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<インタビュー>「情景が見える音楽」とは――秘めごとが語る、新曲「パルス」で描いたもの

Interview & Text: 矢島大地
Photo: 堀内彩香
秘めごとは、2021年に結成された詩音(しおん/Vo.)、木天蓼(またたび/Composer.)によるプロジェクトだ。かつてSNSに歌唱動画を公開していた詩音は、日常生活の中でなかなか開示できない心のうちを明かす言語として歌に惹かれていた人である。しかし、ボトルメッセージのように放っていた歌が「数字で評価されるもの」になってしまうことに歪みを感じ、歌を嫌いになってしまう前に音楽活動を辞めようとしていたという。
だが、ちょうどその頃に詩音の歌唱を耳にして、その歌の跳躍力に射抜かれたのが木天蓼だった。木天蓼はすぐさま詩音にコンタクトをとり、その歌声に生えている翼がいかに素晴らしいものなのかを伝え、詩音を再び歌の世界へと誘った。詩音の歌の色彩に呼ばれた出会いだったからこそ、木天蓼は歌への無垢な衝動と歌の在り方への葛藤を抱えてきた詩音の心を表す音楽を志した。そうして結成されたのが、愛するものがあるからこそ苦しみ続ける人間の在りようを映すプロジェクト・秘めごとだ。
名は体を表すとはよく言ったもので、人の心の秘部にあるカオスがそのまま、カラフルな曼荼羅となって音の中で炸裂している。抑揚豊かな歌声とメロディは一直線で伸びていくのだが、その裏ではあらゆるジャンルが衝突を繰り返して複雑怪奇なアンサンブルを描いているのが面白い。そしてその音楽的個性は、10月7日にリリースされるシングル「パルス」でも存分に発揮されている。秘めごと初のアニメタイアップというトピックがありつつ、それ以上に重要なのは、これまで以上に陽性のメロディと軽快な言葉遊びが増えていることだろう。前作「くろいもり」のダークな音世界から一転してポップな色彩を放つ本楽曲は、心のグラデーション自体を音楽にし続ける秘めごとの本質をむしろ強烈に印象づけるだろう。俯いているだけではない。笑っているだけでもない。その両方の円環の中を必死に走り続けるのが人間だと、このふたりは伝え続けている。
「音楽から音楽を作らない」
――ボカロ以降のポップス、ポストロック、オルタナティブロックを消化して以降の日本のギターロックなどなどの要素は感じられるんですが、それらを混ぜた上で「いかに散らかせるか」「どこまで音楽として歪ませられるか」という部分に執心があるバンドだと感じています。おふたりは、秘めごとの音楽をどのようなものだと自覚されていますか。
詩音(Vo.):木天蓼さんの作り出す楽曲、特にメロディが素晴らしいと思っています。木天蓼さんがやりたい曲を出してくれる場合もあれば、私が「こういう曲をやってみたい」という願望を伝えて曲作りがスタートする場合もあるんですが、私と木天蓼さんの好みが全然違うことによって、いろんな要素が織り交ぜられた音楽ができているんじゃないかなと思います。
――詩音さんが木天蓼さんにリクエストをする場合、どういった伝え方をすることが多いですか。
詩音:たとえば映画を観て刺さったものがあったら「この感動をバラードで表現したい」とお願いしたり、ライブをするようになってからは「お客さんとのコール&レスポンスができる曲を作りたい」と伝えたり。あと私はベースの音が好きなので、ざっくりと「ベースがトリッキーなことをしている曲が欲しい」みたいなイメージを伝えたこともありました(笑)。情景を伝えるとかテンポ感を重視するとかいろんなパターンがあるんですが、自分のイメージをそのままストレートに伝えることが多いですね。
木天蓼(Composer.):僕は、そうして真っ直ぐにイメージを伝えてもらうことが大事だと思っていて。なぜなら、秘めごとは、「音楽から音楽を作らない」ことを意識しているから。詩音さんから提示されるのは詩音さんの中にある情景であることが多いし、僕自身も音楽以外のものからもらう刺激やイメージを音楽にしたいと思っているんですよね。なので、秘めごととは何なのかを言葉にすると「情景が見える音楽」なのかなと思います。何より、そもそも詩音さんの歌声がピカイチだから。歌の奥に情景が見えたり、季節の移ろいみたいな侘び寂びを感じたり――そういう歌声に感動したからこそ、情景が見える音楽を作りたいと思ったところがあるんです。詩音さんが歌の主人公として在る。それを大切にしながら作っているのは、どの曲も同じだと思います。
――「音楽から音楽を作らない」とおっしゃったのは、いかに音楽の型を外せるかが秘めごとにとって大事だということですか。
