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Helsinki Lambda Club『ヘルシンキラムダクラブのお通し』インタビュー

Helsinki Lambda Club 『ヘルシンキラムダクラブのお通し』 インタビュー

「一筋縄じゃいかない」UKPが放つクセのある新星、1stシングルをドロップ!

 UK.PROJECT主催のオーディションで応募総数約1000組の中から、見事に最優秀アーティストへ選出された注目の若手バンドHelsinki Lambda Clubが、1stシングル『ヘルシンキラムダクラブのお通し』をリリースした。本作のタイトルにある“お通し”など、かっこつけないかっこよさがクセになる彼らの音楽観について、たっぷりと語ってもらった。

<記念すべきデビュー作のc/wでスーパーカーをカバーした理由>

--12月10日にUK.PROJECTからシングル『ヘルシンキラムダクラブのお通し』をリリースしましたね。いきなりカップリングから訊くのも何ですが、記念すべきデビューシングルの2曲目で、いきなりスーパーカーの名曲「DRIVE」をカバーした経緯は?

▲YouTube「Helsinki Lambda Club - バンドワゴネスク (MV)」
▲YouTube「Helsinki Lambda Club - バンドワゴネスク (MV)」

橋本薫:「新人のデビュー盤でいきなりカバーってどうなの?」とか「そこ今やるんだ?」っていう反応があると思うんですけど、“90年代終盤の音楽をあえて今やっちゃおう”っていう、既存のデビューシングルに対する反抗心のような気持ちがありました。そこであまり今すぎず、昔すぎないようなものを考えていた時に、パッと思い浮かんだのが、スーパーカーだったんです。でも所謂名曲を原曲通りなぞってやっていても絶対負けちゃうと思ったので、アコースティック主体のシンプルな原曲をバンドサウンドでアレンジすれば新しいものができるんじゃないか?っていう賭けみたいなところもありました。

--デビューシングルを8センチでリリースした理由も、そういった反抗心から?

橋本薫:最近はオーディションに優勝してデビュー、みたいなカタチが結構多いと思うんですけど、そういうのってどうしても優等生というか、すんなり行く感じで面白くないような気がして。せっかくこういうクセのある(笑)、UK.PROJECTが開催するオーディションの第1回で優勝させてもらったのなら、“仕掛けていこう”と。そういう話の中で“8センチを今、出したら面白いんじゃない?”って。そうやっておもしろいことをやりたいって考えた結果ですね。既存の流れみたいなものに対して、“一筋縄じゃいかないぞ”っていう、ちょっとした反抗です(笑)。

--皆さんがこれまでに発表してきた楽曲 ―――例えば「ユアンと踊れ」などが顕著ですが、各パートの音がそれぞれ主張していて、パキッとしたサウンドが多い印象がありました。対して今回のシングル1曲目の「バンドワゴネスク」に関しては、所謂わかりやすいバンドサウンドになっていますよね。

Helsinki Lambda Club 『ヘルシンキラムダクラブのお通し』インタビュー

橋本薫:「バンドワゴネスク」は全然デビューとか考えられない時期に作っていた楽曲なんですよ。ようやくデビューという形になって、せっかく1stシングルを出すんだったら、夢みたいな、ロマンみたいなものがある曲をだせたらいいなーって思って。特別なことは何もやってないけど、「バンドワゴネスク」は歌詞が凄くストレートに伝わる曲だし、バンドとしても思い入れが強い曲でもありますね。

--1stシングルを“名刺代わり”とするアーティストは数多くいます。極端に言えばもっと各プレイヤーの特徴をわかりやすく見せられる楽曲を……、という選択肢もあったと思うのですが?

アベヨウスケ:僕はドラムで目立ちたいとは思わないので、むしろ歌を聴いて欲しいと思ってます。『ヘルシンキラムダクラブのお通し』を聴いた後に他の曲を聴いてくれれば、もっと面白がってもらえるかなって。

佐久間公平:僕もこの曲しかないなと。

稲葉航大:楽曲のジャンルも曲の好みもバラバラですし、バンドの顔になるような曲もないので、結局のところ全部聴いてもらわないと分からない部分はあると思うんですよ。だから僕には、音源じゃ伝わらないことをライブで伝えられればいいなっていう想いもありますね。

--今のシーンには、4つ打ち系の同世代バンドが隆盛を極めている所があると思いますが、そうした流れに乗って行こうとは思いませんでしたか?

