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ナチュラリー7 来日記念特集~ジャンルを超え、新しい時代に呼応する声の魔術

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 めくるめく声の魔術。ナチュラリー7のステージ・パフォーマンスを観れば、誰だって驚くに違いない。いわゆるア・カペラのグループは昔から多数存在したが、彼らのようにどんな楽器も再現でき、新しい時代に呼応した音楽性を持ったグループは、それまでにいなかった。ここでは、間もなく5年ぶりの来日公演を控えたスーパー・グループの軌跡を追ってみたい。

 ナチュラリー7が、ニューヨークのクイーンズ地区の街ローズデイルで結成されたのは、1999年のことだ。中心人物は、ミュージカル・ディレクターであり、バリトン・ヴォイスを担当するロジャーと、ドラムスやテナー・ヴォイスを担当するウォーレンのトーマス兄弟。彼らは近隣で活動するヴォーカリストを集め、ア・カペラの技を磨いていく。ボビー・マクファーリンの「ドント・ウォーリー・ビー・ハッピー」のようなヒット曲や、パースエイジョンズやテイク6のようなベテラン・グループがいたとはいえ、まだまだ一般的とはいえない頃。ア・カペラのコンテストで入賞するなど実力をつけていくが、彼らはさらに新たなスタイルを模索していく。


▲ 「Billie Jean」(Live)

 ナチュラリー7のア・カペラ・スタイルは、ヴォーカル・プレイといわれている。これは、単にハーモニーを奏でるのではなく、あらゆる楽器の音色をすべて声で表現するというものだ。ハーモニーやリズムだけでなく、ギターやホーン・セクション、スクラッチなどを本物と違わぬ音色で再現できるのが特徴だ。この技の開発には、トーマス兄弟が幼少期にルーツがある。彼らはドラムを欲しがっていたのにうるさいという理由で母親から買ってもらえなかたため、声でドラムの真似事をして遊んでいたという。いわゆるヴォイス・パーカッションの先駆けといっていいだろう。また、2000年前後からは、ヒップホップ界隈で、ヒューマン・ビート・ボックスといわれる動きも活発化してきたのも、彼らの飛躍にも影響しているといえる。

 そんな音楽シーンの背景のなかで、ナチュラリー7は2000年にファースト・アルバム『Non-Fiction』を発表する。サイモン&ガーファンクルからベートーベンまでをモチーフに、これでもかというほどの技を駆使してリスナーを圧倒させた。続く『What Is It』(2003年)ではさらに進化。ロジャーのオリジナル・ナンバーを中心に楽曲のクオリティが高まり、ラップを大胆にフィーチャーすることで新しいア・カペラ・スタイルを作り上げた。ストリート感覚を持ったグループとして、R&Bやヒップホップのアーティストにも大きな影響を与えることにある。


▲ 「Wall of Sound」


▲ 「While My Guitar Gently Weeps」(Live)

 ホリデー・アルバムの『Christmas... It's A Love Story』(2004年)を挟み、2006年に4作目のアルバム『Ready II Fly』を発表。さらにストリート色が濃厚になり、表現できる音色やビートの幅も広がった。本作からは、フィル・コリンズのヒット曲をカヴァーした「Feel It (In the Air Tonight)」が話題を呼び、ベルギーやフランスなどヨーロッパでヒット。オーストラリアでもアルバムが上位にチャートインするという結果を残した。

 その後も、『Wall Of Sound』(2009年)、『Vocal Play』(2010年)、『Live』(2012年)、『Hidden in Plain Sight』(2015年)、『Both Sides Now』(2017年)と、力作をコンスタントに発表し続けてきた。また、ゲストに呼ばれることも多く、マイケル・ブーブレやクインシー・ジョーンズ、コールドプレイなどとも共演し、ジャンルを超えてその実力ぶりを発揮している。ツアーも積極的に行い、自身の楽曲だけでなく、様々な名曲を軽く挿入しながら行うパフォーマンスの評価は非常に高い。2019年には5年ぶりの来日公演も決定。間もなくあの強烈な声の魔術を間近で体験できる。ナチュラリー7のヴォーカル・プレイがどのように進化しているかを、ぜひその目と耳で確かめていただきたい。


▲ 「Stardust with Michael Bublé」(Live)


▲ 「Fix You」(Official Live Video)

 

 

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