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2026/06/05 19:40

goethe、ワンマンライブ【goethe Live at LIQUIDROOM】オフィシャルレポート到着

 札幌発4人組バンド・goetheが、5月30日に恵比寿LIQUIDROOMで1stフルアルバム『circle』のリリースを記念したスペシャルライブ【goethe Live at LIQUIDROOM】を開催した。

 5月13日に発表した初のフルアルバム『circle』は、2021年から現在に至るまでの5年間にgoetheが生み出した楽曲から、厳選したフェイバリット9曲に新曲5曲を加えた全14曲収録の作品。goetheは人々の半径数メートルの生活を描いてきたことと、これまで紡いできた「縁」を大切にしたいという想いから、『circle』というタイトルが付けられた。【goethe Live at LIQUIDROOM】は、サポートメンバーに東風あんな(Cho./Per.)、小池隆太(Gt.)、さらに池本茂貴(Trombone)、鈴木雄太郎(Trumpet)、屋嘉一志(Saxophone)によるホーン隊を加えた9人編成で行われ、ロック、ジャズ、ファンク、ソウル、R&B、ダンスミュージック、クラシック、ゴスペルなど、あらゆる要素をポップスに昇華した『circle』の楽曲群が華やかに奏でられた。

 9人がステージに登場すると、まずは挨拶代わりの合奏がファンファーレのように鳴り響く。「こんばんは、goetheです!」という樋口太一(Vo./Gt.)の言葉から、Michael Kanekoと作り上げたインディーポップ調の「Friendship」、ジャズとヒップホップがクロスオーバーした「Make a Move」、音源では打ち込みのビートを多用したトラックをライブではフィジカルな演奏に変えた「Sick!!!」と、9人編成によってgoetheの音楽的な多彩さを増幅させて魅せる。

 次はホーン隊を除いた6人編成で、相蘇勇作(Dr.)によるカウントから、広大な世界へと開いていくゴージャスなイントロを鳴らして「煙管」へ。最後に樋口が<貴方の前で子供になった>と声を張り上げて、そのまま「Warumono」へと雪崩込むと、その美しいつなぎにフロアからは歓声が上がる。最後のサビで転調し、アウトロで小池がロングなギターソロを投下すれば、歌詞通り<心の奥に風が吹いた>ような推進力が聴き手の心に帯びた。そこから、どんなときもユーモアを大切にしたいという生き方を歌う「ユーモアを交えて」、オレンジと紫が交じる昧爽どき色に染まったステージでメロウに聴かせた「middle」。演奏中はじっくりと聴き入っている様子のオーディエンスだが、樋口が「楽しんでますか?」と声をかけると、「イエーイ!」と威勢のいい反応が返ってくる。

 悲しいことがあっても人にはなかなか話せないし、人前で感情を大きく出すこと自体を控えてしまう。なんなら自分自身に嘘をついて、感情を押し殺してしまうことだってある。かといって本当は、心の波がずっと落ち着いているわけではない。「あの人みたいに何でもできるって自信を持てるわけがない」と思い込んでいる日が9割だけど、残りの1割は「自分にもできるはず」と強い気持ちが湧いてくる。それが「イマドキ」と言われるような、今の世の中の普遍的な感情で、それに寄り添ってくれるのが樋口の歌声でありgoetheの音楽であるということを、ここまでで確信させた。

 その後、「ここからはひとりで、弾き語りスタイルでやりたいと思います」と一言添えてから、樋口だけで“Q”をギター弾き語りで披露。永江碧斗(Key.)、加藤拓人(Ba.)、相蘇はいつも、「樋口の歌を届けることを第一に考えている」という旨を口にするが、樋口の声は情景を浮かび上がらせる描写力を持ち、さらに人々の弱さにも強さにも優しくタッチする逸材であることを、オーディエンスもじっくりと再確認する場面だった。

 メンバーがステージに戻って「バンドでやるのはめちゃくちゃ久しぶり」という「湖にて」のあとは、ベースラインのグルーヴやキメも心地いい「ふらふら」、ミラーボールが回りレインボーカラーに照らされる中でのディスコポップ「Runaway」で、深淵なる夜の街へと入り込んでいく。

 いよいよ終盤の3曲は、樋口のボーカル力と彩り豊かなバンドサウンドを最大限生かしながら、goetheや『circle』の核にあるテーマを表現した。永江のピアノと樋口の声だけで始まった「Dear」は、原曲から構成を変えて、最初に<忘れないでこれからも>と歌う。そこからクラップにホーンが交差し、リキッドルームが祝祭感で満ちていく。そして『circle』のリード曲であり現時点におけるgoetheの集大成とも呼べる「LIFE」をここで演奏。最後にロングトーンを響かせて曲を終えると、ここまでで一番大きな歓声が上がった。最後はクラシック出身の永江の腕が光るピアノソロから、「夢から覚めても」。樋口の低い声と東風の高い声が平行線で進んでいくその様が、今は会えなくなってしまった男女のストーリーを浮かび上がらせた。

 goetheや『circle』の核のテーマとはーーどんな関係性にも、居場所にも、生命にも、「終わり」がくる。だから今をどう生きるのか。記憶や思い出をどう扱うのか。そんな問いに正解などはないが、それを一緒に探してくれるのがgoetheだ。アンコールでは、「あっという間だね、こんなに早かったっけ」(樋口)、「あっという間に過ぎていくね」(加藤)という会話があった。ライブの1時間半だって、準備には相当長い時間がかかるのに、キラキラした本番はあっという間に過ぎてしまう。人生におけるあらゆる儚さを、大切に抱きしめているのがgoetheというバンドなのだと思った。

 アンコールでは、「キリン」、「Town」を演奏。さらに、11月からスタートする全国ツアー【goethe Live Tour 2026】のファイナル公演を、12月4日にヒューリックホール東京にて開催することが発表された。これがgoetheにとって、初のホールワンマンライブとなる。「曲もたくさん作っていきたいと思っていますので、またいろんな場所でお会いできたら嬉しいです」と、2026年下半期もgoetheの活動が楽しみになる言葉を残して、1日限りのスペシャルライブ【goethe Live at LIQUIDROOM】は幕を閉じた。

Text by 矢島由佳子
Photo by 山川 哲矢(Tetsuya Yamakawa)


◎公演情報
【goethe Live at LIQUIDROOM】
2026年5月30日(土)
東京・恵比寿LIQUIDROOM

【goethe Live Tour 2026】
2026年11月1日(日)福岡・graf
2026年11月8日(日)北海道・PENNY LANE24
2026年11月14日(土)宮城・enn 3rd
2026年11月21日(土)大阪・梅田Shangri-La
2026年11月29日(日)愛知・ell.FITS ALL
2026年12月4日(金)東京・ヒューリックホール東京

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