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2022/07/16 11:00

S.メンデスがツアー中断、RATMが11年ぶりのライブ、ピンクがアンチを新曲に:今週の洋楽まとめニュース

 今週の洋楽まとめニュースは、ショーン・メンデスに関する話題から。2022年7月8日、ショーンは自身のメンタル・ヘルスと向き合うため、【ワンダー:ザ・ワールド・ツアー】を向こう3週間中断すると発表した。
 
 彼はSNSに、「これを言わなければならないのは心が痛みますが、残念ながらこれから3週間のコネチカット州アンカスビルまでの公演を、追ってお知らせするまで延期しなければなりません。僕は15歳の時からツアーをしていて、正直なところ友人や家族から離れてツアーに出るのはいつも大変でした。数年間ツアーから離れたあと、再び飛び込む準備ができたように感じたのですが、その決断は時期尚早で、残念ながらツアーによる負担とプレッシャーに追いつかれ、限界点に達してしまいました」と投稿した。
 
 彼のメッセージはさらに、「スタッフや医療専門家との相談の上、僕は自分を癒す時間を取り、自分自身や自分のメンタル・ヘルスの看病を最優先にしなければならない(という結論に至りました)。またアップデートがあれば、すぐにお知らせすることを約束します。みんな大好きだよ」と続いている。

ショーン・メンデス、メンタル・ヘルスと向き合うためツアーを3週間中断すると発表


 2022年7月9日に米ウィスコンシン州イースト・トロイで、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン(RATM)が11年ぶりとなるライブを行った。再結成した過激なロッカーたちは長年のブランクを一切感じさせず、完売したアルパイン・バレー・ミュージック・シアターの3万人以上の観客に向け、バンドの特徴である断固としたメッセージ性が盛り込まれた名曲の数々が並んだ激しいセットを届けた。

 ラップ、ロック、メタル、そしてストリート・レベルのルポルタージュの混在が特徴的なこのバンドは、2000年の解散以来2度の長期休止を経ていたにもかかわらず、アリーナ級の会場でのヘッドライナーを務められるほどの地位を保っていた。米ローリング・ストーンによると、コンサートは1992年の「Bombtrack」で幕を開け、後ろのスクリーンに“Fear is Your Only God”(恐れが唯一の神)の文字が光る中、RATMらしい激しさで、「People of the Sun」や「Bulls on Parade」などの地響きのような名曲が続いた。

 90分のこのライブではもちろん、RATMお決まりの挑発も盛り込まれ、ステージのスクリーンには炎上するエルパソのパトカーや、ボートに乗った難民の一団にズームインするヘリコプター映像などが映し出されたほか、保守寄りの米最高裁判事たちが1973年の「ロー対ウェイド裁判」判決を破棄してからわずか数週間後のこのタイミングで、“最高裁判所を中絶せよ”という刺激的な文言も表示された(米最高裁による判断後、ウィスコンシン州では170年以上前の中絶禁止法が復活している)。

レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン、11年ぶりのライブでブランクを感じさせない挑発的なステージを披露


 2022年7月12日にピンクは、「起きた。激高した。曲を書いた。近日公開」と添え、「Irrelevant」という新曲のタイトルと歌詞の一部が手書きされたピンク色の紙ナプキンの写真を投稿した。歌詞は、「今日は雨が降りそう/地面には灰/限界まで非難に耐えた/そして全て燃き払った」と書かれている。

 ピンクのこの新曲は、女性が中絶する選択権を政府レベルで保護する1973年の「ロー対ウェイド」判決の米最高裁による撤回を受けて、6月に彼女が反対意見をSNSで述べたところ、“黙って歌っていろ(shut up and sing)”という趣旨のコメントが多く寄せられたことに言及しているものとみられる。

 アンチをおちょくる意味合いもあったようだが、ピンクのファンはこれに大喜びで、リプライにはこの断片を録音して曲としてリリースしてほしいと嘆願する人が続出していた。彼女はファンの願いを聞き入れたようだが、原時点ではこの曲がいつリリースされるかは不明だ。

ピンク、アンチからのヘイトを「Irrelevant」という新曲に変える


 さて、今週の米ビルボード・ソング・チャートでは、ハリー・スタイルズの「アズ・イット・ワズ」が通算9週目の首位を獲得した。1位に初登場した4月16日付から今週までの14週間で通算9週目の首位を獲得した「アズ・イット・ワズ」は、エアプレイが7,340万回(1%減少)、ストリーミングが1,800万回(3%減少)、セールスも5,000(10%減少)にそれぞれ前週から数字を落としているが、大きな変動はない。エアプレイ・チャートで3位をキープして、ストリーミング・ソング・チャートでは7位から6位に上昇した。なお、前者は4週、後者は2週それぞれ1位を獲得している。安定した人気を維持して、今年のソング・オブ・ザ・サマーでは6週目の首位をキープした。

 また、2位にはリゾの「アバウト・ダム・タイム」が先週の3位から上昇して最高位を更新した。ストリーミングが1,250万回(2%減少)、セールスも8,000(10%減少)に若干減少しているが、エアプレイは7%増加の8,320万回に上昇していて、エアプレイ・チャートでは2位から1位に上昇。「トゥルース・ハーツ」(2019年 / 6週)、「グッド・アズ・ヘル」(2019年 / 4週)に続く3曲目のNo.1タイトルを獲得した。「トゥルース・ハーツ」が初めて1位を獲得した2019年9月28日付から今週までの約2年10か月間で、エアプレイ・チャートの首位獲得数が3曲を上回ったのはリゾが初の快挙となる。

【米ビルボード・ソング・チャート】ハリー・スタイルズ「アズ・イット・ワズ」通算9週目の首位、リゾが2位に上昇


 そして、アルバム・チャートでは、バッド・バニーの『Un Verano Sin Ti』が通算4週目の首位を獲得した。先週から4%減少したものの、今週も111,000ユニットを獲得して初登場から9週連続で10万ユニットを突破。初登場からの連続記録としては、2016年5月21日付から7月23日付まで10週連続で10万ユニットを突破したドレイクの『ヴューズ』以来、約6年ぶりの記録更新で、次週10万ユニットをキープできればその記録に並ぶ。

 また、5位には、米フロリダ州のハード・ロック・バンド=シャインダウンの新作『プラネット・ゼロ』が初登場。初動ユニットは49,000で、その内訳セールスが43,000、ストリーミングが6,000(767万回)、トラックによるユニットは1,000弱だった。本作は、2018年5月にリリースした前作『アテンション・アテンション』から約4年ぶり、7作目のスタジオ・アルバムで、以下に続く5作目のTOP10入りを果たしている。

【米ビルボード・アルバム・チャート】バッド・バニー『Un Verano Sin Ti』通算4週目の首位、シャインダウンTOP5デビュー

 

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