話しかけたいなって思います。

--そんな福田花音卒業発表の直後に、改名&新メンバー加入後初となる日本武道館公演が5月26日に開催されました。自分たちの中ではどんな印象、感想を持たれていますか?

※アンジュルム・モー娘。'15武道館、こぶし・つばきカラー発表、稲場ヘアアレンジ MC:和田彩花・野中美希【ハロ!ステ#120】
※アンジュルム・モー娘。'15武道館、こぶし・つばきカラー発表、稲場ヘアアレンジ MC:和田彩花・野中美希【ハロ!ステ#120】

和田彩花:感覚的には「嬉しかった、楽しかった」っていうのはあるんですけど、映像をまだ観れていないので「どうだったか?」って言われると、正直分からない部分がいっぱいあります。ただ、あの日の武道館公演は9人になってすぐだったので、そこでの大変さはありましたね。新しく変わっちゃったというか、違うグループになっちゃったっていうのがあったので、そこが私的には「どうしたらいいんだろう?」と悩んだところで。スマイレージと同じまんまではダメだし、「どういう気持ちでいたらいいのかな?」とは思ったけど、9人でのリハーサルをやってたら「あんまり変わらなくてもいいのかな」と思えたし、アンジュルムをあんなにたくさんの人に観てもらえるチャンスはなかなかないので、素直に「楽しんでもらえるように」っていうことを一番に考えました。結果、それでまた9人の形が出来たので、そういう意味では良いステージになったなと思うし、良いスタートになったなと思います。

田村芽実:私もアンジュルムに変わってからは初というので、スマイレージの武道館のときとは全く違う気持ちでした。それでステージに立つ前も緊張はしていたんですけど、後輩が出来た事で6人のときと比べたらそこまで緊張はしていなくて、最後まで後輩を慰めたり励ましたりしている自分に対して「あ、これがアンジュルムなんだ」って思いました。2期メンバーが入ってしばらくは増員もなかったし、名前が変わることもなかったんですけど、3人が入ったってことはきっとこれからも新しいメンバーは次々と入ってくるだろうし、モーニング娘。さんとかもそういう感じだと思うんですけど、新しいメンバーが入る度にその上のメンバーもどんどん成長していって、グループだけじゃなくてメンバー1人1人も進化していくのがアンジュルムなんだなって思いました。

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「メンバーと結婚できたら本当に楽しいだろうな」って考えてたら

--新メンバーと一緒にパフォーマンスするっていうのは、田村さんからするとどんな感覚だったりするの?

田村芽実:3人はとりあえずガムシャラに元気いっぱいに歌って踊っていると思うんですけど、私も今まではそうだったんですよ。でももう私はそれだけではいけない。自分のことだけじゃなく、会場全体のバランスを観ながらライブしようと思って、あっちで面白いことやってるメンバーがいたら自分はちゃんと踊るし、みんなが固く一生懸命踊ってたら自分はちょっとおふざけしてみたり、そういうことを周りを見ながら出来るようになったんじゃないかなって思います。

--そういった新メンバーが加入したゆえの意識の変化って2期全体にあったりするんですか?

田村芽実:うーん……変わったメンバーもいるんじゃないかなって思います。ただ、2期メンバーは危機感というものはないんですよ。「私たちは私たち」っていう意識が2期メンバーにはあると思うので、「私たちはこうなんだ!」って自分たちのカラーを出そうとしているのはすごく分かります。今、2期は見せ場が少ないからこそ、そこで落ち込むんじゃなくてどこかで一泡噴かせてやろうみたいな感覚があるんですよ。特に竹内朱莉ちゃんと勝田里奈ちゃんからはそれを感じます(笑)。そういう意味では、新メンバーが入ってきてくれたおかげで、2期メンバーの色がより濃くなってるんじゃないかなって思います。

--そんな先輩たちと立った初めての武道館、いかがでした?

室田瑞希:私は直前になってすごく緊張するタイプなんですよ。相川茉穂ちゃんは早々に泣いたりしてたんですけど、私は全然緊張してなくて、楽しみのほうが全然強かったんです。そしたらステージに立ってもほとんど緊張しなくて。でもMCで急に緊張してきちゃって、足が震え出しちゃって。外には伝わらないんですけど、足の芯が震えてる感じで。

--でも新メンバーの中で一番しっかりしている印象でしたよ。佐々木さんは勝手に泣き出して、それを「あいあい(相川茉穂)が泣くから……」と人のせいにしてましたし(笑)。

室田瑞希:私も元々すごく泣き虫で、もらい泣きとかもすごくしちゃうんですよ。でもあの日は、まず佐々木は子供なのですぐ泣いちゃうだろうし、相川茉穂ちゃんは元々緊張すると泣いちゃうタイプだと分かっていたので、多分2人とも泣いちゃうだろうなって。だから私ぐらいはしっかりしないと「新メンバーみんな緊張しすぎじゃないか!」って言われちゃうと思って、泣かないように頑張りました。

--リーダーの目に新メンバーはどんな風に映ってるの?

