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2026/11/02 11:30

米ビルボード、"ボード上の新しく、鮮やかで、興味深いすべて"を伝えた創刊号を振り返る

 1894年11月1日、米ビルボードは創刊号を発行した。その内容は現在の雑誌や、拡大を続ける米ビルボードの各プラットフォームとは大きく異なるものだった。創刊号は音楽業界に焦点を当ててすらおらず、のちに米ビルボードのトレードマークとなる音楽、そしてもちろんチャートへの注力は、数十年をかけて形づくられていった。

 週刊誌となり、オンラインで24時間365日発信する存在となる以前、米ビルボードはビルボード・アドバタイジングという誌名で創刊された。当初の使命は、誌名の由来を説明する手がかりにもなるもので、「ボード上の新しく、鮮やかで、興味深いすべてを毎月まとめたもの」だった。(サーカスのプロモーターであるジャレッド・ベルが、1830年代に始まる、ビルボード看板を用いた19世紀のマーケティングの先駆者として広く知られている。)

 創刊時、8ページ構成のこの雑誌(1冊10セント、年間購読99セント)は、「広告主、ポスター印刷業者、ビラ貼り業者、広告代理業者、そして品評会の事務局長の利益に捧げる」ものだった。

 同誌の最初の表紙を飾ったのは、当時Associated Bill Posters’ Association(ビラ貼り業者連盟)の会長を務めていたR.C.キャンベルだ。「キャンベル氏に贈る賛辞として、氏が無限の才覚、進歩的な思想、そして疲れを知らぬ勤勉さを備えた人物であると述べる以上にふさわしいものはない。本誌の第1号に氏の写真を選ぶにあたり編集長を動かしたのは、氏が我々の扱おうとする分野において誰もが認める指導者であり、第一人者であり、最も傑出した人物であるという事実であった」と、米ビルボードは創刊号に記している。

 それから132年が経ったが(そしてキャンベルが譲った表紙の座には、直近ではピットブルとフエルサ・レヒーダが登場している)、エンターテインメント・ビジネスを報じ、分析するという米ビルボードの使命は今も揺るがない。ただしこの80年以上は、業界の中でも音楽分野により特化してきた。

 同誌初の全米音楽チャートである10位までの"National List of Best Selling Retail Records"(全米小売レコード・ベスト・セラー・リスト)は、1940年7月27日号に掲載された。それ以前にも米ビルボードは、全米の"Sheet Music Best Sellers"(楽譜ベスト・セラー)、全米の蓄音機オペレーターからの報告をまとめた"Records Most Popular on Music Machines"、ニューヨークの数局のラジオ局で最も多くオンエアされた楽曲を集計した"Songs With the Most Radio Plugs"を掲載していた。しかしNational List of Best Selling Retail Recordsは、全米の小売店を対象にレコード売上を調査した初めてのチャートだった。

 この小売チャートの初代首位に輝いたのは、トミー・ドーシーの「I’ll Never Smile Again」だった。フランク・シナトラをボーカルに迎え、のちにスタンダードとなるこの楽曲は、通算12週にわたって首位に君臨した。このチャートは、業界標準となる米ビルボード・アルバム・チャート"Billboard 200"(1956年3月24日に週間チャートとなった)や、ルミネイトのデータに基づく現在のフォーマット別ソングおよびアルバム・ランキングなどへの道を切り拓いた。米ビルボード・ソング・チャート"Hot 100"は1958年8月4日に始まり、リッキー・ネルソンの「Poor Little Fool」がその最初の1位となった。以来、1位獲得曲は1,195曲を数え、現在首位に君臨中のエラ・ラングレー「Choosin’ Texas」に至るまで、その数は更新を続けている。これは132年を経た今もなお、どの週にも歴史的な偉業が達成され得ることを示している。

 近年、米ビルボードのチャートはソーシャルやストリーミングの動向を対象とする調査にも拡大し、"Hot 100"の週間集計にもストリーミング数が加えられた。また、週間の"Billboard Artist 100"、拡充されたツアー関連チャート、ソングライターやプロデューサーをランク付けする週間チャート、"Billboard Global 200"や"Billboard Global Excl. U.S."なども立ち上げている。

 一方で米ビルボードは週刊誌の他にも、高い評価を得る【ビルボード・ミュージック・アワード】【ウィメン・イン・ミュージック】【ラテン・ミュージック・ウィーク】といった業界サミット、ポッドキャスト、チャートに基づくSiriusXMでのカウントダウン番組やチャンネルなど、複数のプラットフォームを擁するまでに成長した。

 米ビルボードは創刊号の4ページ目で、「まだ産着にくるまれた身ではあるが、(本誌の)成功はすでに完全に約束されている。発行者は、本誌を常に話題性に富んだものとし、読者の関心に関わるすべての記事において、高く厳格な水準の卓越性を保つことを目指す」と宣言していた。