木天蓼:そうなんだと思います。オルタナ、プログレ、メタル、J-POP、ジャズ……いろんなジャンルを取り込み作曲をしてきましたけど、それらが血肉になった上で、その知識を参照せずに音楽を作ったらどうなるのかに興味が湧いていったんです。なぜなら、そのほうがいろんな人の日常に寄り添える音楽を作れると思ったから。
――日々触れている景色、匂い、あるいは芸術から喚起されるイメージをリファレンスにするほうが、生活に馴染む音楽になる。
木天蓼:そうです。たとえば家の中でも電車の中でも歩いている時でも、「とりあえずこれを聴けばいいや」という感じで選んでしまうものこそが最も日常に寄り添っている音楽だと思っていて。要するに、どんな季節、どんな情景、どんな状況にも馴染む音楽。人ってどうしても、ハッピーでアドレナリンが出ている状態は長く続かないじゃないですか。じゃあそれ以外の時間で人間が何をしているかと言ったら、仕事や勉強、あるいは悲しみや小さな喜びなどのほうが割合としては多いと思うんです。そんな中でもBGMとして流れていられる音楽というのは、人間の波動にフィットする音楽とも言えるわけです。そういうものを作りたいと思っているし、だから僕は音楽を参照するよりも日々の情景やイメージを一番の源泉にしたいんですよね。街のディスプレイ、ビルの看板ひとつ、道に落ちていた何かなど、普段気にしない様な物から生まれた曲が秘めごとにはたくさんありますし、何より、人間の生活の中にある機微に寄り添える歌声を詩音さんは持っているから。秘めごとの音楽はそういうものなんじゃないかなと思っています。
――今おっしゃったことから想起したのが、前作『くろいもり』に収録されていた「うたげ」という曲で。人間社会を「百鬼夜行」にたとえつつ、その狂った祭りに参加するのではなく「狂えたらどんなに楽だろう」というふうに眺めている感覚が、音と音の隙間、音と音の距離感に表れていて。情景的な感覚を音にしているということが凄く伝わってきます。
木天蓼:そうそう、あの曲は音が遠いんですよね。それこそ映像的な感覚、映画の場面転換みたいな発想で構成していくというか。聴覚的なものを自分のフィルターにかけるのではなく、視覚的なものや感覚をどこまで音楽化できるか。それを大事にすると、結果として音楽的には狂ったものになっていくんですよね(笑)。冒頭で「音楽としてどこまで散らかせるか」という話がありましたけど、それは散らかすこと自体を目的にするというより、「視覚を音楽にする」という無謀なことをしてきた結果だと思います。
▲秘めごと「うたげ」
――今回のシングル「パルス」にも『くろいもり』の楽曲達にも一貫しているのは、明るい/暗い、ポジティブ/ネガティブみたいな安直な言葉で括れない人間の内面を描き出そうとする姿勢だと思って。ここにも「人間の波動にフィットする音楽」という話にも通ずるものを感じます。
木天蓼:そう、表裏一体のものを描くということが凄く大事だと思っていて。「詩音さんを歌の中の主人公にする」と言った意味が、まさにそこにあるんですよ。詩音さんは自分の衝動に対してストレートな人である一方、その奥にはいろんなものを抱えている。そういう表裏が一体となって形成されているボーカリストだからこそ、僕も人間の内面を描く歌を作りたいと思うんですよね。
――歌という表現は、詩音さんにとってどんな意味を持つものなんですか。
詩音:歌は物心ついた時から好きで、元々はSNSに歌の動画を投稿していたんです。でも次第に数字に囚われるようになってしまって、このままだと歌や音楽を嫌いになってしまうんじゃないかと思って。それで音楽を辞めようと思ったんですけど、その時に「一緒にやろうよ」と声をかけてくれたのが木天蓼さんだったんですよ。一度辞めたいとまで思った音楽をまたやるのなら正直に自分を曝け出したかったし、葛藤を抱えて音楽をやっている自分自身も歌で表現すればいいんじゃないかなと思えて。
木天蓼:ローやミッドレンジでちょっと掠れるのにハイトーンが抜けていく歌声はもちろん素敵だったんですけど、何よりも、この人物像を音楽にすることによって共感が生まれると思ったんですよね。詩音さんが抱えていた音楽に対する葛藤や苦労、好きなものを続けたいからこそ劣等感を抱えてしまうという感情。それに近い気持ちを持って生きている人のほうが多いんじゃないかなと思って。

リリース情報

シングル「パルス」
- 2026/10/7 DIGITAL RELEASE
配信はこちら - 2026/12/9 RELEASE
<初回限定盤>
LAMR-34046 4,840円(tax in.)
