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<インタビュー>all at once、1年半の集大成となるアルバム『ALL AT ONCE』をリリース



2020年からのコロナ禍でも、数多くのアーティストがデビュー。楽曲配信やYouTubeにおけるミュージックビデオ公開、さらにテレビ番組とのタイアップ、無観客配信ライブなど、ライブ開催が難しい中で、それぞれ趣向を凝らした活動を行っている。all at onceもその中の1組で、『名探偵コナン』のテーマソングや倉木麻衣とのコラボ、HYの仲宗根泉の楽曲提供や亀田誠治のプロデュースなど、実に多くの話題性溢れる楽曲をリリースして来た。それ以上に注目すべきは、情感たっぷりの豊かな表現力と美しいハーモニーだろう。この約1年半、楽曲をリリースしながら、それこそダイヤの原石を磨き上げるように、常に切磋琢磨を繰り返して歌声を研ぎ澄ませて来た彼ら。1stアルバム『ALL AT ONCE』は、まさしく彼ら1年半の結晶だと言える。様々なものからヒントを得て、音楽と戯れるように制作を行ってきた、彼らの1年半の軌跡と思いに迫った。

「希望を持ちながら日々できることをやっています」

――2020年4月に「12cm」を配信して活動をスタート。それから1年半が経ちますが、活動期間がすべてコロナ禍というのは、アーティストにとってすごく大変な状況ですが、その点についてはどんな風に受け止めて思いますか?

NARITO:ライブとか人前で歌う機会がなくなってしまったのは、正直「困ったな」という気持ちでしたね。やるせない気持ちと日々葛藤していた感じです。でも「ふざけんなよ!」と叫んだところで明日何かが急に変わるわけではないし、それよりも自分たちができることを探してやって行こうという気持ちでした。

――そのモチベーションになったのは、やはり応援してくれるファンの声でしたか?

NARITO:はい。SNSにコメントをいただけたり、ミュージックビデオを見た方がYouTubeに感想をコメントしてくださったり。会社内のスタッフさんからも「いい曲だね」「頑張ってね」と声をかけていただいたことが、シンプルに僕たちの糧になりました。それにこの状況が一生続くとは思わないので、希望を持ちながら日々できることをやっています。

ITSUKI:おうち時間が増えた分、練習もすごくしました。NARITOが言ったみたいに希望を持って、来るべきその日がいつ来てもいいようにと思って。それに日々ブラッシュアップを続けることで、僕たちだけの音楽の形がきっと見つかるんじゃないかと。その一環として、音楽の情報を常に共有するようにしていました。1人で家にいるとつい自分の好きな音楽ばかり聴いて、偏ってしまうと思って、NARITOに「最近何聴いてる?」「オススメのアーティストはいる?」って。お互い好きな音楽ジャンルが違うので、すごく為になりました。

▲左から:NARITO、ITSUKI

――それぞれどういう音楽が好きなのですか?

NARITO:ITSUKIは洋楽派で、逆に僕はJ-POP派です。今はYOASOBIさんやヨルシカさんなど“夜好性”と呼ばれるジャンルが好きで、それをおすすめしたらすごくハマっていたよね。

ITSUKI:全く触れていなかったから、すごく刺激を受けました。僕はNARITOとは逆に、70年代の洋楽のブラックミュージックが好きで、スティーヴィー・ワンダー、アース・ウィンド&ファイア、ジェームス・ブラウンなど、1度は通ったほうがいいと思う曲をおすすめしました。

NARITO:何となく耳にしたことはあっても、しっかり触れたことのないジャンルを聴くと、すごく刺さるものがありました。先日ノリのいい楽曲をレコーディングしたんですけど、歌ったらスタッフさんがザワザワしていて。「何で?」と思ったら、「NARITOにジェームス・ブラウンの魂が宿っていた」って言われて。

ITSUKI:すごくファンキーな歌い方で良かったんだけど、そのテイクはNGになりました。あまりにもNARITOじゃなさすぎたので(笑)。

NARITO:影響を受けすぎちゃったみたいです(笑)。

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1stアルバム『ALL AT ONCE』について 「僕たちが今伝えられる最大限の歌が詰まっています」

――音楽の趣味が違えばこそ、そうやって影響を与え合えている。そんな2人の1stアルバム『ALL AT ONCE』は、どんな作品になりましたか?