和田彩花:入ったときと変わらず一生懸命やってる感じは「凄いなぁ」って思うし、これから入ってくる新メンバーがきてもそのままの調子でやってほしいなと思います。武道館を迎えるにあたってみんなでMCについて話し合いをしたら、その話を3人は全部受け入れてくれて。そこから3人の発する言葉が全然変わって、MCでも「楽しい」とか「ドキドキする」だけじゃなく自分の素直な気持ちを言えるようになってて、「あ、ちゃんと考えてくれたんだな」「成長したなぁ」って嬉しく思ったので、このままそういう気持ちを忘れずスクスク育ってくれたら何よりも嬉しいです。

--新メンバーは可愛いんですか? 自分の中で。

和田彩花:もちろん!

田村芽実:でも2期のことはあんまり可愛いって言ってくれないんです。

一同:(笑)

田村芽実:「可愛くない2期メンバーが大好き!」とか言って(笑)。

和田彩花:いやいや、違うんです。2期は「可愛い」よりも「大好き!」っていう気持ちが大きいんです。ふぅー(息を吸い込んで)、感じてるのかな? 2期はそういうの。こんなに私が大好きなのに!

--リーダーは2期を溺愛していると。

和田彩花:私はすごく2期が好きなんですね。だから「めいめい、2期と結婚したい」って言ったら、「そういうのは違います」って怒られちゃったんですけど、その夜「メンバーと結婚できたら本当に楽しいだろうな」って考えてたら眠れなくなっちゃって!

--完全に恋ですね。

和田彩花:これ、話したことないんですけど! 恥ずかしいから!

田村芽実:なんか「好き」って言うのはすごく伝わるんですよ!

--なんですか、こののろけ話は(笑)。

田村芽実:「あやは花音ちゃんが卒業しても2期がいるから平気! 2期がいれば何でも出来る!」って、もう「2期、2期」言ってくれてすごく嬉しいんですけど、でも「可愛くない2期が好き!」って言ってくるから(笑)。

和田彩花:2期って頼もしいじゃないですか。もう「自分たちは自分たち!」っていうのが前からあって、そういうところが大好きですね!

--あと、あの日の武道館で印象的だったのは、『大器晩成/乙女の逆襲』の破壊力。ライブでやればやるほど力を増していきますよね。実際にパフォーマンスしている身としてはいかがですか?

※アンジュルム『乙女の逆襲』 (ANGERME[A Girl's Counterattack]) (Promotion edit)
※アンジュルム『乙女の逆襲』 (ANGERME[A Girl's Counterattack]) (Promotion edit)

和田彩花:最近、ハロー!プロジェクトのコンサート【Hello!Project 2015 SUMMER】が始まったんですけど、ハロコンって自分たちのファンより他のグループのファンの人が多い印象なんです。それなのに「大器晩成」はめっちゃ盛り上がるんですよ! 最後の大合唱もすごく大きい声で歌ってくれて「凄いなぁー、めっちゃ盛り上がってるじゃん!」って思いながら踊ってます。

田村芽実:「大器晩成」は初めて聴いたときから盛り上がる曲だとは思っていたんですけど、ここまで盛り上がるとは全く思っていなかったので、それはすごく嬉しいなって思います。「乙女の逆襲」もスマイレージ時代にはなかった曲調だったので、最初は探り探りのところもあったんですけど、今は「私たちの「乙女の逆襲」」って胸を張って言えるので、本当に良い曲たちを頂いたなって思います。

--そんな『大器晩成/乙女の逆襲』に勝るとも劣らない新シングル『七転び八起き/臥薪嘗胆/魔法使いサリー』が完成しました。自分たちでは今作にどんな印象を?

※アンジュルム『臥薪嘗胆』(ANGERME [Extreme Hardships]) (Promotion edit)
※アンジュルム『臥薪嘗胆』(ANGERME [Extreme Hardships]) (Promotion edit)

和田彩花:全然タイプの違う3曲が集まってるんですけど、でも引き続き私たちにしか歌えないような歌詞だったり、歌だったりして、すっごい嬉しいです。特に「臥薪嘗胆」なんて歌ってると去年のツアーとかを思い出して、ついつい涙が出そうになります。この歌をうたってて自分も勇気をもらえるというか、それがすごく嬉しいです。

--ついつい涙が出そうになるのはどの部分ですか?

和田彩花:「苦い思い出ほど甘くなる」。去年のツアーは本当に苦かったけど、今みんなで思い返すとめっちゃ楽しい思い出なんですよ。あのツアーは体力的にもキツかったし、今までの経験の中でもとにかく必死でした。でもそれすらも今は笑い飛ばせる思い出になってて「大変だったけど、本当に良い経験だったなぁ」って、その歌詞で強く感じるんです。ツラいながらも合間合間でみんなと楽屋で遊んでいたこととかも思い出しますね。

--田村さんと室田さんは今作にどんな印象を?

