2026/06/02 18:00
今年1月にデビュー20周年を迎えたFUNKY MONKEY BΛBY'Sが5月24日、東京都・昭和女子大学人見記念講堂にて全国ツアー【20th anniversary TOUR ~そのまんま東へ西へ~】のファイナル公演を開催した。
FUNKY MONKEY BΛBY'Sは2021年にファンキー加藤とモン吉によって二人組として再結成されたユニットだ。2025年にはデビュー以来、在籍していたレーベルを離れてユニバーサルミュージックに移籍、次のフェーズを目指して新たな一歩を踏み出すなかで行われた本ツアーは、彼らにとって単なる周年ツアーという以上に大きな意味合いを伴うものだったに違いない。昨秋にスタートし、ライブハウス編、ホール編と実に9か月間に渡って全国27都市29公演を旅したFUNKY MONKEY BΛBY'Sがとうとうたどり着いたゴールだ。
全国から駆けつけたBABYS(※FUNKY MONKEY BΛBY'Sファンの総称)の今か今かと待ち侘びる空気がはち切れんほどに充満した場内。ザッと眺め渡しただけでも“老若男女”の文字通り、幅広い年齢層で埋め尽くされているのが見て取れる。さすがは世代を超えて愛され続けているFUNKY MONKEY BΛBY'S。会場のキャパシティが2,000人とはあまりに手狭に思えるが、大事な節目だからこそ近しい距離感で一人ひとりにしっかりと彼らの音楽と想いを手渡したかったのかもしれない。本番が近づくにつれて期待の熱はぐんぐん高まり、開演時刻と同時にスタートしたメモリアルな映像のあと、カウントダウンの数字に続いて“It's SHOW TIME”の文字が映し出されると、凄まじい歓声が客席いっぱいに渦巻いた。
「いこうか、東京ファイナル!」
サポートDJのバカムスコ翔に続いて、ファンキー加藤がステージ上手側の袖から、モン吉が下手側の袖から対角線を描く形で登場。開口一番、腹の底からの声量でそう叫んだ加藤に応えて、総立ちのオーディエンスが拳を突き上げた。1曲目「メロディーライン」から巻き起こるコール&レスポンス、次の「ナツミ」でも満場のハンドクラップがはじけ、壇上を所狭しと走り回る2人をさらに後押しする。たちまち一体感で満たされる人見記念講堂、その初速のスピード感は目をみはるほど。「ようこそお越しくださいました!」と告げた直後、「俺たちがファンキーモンキ~~~~~~」と息が続く限り発声を伸ばす加藤。そこにモン吉が加わって「ベイビーズだ!」と2人で声を揃えるという恒例の挨拶にBABYSも大喜びだ。さらに、この日のライブが後日U-NEXTにて配信されることが決定したと加藤の口から明かされ、「最高のライブにしたいと思うので、どうぞお付き合いください! いけますか、東京!」と呼びかけられると客席のボルテージは早くも最高潮の勢いに。
アニバーサリーにふさわしく、デビューシングル「そのまんま東へ」から昨年リリースの最新シングル「Come back home」まで、セットリストにはFUNKY MONKEY BΛBY'Sの歴史を代表する楽曲たちが並ぶ。「20年前の今頃にリリースされた3rdシングル、当時は売れなかったけど、大好きな曲を歌わせていただくぜ!」と胸を張って披露した「ALWAYS」、「Lovin' Life」ではこれまでのライブ映像がしみじみと郷愁を誘うメロディに乗せて届けられ、オーディエンスの涙腺を直撃。シングル曲ではないものの彼らのライブの定番曲「GO!GO!ライダー」では巨大な風船がいくつも現れて客席内をバウンドして回るという楽しい演出があったかと思えば、「ヒーロー」では「会場にいらっしゃったお父さん!」と問うて客席に挙がった手の一つひとつにタフな歌声を捧げるなど、1曲1曲それぞれの個性を最大限に発揮できるよう緩急のバリエーションをつけながら丁寧に歌い紡がれていくこの一連の流れに、彼らがこれまでに注いできた音楽への情熱を改めて見せつけられた気がした。
