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<コラム>乃木坂46 新体制&初会場で迎えた『13th YEAR BIRTHDAY LIVE』映像作品にみる、13年の歴史と未来が交差した2日間

Text:岡本貴之
乃木坂46の映像作品『13th YEAR BIRTHDAY LIVE』が2026年5月13日に発売された。この作品は、2025年5月17日および18日の2日間にわたり東京・味の素スタジアムにて開催されたライブを収録したもの。DAY1、DAY2それぞれを単独で収録した通常盤2タイプと、両公演を収録した完全生産限定盤での発売となる。2日間で11万人を熱狂させたライブの見どころを紹介したい。
恒例のバースデーライブ(バスラ)も、回を重ねること13回目。毎回デビュー日の2月22日付近に行われているが、2025年は2月に6期生11名が加入したこともあってか、満を持して5月の開催となった。6期生を加えた新体制での初ライブ、さらに味の素スタジアムでのライブも初ということで、メンバーたちの姿を捉えた映像も全編を通してフレッシュな躍動感に溢れ、各日3時間以上におよぶ大ボリュームで見応えたっぷりな作品となっている。
乃木坂46 LIVE Blu-ray&DVD 「13th YEAR BIRTHDAY LIVE」ダイジェスト映像
映像の冒頭、味の素スタジアムの全景が映し出される。乃木坂46にとってのホームともいえる東京・明治神宮野球場も巨大だが、味スタの特徴的な楕円形を上空から見下ろしたカメラアングルによる大観衆で埋め尽くされた客席は、乃木坂46の数々のライブにおいても特別な記憶に残される壮観さだ。そんな巨大な会場であればあるほど、輝きを増すのが彼女たち乃木坂46。DAY1のオープニングでは、ギフトボックスで埋め尽くされたステージセットに、映像から飛び出してくるかのように次々とメンバーが登場し、ショーの始まりを告げるダンスを披露。最後に登場した井上和の掛け声から「おいでシャンプー」がスタートする。グループカラーの紫色の衣装でスカートをなびかせながらのステージングは、大舞台に相応しい華やかさだ。「乃木坂ちゃん13歳のお誕生日、みんなでお祝いするぞ~!」と煽る久保史緒里が逞しい「夏のFree&Easy」でトロッコに乗り早速会場中を楽しませる。
一方、DAY2のオープニングでは、まったく異なる演出が用意されていた。フラッグを掲げたカラーガード隊のパレードから、アリーナ後方のサブステージ上でバルーンから梅澤美波と久保の3期生コンビが登場して幕を開けると、メンバーたちがスタジアムの各所に現れ、メインステージから絶叫するように煽る中西アルノがセンターを務める「太陽ノック」からスタート。2日間ともに、なかなかメインステージに全員が集わないほど、会場中を周遊するメンバーたち。広い会場に並んだ無数の客席をまんべんなく楽しませようとするサービス精神は、乃木坂46とスタッフ、チームが一丸となった「お客さんを誰ひとり置いていかない」姿勢が表れていて、映像に映るメンバー一人ひとりの表情も長年トップアイドルグループとして君臨する誇りと喜びに満ちている。

この2日間のライブで特に注目すべきは、「46分ノンストップメドレー」だ。デビュー以来ステージを彩ってきた曲たちを次々と披露するこのセクションは、コアなファンは曲の繋がりや歌唱するメンバーの組み合わせに想いを馳せながら、初心者なら一気に乃木坂46の歴史の一端を知ることができる、見どころ満載の好企画。DAY1ではトロッコでアリーナを移動するメンバーに対し、「走れ!Bicycle」で自転車に乗って走りながら歌うメンバーも。その光景は、2018年に史上初の2会場同時開催でおこなわれた【真夏の全国ツアー2018】で、メンバーが秩父宮ラグビー場から神宮球場まで自転車で移動した姿を思い起こさせた。井上と筒井あやめは、セーラー服姿で1期生の生田絵梨花と松村沙友理によるユニット“からあげ姉妹”の「無表情」を、表情もそのままにパフォーマンス。菅原咲月が牽引するカオティックなアゲ曲「ポピパッパパー」、五百城茉央がまとう柔らかな雰囲気が“聖母”こと深川麻衣と重なる「ハルジオンが咲く頃」、そして遠藤さくらセンターによる「サヨナラの意味」、梅澤がセンターで歌う憧れの先輩・白石麻衣の卒業ソング「しあわせの保護色」など、リスペクトを捧げる感動的なセットリストで、DAY1は「チートデイ」まで28曲を怒涛のノンストップで披露した。
DAY2は、エレクトロなダンスチューン「制服のマネキン」「世界で一番 孤独なLover」、レトロチックなメロディの「バレッタ」と、初期乃木坂のキュートなイメージを一新した楽曲を重ね、クールな一面をアピールしてみせた。賀喜遥香と遠藤は「孤独兄弟」で白石と橋本奈々未を、池田瑛紗は「ここにいる理由」でアーティストとして共通点の多い伊藤万理華をオマージュ。さらに「命は美しい」「今、話したい誰かがいる」「逃げ水」「シンクロニシティ」「帰り道は遠回りしたくなる」「夜明けまで強がらなくてもいい」と、名曲を連投する贅沢なメドレーで26曲を歌い上げた。
後半は、2日間ともに「I see...」「Actually...」「インフルエンサー」「ジャンピングジョーカーフラッシュ」といったライブアンセムで大盛り上がり。中西が「Actually...」で見せる鬼気迫るシャウト、赤と青のドレスと炎が興奮を煽る「インフルエンサー」など、研ぎ澄まされたパフォーマンスは圧巻だ。
ライブが佳境に差し掛かったところで、いよいよ6期生11名がステージに登場する。一人ひとり名前を呼ばれてカメラにクローズアップされると、DAY1では涙目になっているメンバーの姿も(DAY2はみんな笑顔だった)。思わず「がんばれ!」と応援したくなる場面とは裏腹に、「タイムリミット片想い」で堂々たる歌とダンスでバスラデビューを飾っている。先輩たちと初めて立つステージの感想をコメントする6期生、それを背後で見守る先輩たち。6期生が加わった全体での「シンクロニシティ」(DAY1)、「ガールズルール」(DAY2)など、今しかない瞬間の初々しい姿を見ることができるのも、この映像作品の貴重なところだ。