※アンジュルム『魔法使いサリー』(ANGERME [Sally the Witch]) (Promotion edit)
※アンジュルム『魔法使いサリー』(ANGERME [Sally the Witch]) (Promotion edit)

田村芽実:「七転び八起き」と「臥薪嘗胆」は曲調は違うんですけど、どっちも深い応援ソングというか、どちらの曲にも「チャンス」という言葉が使われていたり、とりあえず今は踏ん張り時っていう状況は共通なんです。そして「魔法使いサリー」は、昔のアニメの曲をカバーさせて頂いてるんですけど、私のサリーちゃんのイメージは手の届かないぐらい大きい存在なんですよ。サリーちゃん、元々すごく大好きだったので。なので、こうやってサリーちゃんの歌をうたえること自体が幸せなことだなって思います。

室田瑞希:私は「臥薪嘗胆」の歌詞を読むと「本当にその通りだな」って思うことがたくさんあって。さっき和田さんが言っていた「苦い思い出ほど甘くなる」もそうですけど、聴いている人が自分と照らし合わせても共感できる部分がたくさんあるんじゃないかなって思うんですよね。「たったの一度の人生じゃないか」とか、たしかにそうだよなぁって思うところがすごくたくさんあるんです。「七転び八起き」もそうなんですけど、本当に勇気付けられるシングルだと思います。

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ずっとずっと続いていくアイドルグループになれる可能性

--今作も『大器晩成/乙女の逆襲』からの流れを感じるというか、今はまだ報われなくても必ず輝いてみせようとするハングリーさ、生き様が一貫されています。これこそスマイレージの歴史があった上での今のアンジュルムのモードなんでしょうね。

※アンジュルム『七転び八起き』(ANGERME [Ups and Downs]) (Promotion edit)
※アンジュルム『七転び八起き』(ANGERME [Ups and Downs]) (Promotion edit)

和田彩花:本当にその通りだと思います。グループはアンジュルムに変わっちゃいましたけど、スマイレージであったことは事実だし、別に捨てるものでもないなと思うので、自伝と言ったら大袈裟かもしれないですけど、スマイレージからアンジュルムへと物語を渡っていくような印象があります。でもアンジュルムから私たちのことを知った人は「なんでアンジュルムはこんな曲ばっかり歌ってるんだ?」って思うかもしれない(笑)。でもそういう人も調べてみたら「おー!こんなストーリーがあったんだ!?」ってなるだろうから、そこはちょっと調べてもらえたら嬉しいなって思います。

--あと、例の武道館で「臥薪嘗胆」が初めて披露されたとき、「あ、今年のアンジュルムはどのシングルも四字熟語で攻めるんだ?」と思いました。

一同:(笑)

--この次ももし四字熟語タイトルの曲を歌うとしたら、どの四字熟語がいいですか?

和田彩花:うーん……私はちょっと四字熟語に弱いので、めいめいに任せます。

田村芽実:えー、やだやだやだ! 私も弱いです! でも……そうだなぁ、漢字が難しいのはやめてほしいなぁ(笑)。シングルのタイトルって宣伝する為にいっぱい書く機会があるんですよ。「臥薪嘗胆」なんてもう画数が多すぎて! 次は簡単な漢字にして頂きたいです。字が潰れちゃうと「書き直し!」って言われちゃうんで。

--室田さんは?

室田瑞希:私、知ってる四字熟語があんまりないんですけど、有言実行。ちゃんと上を目指しているので、自分で言ったことはちゃんと叶えたいなって思います。

--新メンバーの回答が一番しっかりしているという(笑)。

和田彩花:いや、世の中には言っても叶わないこともあるんです。

--和田さんが言うと説得力あり過ぎます。

和田彩花:言っても言っても叶わないことが……

田村芽実:じゃあ、不言実行!

--言わずに実行すると。

田村芽実:それも格好良いなぁって思います。私、不言実行派です。

和田彩花:あやもそのパターンです。

田村芽実:って言ってる時点で不言実行じゃなくないですか?

一同:(笑)

--四字熟語はちょっと難しかったということで(笑)、ストレートな質問に戻します。これからのアンジュルムはどうなったらいいなと思いますか?

和田彩花:これから新メンバーを迎えようとしている今は、全然これからのことが見えないから「こうなったらいいなぁ」っていうものも想像できないんですよ。けど、「こうなりたい」っていうのは常にあって、アンジュルムとしてだったらまずはホールツアーが出来るようになりたいなって思いますし、それを定期的にやらせて頂けるように頑張りたいなって。それが今一番の夢です。(※このインタビューの後日、ホールツアー開催決定!)

