Follow jyA-Me TV(仮)がじわじわと面白い

▲YouTube「[Follow jyA-Me TV(仮) #9 1/5] 2014年一発目スタート!」

－－相変わらず『Follow jyA-Me TV（仮）』面白いですね！

jyA-Me：ありがとうございます！

－－最近では、＃7の競馬の回でゲストなのに立ちっぱなしだったCLIFF EDGEのJUNさんが、＃8では運転手にさせられて車で横浜をドライブするという、なかなか飛ばした内容もあったりで。

jyA-Me：ホントですよね（笑）。

－－＃7と＃8とで、再生回数に雲泥の差があったのも笑えました。

jyA-Me：競馬の回はなかなかシュールでしたよね（笑）。競馬はJUNさんの持ち込み企画だったんですけど、私も競馬が好きになりました！ 楽しかったです！

－－＃8のドライブ中はトークが満載で、CLIFF EDGEの歴史をかいま見ることもできる内容でした。

jyA-Me：CLIFF EDGEさんにはインディーズ時代からずっとお世話になっているので、何があってもイジられるんですけど愛情を感じますね。何度も楽曲に関わらせていただいてますし、毎回私のリリースを気にかけてくれますし、本当に良いお兄さんですね。

－－あと、＃7のオープニングでjyA-Meさんがロデオマシーンに乗っている映像は、ちょっとエロいと思いました（笑）。

jyA-Me：撮影場所にたまたまあったから乗ってみただけなんですけど、以前にもオープニングでブランコに乗ってみたら、見えそうなギリギリだったとか。「そういうギリギリのラインが良いんだよ」ってSHINさんが言ってました（笑）。
やっぱりあの番組では楽しんで笑ってもらえることが一番嬉しいので、私もオープニングでモノマネに挑戦したりして。期待に応えたいからやっていることなので、あそこで笑ってもらって週末をのんびりすごしてもらいたいなって思いながらいつもやってます。

2013年は75点だけど本当は……？

▲YouTube「[Follow jyA-Me TV(仮) #8 2/5]jyA-MeとCLIFF EDGEが2013年をシッポリ振り返ります」

－－＃8には2013年を振り返るシーンもあり、jyA-Meさんは仕事で75点と評していました。足りない25点というのは？

jyA-Me：一番大きいのは、ワンマンライブをまだやっていないってことで。インストアイベントなどはワンマンに近い所もあるんですけど、やっぱりフリーだったりするじゃないですか。お金を出して聴きにきてもらうことを、まだ成し遂げていないのは凄く悔しいです。だから、あれは良く言って75点だったんです。本当はもっと低いんですけど、やっぱり音楽を通して伝えたいことを発信できていることもあったし……。

－－確かに今までの作品においても、それなり以上の満足はしていたわけですよね？

jyA-Me：ん～……、でも満足していることはないですね。凄く良い曲ができたという想いはあるんですけど、細かい所を直したいと思ったりで、毎回反省だらけですね。

－－ただ、その反省が改善されたとして、先ほど仰った25点が埋まるわけではないですよね。

jyA-Me：こういう時代で色んなSNSがあって、色んな発信をしていけたらと思う反面、私と同じラインに立っているアーティストさんはたくさんいますよね。そこで自分のポテンシャルを出せることだったり、目を惹き付けられるものがないと難しいっていう現実は感じていますね。

－－例えば、R＆Bやヒップホップが隆盛を極めたかつての時代だったら、まったく違った評価を受けていたかもしれないですよね。

jyA-Me：でもそれはどうにもならないことだし、私は今を生きているので、今できることを最大限にやるしかないんですよね。それに今だって私を感じてくれている人がいて、応えたいと思っていますし、またR＆Bやヒップホップのブームが来るかもしれない。いつかブームに左右されず定着する日だって来ると思っているので、自分のスタイルは貫き通したいですね。

