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コーチェラ2週目にまだ間に合う!LISA/JENNIE/カトパコら注目アクト5選
Text: Mariko Ikitake
Courtesy of Coachella / Getty Images
日本時間4月12日~14日に開催された【Coachella Valley Music and Arts Festival】(以下【コーチェラ】)第1週目が今年も大いににぎわいを見せた。SNS上ではどこもかしこも、この音楽の祭典の話題でいっぱいに。第1週目を見逃してしまった方、そして、あの興奮をもう一度味わいたい方のために、注目のアクト5選を紹介する(YouTube配信時間は今後、変わる可能性がございます)。
Tyla
Courtesy of Coachella
「ウォーター」の世界的ヒットを機に、アマピアノを象徴するビッグスターとなったタイラ。世界中のイベンターからラブコールを集め、【SUMMER SONIC 2024】でも日本のオーディエンスにその熱いパフォーマンスを届けた歌姫は、各国でパフォーマンス経験を積み、さらにスキルをあげて、満を持して【コーチェラ】に初登場。まるで虎が獲物に近づくときに見せるどっしりと、ゆっくりとした歩みを見せるように、「プッシュ・トゥー・スタート」で華麗な登場を見せ、一気にオーディエンスの視線を独占した(世界中を共にしてきた相棒のタイガーも、もちろんオンステージ)。
終始流れるアフリカンビートとタイラの甘くすっきりとした歌声は、土曜日の家事のBGMにも、お酒やコーヒー片手にゆったり過ごす時間にも、現地オーディエンスと同じように踊り明かすにもピッタリ。腰を振りながら、両足を器用に使って後ろに下がっていく“タイラムーヴ”も見逃せない。ベッキー・Gのゲスト出演、アリーヤへのトリビュートも沸いたが、2週目はどんなサプライズがあるのだろうか。
◇YouTube配信情報(日本時間)◇
4月19日(土)11:45-12:40 @OUTDOOR Theatre
※配信時間は変わる可能性もございます。
LISA
Courtesy of LISA @lalalalisa_m
BLACKPINKのメンバーとして、初のK-POP女性グループの名を背負って【コーチェラ】に立ったのが2019年。そして、2023年にはアジア人初のヘッドライナーとして歴史に名を刻んだLISAが、今度はソロで【コーチェラ】に戻ってきた。もはやK-POPというジャンルを超えて、アーティスト、俳優、ラグジュアリーブランドのアンバサダーなど、グローバルな活躍が目覚ましいLISAは、今年2月に待望のソロ・デビュー・アルバム『オルター・エゴ』をリリース。別の人格、もう一人の自分をコンセプトとした作中で、ユニークなパーソナリティを持つキャラクターのひとりとして見せた “VIXI”となって、「サンダー」で3度目の【コーチェラ】のステージの幕を切った。
自身のルーツであるタイとヒップホップダンスを十二分に打ち出した「LALISA」、ラップが炸裂する「フXXク・アップ・ザ・ワールド」、オーディエンスと丁寧に視線を交わした「ドリーム」など、ハードモード、ロックスターモード、エンジェルモードなど衣装チェンジも交えつつ、合計5つのキャラクターを通して、枠にとらわれないLISAが表現されていく。「ライフスタイル」以降のラストステージは、誰が見ても“惚れるカッコよさ”の一言。
◇YouTube配信情報(日本時間)◇
4月19日(土)11:45-12:40 @SAHARA
※配信時間は変わる可能性もございます。
CA7RIEL & Paco Amoroso

