2026/10/08 12:00
サム・スミスのニュー・アルバムは、甘くとろけるような幸せ、家、そして心安らぐ場所について歌った作品だ。しかし、そのタイトルは失敗だったのかもしれない。
『ザ・トゥナイト・ショー・スターリング・ジミー・ファロン』に出演したこの【グラミー賞】受賞歴を持つ英国出身のシンガー・ソングライターは、通算5作目となる最新アルバム『ヘーゼル・アイズ』(キャピトル・レコードよりリリース)について深く語った。
スミスは今作で初めて共同プロデュースを手がけ、サイモン・アルドレッド(故アヴィーチー、リアム・ギャラガー)、デヴィッド・オドラム(故グレン・ハンサード、ジョシュ・リッター)とともに制作にあたった。3年をかけて作り上げた今作について、スミスは英ロンドンから新たな拠点である米ニューヨークへの移動を振り返り、「これらの音楽はすべて、私と一緒についてきたんです」と語っている。
「これは私のパートナーとの関係についての作品です。愛についての作品なんです」と彼は言う。そして「柔らかな何か」についての作品でもある。
ところが、このタイトルはうっかりミスだった。「ヘーゼル・アイズというのは、ヘーゼルナッツのような茶色の目のことだと思っていたんです」とスミスは認めている。ヘーゼルとは実際には、茶色、緑、そしてゴールドやアンバーの色合いが混ざり合った、珍しい多色の瞳のことを指す。一方でヘーゼル・ナッツは、スミスが求めていた素朴な茶色、つまり今作で歌われている瞳の色に近い。スミスがこの間違いに気づいたのは4か月前になってからのことで、その時にはアルバムのキャンペーンの撮影が行われ、すべてが動き出していた。
「アルバムのキャンペーンの間ずっと、私の服は全部茶色だったんです。悪夢ですよ。本当は”ヘーゼルナッツ・アイズ”というタイトルにすべきでした。私が定義を変えます」とスミスは笑いながら語っている。
2023年の『グロリア』は、スミスに通算3作目の全英1位をもたらし、本人が”とても強烈で、むき出しで、ゲイな作品”と表現するアルバムだが、それに続く『ヘーゼル・アイズ』で、この英国人アーティストは異なるグルーヴの中にいる。「ただ友人たちと一緒にいたかったんです。そして本物の楽器に囲まれて、心と魂から歌いたかった。そうして生まれたのがこのサウンドなんです」と説明した。
スミスは、「より幸せな場所から愛について書くのは、とても美しい経験でした。でも、もし恋に落ちたら、幾重にも重なる感情に……手が届くのだろうかと、いつも不安だったんです。ただそれは、私が一度も恋をしたことがなかったからでした。誰かを本当に愛していても、やはり浮き沈みはあるものです。特に私と付き合っている場合はそうですね。私はとても大袈裟な人間ですから」と続けている。
安定した関係にある今、スミスは悲しい曲を以前よりも書きやすくなったと感じており、「家で安心していられて、いい状態でいられるからこそ、より多くの感情を引き出せる気がするんです」と述べた。
スミスはこれまでのキャリアを通じて、米ビルボード・アルバム・チャート"Billboard 200"で4作をTOP10に送り込んでおり、その中には2017年の『ザ・スリル・オブ・イット・オール』での首位獲得も含まれる。また、同ソング・チャート"Hot 100"では7曲がTOP10入りを果たしており、キム・ペトラスとのコラボ曲「Unholy」では1位を獲得している。このソウル・シンガーはさらに、2つのギネス世界記録と5つの【グラミー賞】を保持しており、アルバム換算セールスは6,400万ユニットを超え、キャリア通算ストリーミング数は570億回に上る。
新たな時代と今作の親密さに合わせて、ライブも次の方向性へと進む。スミスはアリーナ公演ではなく、グローバル・レジデンシー【トゥ・ビー・フリー】を継続している。このレジデンシーは昨年秋に米ブルックリンのWarsaw(ウォーソー)で幕を開け、これまでにサンフランシスコの歴史あるカストロ・シアターのほか、メキシコや英国でも公演が行われてきた。
「この5年間を経て、私は世間の目にさらされる中で大きく変わりました。だからこそ、人々の目を見つめて、自分のオーディエンスがどのように変わったのかを確かめる機会が欲しかったのだと思います」とスミスは説明している。
8月下旬にリリースされた今作には、ファイスト、シャザード・イズマイリー、ムース、トゥーシティ・コーラスらがコラボレーターとして参加している。この28人編成のヴォーカル・コレクティヴは収録曲「Oh Mother」に参加しており、現地時間2026年10月7日に放送された『ザ・トゥナイト・ショー』では、スミスとともに同曲のライブ・パフォーマンスを披露した。
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