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ファーストサマーウイカ『カメレオン』ソロデビュー記念インタビュー



ファーストサマーウイカ『カメレオン』インタビュー

人生は、伏線を回収することだ―――

 今やテレビで観ない日はないほどの人気者となり、阿部真央作詞作曲のソロ・メジャーデビュー曲「カメレオン」を『ミュージックステーション』で熱唱し、絶賛される状況に至るまでは、長く険しくハチャメチャな物語があった。今回のインタビューでは、ファーストサマーウイカの原点とも言えるアイドルグループ・BiS時代やBILLIE IDLE(R)時代~テレビ等での大活躍とウイカの音楽&芸能人生を振り返りつつ、その伏線回収劇の全貌に迫った。彼女を昔から知る人も、彼女を最近好きになった人も、この稀有な物語をぜひご覧頂きたい。

みんなで何かを作ってお祭り騒ぎする感じが好き

--ソロ・メジャーデビューおめでとうございます!今現在はバラエティー番組を中心にテレビやラジオで活躍されていますが、BILLIE IDLE(R)解散以降もまたこうして音楽活動を再開させたい想いは強かったんでしょうか?

ウイカ - カメレオン【Official Music Video】
ファーストサマーウイカ - カメレオン【Official Music Video】

ウイカ:そうですね。私は音楽をやっていなかった時間のほうが短くて、学生時代は中学は吹奏楽部、高校は軽音楽部、劇団をやっていた時代もバンドを組んだりしていて、そのままBiSのメンバーとしてデビューしたから、10代の前半からずーっと音楽をやっていたんですよね。で、BILLIE IDLE(R)が解散してから急に音楽をやらなくなった。10年以上続けていたことが急に終わるわけですよ。

--音楽中心の活動からタレント業メインの活動に変わっていきましたよね。

ウイカ:テレビを中心に今までやったことがないお仕事に挑戦させて頂くことになって、それはそれで大変だから必死に打ち込んでいたんですけど、なんとなくこの世界の仕組みが分かってきたときに、私はクリエイター側の人間ではないながらも、誰かと音楽を一緒にやったり、何かのプロジェクトを企画したり、ミッションをひとつずつクリアーしていったりすることが好きで、その行程がないことに物足りなさを感じるようになって。バラエティー番組にたくさん出させて頂くようになって、それはもちろん楽しいんですけど、たった2時間ぐらいの一瞬をその場にいる人たちで盛り上げたら終わってしまう仕事でもあるんですよね。でも、音楽をやっていると、年中文化祭みたいな感じというか……

--特にBiSやBILLIE IDLE(R)は年中文化祭的なテンションでの活動をしていましたもんね。

ウイカ:私はああいうみんなで何かを作ってお祭り騒ぎする感じが好きだし、ライブシーンで活動していると常に文化祭みたいな気持ちでいられるから、やっぱりソレがやりたいなと思いながらも、文化祭のない1年ちょっとを過ごしていて。でも、バンドを組もうとしたりすると時間がかかっちゃうから「であれば、ソロで音楽活動を再開しよう」と思ったのが今回のソロデビューのきっかけですね。

--BiSでのデビュー前からファンやオーディエンスを目の前にしての活動を継続していたわけじゃないですか。直接何かをお届けしていた。でも、テレビでの活動はカメラの向こう側の不特定多数に向けての発信になるから、そこの違いもきっと大きかったんでしょうね。

ウイカ:目の前にお客さんがいる状態でライブをする。それは音楽も演劇もトークイベントもお客さんに対する感覚はそんなに変わらなくって、払って頂いた対価に見合うモノを提供するという意味では、ジャンルの違いをそんなに感じたことはないんですけど、テレビでの活動はお客さんから対価を頂くシステムではないんですよね。番組を制作している会社さんからオファーして頂いて、そこの期待や要望に対して返していく。で、視聴者からのリターンというのは「良い」とか「面白い」といった評価だけ。それだけで回転していくモノなので、そこはライブシーンとは違いますよね。

--たしかに。

ウイカ:あと、音楽活動やライブ活動と違って、バラエティー番組はその中で役割を果たしていくお仕事だから、それはそれでやり甲斐のある面白いお仕事ではあるんですけど、そこだけで自分のすべてを評価されてしまうと「自分の本質的な部分は見てもらえないんだな」とは思いますよね。テレビのお仕事は、自分のアイデアが反映されるとは限らないし、基本的には「おじゃまさせてもらっている」みたいな感覚だから。なので、最初の話に戻るんですけど、私は作詞や作曲をするクリエイターではないけれども、そのクリエイションの中には関わりたいなと思っていて。それゆえの音楽でのソロデビューでもあるんですよね。

ファーストサマーウイカ『カメレオン』ソロデビュー記念インタビュー

--今回の音楽活動再始動は、いつ頃から考えていたことなんですか?