ITSUKI:これまでにリリースしたシングルやEPに収録された曲、さらに新曲が詰まっていて、この1年半の間に自分たちがやって来たものの集大成です。僕たちが今伝えられる最大限の歌が詰まっています。

NARITO:「12cm」から始まって、皆さんと同じように本当に色々なことがあり、僕たち自身の心境の変化もありました。僕自身なかなか歌に気持ちが入らない時期もあって、その中でレコーディングした楽曲もあります。そういった成長とか歌声の機微も、いい意味で楽しんでいただけるのではないかと思います。

▲「12cm」ミュージックビデオ

――タイトルを『ALL AT ONCE』と、ユニット名を付けたのは分かりやすいですね。

ITSUKI:1stアルバムなので、まずは僕たちの名前をたくさんの方に知ってもらいたいと思って付けました。「みんな一斉に」という意味なんですけど、僕たちとスタッフさんと応援してくださる皆さんの全員で、新しいムーブメントを作って行きたいという意味を込めた名前です。

NARITO:ここまで一緒に歩んで来てくれた、みんなで作った作品だと思っています。まだ僕たちのことを知らない方は、このアルバムを機に僕たちのことを知っていただけたら嬉しいです。

――アルバム収録曲「星合」と「JUST BELIEVE YOU」は、『名探偵コナン』のテーマソングとして大きな話題となりました。特に「JUST BELIEVE YOU」は、倉木麻衣さんが作詞を担当し、倉木さんの「Secret of my heart」がサンプリングされたことでも話題になりました。

ITSUKI:「JUST BELIEVE YOU」は、僕たちも本当に驚きました。デモを聴いたら倉木さんの声が流れて来て、歌詞カードをみたら作詞・倉木麻衣と書いてあって。

NARITO:最初は状況をなかなか理解できなかったです(笑)。でもここに繋がる伏線はあって。「12cm」を出す前、倉木さんのツアーに同行してオープニングアクトを務めさせていただいていたんです。倉木さんはすごくよくしてくださって、「いつか楽曲を一緒にやれたらいいね」ともおっしゃってくださいました。まさか、それがこんなにも早く叶うとは全く想像していませんでした。

▲「JUST BELIEVE YOU」ミュージックビデオ

――余計にプレッシャーがかかりそうですけど。

ITSUKI:確かに、倉木さんのファンの方や『名探偵コナン』ファンの方に、受け入れてもらえるのかという不安はありました。『名探偵コナン』で実際に流れるまで、本当にドキドキしていて、でも放送後に倉木さんのファンの方から「いい曲だね」と言っていただけたので安心することができました。それに3月〜4月に東名阪で開催された【名探偵コナン コンサート 2020-2021】でも「JUST BELIEVE YOU」を歌ったのですが、本当にたくさんの方から褒めていただいて、それも自信になりました。

――また「星合」は、ミュージックビデオを豊洲のチームラボプラネッツTOKYOで撮影。YouTubeで200万回以上の再生数を記録しました。

ITSUKI:僕たち自身が出演するミュージックビデオは「星合」が初めてだったので、すごく緊張しました。どういう表情をしたらいいのか悩んだんですけど、中に入ったらとにかくきれいで、その世界観に身を委ねるだけで自然な表情で歌うことができました。

NARITO:初めてのミュージックビデオ撮影だったんですけど、たくさんの方に見てもらえたのは本当に嬉しかったです。全面鏡張りの部屋で撮影したシーンで、スタッフさんが映り込まないように逃げ回っていたのが面白くてよく覚えています(笑)。