－－一方で現在もブームが続いているアイドルはCDの売り方が特徴的で、チャートで上位に行くことが一つのプロモーションになっている現実もあります。

jyA-Me：自分もiTunesでいっぱいダウンロードしますし、CDを買っても一度パソコンに取り込んでしまえば、歌詞も検索で見つかる時代ですから、そうなるとCDはあんまり開けなくなりますよね。本当に欲しい作品だけをCDで買って、後はiTunesで手に入れるスタイルは、自分の中でも普通になっています。

ただ、私は音楽の形態は何でも良いと思うんですよ。それこそYouTubeで聴いてくれるだけでも凄く嬉しいですし、海外にはYouTubeからの収入で成立しているアーティストさんもいますよね。
もちろん作り手からすると、クレジットがありますしブックレットにもこだわっていますから、歌詞カードを読みながら聴いて欲しいっていう想いはあります。でも、「高くて聴けない」と思われるよりは、どこでも私の音楽が聴ける状況の方が嬉しいですし、値段を考えて作っているわけではないですからね。

jyA-Meはだめんず好き？

▲YouTube「IVAN (モデル/タレント）がPV初主演！！【PV】Crazy About You／jyA-Me」

－－このたびリリースになる3rdアルバム『This is. Me』では、2曲のミュージックビデオを制作されましたが、「嫌いにさせてよ… feat. SHUN」には『テラスハウス』に出演中の写真家の今井洋介さん、「Crazy About You」にはモデルのIVANさんが出演しています。こうしたアプローチには、音楽に興味の無い人も音楽に触れて欲しいという想いがあるわけですよね。

jyA-Me：そうですね。

－－さらに本作の初回盤には、その2曲に加えてこれまで発表してきたミュージックビデオを計8曲収録したDVDが付属されます。ある種の飛び道具まで使いながら、とにかく音楽を届けようとする姿勢を感じました。

jyA-Me：IVANも年末年始は色んな番組に出演していましたし、『テラスハウス』は私も毎週見ていますけど凄い人気ですよね。ただ、本当にありがたいことに、お二人とも以前から知り合いで、今回初めて自分でブッキングさせてもらったんですよ（笑）。

－－あ、そうなんですね！

jyA-Me：アルバムタイトルの『This is. Me』には、今までの私を知って欲しいという意味合いもあって、これまでのミュージックビデオを収録しました。jyA-Meにはこんな曲があって、こういう風に踊れるんだってことを知ってもらえる作品にしたかったんです。

－－また、本作は印象的な歌詞が多いですよね。最初に目を惹いたのは6曲目の「間違いだらけのLove story」で、“見た目じゃないって言うけど そんなの社交辞令だし”という歌い出しは耳が痛い言葉です。

jyA-Me：たとえば付き合っている人がダメ男だとして、友だちから「何であんな男と付き合ってるの？ 別れなよ！」って言われたりすることって女子会とかでよくあることだと思うんですけど、それでも好きだったら自分の気持ちに正直になって、たとえ間違いだらけのLove storyだったとしてもいいというか。ガールズトークしてるとあるんですよねぇ、「……でもさぁ！」みたいな（笑）。

－－“だめんず”なんて言葉もありますが、jyA-Meさんはダメ男を好きになってしまうタイプですか？

jyA-Me：いやー、どうなんでしょう!? 私の中では一人もいなかったと思ってますし、そういう気持ちが曲になったのが「間違いだらけのLove story」です（笑）。やっぱり人を好きになれることって凄く特別な感情でステキなことだから、どんな恋愛であれ思いっきり恋して欲しいっていう想いを込めて作りましたね。

