2026/10/03 18:00
LOSALIOSが、9月24日に東京・恵比寿LIQUIDROOMで、The Birthdayとのツーマンイベント【WEEKEND LOVERS Begins】を開催した。
21年ぶりのオリジナルアルバム『太陽系の鳥たち』を9月23日にユニバーサル ミュージックからリリースしたLOSALIOS。今年で活動開始30周年を迎えたLOSALIOSは、中村達也(Dr.)、TOKIE(Ba.)、堀江博久(Gt./Key.)、加藤隆志(Gt.)、會田茂一(Gt.)の5人編成となっている。セッションで生まれたアイデアを育て、ライブで磨き続けてきた歩みが新作には刻まれている。一方、チバユウスケの逝去後も活動を続けるThe Birthdayは、フジイケンジ(Gt.)、ヒライハルキ(Ba.)、クハラカズユキ(Dr.)が曲ごとにボーカルを分担。それぞれの声でバンドの楽曲を届けている。
【WEEKEND LOVERS】は、2002年に中村とチバが主宰し、LOSALIOSとROSSOを中心に始まったイベントだ。2024年にはフェスの舞台で11年ぶりに復活し、両バンドが再び共演。そして今回のイベント名には【Begins】という、意味深なサブタイトルがつけられている。長年の交流を重ねてきた彼らが、今の音で向き合う夜──その言葉の意味は、ライブの終盤に明らかになる。
客電が落ち、大歓声とともにThe Birthdayの3人が登場。赤い照明の中、The Crestsの「Sixteen Candles」を背にステージへ進むと、インスト曲「DISTORTION」で幕を開けた。フジイのギターにベースとドラムが加わり、展開を重ねるたびに3人の音がくっきりと浮かび上がる。続く「Shan Shan」では、歪んだベースにクハラのビートが加わっていっそう勢いづく。そのクハラがドラムを叩きながら歌えば、サビで一斉に拳が上がった。
「月光」はヒライのベースリフが立ち上がった途端にフロアが沸く。哀愁を帯びたトレモロギターをかき鳴らしながら、この曲ではフジイがボーカルを取る。そして、この印象的なギターフレーズは、歌に専念したいというチバの希望から、フジイが引き継いで発展させたものだという。今はフレーズと歌の両方を担うその姿に、曲が生まれた頃からのやり取りまでが重なった。
「COME TOGETHER」でマイクに向かったのはヒライ。クハラのタイトなビートと、フジイのザクザクと刻むギターの上で、ポップなメロディを伸びやかに歌い上げる。サビでフジイの声が重なると、心地よいハーモニーに応えるように客席の手が上がった。クハラからフジイ、そしてヒライへ。声の主が変わるたびに曲の表情が変わる。3人が歌えることは、今のThe Birthdayの大きな強みだろう。
演奏の楽しさが際立ったのは「Red Eye」だ。スウィングするビートとギター、ベースのユニゾンが、ノワール映画を思わせる妖しいムードを醸し出す。サビで照明も真っ赤に染まり、ベースからギターへとソロが渡る。さらにドラムソロから長いギターソロを経て、再びイントロへ。ぴたりと決まったエンディングに、堰を切ったような大歓声が降り注いだ。
そして、チバがPUFFYに提供した曲のセルフカバー「誰かが」。クハラの歌にフジイが声を重ね、強力なサビのメロディを響かせる。一度終わったかと思えば、一瞬の静寂を挟んで再びサビへ。緩急自在の演奏にフロアが巻き込まれていく。「誰かが倒れたら起こせばいい」「誰かが立ったなら支えればいい」。人が支え合うことを歌った言葉が、チバを失った後も、互いを支え、ファンと歩んできた3人の姿に重なって聞こえた。最後は「Everybody needs somebody」をシンガロングし、会場は一体感に包まれた。
「楽しいわー!」とフジイが笑い、クハラは【Begins】というタイトルに触れて「これは何かが始まる……? なーんちゃって」と含みを持たせる。期待の声を浴びながら、最後は「オルゴール」でステージを締めくくった。
続くLOSALIOSは「アナコンダ」から全開だ。加藤のリフに歓声が湧き、ハードなシャッフルビートの上で堀江のシンセが宇宙的な広がりを描く。1999年の1stアルバム『世界地図は血の跡』に収められた曲が、即興の応酬で姿を変えていく様子に、早くも圧倒される。
