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トンプソン・ツインズ’トム・ベイリー 来日直前インタビュー

ピート・ロック X ロバート・グラスパースペシャル対談

 80年代に日本でも高い人気を誇ったニュー・ウェイヴ・バンド、トンプソン・ツインズのフロントマン、トム・ベイリー。1993年の突然の解散から、トンプソン・ツインズとしての活動は一切行っていなかった彼だが、今年、ハワード・ジョーンズ、ミッジ・ユーロらとともになんと27年ぶりのツアーを敢行、トンプソン・ツインズの楽曲を披露したことが大きな話題となった。11月には来日公演も決定しており、ますます目が離せない彼にスペシャルインタビューを敢行。活動休止から復活への裏側や音楽について、もちろん来日についても、たっぷり語ってくれた。

もっと彼らから学ぶことがあったんじゃないかって、いまでも後悔しているよ。

????まず初めに、今年27年ぶりにトンプソン・ツインズ’トム・ベイリーとして、ステージに戻ってきましたが、そのきっかけは何だったのですか?

Tom Bailey:正直なところトンプソン・ツインズの歌をこの先歌うつもりは全くなかったんだ。実際に、僕は何年もの間歌うことをやめて、インストゥルメンタル・ミュージックの方に集中していたしね。でもある時Aleks Syntekっていうメキシコのアーティストから、トンプソン・ツインズのスタイルで僕と歌を録音したいってオファーがあって、去年一緒に仕事をしたんだ。彼に歌ってくれと頼まれたときに、「まぁ別に歌うこと自体は大したことないだろう」と思って歌うことにした。ポップ・ミュージックの世界に戻ってみたら、とても楽しかったんだ。そしたら偶然、ハワード・ジョーンズからアメリカのツアーに参加しないかと電話があって、突然ではあったけど、純粋に良いアイディアだなって思って復帰しようと決めたんだ。

????27年ぶりにステージに立った瞬間はどうでしたか?

Tom Bailey:何年も前からの大勢の人たちの顔を見て、温かさや支えを感じて、それがすごく励みになっていることに気づいたよ。すべてがスムーズに進んだ。解散したところからまた始めたような感じだった。

????トンプソン・ツインズは、イギリスだけでなく、アメリカ、日本の音楽シーンにも大きな影響を与えました。日本ではTVCMにも楽曲が起用されました。このコマーシャルはご存知でしたか?また、日本でもこのような反響を得られると当時予想していましたか?

「I'm Gonna Love You Just A Little Bit More, Baby」
▲ マクセルカセットテープCM トンプソン・ツインズ

Tom Bailey:このCMのことはすっかり忘れていたよ。確か当時はヴィジュアル的にもバンドの知名度が結構あったから、よくCMに出ないかとオファーが来てた。なんらかの理由で、こういうCMをやったのは日本だけじゃないかな。僕らはアイデアや頑固さみたいなものはあったから、当時うまくやっていけるとは思っていたよ。実際にどうなるかは分からなかったけど。全部おもしろい経験、というか冒険だったよ。

????音楽との出会いについて教えてください。

Tom Bailey:僕の家ではJ.S.バッハがかかっていて、長いこと一番のお気に入りだった。当時の電子音楽やダブ、レゲエ、あとは北インドの音楽もすごく好きだったよ。

????これまでの活動のハイライトは?また自身のキャリアにとって一番重要なターニング・ポイントとなった出来事は?

Tom Bailey:アレックス・サドキンやナイル・ロジャースといった偉大なプロデューサーたちと仕事をしたことかな。当時もちろん彼らがすごい人間であることは知っていたけど、もっと彼らから学ぶことがあったんじゃないかって、いまでも後悔しているよ。

????トンプソン・ツインズ解散後はどんな生活をしていたのですか?

「I'm Gonna Love You Just A Little Bit More, Baby」
▲ The Holiwater Project installation live show

Tom Bailey:ニュージーランドで家族と過ごしていたよ。もちろん曲もたくさん作っていたし、ツアーもしたけど、メインストリームにはいなかった。International ObserverとかHoliwater Projectみたいな、商業的な部分を取っ払った、すごくクリエイティブで難しいプロジェクトに時間を割いていたと思う。それからヨーロッパに戻った時に、コンテンポラリーなアートに魅せられた。今は、ロンドン、フランス、ニュージーランドを行き来しながら、インドやインドネシアにも行ってるよ。旅に行き過ぎだね。

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????この30年間で音楽と向き合う姿勢は変わりましたか?

「I'm Gonna Love You Just A Little Bit More, Baby」
▲ Thompson Twins - Hold Me Now (BBC - Live Aid 7/13/1985)

Tom Bailey:基本的には変わっていない。でも視野はすごく広がったよ。どんな音楽であるか、とか音楽はこうでなければいけないっていう風には思わないね。

????音楽人生の中で当たった大きな壁はなんですか?

