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<インタビュー>日韓合同バンドhrtz.wav、青春特有の輝きと不安が入り混じったサウンドが誰しもの心の中にある“青春”にリンクする

Interview& Text: 本間夕子
Photos: 興梠真穂
韓国人メンバーのRiaan(Vo.)、Dane(Ba.)、Youn Young jun(Key.)と日本人メンバーのKeiten(Gt.)、Hagiwa(Dr.)によって結成されたグローバルバンド、hrtz.wav(読み:ハーツウェイヴ)。韓国で話題を集めたバンド育成のためのサバイバルオーディション番組『STEAL HEART CLUB』の優勝者5人という超実力派でありながら、未知数の可能性を存分に秘める要注目のニューカマーだ。
4月8日にリリースされた6曲入りのデビューEP『The First Wave』に鳴り渡る、彼らのポテンシャルそのものとも呼びたい瑞々しくもスケール感に溢れたロックサウンド。リードトラックとなった「NINETEEN」にも象徴される“青春”が今作のテーマとなっているが、ただ明るくて爽やかなだけではない、繊細な感情の動きがRiaanの端正な歌声と躍動的なアンサンブルからもつぶさに伝わって、耳にも胸にも実に快く響く。ちなみにバンド名は、心と魂、そして音の周波数を意味する“Herz”と、高品質なサウンドと波形を象徴する“.wav”を組み合わせた造語だ。韓国発の音楽と言えばダンサブルなK-POPミュージックが真っ先にイメージされるが、バンドだからこそのダイナミズム、この新鮮な波動は体感の価値ありだろう。
千葉・幕張メッセにて開催された【KCON JAPAN 2026】に出演、日本では初めてとなるステージパフォーマンスも大きな反響を呼んだhrtz.wavがBillboard JAPANに初登場。デビューからの日々や『The First Wave』について、また、彼らがバンドを目指した理由など、5人にじっくりと迫ってみた。
左から:Youn Young jun、Riaan、Hagiwa、Keiten、Dane
──4月8日に正式デビューされてから今日まできっと怒涛の日々を過ごされてきたんでしょうね。
Youn Young jun:はい。今日でデビューしてちょうど1か月なんですけど(※取材は5月8日に実施)、音楽番組やフェスへの出演、動画コンテンツの撮影などいろんなことを経験させてもらっていて。ファンの方々と直接会う機会も多くなったことで、みなさんの存在を感じながら「本当にデビューしたんだな」って嬉しさを噛み締める毎日です。
Keiten:ファンのみなさんに会うと幸せを実感するんですよ。たしかにスケジュールはタイトですし、寝る時間がないときもありますけど(笑)、みなさんに会うたびにパワーをいただくので、今、この環境にいられることに心から感謝しています。

──デビューして驚いたことなどはありました?
Riaan:いろんなことが新鮮ですね。実は僕、hrtz.wavの前にソロ活動をしていた経験があって、バンドとして、チームとして活動するのは初めてなので、すごく面白さを感じています。
──ソロとバンドではやはり全然違いますか。
Riaan:全く異なります。やっていた音楽のジャンルも違うので歌い方が変わってきますし、これまでは一人で立っていたステージに、今はメンバーと一緒に立てているので、そのぶん届けられるエネルギーもより大きなものになっている気がするんですよ。何より僕自身がすごく楽しいです。
Dane:僕もソロ活動をしていたんですけど、大きなステージに立つ機会がなくて。こうしてインタビューしていただいたり、フェスに出演したりすることが本当にありがたいことだなって思っています。
──Hagiwaさんはいかがでしょうか。
Hagiwa:Hagiwaはまだ3歳だから、敬語がしゃべれないんだけど……。
──全然構わないですよ。気にせずお話していただけたら嬉しいです。
Hagiwa:ありがとう! Hagiwaはもう本当に楽しいよ。『STEAL HEART CLUB』に出演するまでは、ずっと配信画面のなかの“ハギワールド”っていう世界に一人でいて、そこでドラムの楽しさを伝えようと活動してた。もちろん、そのときもコメントという形でファンのみんなと交流できたし楽しかったんだけど、今はみんなと実際に会うことができて、その表情を直接確かめられるのがめちゃくちゃ嬉しい。しかも最高の仲間と一緒に、さらに世界を広げていけるなんて、幸せ以外の何ものでもないよね。タイトなスケジュールでちょっと眠いなって思うときもあるけど(笑)、それをメンバーと共有し合えるのも嬉しいし、毎日すごく充実してる。