「ありがとう! 「ヒーロー」とか「告白」とか、平成時代のファンモンの曲をいまだにみんなが歌ってくれることが心から嬉しい。だけど令和のファンモンも、平成に負けないくらいいろんな曲を作っていて、今の俺たちにしか歌えないような曲もどんどん生まれていて。これからはもっともっとそういう曲たちを届けていきたいと思っています」
そんな加藤の言葉の後に披露された「荒野に咲く花」、再結成後の2023年にリリースされた5thアルバム『ファンキーモンキーベイビーズZ』に収録されているこの曲はライブのなかでも出色の存在感を放っていたと思う。ラテンアメリカのフォルクローレを彷彿とさせる端正な音像、クールなビートに乗せて繰り出されるラップには今の時代の空気にも通じるシリアスなニュアンスがはらむが、どう転ぼうとも続いていく人生、せっかく芽吹いた命なら荒野であろうと力強く咲き誇れと訴えかけるサビのメッセージが聴く者を奮い立たせる。けっして平坦ではなかっただろう20年の道のり、時につまずき立ち尽くしながらも、踏み出す一歩を諦めなかった彼らだからこその説得力たるや。ステージと一緒になってシンガロングするオーディエンスの声がまたなんとも美しく頼もしい。再結成して初のシングルとなった「エール」が続けざまに披露されると、場内には温かなクラップが響き渡り、こうして共に20周年を祝えたことをつくづくと噛み締めるような幸せムードが2人を包む。
「去年の9月から始まって29本目、小さなトラブルがありながらもどうにかファイナルに辿り着くことができました。きっと、それぞれの街で一生懸命応援してくれていたBABYSもたくさんいると思います。改めてお礼を言わせてください。ありがとうございます!」
後半戦に差し掛かったタイミングで加藤がグループを代表して感謝を口にすると、モン吉と共に深々と客席に向かって頭を下げた。20年という長い月日を移り変わりの激しい音楽業界のなかでなんとか生き抜いてこられたこと、2013年の解散ではBABYSのみんなにとても悲しい想いをさせてしまったこと、それぞれのソロ活動を経て2021年に一夜限りの再結成を果たしたのちに恥を忍んで再始動という形をとらせてもらったこと……当時を振り返りながら、率直に言葉を続ける加藤。「ファンモン、いつか戻ってきてくれ」と絶えず声を上げてくれたBABYSにめちゃくちゃ甘えて再始動を決めたけれど、そうしてよかったと心から思っていると告げ、「今後の目標は、こうしてずっと応援してくれているBABYSの人生のための素敵なBGMを作り続けること。俺はずっとBABYSに甘えてきたから、みんなもこれからの人生、しんどいときや苦しいときはファンモンの音楽にたくさん寄りかかってほしい。みんなが寄りかかったくらいでは倒れない力を持ったFUNKY MONKEY BΛBY'Sでいますから。みなさんの人生のBGMは俺たちに任せてください」とキッパリ前を向いて宣言した。
そうして歌い上げられた「ありがとう」がどれほど沁みたことだろう。解散前最後のシングルとして、これまでの気持ちを「ありがとう」の言葉に託した別れの歌が今、新たなFUNKY MONKEY BΛBY'Sの物語を紡ごうとしている。長めのMCのなかで加藤はまだまだやり残した夢があると言い、もっともっと誰しもに知ってもらえる曲を作り、大晦日には紅白歌合戦に出場もしたいし、今度は涙じゃなく笑顔で迎えられる東京ドーム公演を実現させたいとも語っていた。今の彼らは30周年、40周年をリアルにイメージし、まだなおガムシャラに走り続けようと腹をくくったのだ、きっと。「あとひとつ」に重なった2人と2,000人の歌声、ステージと客席とがまっすぐに手を伸ばし合った光景に、この先に待つものが揚々とした未来であることを切に願わずにはいられなかった。