<通常盤>
LAMR-4046 1,980円(tax in.)
シングル『パルス』
公演情報

【秘めごと LIVE TOUR「開花」】
- 2026年11月27日(金)大阪・Yogibo META VALLEY
2027年1月30日(土)東京・恵比寿LIQUIDROOM
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「詩音さんが秘めごとの歌の主人公」
――それこそ“小説家”や“劣等感”で歌われている人間像ですよね。好きだから苦しいという、アンビバレントな感情を抱えながら生きていく姿。
木天蓼:そうです。そういう人間像を美化したいわけではなく、僕らは明るい視点だけで生きているわけではないよねっていうリアルな部分を表現できるのが詩音さんだと思うんです。それが「詩音さんが秘めごとの歌の主人公である」ということなんですよね。
詩音:思い返すと、誰かに評価されるために音楽をやるのがしんどくなって、苦しんでいたと思うんですよ。自分がいいと思っているものが否定されるのが怖かったし、そう考えているうちに自信もなくなっていって。だけど歌が好きだという気持ちは本当だったから、「この歌を世に出さないのはもったいない」と言ってもらえた時に「自分の暗い部分も曝け出せる音楽ならやってみたい」と思えたんですよね。
――詩音さんは、どうして歌が好きなんですか。
詩音:どうして歌が好きか……元々、気持ちを言葉にしたり話で伝えたりするのが得意ではなくて。だからこそ、歌を聴いて歌詞に共感したり、今感じていることにフィットする歌を見つけたりすることが好きになったんです。自分の気持ちを、歌で調べるというか。だとすれば、言葉で伝えるよりも歌ったほうが自分の気持ちを表現できるんじゃないかなと思って。辛い時に「辛い歌詞ないかな?」とか、楽しい時に「楽しい気持ちを表している歌はないかな?」とか、そういうふうに音楽と出会ってきたので。
――歌と音楽は詩音さんの辞書でもあるんですね。
詩音:あ、そうです! 人前に立つ人は自信に溢れているように思えるし、自分を表現するのが上手に見える。対して私はそういう人間じゃないから、「どうして向いてないのに歌を歌いたいんだろう?」っていう葛藤を抱えていたんですよ。でも、そういう自分だからこそ音楽とメロディと歌詞があれば自分の素直な気持ちを伝えられるんだよなっていう気持ちもあって。だから歌うことが好きになったんでしょうし、歌がないと自分の気持ちを人に伝えることができなかったんですよね。言葉で伝えるのは恥ずかしかったり、違う意味で捉えられるのが怖かったりするじゃないですか。でもメロディと歌には、人それぞれの意味で読み取ってもらえる余白が最初からあるので。答えがないものだからこそ、誤解を恐れる必要がない。それが自分にとって心地がよかったから歌の中では素直になれたし、歌をやめられなかったんだと思います。
――木天蓼さんが「詩音さんはストレートだ」とおっしゃった意味がよくわかった気がします。感情を無濾過で伝えたいからこそ誤解が怖かったし、感情を伝える切実な表現だからこそ数字の評価で消費されることが許せなかったんでしょうね。
詩音:本当に、歌以外では言いたいことを言えずに溜め込んでしまうことばかりで。それで爆発してしまうことが多かったからこそ、いろんなものを恐れてしまう自分も自分だと受け入れて表現したい気持ちがあったと思うんですよ。評価の土壌に乗るのは怖いけど、こういう人間であるということは誰かに知って欲しかったというか。秘めごとを始めたことによってそういう歌を歌えるようになった実感もありますし、きっと私が抱えている気持ちに共感してくれる人もいるんじゃないかなと思えるようになってきたんですよね。劣等感や不安を抱えて生きているのは自分だけじゃない。そう思えるようになったのが、秘めごとを始めてからの変化だと思います。