──よかったです。今回は【KCON JAPAN 2026】に出演するために来日されたんですよね。日本での初パフォーマンスにも期待が高まりますが、みなさんは日本に対してどんなイメージを持っていらっしゃいますか。
Riaan:みんな、やさしい! ソロで活動していたときにもミュージック・ビデオの撮影などで日本にはよく来ているんです。そのときからすごく綺麗な国だなって思っていて。あと『NARUTO -ナルト-』が好きで、そのおかげで日本がより近しく感じられるようになったし、音楽シーン的にも歴史を持っている国なので尊敬しています。
Youn Young jun:僕は日本のバンドもすごく好きなんですよ。Official髭男dismやONE OK ROCKは大好きですし、Mrs. GREEN APPLEもよく聴いています。
──Keitenさん、Hagiwaさんは日本人として、思うところもまた格別なものがあるのではないでしょうか。
Keiten:日本でパフォーマンスできることが嬉しいですね。韓国も大好きですけど、やっぱり日本は僕らが生まれた国なので日本人としての誇りもありますし、だからこそ、かっこいい姿を見せたいって思います。今回だけでなく、これからもっともっと日本のファンのみなさんとも会える機会を作っていきたいです。
Hagiwa:正確に言うと、Hagiwaはハギワールド出身なんだけど(笑)。でも日本で活動していたのは事実だし、配信をしていた頃にもファンのみんなからはリアルでライブをしてほしいっていう声がたくさん届いてた。僕もみんなに会いたかったけど、どうしたら実現できるか、そのときはわからなかったんだよね。「いつかできるようにHagiwaががんばるから、ちょっと待っててね」って伝えていて。そんななか、韓国でデビューすることが決まって、こうして日本でも生のパフォーマンスを見てもらえる機会ができた。日本で待っていてくれたファンのみんなに会えるのは本当に嬉しいし、そんな機会をいただけたことにもすごく感謝しているし、これからは韓国でも日本でもハギワールドでも、どこでもいいからみんなを楽しませられるようになりたいなって改めて思ってる。
一同:素晴らしい!(拍手)
──では、EP『The First Wave』についてもお話を伺わせてください。初の音源作品となりますが、今作では特にhrtz.wavのどういったところを表現しようと思われましたか。
Riaan:作品全体として“青春”をテーマにしています。青春って常に爽やかで楽しいイメージがあるけど、実際にはそうじゃないところもたくさんあって、上手く生きられないつらさとか未来への不安を抱えていますよね。もちろんときめきや、キラキラしたものへの憧れもあって、そういう青春にまつわるいろんな感情を全部詰め込んで、「こういうことってあるよね?」って語りかけるような、手紙みたいな気持ちで作ったのがこのEPです。あと、青春って足りない部分や欠けている部分もたくさんあると思うんですけど、そうした完成していない感じをあえて見せようっていう思いもありました。
Keiten:青春ってみんなの心の中にあるものだと僕らは思っているんです。何歳から青春が始まるとか、何に由来しているとかは関係なく、何歳であっても青春はずっとその人の中に生き続けているもの。その感覚をこのアルバムで伝えられたらと思っています。

──青春は心の中にある、たしかにその通りですね。この作品を聴いているとワクワクしたり切なくなったり、素直に感情が動くんですよ。いろんな世代の方に響く“青春”が、この『The First Wave』には込められている気がします。
Keiten:ありがとうございます。そう受け止めてもらえたらいいなと思いながら作ったのですごく嬉しいです。
Riaan:いちばん好きな曲ってありましたか?
──個人的には「Outta my mind」が特に好きですね。
一同::お〜!!!!!
──誰かを好きになったときのウキウキ感、それと同時に戸惑いや切なさがとてもリアルに伝わってくる感覚がありました。
Riaan:嬉しいです。この曲は僕とDaneが作詞作曲に携わっているんですよ。
──だから、よりダイレクトに刺さるんでしょうね。
Riaan:そう、それがポイントなんです(笑)! すごく直感的な部分、ストレートな感情を伝えたかったので。
──せっかくなので1曲ずつ、みなさんに解説していただいてもいいですか。「Dream」は疾走感に溢れたロックチューンに仕上がっていますね。
Keiten:これはまさに青春というか、誰もがイメージするような爽やかで勢いのある楽曲で、聴いていてエネルギーがもらえる1曲になっていると思います。「Dream」というタイトルの通り、自分たちの夢を思い描きながら、今まさに夢のような日々を過ごせている幸せも噛み締めながら、演奏している曲でもありますね。
──「NINETEEN」は今作のリードトラックです。韓国では19歳が成人年齢とのことで、青春という部分でもすごく特別な意味を持つんだろうなって想像しているのですが。
Hagiwa:まさにそう。何歳になっても青春は心にあるっていうことをいちばん表現しているのがこの曲じゃないかなとHagiwaは思っている。Hagiwaたちも年齢はそれぞれバラバラだけど、5人全員が今すごくドキドキワクワクしていて、青春の真っ只中にいる感じなんだよね。この曲はhrtz.wavっていうこの5人の波動をファンのみんな、いろんな年齢のいろんな国籍の方たちに届けたい、19歳の気持ちを味わってもらいたいと思っている曲だし、hrtz.wavの『The First Wave』=第一波にふさわしい1曲になっているんじゃないかな。
Youn Young jun:いいこと言う!
Dane:「Highlight」はモダンロックな曲で、「Dream」や「NINETEEN」が爽やかな曲だとしたら、「Highlight」は切なさや胸苦しさも入った曲になっていると思います。ただ爽やかなだけではない、hrtz.wavのシリアスな一面をここで感じてもらえたら嬉しいですね。僕自身、演奏しながらクライマックスで自分の感情がワーッと湧き上がるのを感じますし、それがこの曲のすごく大事な要素なんじゃないかなって思っています。
Riaan:逆に「I AM SO FINE」はフェスとか野外でのライブにぴったりな曲だと思います。韓国で初めて出演したフェス(【Awesome Music Festival 2026 in Seoul】)でこの曲を披露したんですけど、歌いながら僕、客席に水をかけたりしてたんですよ(笑)。それぐらい自由で遊べる曲だし、hrtz.wavの伸び伸びした姿も楽しんでもらえる曲になったと思いますね。

