2015/04/07 17:30
アコースティックとエレクトロニクスがたおやかに交錯するサウンドと、ファルセットを駆使した翳りのあるナイーヴな歌声。エギル・オルセンが歌う世界観は、一度聴いたら忘れられない静かなインパクトがある。ホセ・ゴンザレスにも通じる内省的な雰囲気と、キングス・オブ・コンヴィニエンスにも匹敵するメロディのセンス。北欧ならではのひんやりとした質感は、何物にも代え難い。
2008年にデビューしたノルウェー出身のエギルにとって、新作『ooo what happened』は4年ぶり4作目となる。その間、来日公演が行われているだけでなく、テレビやスクリーンからも彼の声は流れている。2011年にはユニクロのCMでその歌声がフィーチャーされ、2013年公開の映画『ペダルダンス』では主題歌に抜擢された。いずれも菅野よう子とのコラボレーションだ。最近では、ANAの「YOUR ANA」というCMでも起用されている。それだけ、印象的な声である証拠なのだ。
実際、アルバム全体のトーンも、サウンドよりも声の印象が後を引く。けっして饒舌なわけでないし、派手にパフォーマンスするのでもない。しかし、落ち着いたたたずまいと、そこはかとなく立ち上る寂寥感は、エギルの専売特許といってもいいだろう。エレクトロニカを駆使したアレンジの処理もトリッキーになりすぎず、弾き語りのシンガー・シングライターと並べても違和感はない。全体的に自然体でありながら、聴く者の心に何かを残す。そんな不思議な声は、ゆっくりと世界中に染み込んでいくに違いない。
Text: 栗本 斉
◎リリース情報
『ウー・ワット・ハプンド』
エギル・オルセン
2015/03/26 RELEASE
2,484円(plus tax)
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