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ヴァン・ダイク・パークス インタビュー

ヴァン・ダイク・パークス インタビュー

 古き良きアメリカン・ミュージックを軸に様々なジャンルを革新的なアレンジで超越し、独特のスタイルを作り上げて来た鬼才ヴァン・ダイク・パークス。プロデューサー、ソングライター、アレンジャーとして長年活躍し、名盤『スマイル』に参加したことでも知られる彼が、旧友の細野晴臣をゲストに迎えた来日公演を行う。50年近くに及ぶキャリアの転機、2012年の印象に残ったライブや来日公演について語ってくれた。

来日公演のコンセプトについて

 「アルバムであれ、パフォーマンスであれ、私は"コンセプト"と言う言葉を奉ずたことはない。この言葉は、アーティストが何が起こるかを事前に予測していることを意味する。そんなライブは、まったく面白みがない能無しの為のものだ。68年にリリースされた私の1stアルバム『ソング・サイクル』をジャーナリスト達は挙って"コンセプト・アルバム"の始まりと評した。だが、私はそれに同意できない。ちなみに『ディスカヴァー・アメリカ』と『ヤンキー・リーパー』とともにBella Union(ベラ・ユニオン)から再発されたばかりだ。今聴いても、リスナーは、あのアルバムの即興的制作プロセスの醍醐味を聴くことが出来ると思うんだ。この要素は、ビルボードライブでの公演でも伺えることとなるだろう。私のキャリアを網羅した構成となるが(中には新たなサプライズもあるかもしれない)、5人編成用に新しくアレンジしたものとなる。アレンジをするという行為は、私の音楽人生の特質的部分である。そして東京でのライブは、この行為がどれだけ危険でスリルと新鮮味にあふれているのかをあらわにするものとなる。とてもワイルドなライブになるよ。」

共演する細野晴臣との関係について

 「ホソノサンと私は、1971年に彼のグループが"バーバンク・サウンド"に感じるものをLAにレコーディングしに来た時に出会った。私はそのムーヴメントの中核であったので、彼らはハリウッドにあるSunset Sound Studio(サンセット・サウンド・スタジオ)にある日いきなりやってきた。その日私は、リトル・フィートのリーダー、ローウェル・ジョージと共に『ディスカヴァー・アメリカ』の制作に取り組んでいて、彼ら(はっぴいえんど)の為に「さよならアメリカさよならニッポン」を作った。でもそれ以上に何か大きな出来事が起こっていた—それはある種の文化的な交換だった。真珠湾、広島、そして長崎のイメージに元づいた先入観が一瞬にして消えてしまったかのように思えた。音楽を通じてグローバルな意識が芽生え、世代を超えた"許し"そして"協和"の精神へとつながった。ホソノとYMOはその精神のパイオニアとして活動し、アメリカで尊敬される存在となった。彼がビルボードライブまで足を運んで、何曲か演奏し、私の作品を世に広げる手助けをしてくれることは、私にとって言葉に出来ないほど意味があることだ。」

50年に及ぶキャリアの中で印象に残る体験

 「キャリアの中で一番の転機となったのは、同世代よりその後の世代に、アーティストそしてアレンジャーとしての功績が認知されているということに私自身が気づいたことだね。それは、私は"名声"とパフォーマンスすることを避けてきたからかもしれない。スポットライトを浴びた多くの友人たちが、傷つき、死んでいくのを目の当たりにしてきた。だが時間の流れと共に、自分の息子や娘より若いアーティストのアレンジやプロデュースを手掛けてきた。この世代を超えたギャップは、まったく予測したものではなかったが、大きな慰めとなっている。70歳になった今でも人の役に立てるというのはいい気分だ。歳をとってもう必要とされなくなったディーヴァになるよりは全然いい。これが私の一番好きな体験だね。」

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2012年に印象に残ったライブや音楽

 「さて、何だろう。まず私の個人的な見解で、スミマセン!事の発端は、フリート・フォクシズのオープニング・アクトを務めたことから始まった。私は俗にいう"アルタナティヴ"や"インディー"ロックが大好きだ。斬新な創造力と人間性をもつアーティストによって支えられているからだ。のちにロンドンで、素晴らしいオーケストラのブリテン・シンフォニア、フリート・フォクシズのフロントマンのロビン・ペックノルド、グリズリー・ベアーのダニエル・ロッセン、そしてラテンのアーティスト、ギャビー・モレーノと共にライブを行った。彼らが、私がブライアン・ウィルソンの為に、確か50年前だったかな…書いた「Heroes & Villains」などを歌うのを聴くことが出来たのは、何にもかなわないよ。だが私は様々な音楽が好きだ。DJであるスクリレックスのレコーディングに携わった時は、今までにない経験が出来た。彼に「ミスター・パークス、僕たちで世界を破壊するんだ!」と言われた時には、まったく違う惑星に降りたったことを悟った。この経験から私が得たものは何だったか…。"モッシュ・ピット"の域を超えた、今までとは異なるリスナーに音楽を届けることが出来た。レコーディング自体はどうだったかって?それは素晴らしくて、前代未聞のパワフルで美しいサウンドを体感することが出来た。バックミラーがウィンドシールドより大きかったが、同じようにビジョンを魅せてくれたね。」

ファンへのメッセージ

 「私の音楽が、私のメッセージだ。最新作『Songs Cycled』を聴いてくれれば、私のソングライティングとアレンジが、さらに秀逸なものになっていることが分かるはずで、BANANASTANでリリースされたばかりの6枚のシングルがそれを証明している。さらに僕の"ファン"達には(もしそのような人たちがいるのであればね)、毎日起きるときに「私の最高の仕事が実るのはこれからだ。」ということを思い出してほしい。自身の最高傑作は、常に未来にあるはずだ。」

『ソング・サイクル』&『ディスカヴァー・アメリカ』プロモ映像


ヴァン・ダイク・パークス「ディスカヴァー・アメリカ」

ディスカヴァー・アメリカ

2007/12/26 RELEASE
WPCR-12755 ¥ 2,263(税込)

詳細・購入はこちら

Disc01
  1. 01.ジャック・パランス
  2. 02.イントロダクション
  3. 03.ビング・クロスビー
  4. 04.スティールバンド・ミュージック
  5. 05.4人のミルス・ブラザーズ
  6. 06.気をつけて
  7. 07.ジョン・ジョーンズ
  8. 08.トリニダードのF.D.R.
  9. 09.スウィート・トリニダード
  10. 10.オカペラ
  11. 11.セイリン・シューズ
  12. 12.リヴァーボート
  13. 13.トバゴに捧げる詩
  14. 14.ユア・オウン・カムズ・ファースト
  15. 15.Gマン・フーヴァー
  16. 16.星条旗よ永遠なれ

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