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<インタビュー>King & Prince髙橋海人、KAITOとしてソロ始動 1stシングル「swim?」で見せる決めつけない自分

Interview & Text:菊地陽子
King & Princeの髙橋海人が、「KAITO」名義でソロプロジェクトをスタートさせた。10月5日リリースの1stシングル「swim?」は、作詞作曲に加え、アートワークにMVと、あらゆるクリエイティブにKAITO自身が携わった意欲作。昨年末にリリースされた「Theater」はSNS総再生数が4.5億回を記録、最新のアルバムツアー【King & Prince DOME TOUR 2026 ~STARRING~】では4大ドーム公演を成功させるなど、King & Princeとしての活動が充実する中、なぜこのタイミングで、ソロプロジェクトを立ち上げたのか。ソロアーティストKAITOとして、最初のロングインタビューをお届けする。
“創る”ってこと自体がすごく好きなんだなと、じわじわ気付かされた
――ソロ名義「KAITO」の始動、おめでとうございます。いよいよ「swim?」が世に放たれたわけですが、ファンの方たちにとってもかなりサプライズな出来事だったのではないかと思います。まずは、ソロに挑戦してみたいと思った経緯を教えてください。
髙橋海人:King & Princeとして活動する中で、この3~4年は、楽曲制作に全面的に関わらせてもらっていたんです。アルバムを作るときは、最初に世界観を作ることから始まって、それに付随して「こういう曲が欲しいね」とアイデアを出したり、自分でも作詞作曲をさせていただいたり。その時間がめちゃくちゃ楽しくて……。いろんな活動をしていく中でもトップクラスに「楽しいな」って思う時間で、「あ、俺は“創る”ってこと自体がすごく好きなんだな」ってことに、じわじわと気づかされ始めたんです。
King & Princeでの楽曲制作は、いい意味で、King & Prince自体が「みんなにどう思われているのか」「何を求められるか」「どういうものを見せたいか」みたいに、常にKing & Princeという組織のことを第一に考えて作って、それから世に出す、みたいな感じ。自分とは離れたところで考えて作っています。そんな中でふと、もし「髙橋海人がポーンと、なんか作ってごらんって言われたら、どんなものができるんだろう」という興味が湧いてきて。音楽のルーツを振り返ると、小っちゃい頃から聴いてきたヒップホップがあって、途中でロックが好きになって、大人になってからはあらためてJ-POPが好きになって……。じゃあ、今の自分はどういう曲を作るのかなって考えたんです。だからこう、ワクワクから始まりましたね。
――そう聞くと、たしかに「swim?」にはKAITOさんの音楽的ルーツや生き方のスタイルみたいなものが表れている気がします。曲自体は、いつぐらいから制作を始めたんですか?
髙橋:まだ寒かった時期だから、今年の頭かな。寒かったのに夏を感じる「あっちー」みたいな曲を作りました(笑)。ソロとしての一曲目にするつもりで作った曲だったので、名刺になるような曲にしたいと思ったのと、どんな時に聴いても自分の気持ちのギアを1つ2つ上げてくれる曲になったら嬉しいなと思って。もし誰かにグーで殴られそうになったら、それにチョキで返してピースサインでイエーイみたいな。バカになってもいいから、ハッピーなマインドを持っていることも自分の魅力だったりするのかなと思って、自分らしさを存分に詰め込んだ曲にしようと思って作り始めました。
歌詞に関しては、ラッパーで友達のBBY NABEちゃんと一緒に、俺の家でポテトを食べながら作って、そのあと一人でブラッシュアップしていきました。日本語ってすごく言葉の力が強いから、同じ音で言っても、漢字が違うだけで伝わり方が違う。表現方法がいっぱいありすぎるから、どういう言葉で届けるかは結構考えていました。みんなの意見が大事なタイプの人間なので、レコーディングの時、最初に自分が当てた歌詞をスタッフさんに披露する時点で「みんなにどう思われるかな?」みたいな恥ずかしさは、ちょっとありました(笑)。「これを“良い”って言ってくれたら嬉しいな」とか思いながら。
――現時点で、KAITOさんが思う「ソロアーティストKAITO」はどんなイメージのアーティストなんですか?