ウイカ:BILLIE IDLE(R)が解散(※2019年12月28日活動終了)してすぐぐらいから動いてはいました。クリエイションできる環境の生命線みたいなモノを繋いでおきたくて。そこが急に何もなくなっちゃったら、多分つまんなくなっちゃうだろうなと思っていたから。去年の2月か3月ぐらいからいろいろ打ち合わせも重ねて、本当はもっと早いタイミングで打ち出せる予定だったんですけど、コロナ禍の影響もあって今のタイミングになった感じですね。

--では、満を持して「ようやく歌える!」という感覚なんですかね?

ウイカ:そうですね。ただ「歌える」ということだけに関しては、モノマネ番組やバラエティー番組の企画でちょこちょこ歌わせて頂いてはいたので、そこの欲求は満たされていたかもしれない。なので、どちらかと言うと「ようやくクリエイションできる!」という感覚ですかね。みんなと一緒に音楽やMVを作っていって、世に出していく。発表していく。プロジェクトとしてそれが出来る喜びのほうが大きいですね。あと、ユニバーサルミュージックさんからメジャーデビューさせて頂けるのも嬉しい。BiS時代にもエイベックスさんのお世話になっているんですけど、私は途中加入で1年ちょっとしか在籍していなかったから、今回、ソロとしてメジャーで活動するという、今まで体験したことがないことをできる喜びもあります。これで早くライブができてファンの皆さんに会いに行けたら最高なんですけどね。

--せっかくのソロ・メジャーデビュータイミングなので、ファーストサマーウイカのことをテレビで最近知った人たちにもですね、これまでどんな音楽人生を歩んできて今に至るのか、BiS時代から取材させて頂いていた身としては、そのストーリーを知って頂きたいなと思いまして。

ウイカ:ありがとうございます!

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ファーストサマーウイカにとってのBiS/BILLIE IDLE(R)

--2021年に改めてこの質問をするのは不思議な感じもするんですけど(笑)、ファーストサマーウイカにとってBiSはどういう存在でした?

BiS /
BiS / "ODD FUTURE(Special Edit)" Music Video -ファーストサマーウイカ Ver.-

ウイカ:なんか懐かしい(笑)。BiSは私が上京していちばん最初に参加できたプロジェクトだから、私が入った時点で終わりが決まっていたグループではあるけれども(※ファーストサマーウイカは2013年5月加入、その1年2ヵ月後の2014年7月にBiSは横浜アリーナで解散)、BiSに入っていなかったら絶対に私は今ここにいないし、単純に音楽をやっていなかった可能性が大きかったと思うんですよね。趣味レベルでバンドとかやっていた可能性はゼロではないけど、自分の生業、仕事の中に音楽がずっと在り続けたのは、絶対にBiSのおかげ。

--大きな基盤ですもんね。

ウイカ:BiSはアイドルという枠組みではそんなに認められてはいなかったかもしれないですけど(笑)、音楽という枠組みでは評価がすごく高かったと思うんですね。それが自分の中ではすごく大きい。もしBiSが「曲はどこにでもある感じだけど、可愛いよね」みたいな感じでチヤホヤされている集団だったらまた考え方が変わっていたと思うんです。でも、これは他のメンバーもそうだと思うんですけど、歌でもなく、顔でもなく、踊りでもなく、何に一番誇りを持っていたかと言ったら、BiSの楽曲や概念。それに対してファンのみんなが自信を持って「BiS、格好良いじゃん」って言ってくれていたこと。それがBiSの生命線だったし、だからこそ私たちは確固たるプライドを持って活動できていたと思うんですよね。

