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<インタビュー>luz、2ndシングル『Rose』にかける思い 「どんなジャンルでも良いものは良い」



2011年より「歌い手」としてキャリアをスタート。2015年からはライブイベント【XYZ TOUR】を主催し、日本国内のみならず、中国、韓国などの海外公演も成功させてきたシンガー・luz。既存の枠組みにとらわれない表現で、あらゆるクラスタに歌を届けてきた彼が、1月27日にニューシングル『Rose』をリリースする。初めて作詞作曲を手掛けた表題曲「Rose」への思いや、ミュージック・ビデオへのこだわり、昨今の「ネットミュージック・シーン」に対する印象など、昨年活動10周年を迎えたluzが今、何を思っているのか、ヴィジュアル系バンドにも造詣が深いライター・藤谷千明氏に話を訊いてもらった。

ファンの子たちが友達に勧めたときに「カッコいいね!」と思ってもらえるような曲にしたかった

――まずは本シングルの制作の経緯を聞かせてください。

luz:作詞作曲については、前々からいつかは挑戦してみたいという気持ちがありました。ただ、新型コロナウイルスの影響が出る前、普段の活動の中ではライブに重きをおいていた部分もあって、通常のレコーディングなども含めると、制作に当てる時間がなかなかなくて。作るのであれば、絶対に中途半端なものは作りたくないですし。なので、コロナ禍で普段当たり前にやっていた活動はなくなってしまった今こそ、「ピンチをチャンスに変える」じゃないですけど、新しいことに挑戦するべきだと思ったんです。

――リリースが発表されたときの公式コメントで「Rose」というタイトルにしたかったとありますが、この言葉にはどのような思い入れがあるのでしょうか?

luz:よく、TwitterなどのSNS上で自分が誰のファンをしているのかを周知させるために、「その人を表すマーク」を、プロフィールや名前につけたりするんですよ。

――たしかに、様々なグループのファンの方がメンバーカラーの絵文字などをプロフィールに載せているのを見たことがあります。

luz:それです。僕のファンのみなさんも、よく薔薇の絵文字をつけてくれているんです。生配信でファンの方とコミュニケーションをとっているときに、「これは僕のマーク?」と聞いてみたら「そうだよ」と。それで、自分のアカウントでもつけるようにしたら、さらに広まって定着して。「luz=薔薇」というイメージになっていったんです。僕は耽美な世界や色っぽい楽曲を歌うことが多いので、その印象もあってそうしてくれたんじゃないかな。せっかくなので、ファンがイメージしてくれるシンボルをモチーフにしたいと思ったんです。

▲luzのTwitter。リプライ欄には薔薇の絵文字をつけたユーザーからの返信が多数寄せられている。

――「こんな楽曲にしたい」というヴィジョンはあったのでしょうか?

luz:例えば……この曲を聴いてネットの音楽シーン、歌い手シーンのリスナー以外の方が先入観なしで聴いても、「ヤバい」と感じてもらえるものを作りたかった。今回の「Rose」の目標のひとつとして、従来のファンの方には新しい衝撃を、そしてファンの子たちが友達に「カッコいいんだよ!」と勧めたときに、「本当にカッコいいね!」と思ってもらえるような曲にしたかったんです。

――luzさんの考える「カッコいい」がつまっていると。

luz:言うなれば、キャッチーさを目指しつつも王道ではないんですよね。

――たしかに「王道」というと、もっとメジャーど真ん中なイメージはありますね。

luz:わかりやすく明るい、みたいな。今注目を浴びている音楽って、もっと音が爽やかだったり、あるいは構成がシンプルだったりする。アレンジャーのケンカイヨシさんとも「あえてここはいろんなジャンルをミクスチャーした感じで勝負したい」という話をしました。いろいろな相談をさせてもらって、ケンカイヨシさんには、アレンジだけでなくシングルのカップリングの楽曲「アイビーラスト」「アリアドネ」の作詞作曲も手掛けていただいてますし、彼の存在は非常に大きかったですね。

▲luz 2ndシングル『Rose』クロスフェードデモ

――そして、歌詞も読むとドキドキしてしまうような恋愛を描いています。

luz:はい、想像をかきたてるような感じにはしてますね(笑)。ストレートに愛を表現するのであれば「この薔薇くらい君を愛している」みたいになるのかもしれないけど、僕は少し歪んでいるのかもしれないので(笑)、愛に対してのアンチテーゼのような歌詞になっています。