──「Outta my mind」についても改めてお聞きしていいですか。
Riaan:直感的なときめきや、恋をしたときの戸惑いみたいな未熟な部分を表現したかったんです。Daneと一緒に作詞作曲したことで自分たちが好きなジャンルとか音楽のカラーも取り込めたと思いますし、他の5曲とはまた違う質感で、そういう幅を楽しんでもらえたら嬉しいです。
──では、ラストの「Close To Me」は?
Youn Young jun:これはファンに捧げる楽曲です。僕たちは『STEAL HEART CLUB』から生まれたバンドということもあって、たくさんのファンの方々に見守っていただいて、応援していただいたことがすごく力になっているんです。なので、これからもみなさんと一緒に進んでいきたいっていう気持ちを込めました。韓国語のタイトルは「우리만의 이야기」で私たちの物語という意味です。まさに一緒に物語を作っていきたいっていう。
──ファンの方々も嬉しいでしょうね。このEP自体がとても素敵ですけど、この曲があることでより宝物感が増すというか。
Youn Young jun:実際にそう感じてくださってる方もたくさんいるみたいで、すごくありがたいです。

──『The First Wave』を作り上げたことで、これからhrtz.wavが目指していきたいバンド像がより明確になったりはされましたか。
Riaan:『The First Wave』では、“青春”という自分たちが伝えたいメッセージが明確になったので、次のアルバムもその次のアルバムでもそうやって明確にメッセージを伝えていくことがhrtz.wavが目指すバンド像に近づくいちばんの道じゃないかなって思っています。世界中にたくさんのバンドがいますし、歴史に残るようなレジェンドと呼ぶべき先輩方もたくさんいらっしゃるので、僕たちもいろんな影響を受けるとは思うんですよ。でも、そうした中でもhrtz.wavとしての明確なメッセージを聴いてくださる人たちにしっかり届けていくことが、僕たちが何より大事にしていきたいことなので、そこは貫いていきたいです。
──ちなみに、なぜみなさんはバンドを志したのでしょう? きっかけや理由があれば、ぜひ教えてください。
Dane:僕の中でいまだに忘れられないサウンドがあるんですよ。それが本当に強烈なインパクトで、いつかチャンスがあったらバンドをやりたいなって思うきっかけにもなっていて。ソロ活動をしていても、その気持ちがなくなることがなかったので、『STEAL HEART CLUB』に出ようと思いました。
──強烈なインパクトを受けたその体験についてもう少し詳しく伺ってもいいですか。
Dane:僕は芸術高校に通っていました。そのときの授業でアンサンブルの時間があって、クラスのみんながそれぞれ違う楽器を持って合奏したんです。それまで大勢で一緒に音を出すという経験がなかったので、たくさんの音が重なった瞬間のパワーとか感動が、すごく衝撃的だったんです。それがずっと忘れられなくて。
──それはたしかに大きいですね。Youn Young junさんはいかがでしょう。
Youn Young jun:僕は子供のときからピアノを弾いていて、小学生の頃に演奏を見せる機会がありました。先生や同級生がすごく褒めてくれて、たくさんの人の前で演奏したいってそのときに思ったんですよね。二人組で音楽をやっていた時期もあって、いろんな曲をカバーしたりしながら、いつかバンドをやりたいなって思いはじめて……それが今にたどり着いて、ずっと続いています。
──Daneさんと同じく、ソロで活動されていたRiaanさんはどうしてバンドをやろうと思ったんです?
Riaan:さっきお話したように、ソロ活動をしていたときは今とはまったく違うジャンルの音楽をやっていました。それこそR&Bを歌っていて。なので『STEAL HEART CLUB』に出るまで、正直、バンドをやりたいって思ったことがなかったんです。でも僕の性格上、何かに挑戦したり新しいことに挑んだりするのがすごく好きで、番組側からお話をいただいたときに惹かれるものがあったので、やってみたいなと思ったんです。夢を見ていて、目が覚めたらすでにみんなと一緒にいた、みたいな感覚なんですよね(笑)。
でもhrtz.wavを始めたことで、今までとは違う熱が湧いてきていて。ずっと夢見てきた景色を、今は一人じゃなく、自分の心が導いてくれた場所で出会ったメンバーと一緒に見られていることが本当に嬉しいですし、それがまた僕自身に新たなきっかけをたくさん作ってくれていると感じています。