--なるほど。

ウイカ:そこで自分はBiSの一員として、要素のひとつとしてだけど、認められて「格好良いね」と言ってもらえたから、BiS解散後も「じゃあ、まだ続けてみようかな」という気持ちでBILLIE IDLE(R)をやろうと思えたし、BILLIE IDLE(R)があったから今またソロでもやろうと思えた。ということは、そこは数珠繋ぎで、やっぱりBiSが音楽として世間に認められていたからこその、今に至るまでの私の流れがあるんですよ。それは本当にすごく有り難いなと思います。異端的な部分、過激だった部分がクローズアップされるグループでしたけど、私は松隈さんと渡辺さん(※サウンドプロデューサー・松隈ケンタ&マネージャー兼プロデューサー・渡辺淳之介)が作っていた音楽という根幹の部分が揺るぎなく格好良いモノだったから、そこに救われたところはありますね。

--BiS時代の音楽が評価されたからこそ、今もこうして格好良い音楽が歌えていると。あと、近年のテレビで活躍しているファーストサマーウイカは、その言動から滲み出るキャラクターが評価されていると思うんですけど、それもBiS当時から変わらぬキャラクターだったりするから、当時を知る人からすると「ウイカがウイカのまんま評価されている!」といった喜びがあるんじゃないかなと思います。

ファーストサマーウイカ『カメレオン』ソロデビュー記念インタビュー

ウイカ:そうなると、私は高校ぐらいから変わっていないんだと思う(笑)。友達も「ウイカはウイカのまま」って言うんじゃないかな。私、本質が見えづらいというか、名前然り、キャラクター然り、演じているように思われたりとか、ちょっと嘘くさいんでしょうね。だから「無理してる」とか「頑張りすぎている」みたいなことを言われるんですけど、全然無理していないんですよ! 私は「いかに無理をせず、のらりくらり美味しいところだけを食べて生きていくか」しか考えていない人間だから(笑)。BiS時代に「ファーストサマーウイカを演出する、作り上げる」みたいなことは言っていたと思うんですけど、それも「無理をして別人を演じる」的なことじゃなくて、「みんなが食べやすいように加工する」ということで。

--そこも一貫していますよね。

ウイカ:元々良い品質じゃないから加工して提供する(笑)。なので、無理はしていないし、そこはBiS時代から今に至るまで変わっていない。あと、テレビでBiSの話をすると「有り難い」みたいな感じで当時のファンから言ってもらえたり、逆に「なんでBiS、BILLIE IDLE(R)の話しないの」と言われたりもする(笑)。話せる時は話しているけど、カットされることも多いんですよね。BiSは説明がややこしいし、BILLIE IDLE(R)はNOT IDOLだったからくくりがややこしい(笑)。でも、私にとってBiSやBILLIE IDLE(R)は黒歴史でもないし、むしろ自分の人生において物凄く大きなモノだし、絶対に切り離せないストーリーだから話しているだけなんです。もし自分が音楽をやらなくなっていたら、それは過去の経験でしかない話だけど、音楽を続けている身としてソレは大きな根っことして脈々と生き続けていくモノだし、在り続けるモノだから。私という人間を辿ったときに、BiSやBILLIE IDLE(R)に触れてくれる人がひとりでもいるなら、ソレは単なる過去のモノにならないじゃないですか。

--2014年にBiS解散インタビューをしたときに、憶えているか分からないんですけど、ウイカが「BiS解散後、誰かひとりでいいから売れなきゃダメなんです」みたいな話をしていて。そうすれば「BiSが永遠に語り継がれる」的な意味合いもあったと思うんですけど、それを自ら有言実行しているのは本当に凄いことだなって。

ウイカ:そういう話をしたのは憶えています。本当に売れ方は何でもよかったと思うし、本当に誰が売れてもよかった。可能性はメンバー全員にあったと思うし。BiSというグループで、普通の女の子達6人が横浜アリーナに立てる確率って、宝くじが大当たりするみたいなこと。物凄い奇跡だったと思うし、そうなると私たちは物凄いラッキーガールだったと捉えられる。だから「なんかあるぞ!」って思えるじゃないですか。なので「誰かは売れる」と思って解散インタビューでそういう話をしたけど、たぶん、いちばん節操がなくて手段を選ばない人間が私だったんですよね(笑)。

