2026/10/29 11:30
ザ・ローリング・ストーンズのギタリストで共同創設者の故ブライアン・ジョーンズが、ドラマーの故チャーリー・ワッツにバンドへの加入を呼びかけた未公開の直筆の手紙がオークションに出品される。英ウェンブリーにあったワッツの実家の"C・ワッツ様"宛てに書かれたこの手紙は、1962年6月に書かれたものだ。バンドが正式に現在の名前を名乗る前、そして同年7月の初ライブのわずか数週間前に送られている。
オークション・ハウスのサザビーズで音楽とポップ・カルチャーのスペシャリストを務めるクレイグ・インシアーディは、出品を発表したプレスリリースで、「伝説的なバンドの結成にこれほど迫れる資料はほとんどありません。ザ・ローリング・ストーンズの初ライブのわずか数週間前、そしてチャーリー・ワッツが正式に加入する数か月前に書かれたこの手紙には、歴史の扉を開こうとしていたバンドの興奮と野心がとらえられています。60年近くにわたりザ・ローリング・ストーンズを特徴づけることになる独特のサウンドを持ったドラマーを、何としても迎え入れようとしたブライアン・ジョーンズの決意を伝える、類まれな一次資料です」とコメントしている。
ワッツの妹から提供されたこの手紙は、60年以上にわたって一家が保管してきたものだ。手紙はオリジナルの封筒とともに、現地時間2026年12月15日に開催されるサザビーズ・ニューヨークの<ロック&ポップ>セールでオークションに初めて登場し、当初の落札予想価格は7万ドルから8万ドル(約1,100万円から1,260万円)とされている。
ジョーンズは当初バンドの創造面での原動力だったが、ドラッグとアルコールの問題により1969年に解雇された。そんな彼による親しみやすく茶目っ気のある手紙は、「親愛なるチャーリー、この手紙を少々ぶしつけだと思われたら、どうかお許しください……」という気さくな挨拶で始まっている。サザビーズによると、ジョーンズは続いて、当時ロンドンのシーンで屈指のR&Bバンドだった故アレクシス・コーナーのブルース・インコーポレイテッドでのワッツの活動について尋ねている。
そして本題の勧誘に入る。「僕たちは良いドラマーを探しています。すでに僕たちのバンドはアレックスのバンドよりずっと優れていると思っています。とてもまとまりのあるサウンドになってきているんです」と、彼は結成間もないバンドについて書いている。当時のバンドはギター2本、ハーモニカ、ピアノ、ドラムで構成されており、ベーシストを加える計画もあった。彼はさらに、当時のドラマーについても冷静な評価を下している。
「今のドラマーはひどいんです!」とジョーンズはワッツに書き送った。ワッツは主にジャズを背景に持つドラマーだったが、2021年に80歳で亡くなるまでストーンズのドラマーを務めることになる。ギタリストのキース・リチャーズは、2010年の自伝『ライフ』の中で、バンドがワッツを熱心に口説き落とした様子について語っており、彼とメンバーたちはお気に入りのドラマーを雇う資金を捻出するために食費を切り詰めたと明かしている。「俺たちは彼に払う金のために飢えたんだ!文字どおりね。チャーリー・ワッツを手に入れるために万引きまでした。食料を切り詰めたよ、それくらい彼が欲しかったんだ」とリチャーズは綴っている。
当初、この手紙は功を奏さなかったようで、ワッツが正式にバンドに加入したのは、それからさらに7か月後の1963年1月のことだった。手紙は12月2日から15日のオークション当日まで、サザビーズ・ニューヨークで一般公開される。
ストーンズは、今年リリースしたアルバム『フォーリン・タングス』のデラックス・エディションを、『フォーリン・タングス、ルース・リップス』と改題してリリースする準備を進めている。グループにとって25作目のスタジオ・アルバムのセッションから生まれた新曲5曲を収録した本作は、11月27日に発売予定だ。
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