木天蓼:僕が「情景を音楽にする」という曲の描き方をして、詩音さんが多くを語らず歌で感情を解放していく。そういうやり方のふたりなので、簡単に時代や流行に乗れるわけじゃないと思うんですよ(笑)。何なら流行を排除したいとすら思ってやっているので、いろんな人の生活にフィットするまでは時間がかかるんでしょうけど。
――生活の奥にある機微を音楽化していくと、単純なわかりやすさには直結しにくいですもんね。流行を排除したいというのは、消費されるだけの音楽は作らないという意味だと解釈しました。
木天蓼:そうです。長く聴ける音楽をじっくり作りたいと考えると、人に伝わるまでにも時間がかかるはずなんですよ。だけど、大事なのは詩音さんの感情が丁寧に伝わっていくことであり、聴き流されるという意味ではなく生活に染み込むという意味合いでBGMになっていくことだから。世に発信している以上、消費されるのはわかってるけど、大事なのは消費のされ方なんですよ。ひとつずつ丁寧に作って、オリジナリティを積み上げていくこと。流行ではなく自分達の生活を音楽の源泉にしていけば、自ずと聴く人の傍に置いてもらえるようになるんじゃないかと思うんです。
――改めて、ここまで話していただいたことは秘めごとのあらゆる曲に通底している信条だと思います。美しい結末が待っているとは限らない人生だからこそ、自分の感情を指針にして生きていくしかないということ。その感情には明るいも暗いもなく、ただ自分を自分たらしめるものであるということ。そして、感情を指針にするからこそ、誰かが用意した答えを参照するのではなく自分だけのエンドロールを迎えにいくしかないということ。そういった物語が見えてくる楽曲ばかりだし、それは今回の「パルス」でも<何にでもなれる 修羅 綺羅>というラインに表れていると思うんですよ。
木天蓼:もうね、今言ってくださったことすべてが詩音さんに当てはまるので(笑)。ゴールに向かう一本道を走っているわけではなく、円環する道の上で生きている人間像というか……今回の「パルス」に関して言うと、ある時、詩音さんと話していて不安定な波動を感じたことがあったんですよ。でも、それがパッと安定した波動に戻った瞬間があって。あ、戻った! って思ったんですけど、その時に、でっかい円をグルグル回りながら生きている人間の姿を音楽にしたいなと思ったんですよね。円に限らず迷路の中にいることもあるわけですけど、でも迷路を迷路と捉えずに、迷路の道筋をダーッと走り抜けていく人。それを曲にしてみたいなというのが始まりでした。
――誰しも、迷路の中を生きていることは間違いない。だけど、それを迷路とも思わずダッシュしていくのがこの日々なんだと。
木天蓼:そうそう。それが、詩音さんと話していた時に感じた波動とリンクして生まれたイメージだったんですよね。真っ直ぐに走っているけど迷路に入って、またストレートに戻っていく。そのグルグルを繰り返して生きているんだよなって。そういう緩急のイメージがそのまま、楽曲の性急な展開に反映されたんじゃないかなと思います。まあ、それも「人生山あり谷ありだよね」っていう言葉でまとめられると思うんですけど(笑)、僕は、わざわざややこしいイメージに潜ることで音楽が出てくるので。
――そこまで潜ったからこそ、この色彩豊かな展開が生まれてきたんじゃないかなと。各セクションがジャジーなフレーズで接着されていくところに、人間の感情の揺れが映っていると感じました。
詩音:そうですね。私は「初めてのアニメタイアップ(『Battle Spirits [Re] 絶界の空』エンディングテーマ)だから明るく楽しい感じがいい」というリクエストをしただけなんですけど(笑)、いろんな世界に飛び出していくイメージが楽曲化されていると感じましたね。<ゲッチュー>という歌に合わせてガラッと景色が変わったり。アニメに寄り添うことも大事にしたいと思ったので今までの作りとは違うところもあるんですが、楽曲の明るさや言葉遊びの中にも意味があって、そこが面白い曲だと思いますね。
――詩音さんは、木天蓼さんの書く歌詞をどういうふうに消化して歌っているんですか。これは自分のことだと思って感情移入していく感じなのか、歌を憑依させながら自分の感情を乗せていく感じなのか。