--妙に説得力のある分析(笑)。

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ウイカ:みんな、きっと好きなモノが明確で、BiS解散後は進むべき道へ進んで行ったので。でも、私は「BILLIE IDLE(R)でバカ売れする」とは途中から感じなくなっていたから(笑)。自分もアラサーに突入していたから、それでいろいろと模索して芝居とかもやり始めているんですよね。60歳ぐらいまでBILLIE IDLE(R)を続けたいとは思っていたけど、「BILLIE IDLE(R)一本で生きていくのは無理くさいな」とは気付いていて。それは志とか情熱みたいな内面的なことではなく、商業的というか、組織として長くは続かないんじゃないかということを肌で感じ始めたから。だから「ここを生命線にはできないかもしれない。でもすごく大切な場所だから、なんとしてでも寿命を伸ばすために、保たせる為に私は他のフィールドに出て行かなきゃいけない」と。その中で本当にたまたまひとつバラエティーが当たって。これもラッキーでしかなかったんですけど、結果的にソレが今BiSとかBILLIE IDLE(R)を知らない人に知ってもらえるきっかけになっているのは確かだから、そこを有言実行できたのは嬉しいなと思いますね。

--本当に素晴らしいストーリーだと思います。

ウイカ:『水曜日のダウンタウン』の企画でクロちゃんがダイエットを頑張ってくれて、豆柴の大群 feat.ファーストサマーウイカで楽曲をリリースすることになったんですけど、久しぶりに松隈さんの楽曲をレコーディングしてきたんですね。で、豆柴の大群ってWACKの中でも新しいグループじゃないですか。私はWACKに在籍したことはないけど、WACKの礎になるのかな? 渡辺さんがWACK設立前に手掛けた最初のBiSのメンバーだから、そんな私が豆柴の大群と一緒に歌うというのは、時空がちょっと歪んでいる感じがして不思議ではあるんだけど(笑)、自分がこうやって活動し続けていたら、受け継いでくれた世代とも交わることができるし、それによってまたBiSとかBILLIE IDLE(R)が息を吹き返す……「あ、これが出来るっていうのは強みだな」と思いましたね。交わりそうで交わらなかった者同士が交わる。これって引退とかしちゃったら実現しないし、辿り着けない未来じゃないですか。一線で生き続けるからこそ発生するサイドストーリー。こういうスピンオフみたいな展開が生まれるのは、エンタメの面白いところだなって。

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阿部真央作のソロデビュー作「最初に聴いたときに涙出ました」

--本編では交わらなかったキャラクター同士がスピンオフ作品で共演するアニメみたいなね。

豆柴の大群「らぶ地球 feat.ファーストサマーウイカ」MUSiC ViDEO
豆柴の大群「らぶ地球 feat.ファーストサマーウイカ」MUSiC ViDEO

ウイカ:アベンジャーズ的な! 別々のストーリーの主役が一緒に戦い出しちゃう感じ。私もそういう展開は最高に好きだから、豆柴の大群とのコラボは本当に嬉しかったし。「私がアイアンマンだったら……」みたいな(笑)。これは形を変えながらも続けてきた人の醍醐味ですよね。ソロになってから、BiSとかBILLIE IDLE(R)で出来なかったことが逆に出来るようになったのであれば、この先も自分の音楽的ルーツの人とご一緒することもあるかもしれないし、今回も阿部真央さんにソロデビュー曲「カメレオン」を書いて頂きましたけど、私は高校時代からずっと阿部真央さんの楽曲を聴いていて、そんな方に作詞作曲して頂けて……自分の中ではどんどんどんどん伏線が回収されている感覚もあって。私「人生は、伏線を回収することだ」と思っていて、こうやって過去と未来をどんどん繋いでいく作業が楽しいから、ソロでも活動を続けていくことによって伏線を回収していける瞬間がいっぱいあるといいなって。

--今話に挙がったソロデビュー曲「カメレオン」を聴かせてもらったんですけど、ファーストサマーウイカが歌うべくして歌う楽曲だなと思いました。今日までのウイカの生き方とシンクロする要素だらけで良いなって。

ウイカ:うわぁ、嬉しい! 私もまさにそう感じて。最初に「阿部真央さんにお願いする」と決まったときに、私は真央さんのことを一方的に知っているけど、真央さんは私のことを詳しくは知らないから取材をしてくれたんですよね。それこそ「どういう生き方をしてきたか」とか聞いてくれて、それを落とし込んで書いてくれたんですけど、最初に聴いたときに涙出ましたもんね。「あ、これは私の歌だ」って感動して。例えば、Aメロで「君が見てたいだけの編集点」という歌詞があるんですけど、表に出る人間だと、一瞬を切り取られて「こういう人なんだね」とレッテルを貼られる。勝手に編集されて見られたりするじゃないですか。