Tom Bailey:Holiwater Project(イギリス、インド、ニュージーランドのアーティストによるバンド)をやった時かな。普段と違うシステムを勉強して、演奏しなければならなかった。しかもそれ以上に、どんな音楽をやるか、どういう風に曲を作るか、という点で音楽に対する考え方がまったく別だった。だから自分の視野が広がったんだ。

????最新の音楽を追っていますか?また最近お気に入りのアーティストは?

Tom Bailey:全く追ってないよ。ホントにいろんな音楽があるけど、僕は別のことに目を向けているんだ。でも、音楽シーンでいろんなことが起こっているのも分かってはいるよ。そうだな・・・ユキミ・ナガノがボーカルをやってるLittle Dragonは好きだよ。

??2015年のプランももう決まっているのですか?

Tom Bailey:来年の夏に「Let’s Rock」っていうヨーロッパのフェスに参加するんだ。だからその他のことはすべてそれに合わせて考えていくよ。

??1986年にトンプソン・ツインズで来日ツアーを行っていますが、その時のことを覚えていますか?

Tom Bailey:うん、前の日本のツアーはよく覚えてるよ。オーディエンスがとても歓迎してくれて、みんなのおかげでとても楽しんで演奏できたよ。

??11月に日本に来日しますが、楽しみにしていることは何ですか?

「I'm Gonna Love You Just A Little Bit More, Baby」
▲Thompson Twins - Doctor! Doctor!

Tom Bailey:どれだけ変わったかを見たいね。日本に行くのはとても久しぶりだから。時間があればその辺を歩き回って景色を楽しみたいな。 あと、野菜ダイエットをしてるから、食べるものを探すのに苦労することがよくあるんだ。日本でビーガン(動物質食品を食べない菜食主義のこと)が流行っているのかどうかを確かめてみたいね。

??Facebookで「京都に行く」とつぶやいていましたが、どこに行くのですか?

Tom Bailey:バンドのメンバーが行きたいところに行くよ!

??今回の公演はあなた以外のバンドメンバーが全員女性で驚きました。メンバーはどのようにして決められたのですか?

Tom Bailey:バンドメンバーが全員女性というのは偶然なんだけど、嬉しいことだね。ホントにたまたま起こったことなんだ。きっと男性だけのグループとは違ったダイナミックさを楽しめるよ。80年代の時でさえ、僕らはいつも女性のメンバーを探そうとしてたけど、今はとても簡単になったね…それは僕はそんな才能あるミュージシャンと働くことができるこの時代の良いところだと思っているよ。二人のキーボードプレイヤー、アマンダ・クレイマーとアンジー・ポロック、そしてドラマーのエミリー・ドーラン・ダビースだよ。

??どのようなセットリストにする予定ですか?

Tom Bailey:みんなはヒット曲を聴きたいだろうから、そうなるようにするよ。だけど、みんなが分かるような形で6,7回演奏した後に、いくつかの曲は新しい形でできるんじゃないかって感じたんだ。新しい歌詞を入れたりしてね。あとはあんまり知られてない曲も演奏しようと思ってるよ。

??復活するにあたって、過去の楽曲から演奏する曲をセレクトするのは難しかったですか?

Tom Bailey:基本的なセットはトンプソン・ツインズのヒット曲をもう一度やろうと決めた時にレコードショップに行ってトンプソン・ツインズのグレイテストヒッツを買って、トラックリストを見て、その日に決めたんだ。すぐに決まったよ。それからちょっと追加してるけど、基本的には変えてないよ。

??日本公演はどんなライブになりますか?

Tom Bailey:何度かライブをやってみて、ショーの盛り上がりの半分はオーディエンスからもらっていると気づいたから、みんなと一緒に盛り上がりたいね。一つ一つのショーは違うし、人それぞれ特別だと感じるところも違うんだ。

??最後に、日本のファンに一言

Tom Bailey:長い間、日本からたくさんのメッセージやサポートをもらっているから、東京と大阪でみんなに会えるのを本当に楽しみにしてるよ。会場で会いましょう!

ビデオ・メッセージ from トム・ベイリー

トンプソン・ツインズ「ベスト・オブ・トンプソン・ツインズ~グレ」

ベスト・オブ・トンプソン・ツインズ~グレ

1992/12/16 RELEASE
BVCA-173 ¥ 2,621(税込)

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Disc01
  1. 01.イン・ザ・ネーム・オブ・ラヴ′88
  2. 02.ライズ
  3. 03.ラヴ・オン・ユア・サイド
  4. 04.レイ・ユア・ハンズ
  5. 05.ザ・ギャップ
  6. 06.ホールド・ミー・ナウ
  7. 07.ドクター!ドクター!
  8. 08.テイク・ミー・アップ
  9. 09.キング・フォー・ア・デイ
  10. 10.ゲット・ザット・ラヴ

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