－－恋は盲目？

jyA-Me：そうです！ 「恋は盲目」っていうタイトルみたいなもんです！

どんなにがんばってもビヨンセにはなれない

▲YouTube「写真家 今井洋介がPV初出演!!　「嫌いにさせてよ... feat. SHUN (Short ver.)」 jyA-Me」

－－ただ、先ほど引用した歌詞は、恋愛だけに限った話ではないと思うんですよ。それこそ『テラスハウス』だって容姿が良い人しか出演しないですよね？

jyA-Me：そうかもしれないですね（笑）。

－－だからこそ、この歌詞には説得力や深みがあると感じました。

jyA-Me：それは嬉しいですね。嫌なこととか劣等感を感じることがあるからこそ、幸せを強く感じられると思うんですよ。その歌い出しは普段から思っていたことなので、特にトリッキーなことをしたつもりはないんです。
それに「自信ないなー……」って思ったときに、一緒にいる人から「かわいいね」って言ってもらえるのは凄く嬉しいですよね。実は影で「あの子、不細工だね」って言われていたとしてもいいというか、そういう気持ちってみんなもきっとあるんじゃないか……っていうのは、恋愛に限らず当てはまるんじゃないかって思います。

－－今の話を聞いて確信に変わったのですが、jyA-Meさんはダメ男にハマッちゃうタイプですね。

jyA-Me：アッハッハッハッハ！（笑） ただ、実はこの曲にはそういう意味も含めていますね。私の性格上、人って絶対良い所も悪い所もあると思うんですよ。だから悪い所を笑い飛ばして、良い所を褒めたら幸せになれるのになって。

－－歌詞では8曲目「Brand New Day」の“『夢は叶うよ』なんて 叶えた人しか分からない”という歌い出しも印象的で、シンガーとして発するには覚悟がいる言葉だと思いました。

jyA-Me：私にも色んな葛藤があって、「忙しくて他のことが全然できない……」ってグダグダ言っちゃうこともあるし、毎日何かに追われてすごしている感覚が凄くあるんです。夢や目標があるのに、時間や周囲のせいにしてすごしてしまっていることって、みんなもあると思うんですよね。
でも、そういうときにがんばれって言葉ばかりになってしまうと、どうしても力が入ってしまう。「言われなくてもがんばってるよ」と思う人だっているだろうし、ある意味、もの凄く冷たい言葉に思えてしまうことだってある。「夢が叶っている人は言えるよな……」って思ってしまうことだってあると思うんですよ。

－－ただ、メジャーデビューをしたミュージシャンという立場は、一つの夢が叶っているとも言えますよね。

jyA-Me：憧れの人っていっぱいいるんですけど、私がどんなにがんばっても、たとえばビヨンセにはなれない。ビヨンセのようにもなれないって気付いたんです。でもそれは壁を感じたわけではなくて、自分の生きる場所を見つけたってことなんですよね。この風貌でこの感情で、育ってきた環境で、自分がどう表現したりとか、どう生きていけばいいのかを見つけたというか。
現実を受け入れた感が凄くあって、それは残念なことではないんですよ。自分ならこうできる、自分らしさを貫けばきっとこうなる！っていうのを見つけたので、自分は自分でいいんだってことを「Brand New Day」では言いたいんです。

お母さんはすべてを捧げてくれていた

▲YouTube「【60秒SPOT】With. Me -Duet Cover-／jyA-Me」

－－さらに、アルバムは「HEAVEN」「Love. ママ」とタイトルを見ただけでも重みが伝わってくる楽曲が続いて終わりを迎えます。

jyA-Me：ヘヴィです！（笑）

－－楽曲を聴いてヘヴィさ以上に伝わってきたのが、女性の強さでしたよ。

jyA-Me：あ、そう感じていただけると凄く嬉しいです！ 理由ですか？ 何だろう……。

－－プライベートは引きこもっていて20点なのに……（『Follow jyA-Me TV（仮）』＃8より）。

jyA-Me：アッハッハ！（笑） 本当に毎日引きこもってるんですけど、一つ大きかったのは昨年夏にリリースしたカバーアルバム『With. Me -Duet Cover-』ですね。色んな人から愛されている楽曲をカバーするという、ハードルは高いし恐れ多いことに挑戦して、どうやって表現しようか壁にぶち当たったんですよ。そこで1曲1曲、歌詞の内容とか歌い方とかデュエットしていただいた方の表現方法とか、色んなことを分析したんですけど、印象的だったのが「サビでもこんな歌詞ってありなんだ」ってことで。
それまでは「こういう方が聴きやすいんじゃないか？」とか「分かりやすい言葉でシンプルに」とか、どこかで法則に則ってたというか、自分じゃない何かを探していたというか。でも、たとえば「愛が生まれた日」の“キャンドルの炎に 揺れてるプロフィール”という歌詞みたいに一目では分からないような言葉もあるし、全体の世界観で表現しているんだって気付いたんです。もっとパーソナルな自分らしい言葉で伝えようっていう気持ちが強くなったのは大きいですね。

