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<インタビュー>yosugala がメジャー2nd EP『ラムネ』リリース――4人が語る、挑戦の先に見えた景色

Interview:松本侃士
Photo:佐藤匠
“ロックアイドル”としての矜持を掲げながら、ライブハウスを主戦場に活動し続ける4人組アイドルグループyosugala。彼女たちは、2025年12月にメジャーデビューを果たした後、この春から夏にかけて、アイドルシーンの垣根を越え、ロックフェスを含む数々のフェスに挑み続けてきた。そして9月9日には、四者四様の輝きを放つ4曲入りメジャー2nd EP『ラムネ』をリリースした。歩みを止めることなく果敢に挑戦を重ね続ける黒坂未来、汐見まとい、未白ちあ、君島凪に、メジャーデビュー以降の軌跡について、また、挑戦の日々の中で得た手応えや胸に抱いた悔しさ、新たに芽生えた野心について赤裸々に語り合ってもらった。
*写真左から、君島凪、汐見まとい、未白ちあ、黒坂未来
――2025年12月にメジャーデビューしてから、約9か月が経ちます。大きな変化や新しい挑戦の連続だったと思いますが、振り返ってみていかがですか?
黒坂未来:やっぱり、関わってくださる方の数が大きく増えたので、インディーズの時とはまた違った責任感があるなと思います。
未白ちあ:いい意味でも悪い意味でもいろいろ慎重になったのもありますし、失敗しちゃいけないっていう気持ちが強くなって。毎回MVを撮らせて頂いたり、いろいろ投資して頂いているので、頑張らなきゃって、焦りもあります。
君島凪:メジャーデビューして、ありがたいことに、タイアップとかメディアへの露出がどんどん増えていったなっていうのと、あと、ロックフェスにも出させて頂けるようになったりして、期待されてるなっていうのはすごく感じていて。それに応えていかなきゃいけないなって思ってるし、ずっと進み続けていかなきゃいけない、止まれない、っていうところで、結構プレッシャーみたいなものは感じます。そういう部分では変わったなと思うんですけど、大まかな部分では変わってないと思います。
汐見まとい:自分たちは地下アイドルシーンから出てきたグループで、今までファンとの距離が近かったので、今でもそんなに遠いわけではないですけれど、ファンの心境の変化をすごく感じていて。こちらとしても在り方が変わったので、もどかしいところもあって、いろいろ歯痒い思いをしたりとか、不安なこともたくさんあったんですけど、いろんなことに挑戦させて頂いた中で、自分たちなりに、メジャーシーンでの新しい在り方をやっと見つけられ始めたかなって思っています。やっぱりライブに一番重きを置いて活動していて、ファンと一緒にライブを作り上げていくことを大切にしていて。メジャーシーンでのそうした自分たちの新しいライブの形を、やっと最近確立できてきたかなって思います。

