2025/05/14 08:00
新たな国際音楽賞として5月に開催される【MUSIC AWARDS JAPAN】(以下、【MAJ】 )。いよいよ5月21日、22日に京都で開催される(アワードウィークは5月16日からスタート)。Billboard JAPANでは野村達矢実行委員長、稲葉豊副委員長にインタビューを実施。【MAJ】に対する反響や、すでに見えてきた課題について話を聞いた。
――初の音楽賞ということで、音楽業界内外から様々な反響があったと思いますが、いかがでしたか。
野村達矢:3月13日にエントリー曲を発表し一次投票をスタートしましたが、「曲数が非常に多い」というご意見が多かったですね。今回62部門を発表するので、エントリー曲は延べ約3,000曲になりました。投票してくださった方にとっては大変な時間だったかもしれませんが、様々なジャンルの音楽を聴いていただけたのではと感じています。
稲葉豊:【MAJ】を立ち上げる目的の一つに「1年に1回、日本中が音楽について語る時間を生み出せたら」という思いがありました。投票に協力してくださった方からも「音楽に対して、普段とは違う向き合い方をした」「音楽を聴く力が試された気がしたし、一つずつの賞に対して自問自答しながら投票した」というご意見もいただいて。
野村:普段の生活の中で「音楽を評価する」という聴き方があっても良いのではと思っていて。「音楽を評価する」というのは、自分自身の感性を確かめることにも繋がりますし、皆さんにとって良い機会になったのではなったと思います。【MAJ】では日本だけでなく海外の方からも投票していただきましたが、それらの結果を見ると日本の音楽が海外に広がったきっかけとして、ゲームやアニメという他のエンタテインメントが大きな役割を果たしていることを改めて実感することができました。またシティポップが、一つのジャンルとして評価されつつあるということも再認識しましたね。
――海外からの投票による<Top Global Hit from Japan>では、Lotus Juice/高橋あず美「It's Going Down Now」や、松原みき「真夜中のドア~stay with me」など、リリース年も性別もヒットした文脈も全て異なる楽曲がノミネートされました。
稲葉:新譜、旧譜という分け方は、音楽ビジネスに携わる人のためだけのものですからね。リスナーの方にとっては、たった今聞いた曲が、新しくて、初めての曲ですから。
野村:我々は実行委員という立場なのでノミネート結果に対して、意見や感想を言うことはできません。音楽業界の人が選ぶと、こういう結果になるんだなと感じました。
――現時点で【MAJ】に対して見えてきた課題はありますか?
野村:今回は初めてだったので、全てのシミュレーションが頭の中でしかできませんでした。なので、時間が全然足りなくて。次回は一つずつの課題に対して、もっと向き合って丁寧にやっていきたいですね。あと我々が思っているほど、【MAJ】は、まだまだ世の中に浸透していないと思っています。1回目を成功させて、アーティストや音楽業界の方たちに価値を感じてもらいたいと思っています。
稲葉:音楽人5,000人が選ぶ音楽賞としていますが、投票にはレコード会社や音楽出版社、マネジメントで働く人に加えて、アーティストやクリエイターの方にも参加していただいています。【MAJ】を成長させていくことで、投票に参加してくださる皆さんにとっても重要な賞にしていきたいですね。
――【MAJ】が成功したかどうかは、何で測られるのでしょうか。
野村:グランプリやノミネートに選ばれたアーティストが、これから一層グローバルで活躍の場を広げることだと思っています。
稲葉:今回Spotifyで一般投票を実施したり、エントリー曲やノミネート曲のプレイリストを各DSPで展開したりしていますが、期間中のストリーミング数が大きく増加したと聞いています。なのでストリーミングを中心に定量的なデータをもとに、開催の前後で結果を示せると思っています。
また投票のプロセスも含めて、CEIPAが問題なく運営できていることを示すために監査にも入ってもらう予定です。これまで日本で開催されてきた音楽賞というのは、テレビ局による音楽番組が主流だったので、音楽賞に対して監査を入れるということ自体、今回が初めてだと思います。
野村:なので日本の監査法人として受けられるかは、今 確認中ですが我々としては監査法人に入ってもらうことで【MAJ】の公平性を示したいと思っています。
――まもなく【MAJ】が開催されますが、いかがでしょうか。
稲葉:3月13日にエントリー曲を発表し、一次投票を経て、4月17日にノミネート曲を発表と少しずつ本番が近づいてきて。議論のテーマが物理的な当日の内容になってきました。野村さん、恥をかくとしたら、どんなかき方になるんだろうって、思いますよね(笑)。
野村;そうですね。日々、相当緊張しながら過ごしています。ドキドキしかしていないというか…。
稲葉:とはいえ一つずつ進んできて、心配事も減ってきていますし。
野村:そうですね。【MAJ】のテーマは「世界とつながり、音楽の未来を灯す。」です。なので、それを体現した2日間になると思います。5年後、10年後、100年後も続くアワードの1歩目になりますので、ぜひ皆さんにはその歴史的な瞬間を見届けていただきたいです。
Interview&Text:高嶋直子
Photo:筒浦奨太
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