--今の時代、そんなんだらけですよね。

ウイカ:あと、サビの「100出して君は ついて来れるのか?」に関しては、人間ってお母さんと話すときの自分、友達と話すときの自分、仕事場で話すときの自分、いろんな自分がいるじゃないですか。ぜんぶ演じていない私だけど、でも世間からは「無理してる」と言われる。じゃあ、誰に対しても100%の自分を見せてもいいけど、そんなことしても愛されるとは限らない。というか、そもそも100%の自分なんてないんじゃないか。そういう私の心の内を真央さんが汲み取って書いてくれたので、本当にこの曲はまんま私の歌だなとも思うし、聴いてくれる人それぞれに自分の生き方と重なる部分がある曲なんじゃないかなとも思いますね。

--そのタイトルが「カメレオン」というのも面白い。

ファーストサマーウイカ『カメレオン』ソロデビュー記念インタビュー

ウイカ:例えば、今の時代だったらSNSの自分と現実の自分が乖離しているというか、全くの別人格になっちゃっている人もたくさんいるだろうし、誰もがその場その場に合わせて自分を変えていく、それこそカメレオンみたいなことをなんとなくやってしまっている。それを一回改めて俯瞰で見てみるような歌詞なんで、他にないタイプの楽曲になっているなと思います。ラブソングでもないし、誰かを一方的に攻撃しているわけでもないし、自分の皮を一枚ずつ剥いで観察するような曲。それが生々しくて良いなと思ったし、それを「ウイカらしくて良いな」と思ってもらえるのはめちゃくちゃ嬉しいですね!

--MVも重なると、現代社会へのメッセージ感がより強まりますよね。タランティーノ感もあって面白かったです。

ウイカ:アハハハ! 『キル・ビル』っぽい感じね(笑)。自分で役者もやるし、ラジオもやるし、バラエティーもやるし、音楽もやるし、そういう多面性が自分の中では売りだと思っているんですけど、それって実は「みんなにもあるんじゃないの?」と思っていて、そういう誰もが役割を演じている感じがMVでも表現できればいいなと思って。

--あと、単純にMVのマダム役がハマり役過ぎて、今後ああいう猟奇的な役の仕事が増えるんじゃないかと思いました(笑)。

ウイカ:それも魂胆としてはあります(笑)。「映画の仕事来ないかな?」って。そういう意味では、楽曲だけじゃなくファーストサマーウイカ自体のプロモーションビデオでもある。

--まさにプロモーションビデオ(笑)。ちなみに、4月から【カメレオンズ・リップ】という舞台に出演するじゃないですか。これは今回の「カメレオン」と関連性はあるんですか?

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ウイカ:いや、これ、偶然なんですよ(笑)。真央さんがタイトルを付けてくださったし、それも舞台の情報解禁前でしたから。

--こんなことあるんですね。

ウイカ:カメレオンで被ることなんてあります? 珍しい動物被り。

--猫や犬なら分かるけど、カメレオンは珍しいね(笑)。

ウイカ:でも、自ら「カメレオン女優です」とか「カメレオンタレントです」とか絶対言えないし言わないし(笑)、作品がやんわり語ってくれるのは有り難い事だなって。

--このままいつまでもお話を聞いていたいのですが、終わりの時間が迫ってきましたので、そろそろ〆に入りたいと思います。今回の「カメレオン」以降もファーストサマーウイカの音楽活動は継続していくと期待していていいんですよね?

ウイカ:そうですね。コロナ禍になってしまい、軽いノリで「フェス出たい」とか「全国ツアーまわりたいです」とか言うことも容易な時代ではなくなってしまいました。かつてはドサ回りじゃないですけど、各地の人たちに会いに行くことがスタートでしたけど、今はそれがすごく遠いところにある。なので、早くそれが出来るような状況になってほしいなとはもちろん思うんですけど、クリエイション的な面では、メジャーデビューしたからこそ出来ることもあると思うので、そこを目一杯やりたい。今回、阿部真央さんと出逢って、すごく良い化学反応というか、私にとっては奇跡のような楽曲を書いて頂いたので、また誰か新しい方と「私と組むことで生まれた」という作品をひとつでも多く作れたらいいなと思いますね。で、そういう作品をライブでたくさん披露できるようになったらなと。

--その日をめちゃくちゃ楽しみにしています。

ウイカ:どんな規模でもいいから早くみんなに対面で音楽を届けられたらいいなと思います。それが目下のやりたいことですね。

Interviewer:平賀哲雄

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BILLIE IDLE「LAUNCHING OUT」

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BiS階段
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うりゃおい!!!
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2014/07/02

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