――ここから、メジャー2枚目のEPについてお話を聞いていきたいと思います。収録曲の中で最初にリリースされたのが「バニバニラ」で、この曲は、メジャー以降、新しく制作陣に加わった竹縄航太さんが作詞作曲を手掛けています。
未白:竹縄さんが入ってくれたことによって、yosugalaの楽曲の幅が広がった、yosugalaの良さが増えたってイメージがあって。バンド編成でやってるアイドルって、ちょっと尖ってるイメージを持つ人もいるかもしれないんですけど、竹縄さんは、そこをまろやかにというか、入りやすくしてくれる感じで。すごくメジャーにぴったりだし、いろんな人に観てもらう機会にぴったりの曲だなと思います。竹縄さんの曲は耳に残りやすくて、初めての方に刺さりやすいので、フェスでもすごいお世話になっています。
汐見:ロックフェスの世界だと、結局うちらって新参者なので。世間からしたら誰だって感じだと思うんですけど、1曲でも耳に入ってきたら、その後も耳を傾けようって思ってくれるから。そういう意味ではすごい強い武器になったなって思います。
黒坂:竹縄さんの曲があることによって、セットリストを組みやすくなったり、これまでと違う展開を作れたりしているので、とてもありがたいです。
君島:私、最初に竹縄さんが書いてくださった「No Border」と「バニバニラ」は、けっこう曲の感じが違うなと思ってて。だから、これからどんな竹縄さんが見れるのか、どんなyosugalaになれるのか、楽しみです。
yosugala - バニバニラ
――新しいソングライターが加わることによって、yosugalaの音楽性の幅は必然的に広がっていくと思いますが、皆さんがそうした変化をとてもポジティブに受け入れていることが伝わってきます。
汐見:歓迎しない理由はない。
全員:(笑)
未白:ずっと一緒にやってきているERENさん、平地(孝次)さんは、親戚みたいな感じなので。逆に、竹縄さんの、私たちのことを知りすぎていないカラッとした感じが、すごいエッセンスになるなって思いますね。
――表題曲は、ERENさん作曲の「ラムネ」ですね。
汐見:6月の4周年ワンマンのために書いた曲が表題曲になって、びっくりみたいな感じですね。
未白:逆に、ERENさん、張り切りすぎないほうがいい気がする。
汐見:ERENさん、ビュッフェで片っ端から取るタイプな気がするからね(笑)
未白:全部乗せ、みたいな。あれもこれも(笑)。
汐見:頼まれたら、もうやっちゃうぞ、みたいな。
未白:でも「ラムネ」は、引き算ではないけど、今までの楽曲からしたら、抜け感があってすごい好きかも。重すぎない。さっぱりって感じで。肩の力が抜けていいのかもしれないです。
yosugala - ラムネ
――この曲が表題曲になることについては、皆さんはどう受け止めていましたか?
未白:1stは、やりすぎなぐらいこってりだったから。3曲全部に魂込めました、みたいな。
汐見:気合い入れすぎました。やっぱさ、メジャーデビュー1枚目だから、もう「僕の考えた一番のCD」みたいな感じだったから。
――「No Border」「マスカレイドナイト」「ハルカカナタ」という並び、今見ても壮観ですね。
汐見:今回は、落ち着いて地に足付けて出すよ、みたいな感じで。それでいったら、「ラムネ」が表題になるのもすごい納得かなって思います。

――先ほど、6月の4周年ワンマンのために制作された楽曲というお話がありましたが、やはり、歌詞はそうした文脈とリンクしているものなのでしょうか。
汐見:メジャーデビューしてからいろんなことがあって。歯痒さとか、もどかしさとかもある中で活動してきて、その中での、メジャーデビュー後初めてのワンマンだったんですけど、だから、そういう意味で、ありがとうと、いろんなもどかしい思いをさせてごめんねっていうことをファンに伝えるっていう。
未白:ERENさんは、ラムネの瓶の中に閉じ込められたビー玉が取り出そうとしても取り出せない、みたいなことを言ってて。
汐見:あれだよ、メジャーデビューする前の昔の私たちのこと、って言ってた。メジャーデビューする前の日々は戻ってこない。もう取り出せないけど、こうやってもう1回見て、綺麗だったなって思えるように、メジャーデビューした先もそう思えるように、みたいなことを言ってました。
――ライブでは既に披露済みですが、リリースされた後のファンの皆さんのリアクションも楽しみですね。
黒坂:早く考察して頂きたいですね…(笑)
――2曲目は、「indigo(Re-Recording)」です。今このタイミングで、「indigo」をもう一度レコーディングしようと思ったきっかけや理由があれば教えてください。
汐見:きっかけは特になくて。でも、今出すのが妥当だよねって心のどこかで思ってたんだと思う。「indigo」って、私らがデビューする前に作った曲だし、たぶん一番最初にレコーディングした曲なんですよ。今までのライブの中で一番、もう誰がなんと言っても一番やってきた曲なんですよ。ほぼ毎回のライブで、9割9分ぐらいやってるんですけど、すごくいろんな人から愛されている曲、yosugalaのファン以外からも愛される曲になっていて。この曲を改めてレコーディングすることを発表したのが、先ほどの4周年ワンマンの時だったんですけど、なんて言うんだろう。言語化はしづらいですけど、そういうことなんだろうなって感じはしますね。
未白:異議なしって感じ(笑)。
君島:初期の曲は、もう本当は録り直したいのいっぱいあります(笑)。
――今回、再びレコーディングしてみて、いかがでしたか?
汐見:やっぱり、ライブで叩き上げられて育ってきた曲なので、変に技巧的にならないように気を付けようと思いました。全く別の「indigo」にならないように。本当はここでこぶしを入れたらかっこいいだろうなとか、ここでエッジをかけたらかっこいいだろうなみたいなことはすごい思ったんですけど、そういうことじゃないなって思って。ライブで育ってきて愛されるようになった曲が選ばれたんだから、ピュアな気持ちで雑念を取り払って真っ直ぐ歌いました。
君島:どの曲も、レコーディングの前はすごく練習するんですけど、やっぱりライブを重ねていくことによって何よりも強くなれるというか。より自分のものになった状態でレコーディングできたのはすごく嬉しいなって思います。
未白:お客さんに向かって何度も歌ってるので、感情を入れやすいんです。
黒坂:何も考えなくても景色が浮かぶので、歌いやすい、というか。それこそ「ラムネ」も、ちゃんとしたレコーディングがライブで披露した後で。この2曲はわりと、景色を想像しやすいレコーディングができたかなって思います。

