Special
<コラム・メールインタビュー>オールマン・ベッツ・バンド、初のビルボードライブ公演──音楽の現在地そして彼らの歩みと情熱

Text:Takanori Kuroda
サザンロックの系譜は、いまも確かに更新され続けている。オールマン・ブラザーズ・バンドの血脈を受け継ぐデヴォン・オールマンとデュアン・ベッツが率いるオールマン・ベッツ・バンドは、伝統への敬意と現代的な感性を併せ持つ存在だ。初の単独来日公演となるビルボードライブ・ツアーを前に、その音楽の現在地に迫る。
※この記事は、2026年2月発行のフリーペーパー『bbl MAGAZINE vol.215 3月号』内の特別版です。マガジン版は記事全文はHH cross LIBRARYからご覧ください。
オールマン・ブラザーズ・バンドを引き継ぐサザンロック新世代グループ

1970年代サザンロックの代表格、オールマン・ブラザーズ・バンドの血脈を受け継ぐ新世代グループといえば、オールマン・ベッツ・バンドをおいて他にないだろう。オールマン・ブラザーズ・バンドのコアメンバー、グレッグ・オールマンとディッキー・ベッツのそれぞれの息子、デヴォン・オールマン(Gt./ Vo.)とデュアン・ベッツ(Gt./Vo.)を中心に結成されたこのバンドは、父親譲りのギターサウンドとボーカルを武器に、往年のサザンロックファンの心を掴みつつ若い世代にもアピールしている。
グレッグの息子デヴォンとディッキーの息子デュアンは、それぞれ長年ソロアーティストとしてキャリアを積み、現代のブルース/ロック界で名を馳せてきた。二人の出会いは1989年、オールマン・ブラザーズ・バンドの20周年ツアーに帯同した少年時代にまで遡る。その後も交流は続き、2017年にサンフランシスコはフィルモアで開催されたグレッグ・オールマンの追悼コンサートでの共演を契機に、バンド結成への機運が高まったという。
そんな彼らが2019年にリリースしたデビューアルバム『Down to the River』は、オーセンティックなサザンロックへの敬意と現代的なアプローチが見事に融合した意欲作。レコーディングはアラバマ州の名門、マッスル・ショールズ・サウンド・スタジオで行われ、プロデューサーにはジェイソン・イズベル作品を手がけてきたマット・ロス・スパングを起用。全曲をアナログテープによるライブレコーディングで収録することで、彼らの確かな演奏力とバンドとしての一体感が際立っている。ゲストにはオールマン・ブラザーズ・バンドゆかりのキーボーディスト、チャック・リーヴェルやピーター・レヴィンが参加。サザンロックの伝統に彩りを添えた。
もちろん、彼らの真骨頂はやはりライブにこそある。スタジオレコーディングで示した緻密さと熱気をそのままに、ステージ上ではジャムやインプロビゼーションを積極的に取り入れたアンサンブルを展開。クラシックな要素を下地にしながらも現代の息吹を感じさせる独自のサウンドを生み出している。「僕らは父親たちの遺産を受け継ぎつつ、現代の聴衆に向けて音楽を届けている。それこそが自分たちの使命だ」とデヴォンが語るように、彼らは伝統と革新の両輪で走り続けることでサザンロックの今を更新しているのだ。
そんなオールマン・ベッツ・バンドが今年3月、いよいよ日本にやって来る。今回のビルボードライブ・ツアー(大阪・横浜・東京)はファンにとっては待ちに待った初来日公演であり、伝説のDNAを引き継ぐバンドの生の音を間近で体感できる貴重な機会となる。かつて父親たちが生み出した数々の名曲──オールマン・ブラザーズ・バンドはもちろん、グレッグのソロナンバーなどもセットリストに織り交ぜながら、デヴォンとデュアンそれぞれのオリジナル曲もきっと披露してくれるはず。往年のファンはもちろん、すべての音楽好きにとって「現在進行形のサザンロック」を体感する絶好の機会となるだろう。
Down to the River
[2019年:BMG Rights Management]
2019 年にリリースされたデビューアルバム。iTunesロックチャートで1位を獲得し、Billboardの複数のチャートでトップ10 入りを果たすなど、世界的に注目を集めた作品である。
Devon Allman × Duane Betts Special Interview
初の単独来日公演の開催を記念し、デヴォン・オールマンとデュアン・ベッツの二人にメールで質問を投げかけてみた。ルーツから曲作り、そして日本への想いまで、彼らの歩みと情熱を感じさせる言葉が届いた。