▲「星合」ミュージックビデオ

――「マカロン」は、ドラマ『シェフは名探偵』オープニングテーマでしたね。

ITSUKI:「マカロン」はアップテンポの楽しい楽曲で、こういったハッピーな明るさを持った曲を歌うのが初めてだったので、それをどう表現するか苦慮しました。サビの歌詞が韻を踏んでいるというのも初めてだったから、いかに聴き取りやすく耳なじみよく歌うか、2人で試行錯誤しながらレコーディングしました。

▲「マカロン」ミュージックビデオ

――また「年をかさねて」は、東京シティ競馬 トゥインクルレース35周年CMテーマソングで、HYの仲宗根泉さんが作詞作曲、編曲を亀田誠治さんが手がけています。家族愛がテーマで、大友花恋さんが娘役で出演したWEB-CMは感動的でした。

NARITO:僕らも見た時は、ジワッときました。僕は宮崎出身、ITSUKIは北海道出身なので、自分たちのこととも重ねて見終わった時は言葉が出ませんでした。

――歌詞は、仲宗根さんが自身のお父さんへの気持ちを書いたとのこと。

ITSUKI:この曲も仲宗根さんの歌声でデモが届いて、それだけでも感激でしたが、これはあくまでも仲宗根さんの「年をかさねて」なので、これをall at onceらしくするにはどうするか、すごく試行錯誤しました。NARITOは、冒頭の<ただいま おかえり>という歌詞をどう歌うかで、すごく悩んだよね。

NARITO:すごくシンプルで親しみのある言葉なんですけど、今は一人暮らしをしているから全然言わなくなっていて、この歌詞を読んで改めて特別な言葉だったんだなと気づきました。それだけに1語1語、1音1音どうするか1か月くらい考えたんです。でも最終的に、考えたことは一旦忘れてありのままで歌ってみようと思って歌ったら、自然と涙がこぼれてきました。その時の歌が、アルバムには収録されています。<ただいま おかえり>という言葉のように、当たり前でシンプルなものほどなかなか気づけないもの。遠回りをしたことで、その言葉の持つ本質にたどり着けたと思います。

ITSUKI:2人ともコロナ前から含めると3年近く帰省できていないので、この曲からすごく感じるものがあって、この曲はそれを素直に表現することが一番いいと思いました。アルバムの中でも、僕たちの素直なありのままの歌声になっていると思います。

▲「年をかさねて」ミュージックビデオ

――all at onceはバラードのイメージが強いですが、「Mission to the moon」などノリのいい曲もあって。さらに「オーバーライド」は、all at onceには新しいタイプの曲ですね。

NARITO:「Mission to the moon」はちょっとファンキーなノリの曲で、アニメ『ぼくのとなりに暗黒破壊神がいます。』のOP主題歌「Take mo' Chance」と方向性が似ているんですけど、「Take mo' Chance」の時とは歌い方もグルーブ感も格段の成長を遂げていて、1年半の成長を感じてもらえる一曲です。「オーバーライド」は、僕たちの楽曲の中では異色で、近くにいるけど心は遠くにあるといった、愛する人への未練や後悔している気持ちを歌っています。all at onceとして、また新たな一面を見てもらえると思います。

ITSUKI:「オーバーライド」はとても今っぽいトラックで、ロー感が出ているところはEDMっぽくて、こういうサウンドは今までの僕たちにはありませんでした。その部分でも初挑戦の楽曲になったし、この曲からも、今後の僕らの成長を感じていただけるんじゃないかと思います。

NARITO:1つのジャンルに縛られたくないと常々思っているので、そういう意味でも僕たちのいろんな表情やいろんな楽曲が詰まったアルバムになりました。どの曲も味が違うので、頭から最後まで飽きることなく楽しんでいただけると思います。