アウェイであることは伸びしろ

――4曲目の収録曲「ねぇ」は、yosugalaの新境地を感じる曲です。
君島:ここまでがっつりのバラードってなかなかなかった。私は結構バラードが好きなので、歌うのがめちゃくちゃ楽しみでした。自分の個性をどうやって出していこうかなっていうのを考えながらデモを聴いてました。
――実際に歌ってみてどうでしたか。
君島:……気持ちいい(笑)。
汐見:そういえば、インタビューを受けてて思い出したんですけど、大きいライブが終わるたびに、プロデューサーから、この後どうなっていきたいかってヒアリングをされるんですよ。その時に、だんだんうちらも大人になってきてるから、まっすぐピュアピュアの歌詞ばっかりだと、このままずっと活動していった時に年齢と乖離していく、だんだん説得力がなくなっていく気がする、だから、ちゃんと大人っぽい曲も作ったほうがいいと思う、みたいなことを言ったんです。それがあったからかどうかは分からないんですけど、TKTさんが書く歌詞にしては、ダイレクト過ぎないというか、ちょっと遠回しな表現があったりとか、比喩っぽい表現があったりするのが特徴的で、大人っぽい曲が来たなって思ったの思い出しました。
黒坂:たしかに、大人っぽい。今の年齢、今のこの環境とか込みで、今のyosugalaに合ってる感じがするから、いい意味で考えずに歌えるのかな、みたいな。
――未白さんは、「ねぇ」に関していかがですか。
未白:本当に歌いづらかったです。(歌詞的に)歌えないです、あんまりこういうの。
汐見:でも、ERENさんいわく、恋愛の曲っていうよりかは、人生における、どうにもならないこと、手に入れたくても絶対手に入らないもの、したくても絶対にできないこと、みたいなことのもどかしさを歌ってほしい、って。
黒坂:ファンの人の心情も当てはまるって言ってました。ファンの人のアイドルへの気持ち、みたいな。
汐見:こんなふうに思ってたら、ちょっと受け取りきれない(笑)。
全員:(笑)
汐見:絶対付き合うことはできないから。今言っとくけど、ごめんなさい。諦めたほうがいいかも。でも、ERENさんが、yosugalaに恋愛の曲を歌ってもらうにあたってすごく悩んだ、みたいなことを言ってて。うちらが歌いたくないって思わない恋愛の曲を書いてくれてよかった。恋愛の曲っていうか、恋愛の曲以外の捉え方がちゃんとできる曲をちゃんと考えて書いてくれたんだろうなって思いました。
――話は変わりますが、冒頭にも少しお話があったように、皆さんは今年の春から夏にかけてロックフェスを含む多くのフェスに出演しましたね。新しい挑戦の連続だったのだろうと想像します。
汐見:まさに望んでいたことでした。そもそも私たちは、アイドルのシーンでライブする時もそうですけど、アウェイであることは基本的に伸びしろだと思ってるので、アウェイなとこに行きたいんですよ。アウェイなところに行って、ファンを増やしたいってずっと思っているので、こうやっていっぱい行けるのはまず嬉しい、喜ばしいことだと思っているし、ありがたいことだなって思っています。実際、初めて見つけてくださった方も多くて、得るものが多かったかなっていう。ツアーのチケットを買ってくれた方もいらっしゃいましたし。
未白:第一線で活躍するアーティストさんとご一緒させて頂いて、まだ自分たちにはこんな足りないとこがいっぱいあるんだなって思ったり、見せつけてやろうと思って出たけど、ちょっと見せつけるには恥ずかしいなって思ったりとか。もう上を見たらもうキリがないぐらい、すごい人たちっていっぱいいるので、その中だったら、自分たちはまだまだだなと思いました。挫折とまではいかないけど、もっと夏前にできることあったなって思ったり、もっと頑張んなきゃいけない、それを来年に活かしたいなって思ったり。パフォーマンスだけじゃなくて、場を盛り上げる力とか、場を盛り上げるアプローチも大事だなって思いました。空気を変えるっていうのがめっちゃ難しくて。
君島:他のバンドさんを観させてもらった時に、すごい空気作りがうまくて。お客さん側で観ていて、一体感というか、私もこのアーティストと一緒なんだっていう気持ちをすごく感じました。