髙橋:これはでも……わからないですね。まだわからないと思うし、今決めても多分変わっていくと思う。明日の自分が言ってることも、今と絶対違う気がしていて(笑)。それぐらいいろんなことに対しての興味が尽きないし、常にいろんなものを取り入れていたい思いが絶えない人間なので。ただこの「swim?」に関しては、どんな時でも自分の指針になるんだろうなと思います。「どんな時でも楽しく泳いでいようよ」「楽しい時も辛い時も楽しく泳いでいようよ」「考えてないように見せながら、うまくいろんな波を越えられたらいいよね」とか、そういう祈りとか願いも込めて作ったので。
――何事もはっきりと断言しないところも、KAITOさんのスタイルなんですね。そういえば「swim?」も最後にクエスチョンマークがありますが。
髙橋:自分のことは好きでいたいけど、自分の表現を、何かのジャンルとかに決めつけるのってあんまり好きじゃないなって思います。このクエスチョンに関しては、「一緒にこのマインドになってみようよ」みたいな、そんなみんなを誘い込みたい意味の「?」です。
一番大きいのは、相方がいるかいないか
――King & Princeの髙橋海人とソロアーティストとしてのKAITOは、具体的な表現の違いというのは、どういうところに出てきそうですか?
髙橋:うーん。音楽は違うと思います。生み出される言葉とか、流れるメロディーとかは、King & Princeを思って作っている時と、自分を表現する時とは、絶対違うものになってくるだろうなって思います。でも一番大きいのは、相方がいるかいないか。King & Princeの時は、(永瀬)廉が隣にいるからできることがいっぱいあるから。
――今回のジャケ写やアートワークは、どんなイメージで作られたんですか?
髙橋:今回のアートワークは、カチッとキメたグラフィックというより、もう少し柔らかい、粘土みたいな流動的なそのときの雰囲気とかバイブスを表現することを大事にしたかったので、このアートワークで「楽しい!」って思ってくれたらいいなって思います。
――今作に取り組むうえで、意識していたことはありますか?
髙橋:創作の過程では、「自分がみんなに見せないようにしてきた内側の殻をどれだけ破れるか」っていうのを、ルールというか課題として、自分に課していました。いくら「自分が好きだ」って思っても、その気持ちを大事にしてるだけじゃ、見せないようにしてきた部分は隠しちゃうから。人間って、知らない間に表に出す部分と、自分の中だけに閉まっておく部分ってあると思うので。「この宝物みんなに見せるけど、これだけは墓まで持っていく」みたいな(笑)。そうやってずっと隠してきた部分をちゃんと出そうっていう。自分の中の超ハッピーだけじゃないちょっと狂気的な部分とか、「もうちょっと暴れたいよね」みたいなマインドが出てきてるんじゃないかなって思います。MVもそういうものになっていると思うし。今までの自分を知ってくれていた人からしたら、「そんなお前もいたのか!」みたいな部分を出していくことになるんじゃないかと。
本当は、どんな時でもカウンターっぽい自分がいて、「こうだよね」って言われたら「いやそんなこともないけどね」みたいに思ったり。さっきも言った通り、常に変化していて、いろんな顔の自分がいるから、隣にいる人によっても変わるし、時間によっても変わります。でもソロの時は、そういう人に見せないところもいっぱい出そうと思ったんです。引っ張り出すのにはエネルギーはめちゃくちゃ必要でしたけど、なんか悪くないって感じです(笑)。この制作期間は自分のことをすごく知ることができた期間でもあったんですよね。「あ、こういう気持ちも大事にしてたいんだな」とか。お芝居の時とかも思うんですけど、自分の閉ざしていた部分を開けるのって、すごく苦しい作業ではある。でもだからこそ、自分のことをよく知ることができる。そういう意味でも充実した時間でした。自分を使って自分を世に放つみたいな、そういう感覚がすごく面白かった。髙橋海人的な脳みそで、今じゃあ「KAITO」っていうアーティストがいたらどうやって遊ぶ?みたいな。だから、遊んでいるのと悩んでいるのがずっと混在してる期間でしたね。