加藤が「バースデー、めちゃめちゃかっこよかったね」と語れば、中村は「敗北感を感じています!!」「でも大丈夫、芸風が違います」と笑わせる。新作からの「NATURE」では、TOKIEがエレクトリック・アップライトベースに持ち替え、ゆったりしたパートでは弓を使って表情を変える。彼女の即興のリフから育った曲に、會田のギターと堀江のオルガンが絡み合った。
ひときわ深く引き込まれたのは「太陽系の鳥たち」だ。堀江の厳かなピアノに、ベースとドラムの変則的なキメが入り、加藤と會田のツインギターが叙情的なメロディを響かせる。月明かりの海辺で波に身を委ねていたはずが、いつの間にか沖へ、さらには宇宙へと運ばれるような感覚。サウンドチェックで偶然生まれ、録り直しても超えられなかった最初の演奏を核に完成したという。中村がチバを思いながら名づけた曲だ。その背景も重なり、壮大な響きは亡き朋友への鎮魂歌のようにも聞こえた。
本編最後の「HAE」では、會田のラップスティールがスペイシーな音像を描く。加藤とTOKIEがステージの縁まで出て客席を煽ったかと思えば、今度は加藤と中村の一騎打ち。互いから目を離さず、ギターとドラムでぶつかり合う。それほど奔放に音を繰り出しながら、キメやブレイクではぴたりと合う。そのたびにフロアの興奮も跳ね上がった。終わったと思わせて、まだ終わらないエンディングにも歓喜の声。20年前の曲もライブで変わり続けるという彼らのあり方を、鮮烈に体感させた。
アンコールの「DeLICIOUS」では、加藤が「白鳥の湖」の一節を弾き、続きを客席に歌わせるユニークな一幕も。そこからTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTの「CISCO」へなだれ込み、途中でThe Birthdayの3人を呼び込む。ツインドラム、ツインベース、トリプルギターへと膨らんだ音に乗せ、ステージもフロアも「シスコ!」と叫ぶ。チバとクハラが鳴らしてきた曲が、この日一番の熱狂を生んだ。
さらに、【WEEKEND LOVERS】のツアーを来年初夏に開催すると発表。クハラの思わせぶりな前振りも、【Begins】というタイトルも、ここでつながった。「これを待ってたんだよ。さすがに涙腺にくるな」と感極まる加藤に、中村が「QT(キューティー)ペア!もやるんだ!」(QTペア=クハラと達也のドラムだけで即興ライブをやるときのコンビ名)と叫ぶ。そして、おもむろにドラムを叩き始め、最後の「ローリン」へ。両バンドの新しい道のりが、具体的な未来の約束になった。ともに音を鳴らし、笑い合う姿を見ていると、来年初夏の再会が早くも待ち遠しくなった。
なお、この日はLOSALIOS初のビルボードライブ・ツアーの開催も告げられた。2027年1月22日に横浜、26日に大阪、28日に東京の各ビルボードライブを巡り、田中邦和(Sax.)、タブゾンビ(Tp./SOIL&“PIMP”SESSIONS)、LEO(Vo./ALI)をゲストに迎える。ホーンと歌声が加わることで、5人のアンサンブルがどう広がるのか。その新たな試みにも期待が膨らむ。
Text by 黒田隆憲
Photo by 庄司寛樹
◎公演情報
【WEEKEND LOVERS Begins】
2026年9月24日(木)
東京・恵比寿LIQUIDROOM
【LOSALIOS 九州ツアー】
2026年11月14日(土)福岡・小倉FUSE
2026年11月16日(月)福岡・LIVEHOUSE CB
2026年11月17日(火)福岡・久留米RISEUP
2026年11月18日(水)佐賀・GEILS
2026年11月20日(金)熊本・NAVARO
2026年11月22日(日)鹿児島・SR HALL
2026年11月23日(月・祝)宮崎・LAZARUS
【LOSALIOS Billboard Live】
2027年1月22日(金)神奈川・ビルボードライブ横浜
[1st]OPEN 16:30 / START 17:30
[2nd]OPEN 19:30 / START 20:30
2027年1月26日(火)大阪・ビルボードライブ大阪
[1st]OPEN 16:30 / START 17:30
[2nd]OPEN 19:30 / START 20:30
2027年1月28日(木)東京・ビルボードライブ東京
[1st]OPEN 16:30 / START 17:30
[2nd]OPEN 19:30 / START 20:30
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