――このアルバムを聴いて思うのは、物理的な距離を歌った曲もあれば、心の距離、時間的な距離など、人と人の距離感を歌っている曲が多いと思いました。

ITSUKI:距離感はどの曲でも大事にしていて、それは対面して会うことが難しい今の時代だからこそということもあるかもしれません。例えば「12cm」はキスをする時の男女の最適な身長差と言われていて、「星合」は七夕がテーマで距離感が全く違うので、その違いも歌声で表現できるように心がけました。曲によって、相手は恋人だったり友達だったり家族だったりいろいろですけど、聴く人それぞれの大切な人に置き換えて聴いてくれたら嬉しいです。

――少女漫画や韓国ドラマしかり、距離って物語や歌にドラマを生みますよね。

NARITO:それはあると思います。漫画では、心の距離感と身体的な距離感は反比例しがちで、距離が離れれば思いが強くなり、距離が近づくと思いが薄くなったり、そういう矛盾から生まれる葛藤が魅力の1つです。そういう目には見えない心の距離を、音楽に落とし込めたら面白いんじゃないかと、僕らは日々努力をしています。

ITSUKI:NARITOは漫画が好きだし、僕は映画や韓国ドラマにハマっていて、そういう音楽以外の作品を通して、自分たちには無い感性や着眼点を学ぶことができます。おうち時間が増えたからこそ様々な作品に触れることができて、そうしたインプットの時間が増えたことも、アルバム制作には好影響だったんじゃないかと思います。

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「音楽に触れている時間がすごく楽しいんです」

――ちなみに、ほかのアーティストさんの曲を聴いて、ボーカルやトラックが気になったりしますか?

ITSUKI:しますね。NARITOに薦められて最近はJ-POPをたくさん聴くようになったんですけど、サウンドがすごく進化していて。YOASOBIさん、Official髭男dismさん、King Gnuさんなど、皆さんすごく複雑で難しい構成の楽曲が多くて、いつも「どうやっているんだろう?」って、トラックやサウンドの技術面に気が行ってしまいますね。

NARITO:僕は歌のほうですね。先日、Novelbrightさんとご一緒したのですが、実際に生歌を聴いて、正直妬ましく思う自分がいました。悔しくて燃えると言うか(笑)。キーの高さだけじゃなく声の伸びとか、自分には無いものをたくさん感じて、すごく刺激を受けたんです。この時感じたものを、自分たちのライブに反映させることができたらいいなと思います。

ITSUKI:単純に上手い人を見るとやっぱり悔しいけど、次の瞬間はそこで感じたものをどうやって自分たちに落とし込もうかと考えていますね。研究と言うか。だからほかのアーティストさんのライブは、冷静に見ていられないです(笑)。結局僕らは2人とも音楽オタクなんです。

NARITO:ほかのアーティストさんの曲を聴いて悔しいと思う気持ちも、それをどうやって自分たちに反映させるか考えている時間も、総じて楽しいのひと言に尽きると思います。結局、音楽に触れている時間がすごく楽しいんです。

――2022年3月には、初の有観客ライブ&ツアーの開催が決定。どんなライブにしたいですか?

ITSUKI:すごく楽しみです。正直僕たちを応援してくださっている方とは、まだ1度も対面していないので、早く会いたいですね。

NARITO:すでにどんな構成にしようとか考え始めて、今からワクワクしています。

ITSUKI:自分たちの魅力である歌とハーモニーは、生でこそより伝わる部分が大きい。レコーディングされたものとは違う、生だからこその良さを伝えたいと思っています。

NARITO:ライブならではの演出や楽しい企画も考えていますので、楽しみにしていてください。

all at once「ALL AT ONCE」

ALL AT ONCE

2021/10/06 RELEASE
JBCZ-9124 ¥ 2,750(税込)

詳細・購入はこちら

Disc01
  1. 01.年をかさねて
  2. 02.マカロン
  3. 03.23:59
  4. 04.12cm
  5. 05.星合
  6. 06.JUST BELIEVE YOU
  7. 07.Take mo’ Chance
  8. 08.雨上がり架かる虹
  9. 09.Mission to the moon
  10. 10.オーバーライド
  11. 11.Make it better
  12. 12.Two of us (以上収録予定/曲順未定)

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