黒坂:もうこっからここいる人たち、私たち全員みんな一緒にライブを作ってます、みたいなね。
汐見:うちらは、ロックフェスのイロハが何も分からない状態で行ったので。アイドルシーンでずっと生きてきたから分かってなかったけど、これから自分たちが漕ぎ出していくところでは、いつもとは違う戦い方もあるっていうことを今回学べたので、次もし機会があるなら、というか機会を作って、自分たちのアイドルらしさと、ロックフェスの盛り上げ方、空気の作り方をちゃんとミックスして、もっと完成度を上げた状態で挑みたいなってすごい思いました。
未白:郷に入っては郷に従え、みたいな感じで。
汐見:自分たちの今までのフロアの作り方じゃ通用しないっていうのはすごく感じました。もうちょっと視野を広げていいんだって思ったし、それが自分たちが大きくなるには大事なことなんだなって。大海を知った。でもどこまで取り込むか取り込まないかは、ちゃんと取捨選択しなきゃいけないと思う。
未白:寄りすぎちゃいけない。
汐見:うちらはやっぱり4人で歌ってるから、新しい形を作り上げていくのは、まだ難しいと思うんですけど。
黒坂:第二形成に入らないといけない…。
汐見:1回作り上げたものを1回壊して再構築する。
黒坂:っていうことをやんないといけないなと思った凝縮された3か月でした。いい経験だったな、で終わらないようにしたいですね。
未白:実りのある夏でした。

――最後に、中長期的なビジョンについて、今の考えを聞かせてください。
未白:私はaikoさんが大好きで、自分たちもaikoさんのように何十年も愛されるようになったら嬉しいなって思います。aikoさん、今もずっとめっちゃ可愛いから。あんな感じになりたいなって思いますね。
君島:前にももクロさんを観させてもらった時に、すごいって思いました。こんな多くの人に長く愛されるって、いいなって。
黒坂:誰が見ても売れてるなって思うところまでは行きたいなっていう気持ちはあります。例えば、武道館だったら、自分たちが絶対に自信を持って武道館に立てるっていう気持ちになれた状態で挑みたい。
汐見:次のライブを発表した時に、お願いします!って言わなくてもいいようにやりたい。みんながツアーの申し込みを「あ、忘れてた」とか言われたくない。「どうせ忘れても後からチケット取れる」とか思われたくない。発表した瞬間に「行きたい」って思ってもらえるようになりたい。
――皆さんの野心、しっかり伝わってきました。ありがとうございました。
全員:ありがとうございました!
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