詩音:制作過程の中で私の言葉も木天蓼さんの歌詞の中に織り込んだりもしているのですが、どうしても私の中にはマイナスな考え方やネガティブな言葉が多く存在していて、でも不安を感じているということは、その奥に「負けたくない」「頑張りたい」という気持ちがあるということでもあって。そこまで汲み取って、私の根底にある気持ちを歌にしてくれていると感じます。私のマイナスな部分も、その奥の本音が合わさって歌になっているというか。それこそ表裏一体の感情が丸ごと入っているので、私自身が「そのままでいいんだよ」と言ってもらっているような感覚になりますね。だからこそ自分が主人公だと思って歌いたいし、その歌を聴いてくれた人もまた主人公になれたらいい。それを意識して歌っています。
▲秘めごと「パルス」ミュージック・ビデオ
――木天蓼さんはどうですか。ネガとかポジとかで括れないのが人なんだという観点を元々持っていて、こういう歌になっているんですか。
木天蓼:根底にあるのは、すべての人に対して優しくいたいっていう気持ちで。秘めごとの音楽に出会ってくれた人にも、会ったことのない人にも優しい自分でいたいと思って曲を書いているところがあるんですよね。自分の母親に言われた言葉でずっと心に残っているのが「とにかく人に対して優しくいなさい」ということだったんですよ。その言葉を守っていく意味でもそうだし、人を何かの属性で括ることなく、その人はその人でしかないというふうに受け入れる姿勢を大事にしたい。それが自分の歌詞には表れている気がします。で、僕が詩音さんの歌声に惹かれたのも、詩音さんの歌が優しくて温かったからなんですよ。劣等感や不安を抱えながら生きているからこそ、それが同じように葛藤している人への優しさになる。その力を信じたいと思ったし、僕が「いろんな人の生活に音楽で寄り添いたい」と話したのも、優しいものでありたいという気持ちに直結しているんじゃないかなと思います。暗いだけじゃないし、明るいだけでもない。今後も、そういう心に思いを馳せながら曲を書いていきたいです。
――詩音さんはいかがですか。人って、劣等感や不安に浸ることに慣れていくところもあるんじゃないかなと思っていて。そうなると、明るくて元気な自分を自分で許せなかったり、楽しくなることに気恥ずかしさを感じたりするようになっていく。だけど、ご自身の明るくてアグレッシブな一面を思い切り表現できたのが「パルス」という曲だと思うんですよ。そういった意味で、より一層自分を素直に表現できた実感はありますか。
詩音:言ってもらったように、自分の「楽しい」とか「明るい」を無意識に排除していた部分があったと思います。なので、たとえば前作の『くろいもり』にはダークな曲が多かったし、それもまた自分を素直に表現できたものではあったんですよ。だけど明るい自分もいるっちゃいるので(笑)。秘めごとは決して心の暗い部分にフォーカスしたいわけではなく、あくまで自分の感情を全開にできる受け皿なんですよね。そういう意味で、「パルス」みたいに小さい子でも歌えるフレーズが入った曲もどんどん作っていけたらいいと思うんです。何より、この曲を歌うのは私も楽しかったんですよ。考え込んでしまう自分だけではなく、誰でも楽しくなれる曲も歌っていけたらいいですし、どんどん秘めごとの扉を開けていきたい。その大きなきっかけになる曲ができたと思ってますね。
リリース情報

シングル「パルス」
- 2026/10/7 DIGITAL RELEASE
配信はこちら - 2026/12/9 RELEASE
<初回限定盤>
LAMR-34046 4,840円(tax in.)
<通常盤>
LAMR-4046 1,980円(tax in.)
シングル『パルス』
公演情報

【秘めごと LIVE TOUR「開花」】
- 2026年11月27日(金)大阪・Yogibo META VALLEY
2027年1月30日(土)東京・恵比寿LIQUIDROOM
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