──Keitenさんはバークリー音楽大学に在籍されていて、現在は休学中でいらっしゃるんですよね。そのままアカデミックな方向を突き詰めようとは思われなかったのでしょうか。
Keiten:僕はずっと「ロックスターになりたい」っていう夢を持っていました。バークリーでもたくさんのことを学んだし、大勢の才能ある人たちにも出会えてすごく感謝しているんですけど、『STEAL HEART CLUB』のお話をもらって、この機会を逃したら次がいつ来るかわからないなと思ったんです。世界のステージに立つためにはこれを絶対に逃しちゃいけないと思って、休学して韓国に行くことを決めました。もちろん、この先もまた学びたいという思いはあるので、活動との兼ね合いを考えながらと思っています。
──ギターは早くから弾いていらしたんですか。
Keiten:僕がギターを始めたのは3年前なんです。偶然、学校の合奏室に入って、たまたまバンドの音楽を聴いたんですよ。そこでジャムセッションしている人たちがいて。それが眠れないほど幸せで、「こんな幸せなことってある?」って思って、そこからギターを始めたんです。
──3年前というと高校生ですよね。そこでロックスターになりたい、と。
Keiten:はい。人生が変わりました、その瞬間に。
──Hagiwaさんは配信を通じてドラムの楽しさを伝える活動をされていたとのことですが、そこからバンドをやりたいと思ったのは?
Hagiwa:みんなの話を聞いていて、ちょっとRiaanに似てるかもしれないって思ったんだけど……ドラムっていちばん後ろでバンドを支える役割っていうのがオーソドックスなイメージでしょう? もちろん、それもドラマーとしてかっこいいしリスペクトなんだけど、それ以上にダンスを見ているような感覚でドラムを見てほしいっていう気持ちがあって。そこからHagiwaが生まれたんだよね。ドラムのとっつきにくいイメージをもっとキャッチーなものにしたい、エンタメドラマーになりたいと思って、配信を始めた。
だから最初はバンドっていう概念は全然なかった。そんなときに『STEAL HEART CLUB』っていう機会がふと訪れて、「ワクワクする!」「チャレンジしてみたい!」って。出るからにはバンドを組んでデビューすることを目指すわけだから、そこはしっかり覚悟を決めたけど。でも、挑戦しないっていう選択肢は、Hagiwaにはなかった。その結果が今。本当に運命だと思うし、Hagiwa自身も最終的な夢である “エンターテインメント・ドラマー” に向かうための新しい物語が始まった気がしてる。
Riaan:本当に運命だと思います、この5人でhrtz.wavをスタートできたのは。

──そうしたお話を伺うと、これからの活動にますます期待が募りますね。今後、目標にしていることはありますか? 特に日本での活動について何かありましたら、ぜひ。
Keiten:【KCON JAPAN 2026】に出演させていただけることもそうなんですけど、僕らは本当に日本のみなさんに感謝しています。これからもみなさんに会える機会をたくさん作りたいですし、いろんな場面でパフォーマンスを届けたいです。目標としては【FUJI ROCK FESTIVAL】や【SUMMER SONIC】のような大きなフェスに出演できるバンドになることです。大きな会場でもっともっとたくさんの人に出会えるようにがんばっていきますので、みなさん、応援よろしくお願いします。
一同:よろしくお願いします!





