田村芽実:新メンバーも入ってくるので、進化していきたいなって思いますし、今は福田さんの卒業が「ビックリ」とか「珍しい」って世間的にはなってるんですけど、きっとこの先5年後、10年後は全く違う形になっていると思うんです。でもそれはアンジュルムがずっとずっと続いていくアイドルグループになれる可能性を持っているってことだと思うんですよ。たとえ自分が卒業したとしても自分がいたグループが続くということは、嬉しいことじゃないですか。みんなに「私、昔、このアイドルグループに入ってたんだよ」って自慢できますもん。なので、アンジュルムが何年先も何十年先も何百年先もずっと続いていくグループになったらいいなって思います。

和田彩花:そうなったらギネスブックに載るかもしれないですね。

--ただ、モーニング娘。が存在する限り超えられない……

和田彩花:あ、そうだ!

一同:(笑)

--和田さんにも「アンジュルムがいつまでも続いてほしい」という想いはありますか?

和田彩花:もちろんあります。でもそういう形になったら今度は無い物ねだりになって、変わっていっちゃう悲しさがどんどんどんどん身に沁みるっていうか。本当に今の9人が好きなんですけど、それの活動期間が1年。本当に儚いなって思いますね。「ずっと同じメンバーでいられたら幸せだな」って今になって思いますけど……でもそういう決断をしたので。そこはもう置いて、どんどんどんどん続いていけるように「今、未来の為に頑張ろう」って思います。私たちが頑張ってどうにかしないと多分続かないと思うので(笑)。

--室田さんは今後のアンジュルムについてどんなことを考えてますか?

室田瑞希:私たちはまだ入って間もないですし、ハッキリしたことは言えないんですけど、新メンバーが入ってくるにつれて、私たちが教えていかないといけないことも増えてくると思うので、今からもっといろいろ吸収して、ちゃんと教えられる人になれるように成長しなきゃいけないなって。今はやっぱり先輩たちに任せてしまっている部分がたくさんあるので、しっかりしなきゃいけないな!って思います。

--では、〆に入ります。これから先、福田花音卒業などいろんなドラマが待っていると思うんですが、そのアンジュルムの物語に注目している皆さんへメッセージをお願いします。

室田瑞希:新メンバーがオーディションで決まれば入ってくるので、もっともっとレベルアップしたアンジュルムを見せていきたいなって思っています。そしてどんどんお客さんを集めて、もっともっと大きい会場に立てるように頑張りたいなって思います!

田村芽実:こうやってどんどんグループの形が変わっていく中で、初期のメンバーの皆さんはたくさんいろんな経験をしたと思うし、2期メンバーも入ったときはサブメンバー、バックダンサーから始まっていろいろあって、そこに3人が入って、そして更に新メンバーの募集をすることが決まったことをブログに書いたときに「今まで頑張ってきたメンバーがいるのに、そういうのは受け入れられないからファンを辞めます」というコメントがあって……。私、それ、すごく悔しくて、夜ひとりで泣いてたんですよ。これって誰も悪くないじゃないですか。そう分かってるんですけど、すっごい悲しくて。……でも、やっぱり、どんな形になっても私たちは私たちだし、どんな風に変わってもアンジュルムのストーリーは続いていくと思うので、どんな形になっても私たちを応援してほしいなって思います。

和田彩花:めいめいの話の続きになりますけど、私がもしファンだったら?と思ったら「途中で辞めちゃうな」って思ったんですよ。こんなにもいろいろ変わっていって、応援していたものがどんどんどんどん変わっていくのに多分ついていけない。でもだからこそ、そうやって変わっていくのが楽しいって思ってもらえたら良いなって。あと、新メンバーを募集するのも進化する為にやってる訳じゃないですか。けど、ブログのコメントに「進化って言うけど、別に入れなくったって進化できるんじゃないの?」って書いてあったんですね。「あ、そういう手もあるな」って思って。入れることが全てじゃないというか、それもひとつの手だなって。だからいろんな形の進化を見せていきたいなって思いました。それを「楽しい」でみんなが乗り越えられるようにしていけたらいいなって思います。

Interviewer:平賀哲雄

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アンジュルム「七転び八起き/臥薪嘗胆/魔法使いサリー」

七転び八起き/臥薪嘗胆/魔法使いサリー

2015/07/22 RELEASE
HKCN-50426 ¥ 1,760(税込)

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  1. 01.七転び八起き
  2. 02.臥薪嘗胆
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  4. 04.七転び八起き (Instrumental)
  5. 05.臥薪嘗胆 (Instrumental)
  6. 06.魔法使いサリー (Instrumental)

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アイノケダモノ/同窓生
アンジュルム「アイノケダモノ/同窓生」

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アンジュルム「アイノケダモノ/同窓生」

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