Photo by Kevin Mazur/Getty Images for Coachella
今年の【コーチェラ】出演陣の中でも、ホットなアーティストとして話題を呼んだのが、このデュオ=CA7RIEL & Paco Amoroso(カトリエル&パコ・アモロソ)。アルゼンチンはブエノスアイレス出身のカトリエル・ゲレイロとウリセス・ゲリエーロは、昨年4月にリリースしたアルバム『バーニョ・マリア』が、Billboardが選ぶその年の“ベスト・ラテン・アルバム”に選出、10月に出演したNPRの人気シリーズ「タイニー・デスク・コンサート」が4か月で2,400万回以上再生されるというバズを生み、世界中で注目を集めることに。3月に最新EP『PAPOTA』をリリース、今年はすでにツアーでスケジュールが埋まっているという彼らは、【FUJI ROCK FESTIVAL 2025】で来日も決まっている。
そんなノリにのった2人の【コーチェラ】デビューは「DUMBAI」でスタート。彼らの楽曲はスペイン語が基本ながら、<Dum-dum-dum-dum-dum-dumbai>など、口ずさみやすいフレーズが多いのが嬉しい。「#TETAS」や「IMPOSTER」もそうで、初めての人でもノリやすいメロディや合唱で、カウベルやパーカッションなど鮮やかな楽器の音色を楽しむ時間、EDMトラックで一気にハイプアップする時間が流れる。「EL DÍA DEL AMIGO」は隣の人と肩を組んで歌いたくなること間違いなし。苗場でも素敵で陽気な午後を過ごせそうだ。
◇YouTube配信情報(日本時間)◇
4月19日(土)13:30-14:15 @GOBI
※配信時間は変わる可能性もございます。
Travis Scott

Photo by Kevin Mazur/Getty Images for Coachella
メガヒット・ワールドツアー【Circus Maximus】で、11月に一夜限りの来日公演をすることが決まっているトラヴィス・スコット。今年の【コーチェラ】のラインナップ発表時には、出演日は明かされず、“Travis Scott Designs the Desert(トラヴィス・スコットが砂漠をデザインする)”という説明のみが記載されており、ヘッドライナーとは違う特別枠の立ち位置にいたことは確かだ。
2日目のヘッドライナー、グリーン・デイが<Main Stage>を温めてから時間を置いて登場したトラヴィスは、オーディエンスの中央に置かれた円のステージをメインステージとして、宙を舞うワイヤーダンサーやボックスステージ、レーザーライトや炎、水など、使える特効はすべて使い、そこに観客のシンガロング、60人以上と思われるホーン隊が放つ楽器の振動なども加えて、文字通り、砂漠という乾燥した空間をアナログとデジタルでデザインした。「FE!N」や「シッコ・モード」「グースバンプス」といったモンスターヒットはもちろん、未発表曲、そしてステージのオープニングを飾った「4×4」を筆頭とした、ジャクソン州立大学のマーチングバンド“Sonic Boom”とフロリダ農工大学の“Marching 100”によるブラスバンドアレンジは見逃せない。
◇YouTube配信情報(日本時間)◇
4月20日(日)15:40- @Main Stage
※配信時間は変わる可能性もございます。
JENNIE

Courtesy of Coachella
前述のLISA同様、自身3度目の【コーチェラ】に舞い降りたJENNIE。現在「ライク・ジェニー」が、韓国や日本など、世界各国でダンスチャレンジにより話題沸騰中の彼女は、2番目に大きい<OUTDOOR Theatre>にて、ソロ・デビュー・アルバム『ルビー』の収録曲を中心に計13曲を披露した。キャラクターごとに声色も衣装も変えたLISAとは違い、彼女は視覚的にルビーレッドで統一して、“ジェニー・ルビー・ジェーン”を表現。美しさ、完璧、模範が求められるガールグループの一員として長年トップを走ってきたが、本当のJENNIEは、実は私たちが考えるよりも、もっと私たちと同じだ。批判を恐れずにFワードを使った歌詞やMCは、英語話者であれば自然なことであり、ガールクラッシュを代表する力強さと自信がイメージ先行するが、本当は脆さを隠して生きているという……50分のパフォーマンスから、様々なJENNIEの側面が感じられた。
それでも自信という仮面はすごいもので、会場にいる何千人、配信を見ている何千万人を前に堂々としたパフォーマンスを見せるJENNIEに憧れずにはいられない。「マントラ」、同じジェニーのニックネームで愛される先輩ジェニファー・ロペスの「ジェニー・フロム・ザ・ブロック」をサンプリングした「ウィズ・ザ IE(ウェイ・アップ)」や、「こんな私になりたいでしょ」と言わんばかりの「ライク・ジェニー」に合わせて歌い踊れば、憂鬱な月曜日も山積みの仕事も乗り越えられるはず。
◇YouTube配信情報(日本時間)◇
4月21日(月)11:45-12:35 @OUTDOOR Theatre
※配信時間は変わる可能性もございます。