橋本薫:確かに4つ打ちをやる気持ちはすごくわかるんですよ。4つ打ちって乗れるリズムだと思うし、否定的な気持ちもないですけど、やっぱりそこに流れすぎてもというか、“こういう風にしておけば、とりあえず盛り上がるし数字も出るんじゃない?”みたいに大人の事情を考慮して、同じ様にやるのもつまらないじゃないですか。 ただ、いざデビューが決まって結果残したいと考えた時に、“リスナーに寄せなきゃいけないのかな……?”という気持ちも感じてはいて、実は一瞬、曲が書けなくなったりしたことがあったんですよ。だから成功している例にしがみつきたくなる気持ちはわかるんですけど、自分たちが一番納得いく形でやっていけたらな、という感じです。

--バンドとしては、既存の枠にとらわれないスタイルを貫く?

橋本薫:真っ向からカウンターでいくのではなく、横の方から「僕たちはこうですよ~」ってやれたらなって。でも、人と違う事をするというのは、とても勇気のいることだと思います。

アベヨウスケ:流行りの曲は嫌いじゃないけど、自分たちがやっても面白くなると思わないですね。僕らは4つ打ちの流行が落ちてきた時に、あえてそのタイミングで一番ダサくてクッソ早い4つ打ちとかをやりたくなっちゃうバンドなんですよ(笑)。

橋本薫:かっこつけたくないもんね。

稲葉航大:かっこつかないもん、このバンド。俺くらいしかイケメンいないし!(笑)





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<自分たちは一番納得いく形でやっていけたら>

--皆さんは以前、それぞれ別のバンドで活動をされていたとのことですが、音楽性のルーツがあればお聞かせください。

▲YouTube「ユアンと踊れ【Music Video】/Helsinki Lambda Club」
▲YouTube「ユアンと踊れ【Music Video】/Helsinki Lambda Club」

佐久間公平:僕は中学生ぐらいのときに聴いてたのがHi-STANDARDで、高校の時にThe band apartを知ったりとか、僕はそういうところから来てますね。あと、高校のときはジャズ研究部に入ってたので、ジャズとかフュージョンも聴くようになりました。

稲葉航大:中学2年生ぐらいのときに、同じ吹奏楽部の友達にNUMBER GIRLとかASIAN KUNG-FU GENERATIONとかを教えてもらってバンドものを知ったので、そもそもバンドを全然知らなかったんですよ。 で、ちゃんとバンドを意識して聴き始めたぐらいの時期にV系にすごいハマって(笑)、Janne Da ArcとかGLAYとかを好きになって、それを聴いてバンドやりたいって思った……のかな。

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アベヨウスケ:高校までは80~90年代の商業ポップみたいな音楽が好きで、友達の影響でハードロックとかメタルのコピーみたいのをずっとやってました。その後に邦ロックとかも聴くようになってからは、クラムボンが本当に大好きになって。そこで歌心のあるドラムというか、“歌がメインの中でどうするか?”っていうドラムをすごい好きになったんです。だから何に影響受けたかを訊かれたらクラムボンですかね。

橋本薫:僕はロックンロール・リバイバルのザ・ストロークスとかザ・リバティーンズとか、2000年代初頭のポストパンクのブロック・パーティとか……。あと90年代のオルタナが好きなので、ペイブメントとかの要素も取り入れてるのかなっていう感じはしますね。

--歌詞は橋本さんが書かれていますが、「ルイジアナの類人猿」や「インスタント遁世」など、言葉遊び的な表現が多いと感じました。歌詞は実体験に基づくのでしょうか?

橋本薫:基本はそっちのほうが多いんですけど、実体験の歌詞ばかりだとやっぱりつまんないししんどいというか、それ以上広がっていかないじゃないですか。だから自制する意味で敢えて意味のないような歌詞を作ったり、全く別の角度からのフレーズを入れるように心がけたりはしてますね。

--ただ、そういう歌詞の楽曲ですと、伝えたいことがリスナーに届きづらい一面もあると思います。

橋本薫:僕は聴く側がその言葉を深読みしてくれればいいな、という想いがあって、あえてそういう言葉を使ってる部分もありますね(笑)。

--ちなみに、メンバーの皆さんは橋本さんの歌詞を、どこまで消化した上で演奏しているのでしょうか。

橋本薫:それは、気になるところですね(笑)。ただ、歌詞についての説明は、メンバーにあまりしません。

稲葉航大:いや、全然、全然ないよ!!(笑)

橋本薫:まあ照れもあるんですけど。説明しすぎて僕のイメージで作るよりは、それぞれのメンバーの解釈で作り上げていってもらう。そのほうがバンドをやる意味ではおもしろくなるのかなって。

--歌詞の意図と違う音が鳴っても、おもしろければOK?