――お二人のルーツというと?
デュアン:本当にさまざまな時代の、たくさんのアーティストやバンドに影響を受けていますが、ジミ・ヘンドリックス、ジョン・コルトレーン、ボブ・ディラン、ボブ・マーリーが好きですね。
デヴォン:ジミ・ヘンドリックス、ローリング・ストーンズ、B.B.キング、カーティス・メイフィールド、ザ・バンド、そしてエリック・クラプトンです。
――2019年のデビュー作『Down to the River』が多くのチャートで高評価を得ましたが、当時の成功を振り返って、最も印象に残っている瞬間は?
デュアン:マッスル・ショールズでアルバムを制作できたことは、間違いなく大きなハイライトでした。また、レーナード・スキナードやチャーリー・ダニエルズといったヒーローたちのオープニング・アクトを務められたことも、非常に印象に残っています。
デヴォン:『Down to the River』をリリースした当時は、バンドやツアーに対する期待感と高揚感がとても大きかったです。ヨーロッパでは素晴らしいフェスティバルに出演できましたし、ニューヨークのビーコン・シアターでは父のバンドのオープニングも務めました。この作品と、そこに注ぎ込んだ努力をとても誇りに思っています。
――曲作りの上で大切にしていることは?
デヴォン:扉が開いて、曲が向こうから入ってくる瞬間──最初のアイデアに火がつき、そこから肉付けされていく、そのプロセスを何より大切にしていますね。
デュアン:曲作りは僕とデヴォン、そして時々友人のストール・ヴォーンと行ってきました。バンドでジャムしながら作ることで良くなる曲もあるので、今後さらに試していきたいです。
――サザンロックを“今の時代に響かせる”ために必要な要素は?
デュアン:大切なのは「本物であること」と「実力」。楽曲や演奏を通して感情をしっかり伝えること。音楽そのものがメッセージであり、良い音楽は薬のような力を持っています。
デヴォン:これまでと変わらずフィーリングを込めて演奏し、人々が共感できる良いストーリーを語り続けること。それに尽きると思います。
――毎年恒例のイベント【Allman Betts Family Revival】 含めたくさんのアーティストと共演している中で、特に印象に残っているアーティストは?その理由や思い出もぜひ教えてください。
デュアン:本当にたくさんいますね。スラッシュ、ドゥイージル・ザッパ、アマンダ・シャイアーズ、エリック・ジョンソン。彼らが音楽をどう発展させ、別の場所へ連れていってくれるのかを見るのはとても刺激的でした。
デヴォン:直近の【Allman Betts Family Revival】は特に印象深いものでした。スラッシュとの共演、スティーヴ・アールがビーコン・シアターで歌ってくれたこと、ジュディス・ヒルの深い感情表現、アマンダ・シャイアーズが加えてくれた特別な要素など、忘れられない瞬間ばかりです。
――日本の音楽で知っているアーティスト、またはこれから聴いてみたいアーティストはいますか?
デュアン:子どもの頃、ロックバンドのLOUDNESSが大好きでした。クールなバンドですよね。
デヴォン:日本のアーティストにとても興味があります。これまでにもいくつか耳にしてきましたが、これからもっと知っていきたいと思っています。
――今後のバンドの展望、2026年の抱負をお聞かせください。
デュアン:もっと音楽を作って、もっとツアーをすること。そして、ミューズがどこへ導いてくれるのかを見ていきたいですね。
デヴォン:それぞれのプロジェクトが良いバランスで進んでいます。2026年にはソロ・アルバムのリリースを予定しており、それが大きな軸になりますが、ABBとしての活動や年末の【Allman Betts Family Revival】も続けていきます。
――3月のビルボードライブ・ツアー、どんな夜にしたいですか? 日本のファンに向けてメッセージをお願いします。
デヴォン:エネルギーに満ちた、リードギターたっぷりの夜になると思います。日本は、僕たちにとって本当に大好きな国のひとつです。皆さんの前で音楽を演奏できることを心から光栄に思っていますし、寿司とビールも待ちきれません!
デュアン:日本の皆さんの前で演奏できることを心から楽しみにしています。今回の公演はとても特別でユニークなものになるはずです。寿司! 寿司! 寿司!
公演情報
【The Allman Betts Band】
2026年3月16日(月)
大阪・ビルボードライブ大阪
1st stage open 16:30 start 17:30
2nd stage open 19:30 start 20:30
公演詳細
2026年3月18日(水)
神奈川・ビルボードライブ横浜
1st stage open 16:30 start 17:30
2nd stage open 19:30 start 20:30
公演詳細>>
2026年3月19日(木)
東京・ビルボードライブ東京
1st stage open 16:30 start 17:30
2nd stage open 19:30 start 20:30
公演詳細>>




























