2023/04/17 12:30
BUMP OF CHICKENはチャート上位の常連ではあるが、それでもこれはちょっと珍しいチャート・アクションと言っていいだろう。昨年9月29日に配信リリースされた「SOUVENIR」が、2023年4月12日公開のBillboard JAPAN 総合ソング・チャート“JAPAN Hot 100”で2位、同日の“JAPAN Hot Animation”では1位を獲得した(【表1】)。しかも、その前週は圏外だったというのが面白い。
「SOUVENIR」はテレビ東京系の大人気アニメ『SPY×FAMILY』の第2クールのテーマソングとして、昨年の10月からオンエアされている楽曲だ。第1クールはOfficial髭男dismの「ミックスナッツ」でこちらはいまだにトップ20前後で推移している特大ヒットだが、「SOUVENIR」は初週の10月5日公開のJAPAN Hot 100 4位でスタートを切ったとはいえ、その後はじわじわと右肩下がりで、年明け1月ごろから50位以下になり、3月に入ると圏外になってしまった。
しかし、今回は4月5日にBlu-rayが付属する仕様のフィジカルのCDがリリースされたことによって、CDセールス数のポイントが一気に急上昇。この現象に引っ張られるようにダウンロードも19位まで再浮上している。これは、CDを購入するコアなユーザーが一定数いるということの証明といってもいだろう。『SPY×FAMILY』自体のファンがどこまでこの購買層にいるのかは不明だが、今回の配信リリース時を超えるチャート・アクションはあくまでもBUMP OF CHICKENファンの力と言っていいだろう。
残念なのは、ここでストリーミングが伸びていないことだ。このタイミングで、「CDまで買わないが曲は聴く」というグレーユーザーを一緒に引き上げることができていたら、さらなるロングヒットにつながる可能性は高いだろうが、そこはどうなるか次週のチャートに注目したい。
ストリーミングのシェアがどんどん大きくなっているとはいえ、BUMP OF CHICKENのように、アーティストによってはフィジカルの影響力が大きいという例は他にもあるだろう。こういったアーティストの特性を考えながら、リリースやプロモーションの計画を立てることが、ヒットに繋げるための重要なアクションなのだ。
Text:栗本斉
◎栗本斉:旅&音楽ライター、選曲家。レコード会社勤務の傍ら、音楽ライターやDJとして活動を開始。退社後、2年間中南米を放浪し、現地の音楽を浴びる。その後フリーランスとして活動した後、2008年から2013年までビルボードライブのブッキングマネージャーに就任。フリーランスに戻り、雑誌やライナーノーツなどの執筆や音楽評論、ラジオやストリーミングサービスにおける構成選曲などを行っている。
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