橋本薫:“どうしてもここはこういう雰囲気で!”ってときは意図を伝えたりもしますけど、予想の上を行きたいという気持ちでバンドをやっているので。それはみんなわかっていてくれるし、“ああ、そうくるんだ”っていうのがあったりもするので、あんまり気にしてないですね。

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<今後に対しては怖さよりも楽しみ>

--Helsinki Lambda Clubのライブパフォーマンスを観ていると、それぞれが好きなことやってると感じます。特に稲葉さんは、ステージ上での派手なパフォーマンスが定番になってますよね。

▲YouTube「檸檬倶楽部~インスタント遁世(Live)/Helsinki Lambda Club」
▲YouTube「檸檬倶楽部~インスタント遁世(Live)/Helsinki Lambda Club」

稲葉航大:ライブに関してはもう自由にやらせてくれて、口出しとかもないんで、もう好きにやってます。ぜひ、僕の動きを観にライブに来てほしい(笑)。これでも結構僕はちゃんと冷静になってやってるんですけど、かといって“観てる人がどう思うか?”ってことは気にしてない。“自分が楽しければいいや”っていうスタンスでやってます。

--また、作詞作曲というのは、自分の蓄積の中から削り出して形にしていく作業だと思います。過去の作品などを聴いていると、よくぞあそこまで色々な音楽を……と感心する反面、あれだけの表現を詰め込んでアウトプットし続けていくことへの不安や恐怖もあるのではないかと感じたのですが。

橋本薫:それは最近、特に感じてますね。ここの所、新作に向けてのレコーディングなどもやっているんですけど、また次のCDを出すとしたら新曲をガッツリ入れなければいけないわけで。……正直、ここ最近で出し尽くした感があるような

稲葉航大:いやいやいや! 早ぇよ!(笑)

--クリエイティビティは、いつか枯れるものだと思いますか?

橋本薫:弱気になるから、そう感じるんだと思います。日々、何かを感じながら生きていれば枯れることはないと思うんですけど、常に一定の間隔で曲を作り出していくことは難しいものなので。そういった不安定さを考えると、不安を抱くこともありますね。やっぱり同じことは続けたくないので、これからどんどん怖くなるんだろうなっていう感覚はあります。

--では、他のメンバーの、プレイヤーとしての蓄積はどうでしょう。

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稲葉航大:蓄積? いや~……

--稲葉さんにはまだ、Janne Da Arcの蓄積は残ってますよね(笑)。

稲葉航大:確かにそれはまだ全然出してないですね(笑)。

橋本薫:僕もそろそろラルクを出していかないと(笑)。

--ただ、冗談抜きで、そういったところまで吸収する可能性を感じさせるバンドではありますよ、Helsinki Lambda Clubって。

アベヨウスケ:だから僕の場合、今後に対しては怖さよりも楽しみな気持ちのほうが大きくて。同じバンドのメンバーだけど(橋本)薫のファンというか、ファンとして“このバンドがこれからどうなっていくのかな”っていう部分も面白いんですよ。

--ということは、今あるHelsinki Lambda Clubの姿が、これからどんどん変わっていく可能性もある?

橋本薫:自分たちはこういうスタイルですってキッパリ決めているバンドでもないので、本当にその時、出したいものを出していきたいなって思ってます。流行を気にするわけでもなく。だから、自分たちでも先は読めないですね。来年あたりはヒップホップをやってるかもしれない(笑)

Interviewer & photo:柴田大基/星野加奈/及川菜帆/高橋光子/橋本大輝
取材、編集協力:杉岡祐樹
協力:UK.PROJECT

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Helsinki Lambda Club「ヘルシンキラムダクラブのお通し」

ヘルシンキラムダクラブのお通し

2014/12/10 RELEASE
UKCD-1150 ¥ 611(税込)

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