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<コラム>「BMSG=○○」では語れない、その音楽の広がり――【BMSG FES‘26】連載第1弾

Text:高橋梓
今年も10月10日、11日、12日の3日間、東京・お台場BMSG FES特設会場にて【BMSG FES’26】が開催される。同フェスは、BMSGに所属するアーティストが一堂に会する、年に一度の“お祭り”だ。
BMSG所属のアーティストといえば、CEOのSKY-HIを筆頭に、Novel Core、BE:FIRST、MAZZEL、HANA、STARGLOWなど、「ダンス&ボーカル」や「ヒップホップ」という印象を持つ人も多いだろう。実際、これらはBMSGを語る上で重要な要素だ。だが、設立から約6年が経った今、所属アーティストを見渡すと、この2つの言葉だけでは説明しきれないほど音楽性や活動領域が広がっている。その広がりを象徴する存在のひとりが、BMSG傘下のB-RAVEに所属するシンガー・ソングライター、ふみのだ。
ふみのは高校在学中よりギターの弾き語り動画をSNSに投稿し、注目を集めてきた。2024年にはオーディション【No No Girls】に参加し、最終審査まで進出。惜しくもHANAのメンバーには選ばれなかったものの、2026年1月にちゃんみなが設立した新レーベル“NO LABEL ARTISTS”第1弾アーティストとしてデビューを果たす。以降、デビュー曲「favorite song」を皮切りに、現在までに早くも4枚のシングルと1枚のアルバムを発表しているアーティストだ。
favorite song / ふみの
ふみのの音楽性は、幅広い。前向きなポップロックから、どこか懐かしさを感じるアコースティックポップ、ストリングスが印象的なドラマチックバラード、等身大のJ-POPまで、作品ごとに異なる表情を見せている。これは、弾き語りアーティストやバンド、ボーカロイドなど、幅広い音楽から影響を受けてきたふみのらしいラインナップと言えるだろう。
興味深いのは、そんなふみのがBMSGのアーティストとして活動していることだ。もちろん、BMSGにはもともとさまざまな音楽性を持つアーティストが所属していた。しかし、「ダンス&ボーカル」「ヒップホップ」というパブリックイメージからは少し離れたふみのの音楽が並ぶことで、BMSGの輪郭そのものがさらに広がって見えてくる。現在のBMSGからは「アーティストそれぞれの個性やルーツをひとつの型に当てはめるのではなく、自分らしい感性を反映した音楽を持ったまま活動していく」という姿勢が見え、ふみのの存在はその姿勢の象徴であると言えるのではないだろうか。
もちろん、こうした多様性を持つアーティストはふみのだけではない。たとえばAile The Shotaは、J-POPやR&B、ヒップホップ、ダンスミュージックを独自にミックスした音楽を発信。先鋭的なサウンドでありながら、あくまでもポップスとして耳馴染みのいい音楽に仕上げているのが特徴だ。また、2026年にBMSGとパートナーシップを結んだAyumu Imazuも、R&Bやエレクトロ、洋楽ポップスのトレンドを取り入れながら、自身の感性で昇華した音楽を届けている。さらに、R&Bやソウルをルーツに持ち、豊かな歌唱力と表現力を武器に活動するREIKOや、ダンス&ボーカルを軸に、ジャンルにとらわれず、メンバーそれぞれの個性を生かした表現を追求するHANAなど、若手アーティストのスタイルも多様だ。他にも、DJ/トラックメーカー/プロデューサーとして活動するBANVOXや、すでにラッパーとして約15年のキャリアを持ち、客演や楽曲提供の経験も豊富なSALU、ふみのと同じく【No No Girls】出身かつ“NO LABEL ARTISTS”所属であり、セルフプロデュースで活動するユニットTAKARAなど、ソロアーティストとして独自の表現を追求するアーティスト、ヒップホップを軸に活動の幅を広げるアーティスト、ダンス&ボーカルというフォーマットの中で独自の音楽性を切り拓くアーティストなど、スタイルは様々だ。つまり、「BMSG=このジャンル」というひとつの言葉だけでは、もはや捉えきれないことがわかる。
CLASSIC / Ayumu Imazu
Time is money / TAKARA
そして【BMSG FES’26】では、個々のアーティストが持つ多様性だけでなく、“組み合わせ”にも新たな広がりが生まれそうだ。これまでもフィーチャリングや、特定のテーマにあわせた企画グループ/ユニットという形で、所属グループの垣根を越えたパフォーマンスは行われてきた。だが、今年は“所属グループ”単位での持ち味を合わせた横断ユニットが結成される。MAZZELとSTARGLOWだ。この2組は9月28日に「Nameless MythS」の音源とMVを公開し、普段は別のグループとして活動する13名によるスペシャルなパフォーマンスをみせている。同曲がもし【BMSG FES'26】で披露されれば、メンバーがこれまでとは異なる表情を見せたり、個々の魅力が新たな形で引き出されたりする可能性は十分にあり得るだろう。スペシャルなコラボレーションが行われる【BMSG FES】は、「組み合わせを変えることで新しい表現を生み出す場」になりつつあるのではないだろうか。そう考えると、この2組以外の組み合わせが見られることにも期待が募る。
Nameless MythS / MAZZEL × STARGLOW
ふみののような存在が加わったことも、MAZZELとSTARGLOWによる「Nameless MythS」も、一見すると別々のトピックに見える。前者がアーティスト個々の音楽性の広がりだとすれば、後者はグループの枠を越えた組み合わせの広がりだ。しかし、その根底には、アーティストそれぞれの個性を尊重し、その違いを新たな表現へとつなげていくという、現在のBMSGに通じる流れがある。それぞれが自分自身の音楽を追求しながら、時には所属やジャンルの境界を越えて交わっていく。そんな現在のBMSGを一度に体感できる場が、【BMSG FES’26】なのかもしれない。
公演情報
【BMSG FES'26】
東京・お台場BMSG FES特設会場
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