――自分の内側に潜っていくこともあるし、俯瞰にもなるってことですよね。
髙橋:今自分で言葉にしてみたら、あ、そういうことだったのかなって思うんですけど、やってる最中はもう全然そういうことは考えなくて。感覚で「今これやりたい」とか「今これが好き」とかそういう感じで、直感を大事にしながら自由気ままに楽しくやっていました。今生まれるムードとか、今生まれる楽曲とか、そういうグルーヴ感がすごく大事なんです。
KAITO「swim?」Music Video
継続するコツは、目の前にいいことが待っていると信じること
――「うそだよ すきだよ」で歌番組に出たあと、SNSで海人さんの歌唱力がバズっていました。シンガーとしての評価も高まっています。
髙橋:嬉しかったですね。あのときは「美味しい!」って思った。ご飯が美味しいって(笑)。歌に関しては、結構マインドが変わったんです。今までは、「歌が上手くなりたいな」とは思っていたけど、ボイトレに行ったとしても何回か行って終わっちゃうとか。自分の表現を大事にしたかったし、興味があちこちに行くタイプでもあるので。ただこの数年は、ずっと歌に対して自分で研究したり、定期的にボイトレに通ったりする中で、自分の声とか歌い方とか、アプローチの仕方を楽しく研究できるようになって。この曲はどう歌ったら自分に合うかなとか、この曲はどうやったら人に届くかな、みたいな。あとは、歌に対する愛が増えたっていうか……。好きな楽曲のジャンルも増えて、自分がその楽曲をちゃんと乗りこなすためには絶対に技術や気力が必要だと思いましたね。魂とかそういうのも必要だろうし。そのためにはちゃんと突き詰めて頑張らないと、と思ったんです。そんな思いの中で少しずつ誰かに評価してもらう機会が増えていったので、やっぱり継続って大事って思います。マジで。
常に「何かやろう!」って思えること自体が本当に素敵なことだって思うし、自分の大好きなところでもあって。その場その場の瞬発力で、最近だと「サックス始めてみよう」と思ったりするけど、続けるのって本当に難しい。だから歌に関しては、継続して研究して練習して、毎日ちゃんと水をあげてたら育っていった、そういう実感と成果を味わえていることが嬉しいし、しっかり手入れをすれば、蒔いた種はちゃんと根を張っていくんだろうなっていうのを信じてこれからも楽しんでいこうと思ってます。なんかこう、あとほんの少し先の目の前に良いことが待ってるだろうなと思ってずっとやっています。遠いというよりはすぐ近くに待っていると信じて。
――ソロ活動をしてみて、あらためて King & Princeの存在の魅力とか、有り難みを感じることはありますか?
髙橋:堂々とJ-POPのアイドルソングを歌えることが、すごく素敵なことだなって思いましたし、やっぱりKing & Princeのキラキラした世界観は、俺は大好きだなーって改めて思いました。あとは、King & Princeの素敵な楽曲たちは、もちろんKing & Princeの名前で世に出るものだけれど、その楽曲が生まれるまでに関わってくださっているいろんな人たちに、より感謝だなって思いました。一つの作品が生まれるのって一人じゃ絶対できないし、それを世の中に伝えることも、一人じゃ絶対できない。自分がやりたい表現をするのは、人との繋がりが大事だと改めて気付かされたし、本当に環境全部に改めて感謝が生まれました。支えてくれるスタッフのみんなに感謝しながら、今自分がやりたい、楽しいって思うことをちゃんとみんなにピュアに届けられたらいいなって。深く考えつつ深く考えないっていうか(笑)。
楽曲以外のことで言えば、当たり前なんですが、廉の存在は大きいです。どんな時でも「やってみようぜ!」とワクワクした気持ちでいられるのは、廉と一緒にやれるKing & Princeという存在があるからこそ。廉が俺のソロ曲をどんなふうに聴いてくれるかも、すごく楽しみです。
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