2025/09/18 19:00
9月15日、eillが東京・LINE CUBE SHIBUYAにて【eill one man live 2025 HEART+VEILL】を開催した。一夜限りのスペシャルなライブの様子をレポートする。
オープニング映像が流れ、バンドメンバーがスタンバイしたところでeillがステージに姿を現す。黒と白の衣装に身を包んだ彼女は「渋谷、会いたかったよー! 楽しんでいこう!」と叫んでから「SPOTLIGHT」へ。曲が始まった瞬間歓声が上がり、手拍子が起こっていく。eillは気持ちよさそうにくるくると回りながら、伸びやかな歌声を届けていった。「【eill one man live 2025 HEART+VEILL】へようこそ! 今日は最後まで心も体も熱く踊っていきましょう。よろしくお願いします!」という言葉で始まったのは、「罠」。クラップを煽ってみたり、ステージ上を歩き回ったり、バンドメンバーと目配せをしてみたり、途中で銃を打つポーズをしてみたり。自由に音楽を楽しんでいる姿が印象的だ。それにつられるかのように、観客たちも思い思いに手を上げて盛り上がっていく。高音のロングトーンを響き渡らせたところで、「25」へ。軽く体を揺らしながら、その唯一無二の歌声で観客を魅了していった。
「こんばんは、eillです」と自己紹介をすると、「最後まで心を込めて、ここにいる一人ひとり、あなたのために歌を届けます。どうか最後まで楽しんで帰ってくれたら嬉しいです」と笑顔を見せる。そして始まったのは、「フィナーレ。」。青い照明に包まれたステージ上に立つeillは、歌詞一文字ずつを大切に抱きしめるかのように丁寧に歌い上げていく。「プレロマンス」では、1階席から2階席まで見つめながら思いを届け、続く「Love, lala ~恋の行方~」ではジェスチャーを交えながら笑顔で歌を紡いでいた。その姿は、「あなたのために歌を届けます」という言葉を有言実行していくかのようであった。
笑顔で3曲歌い終えると「楽しんでますか?」と問いかけ、この日のライブタイトル「HEART+VEILL」について語っていく。「お家で窓の外を見ている時だったんですよ。私たちは朝日を迎えたり、前を向きたい時はカーテンをパッと開けるじゃない? でも寝る時とか心を休めたい時、ちょっと傷ついた日はカーテンを閉じて一人の時間を過ごしたりする。(カーテンは)心と比例しているものだなって思ったんです。毎日、忙しいじゃないですか。だから、なかなか自分と向き合う時間とか、答え合わせをする時間がないんじゃないかなって。このライブの時だけは、私の音楽とみんなの人生が重なった日々を少し思い出してみたり、素直になって歌ってみたり、踊ってみたり、笑ったり、泣いたり。たまに『フー!』と叫んでみたりとかね。心を解き放ってほしいです」と思いを伝える。じっと聴き入っていた観客に「できそうですか?」と問いかけると、会場からは「フー!」という声が返っていく。なんと素直で素敵なファンなのだろう。
改めて声出しをして、「hikari」へ。感情たっぷりに歌い上げると、ディープでゆったりとしたビートが流れてくる。それに合わせて、「ここからはスペシャルなメドレーを届けていくよ」とeill。「((FULLMOON))」、「HIGHLIGHT」と続き、eillがステージ上のキーボードを弾きながら始まったのは「Into your dream」だ。さらに、「happy ending」で観客を引き込むと、eillがキーボードの弾き語りで「happy ever after」を歌い出す。その声は美しくて深い。2コーラス目からはバンドも入り、2つの表情を楽しめるかのような楽曲となっていた。
まだまだメドレーは続く。「いけないbaby」でキラキラした姿を見せると、再びキーボードを弾き語っていく。「片っぽ」だ。歌だけでなく、その存在感でも観客を魅了していくeill。さらに、「fortnight」ではステージの真ん中へ移動し、オレンジの光に包まれながらeillらしい、強く、温かい歌声を見せつけていった。
一気に駆け抜けると、「心のベール、取れたかな?」とニッコリ。「ここから後半戦に行くんだけど、人生の話をしてもいいですか?」と、今日という日への思いを伝えていく。「こんなことを言ったら『えっ?』と思うかもしれないけど、私は大きな夢とかすごい目標とかあんまりない人間なんです。だから、たまに誰かから借りてきた言葉を言っちゃったりとかすることもあったんだよね。答えがないから、出口がないから、迷ってしまうこと、悩んでしまうことがたくさんあって。でも、ふと後ろを振り返ると、何気なく生きてきた今日、それがずっと積み重なって、こんなにも素晴らしい場所に自分が立てている。いい人生じゃんって今日思いました。ありがとう」と語ると、大きな拍手が返っていく。
さらに「もしも、みんなが今日を生きることに悩んだり、躓いたりしていても、それはいつか遠くの未来のあなたの強さに変わるということ、あなたの人生になるということ、忘れないでいてくれたらなと思っています」と語り、「何気ない今日が、いつの日か革命を起こす日に変わるかもしれない。人生を照らす日になるかもしれない。未来がある、明日があるみんなに、この歌を届けます」という言葉とともに始まったのは、「革命前夜」。〈君と出逢って〉の部分で客席に手を差し伸べるジェスチャーを見て、まさに観客のために歌っている曲なのだと実感した。さらにライブでおなじみになりつつある「WE ARE」ではコールもバッチリ。「今日までみんなが抱えてきた孤独、それは誰かと分かち合えることではないかもしれない。でも、隣を見れば、前を見れば、みんな孤独と戦っています。今日まであった痛みも、苦しいことも全部力に変えて、一緒に歌えますか?」と熱く叫ぶと、会場には〈WE ARE, WE ARE〉と歌う声が鳴り響いていった。そのままノンストップで「最後の曲です! まだまだ盛り上がっていけるか、東京!」と「ここで息をして」がスタート。持っている力をすべて出し切らんばかりに全力で歌い、ステージを動き回るeill。迫力満点のステージを披露し、「次はツアーで会おうぜ!」と本編に幕を下ろした。
アンコールで呼ばれ、ギターのサトウカツシロとともに再びステージに登場したeill。「アンコールありがとう」と、アカペラで歌いだしたのは「2025」だ。ステージ上にあぐらで座りながら、歌詞を見ながらラフに歌っている姿は等身大でかっこいい。歌い終わると、暗転中に歌詞カードを観客の1人に手渡しでプレゼントして、「受け取ってください」と笑顔を見せていた。ここで、11月からスタートするツアーに向けて、11月5日にNew EP『ACTION』をリリースすることをお知らせ。ラストはそのEPの表題曲「ACTION」を披露して大いに盛り上げてステージを後にした。エンドロールが終わると、【ACTION ASIA TOUR 2025-2026】がサプライズ発表。最後の最後まで観客を楽しませた、スペシャルなワンマンライブであった。
Text by 高橋梓
Photo by tatsuki nakata
◎公演情報
【eill one man live 2025 HEART+VEILL】
9月15日(月祝)東京・LINE CUBE SHIBUYA
<セットリスト>
01. SPOTLIGHT
02. 罠
03. 25
04. フィナーレ。
05. プレロマンス
06. Love, lala ~恋の行方~
07. hikari
08. ((FULLMOON))
09. HIGHLIGHT
10. Into your dream
11. happy ending
12. happy ever after
13. いけないbaby
14. 片っぽ
15. fortnight
16. 革命前夜
17. WE ARE
18. ここで息をして
En01. 2025
En02. ACTION
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