－－では、そうした作品の最後を「Love. ママ」という、母への愛を綴った曲で締めくくった理由は？

jyA-Me：「Love. ママ」は聴いてくださった方から、「幸せになれる曲だね」って言ってもらったんですよ。全ての人はお母さんから生まれてきているわけで、どういう形であれお母さんへの愛ってありますよね。最後に幸せな気持ちになって、アルバム1枚を通してデトックスして欲しいなって気持ちもあって。やっぱり「Love. ママ」はちょっと特別な曲でもあるので、最後の締めとして収録しました。

－－“『ありがとう』『ごめんね』以上の 気持ちこの歌で届けたい”と歌っていますが、最近のJ-POPではタイトルに掲げがちな言葉に対して“以上の気持ち”とするのは、ある意味、シンガーとして一番の表現欲求ともいえますよね。

jyA-Me：あー、そうですね！ ありがとうございます！ 私が小さい頃から、お母さんは本当に色んな世界を見せてくれたんですよ。音楽でもダンスでも何でもやらせてくれて、当時は「習い事なんてやりたくない！」くらいの気持ちだったんですけど、気付いたらすべてが今の生きる術になっていた。お母さんはすべてを私に捧げてくれていたんだって強く感じているので、自分もそうなれるように、同じことをしたいっていう歌詞なんです。

何かを目指している人には届けたい作品

－－……と、リード曲やミュージックビデオになった曲以上に、後半の曲のことばかりを訊いてしまいました（笑）。

jyA-Me：嬉しいです！ 「Scream」からの4曲は凄くパーソナルな楽曲なので、聴く人によっては悲しんでしまうんじゃないかって心配もあったんです。中でも9曲目の「HEAVEN」は収録を一番ためらった楽曲なんですけど、失ってしまった人のことを想う曲なので、このタイトルにするかどうかも凄く悩みました。

－－今作は5曲目の「Power Of Music」が一つの節目になっていて、DJ GEORGIAさん（CLIFF EDGE）が手がけたバキバキのダンスチューンで思いっきり振り切って、次の「間違いだらけのLove story」から一気にパーソナルな方に入り込んでいく。jyA-Meさんの二面性が表現された作品になっています。

jyA-Me：ありがとうございます！ そこまで気付いていただけると本当に嬉しいです！ 『This is. Me』は「色んな自分がいて、それでも私です！」という意味合いにするのか、「私だってこんな感じだよ？」って伝えるのか、凄く悩んだ部分があったんです。
人には良いときもあれば悪いときもある。キレイな所があればブラックな所もあると思うし、ステージに立っているときはかっこよくキメたいって思いますけど、やっぱり人間らしさも出したいなって。だから最初はjyA-Meとして始まって、段々と心の中に入っていくような感じを伝えたかったんです。

－－洋楽のアルバムっぽい流れかもしれないですね。

jyA-Me：デビューしてからまだ2年なので全然まだまだなんですけど、その中で自信というか絶対に曲げずにやっていきたいのが、曲を伝えることなんです。聴いてくれる人が主人公になりきれるような歌い方を心がけました。それが私らしいアーティスト像なのかなって思いますし、シンガーとして突き詰めていきたい所です。

－－新しい門出からの2年って、自分の置かれた状況や環境に気付き始めていく時期でもあると思うのですが、そういう人に聴いてもらいたい作品だと思いました。

jyA-Me：同世代の女の子とか、何かを目指している人には届けたい作品ですね。恋はもちろんですけど、受験勉強とかもそうですし、何かを目指そうとしている人に聴いてもらいたい1枚ですね。