――ちょっと破滅的な愛といいますか。

luz:それもひとつの愛だと思うので。今回はストレートに行くよりは、変化球みたいな感じでやりたかったんです。

――「キャッチーさを目指しつつも王道ではない」ですね。luzさんはこれまで様々な場所で、yasuさん(Janne Da Arc、Acid Black Cherry)の影響を公言されています。今回のローズも、男性の色気を表現するという意味では、リスペクトがあるのかなと感じました。

luz:yasuさんがすごいのは、多くの男性は色気を出そうとすると、同性から見ると、ちょっとそれが過剰だったりして抵抗感がだったりするんですよね。だけど、yasuさんはセクシーな世界観でもどこか上品というか、わざとらしくないんですよね。バランスがベストというか、あのベストを僕も表現したいとずっと思っています。

▲Acid Black Cherry「Black Cherry」

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luzから見た現在のネットシーン「どんなジャンルでも良いものは良い」

――「Rose」のMVもギャンブルと恋の駆け引きをリンクさせているようで、楽曲の世界観とマッチしています。

luz:「Rose」を作る時点で、曲よりも先にあのMVのようなマフィアコンセプトのイメージがあったんです。だから衣装もこだわりがあって。髪の毛も普段はもっと短いのですが、今回はエクステをつけたりして、雰囲気に合わせてみました。MVの監督とも念入りに打ち合わせさせていただいきました。

▲「Rose」

――MVを最後まで見ると、この女性はもしかして……。

luz:最後に女性が目を開くシーンですよね。これは、このインタビューで初めてお話しさせていただくんですけど、この女性の目は僕の目なんですよね。MVの反応を見ても、「これはluz?」「違う?」みたいな反応も結構あって面白かったです。監督の意図としてはガッツリ女装した僕を出すよりは、軽く匂わせるくらいの形にしたほうがいいんじゃないかと。

――そんな風に深みを持たせるMVは、見ているほうも楽しいですよね。

luz:考察がはかどるみたいな(笑)。僕自身も、犯人っぽい人が本当はいい人だったとか、衝撃的なエンディングのストーリーが好きなので。このシングルも、「Rose」だけ聴くと、「ひどい男の人に振り回されたのかな」と思うかもしれないけど、カップリングの「棘」は男性側の視点から描かれているので、見え方が変わってくるかもしれない。「アリアドネ」「アイビーラスト」も全部世界がつながっていて、コンセプト・アルバムではなく、コンセプト・シングルみたいになっています。

――そういった世界観を仕掛ける側も楽しいですか?

luz:そうですね、こちらの考えていた答えにたどり着く人もいれば、逆に僕じゃ考えつかないような新しい視点を生み出してくる人もいて、その答えが広まると、それを正解だと思う人も出てくるわけじゃないですか。それも楽しいですよね。そういう意味では解釈に正解はないなと思っています。

――そして、今回のレコーディングも、そうそうたるミュージシャンが参加されてますが、私の先入観かもしれませんが、「ネット発」と呼ばれるアーティストの方は、生の楽器で録ることにはこだわりをもっていない印象がありますが、luzさんはライブも含めてバンドサウンドであることに強くこだわりを持っているように感じています。

luz:たしかに、ネットの音楽シーンでここまで生楽器にこだわっている人は少ないかもしれないですね。予算も時間もかかるし、求めている人も少ないのかもしれない。もともと聴いてきた音楽が洋楽でもJ-ROCKでもV-ROCKでもヘヴィな音やダークな音が好きだったこともありますし、生楽器のほうがよいものは、どれだけ技術が進化しても生のほうがいいのは変わらないと思いますし、それは大事にしたいと考えています。

――昨年活動10周年を迎えたluzさんですが、活動を開始された頃と今を比べると「ネット発の音楽」に対しての世の中の態度はかなり変わったと思いますか?

luz:めちゃめちゃ変わりましたね。たとえば、米津玄師さんやYOASOBIさんが紅白歌合戦に出演するとか、カラオケランキングでボーカロイドPの曲がトップを占めるなんて、昔では考えられなかった。あの頃は蔑まれていたものが、今は「みんなの好きなもの」になって、当たり前のように評価されている。もちろん嬉しいんですけど、当時のことを思い出すと「みんなめっちゃディスってたじゃん」って(笑)。

――今はある種のブームになっていますが、luzさん自身は冷静にみていますか?

luz:今後も、しっかり良いものが良いと評価される世の中であってほしいですし、それによっていろんな音楽がまた出てくるんだろうなと思っています。僕は、ネット発の音楽でもバンドサウンドでもなんでも、どんなジャンルでも良いものは良いと思っていて、たとえば、今世界を席巻しているK-POPだっていろんな最先端の音楽をミックスした結果なわけで、僕もそこを目指したいですね。

luz「Rose」

Rose

2021/01/27 RELEASE
PCCA-4989 ¥ 1,320(税込)

詳細・購入はこちら

Disc01
  1. 01.Rose
  2. 02.棘
  3. 03.アイビーラスト feat.oscuro
  4. 04.アリアドネ

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