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2022/05/16

【ユーロビジョン2022】ウクライナ代表のKalush Orchestra、圧倒的支持を受けて優勝

 ウクライナのバンド、Kalush Orchestraが、現地時間の2022年5月14日に開催された【ユーロビジョン・ソング・コンテスト2022】で、圧倒的支持を受けて優勝した。

 Kalush Orchestraは、イタリア北部の工業都市トリノで開催された【ユーロビジョン・ソング・コンテスト】の決勝戦で、何百万人もの観客がテレビやストリーミングで世界中から見守る中、25の決勝進出者の一組としてライブ演奏を行った。

 伝統的な民謡のメロディーと現代のヒップホップをミックスし、ウクライナ文化を意図的に守るこの6人組バンドは、グランド・フィナーレに出場したバンドやパフォーマーの中で、感傷的な意味でもブックメーカーの間でも一番人気だったが、視聴者による一般投票が彼らの優勝を決定的にした。

 バンドのフロントマンであるOleh Psiukはバンドの演奏後に、世界中の多くの視聴者に向けて、南部の港町マリウポリの製鉄所に現在も閉じ込められている戦闘員の解放を熱烈に訴えた。彼は、「皆さん、ウクライナとマリウポリを助けてください。今すぐアゾフスタリ(製鉄所)を助けてください」と、7,500人の観衆と何百万人もの番組視聴者に向かって述べた。観衆の多くはスタンディング・オベーションをバンドに送った。

 ロシア軍によりアゾフスタリ製鉄所に閉じ込められたウクライナ人兵士の解放を求める嘆願は、この非常に人気があり時に派手な【ユーロビジョン・ソング・コンテスト】が、欧州東部での戦争を背景に展開されていることを重苦しく思い出させるものだった。

 ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は、番組をキーウで視聴し、Kalush Orchestraを応援していることを示唆した。大統領は声明で、「確かに、これは戦争ではないが、それでも、今日の我々にとって、どんな勝利も非常に重要だ。だから、私たちの(国の代表を)応援しよう。ウクライナに栄光あれ!」とコメントした。

 2月24日にウクライナに侵攻したロシアは、今年の大会から除外された。この判断について主催者は、国家間の多様性と友好を促進するコンテストから政治を排除することを意図していると述べた。

 Kalush Orchestraが演奏した「Stefania」は、フロントマンの母親に敬意を表して書かれた楽曲だが、戦争が開始されてからは歌詞が新しい意味を持つようになり、苦難に満ちた国家への賛歌に変貌を遂げた。Oleh Psiukは、“たとえすべての道が破壊されたとしても、私はいつもうちに帰ってくるだろう”と歌詞で綴っている。

 6人の男性からなるこのバンドは、同音楽コンテストでウクライナとウクライナ文化を代表するために、特別に出国許可を得た。オリジナル・メンバーのうち1人は戦うために国内に残り、他のメンバーはコンテストが終わり次第、帰国する予定だ。