本編ラストは「ちっぽけな勇気」が飾った<俺たちはちっぽけで 手のひらの中には/この手のひらの中には 何もないけど>、20年経ってもそう歌い続け、聴き手の背中を全力で押すことができるFUNKY MONKEY BΛBY'Sのなんと強いことか。シンプルでキャッチーなメロディライン、小さな子供から年配のリスナーまで誰にでもわかる言葉選びと、どこまでも前向きな応援スピリット、何より加藤とモン吉のユニゾンに宿るエネルギーが織りなすファンモンワールドに圧倒され続けたこの日だったが、「ちっぽけな勇気」はまさにその極めつけ。全体がこんなにも躍動し、隅々まで笑顔ただ一色に染まる空間などそうそうあるものではない。「東京ファイナル! 2,000人の拳を!」と叫ぶ加藤の声に、きつく握りしめたたくさんの手が次々と掲げられたエンディング。最後に「その拳のなかに今も無限の可能性が秘められていることをけっして忘れないでください!」の言葉を残して加藤とモン吉はステージを去った。
だが、これで終わりではない。BABYSの熱いアンコールに再び姿を現すと「アワービート」でひと暴れ。モン吉とバカムスコ翔はステージを駆け回り、インカムを装着した加藤は客席に乱入し、手にしたCO2ジェットガンでオーディエンスを容赦なくスモークまみれにする。大盛り上がりの“アッハーン”祭り、胸を打つ応援ソングも胸キュンな恋の歌も素敵だが、こうしたおふざけナンバーを全員で共有できるのもファンモンライブの大きな魅力の一つだろう。ステージに戻って息も絶え絶えなところを「大丈夫?」とモン吉が気遣われ、「こういう曲ってめっちゃ疲れるよね。割に合ってない。このエネルギーは応援ソングに注ぎたいのに」とぼやく加藤が大爆笑を誘う。
夕焼けを思わせるオレンジのライティングもエモーショナルな「西日と影法師」のあとにはファイナルだから特別に、とふだんはあまりやらないという記念撮影を挟み、さらに「話すことがいっぱいあるんだ」と一旦、オーディエンスを着席させての告知タイムへ。そこで本人たちからアナウンスされたのは、8月5日のニューシングルリリースと、12月5日にアリーナ公演が開催決定という2大ニュースだ。「夏子」とタイトルされたニューシングルはアニメ『ぐらんぶる』Season 3のオープニング主題歌のために書き下ろされたのだという。ちなみに「夏子」とはもともと「ナツミ」の仮タイトルであり、この曲が収録されたシングル『告白』のリリース日が7月23日だったため、723の語呂合わせで「ナツミ」になったというこぼれ話も明かされた。「いつか「夏子」という曲も出したいと思っていた」という加藤に「いい感じだよね、「夏子」も」とモン吉が語る。
12月5日のアリーナ公演はトヨタアリーナ東京にて開催、【WE ARE FUNKY MONKEY BΛBY’S -20th finale-】とタイトルに冠された通り、20周年アニバーサリーイヤーの総決算となるワンマン公演だ。告知した瞬間のあまりの歓声の大きさに「すごい喜んでくれてよかった」とモン吉、加藤も「そんなに喜んでくれるの!? ちょっと泣きそうになっちゃった」と声を弾ませる。オーラスは「悲しみなんて笑い飛ばせ」でBABYSたちと一緒にタオルをぶん回し、とことんアッパーに締めくくった彼ら。始まりと同じく締めの言葉も「以上、ファンキーモンキ~~~~~~」「ベイビーズでした!」、ただしここではモン吉が驚異の肺活量を見せつける番だ。そうしてやんやの喝采のなか、ついに迎えた大団円だった。
ツアーの終わりには少なからず寂しさもよぎるが、6月にはいきものがかりとのコラボソング「奇跡じゃない」を配信リリース、それに連動して東京ガーデンシアターにて2日間の対バンライブも行われ、また、夏フェスにも今年は13本ほどすでに出演が決定と、目白押しのスケジュールを前にして感傷に浸っている隙などない。【20th anniversary TOUR ~そのまんま東へ西へ~】は終わってもFUNKY MONKEY BΛBY’Sの旅はまだまだ続くのだ。万感の想いを胸にこれからも歩を進めていく2人はどんな未来を見せてくれるだろうか。
Text by 本間夕子
Photo by 川島彩水
◎公演情報
【20th anniversary TOUR ~そのまんま東へ西へ~】
2026年5月24日(日)
東京・昭和女子大学人見記念講堂
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