3期生5人で歌う「三番目の風」は、久保が卒業、そして間もなく梅澤の卒業を控える今となっては激エモな1曲。またアンコールでは、スタンド席へ向かったり、アリーナをトロッコで移動したりと、メンバーたちが客席に登場。それぞれファンからのリクエストに応えてファンサする姿も(『乃木坂工事中』でおなじみの「バルシャーク」ポーズもあり)。「あらかじめ語られるロマンス」「スカイダイビング」「ハウス!」「ダンケシェーン」といった、シングル表題曲以外の人気曲たちがクライマックスでフォーカスされるのもファンには嬉しいところ。
『完全生産限定盤』には、特典映像としてライブ公演の裏側に迫ったメイキング映像「Making of 13th BDL」が収録される。こちらの映像では、バックステージ、リハーサルの模様などを捉えた映像から、巨大な味スタでのライブがいかに緻密に創り上げられていくかを知ることができる。バックステージから舞台の出入り口へと続く複雑な導線、トロッコに乗る際の細かい注意事項の説明など、本番でどのように立ち振る舞うかをしっかり把握しておかなければ混乱してしまいそうで、映像を見ているこちらが緊張してしまうほど。メモを取る6期生の表情も真剣そのものだ。そんな新メンバーの様子とは対照的に、言葉では不安を口にしつつもひたすら笑顔な先輩メンバーたちだって、大きなプレッシャーと戦っているに違いない。DAY1の午前中に降り始めた雨の中でのリハーサルを経て、おなじみの円陣で気勢を上げてステージに向かうメンバーたち。キャリアのあるメンバーも、新加入メンバーも一致団結して巨大なスタジアムライブへ挑む姿は、胸が熱くなる。
乃木坂46 LIVE Blu-ray&DVD「13th YEAR BIRTHDAY LIVE」
特典映像「Making of 13th BDL」ダイジェスト
本編に収録された3時間超のライブは、両日ともに「乃木坂の詩」で会場がペンライトで紫色に染め上げられ、幕を下ろす。今作のアートワークに、ライブ中のステージ衣装と同様に、赤と青が使われていることはとても象徴的に感じられる。2つのカラーが行き交って混ざり合い、やがてひとつのカラー、紫=乃木坂46になる。そんな歴史と未来のグラデーションが余すことなくパッケージされた映像作品だ。
リリース情報
Blu-ray & DVD『13th YEAR BIRTHDAY LIVE』
- 2026/5/13 RELEASE
関連リンク
13th YEAR BIRTHDAY LIVE LIVE AT AJINOMOTO STADIUM 2025 DAY1: 0517
2026/05/13 RELEASE
SRXL-643 ¥ 9,680(税込)
Disc01
- 01.OVERTURE
- 02.おいでシャンプー
- 03.夏のFree&Easy
- 04.裸足でSummer
- 05.好きというのはロックだぜ!
- 06.ネーブルオレンジ
- 07.ぐるぐるカーテン
- 08.左胸の勇気
- 09.失いたくないから
- 10.偶然を言い訳にして
- 11.走れ!Bicycle
- 12.ガールズルール
- 13.扇風機
- 14.人間という楽器
- 15.そんなバカな…
- 16.気づいたら片想い
- 17.何度目の青空か?
- 18.太陽ノック
- 19.無表情
- 20.ポピパッパパー
- 21.ハルジオンが咲く頃
- 22.サヨナラの意味
- 23.ブランコ
- 24.いつかできるから今日できる
- 25.ジコチューで行こう!
- 26.日常
- 27.Sing Out!
- 28.しあわせの保護色
- 29.君に叱られた
- 30.Under’s Love
- 31.ここにはないもの
- 32.Monopoly
- 33.車道側
- 34.チートデイ
- 35.おひとりさま天国
- 36.I see...
- 37.Actually...
- 38.ごめんねFingers crossed
- 39.インフルエンサー
- 40.きっかけ
- 41.タイムリミット片想い
- 42.バンドエイド剥がすような別れ方
- 43.ジャンピングジョーカーフラッシュ
- 44.三番目の風
- 45.設定温度
- 46.シンクロニシティ
- 47.人は夢を二度見る
- 48.帰り道は遠回りしたくなる
- 49.僕は僕を好きになる
- 50.歩道橋
- 51.君の名は希望
- 52.ロマンスのスタート
- 53.あらかじめ語られるロマンス
- 54.スカイダイビング
- 55.乃木坂の詩
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