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『ボヘミアン・ラプソディ』WOWOW放送記念特集 クイーン関連番組も一挙放送



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 2018年を代表する大ヒット映画『ボヘミアン・ラプソディ』が、遂にWOWOWで初放送を迎える。10月19日の初放送に合わせて、WOWOWではクイーンの歴史的なライブの映像や、バンド、そしてフレディ・マーキュリーに迫ったドキュメンタリー作品、数々の名シーンが誕生したミュージックビデオの特集番組など、クイーン関連番組も放送される。その放送を前に、今一度、映画『ボヘミアン・ラプソディ』の功績と他番組の見どころをおさらいしよう。

ラスト21分のライブパフォーマンスに涙
『ボヘミアン・ラプソディ』
10月19日(土)よる8:00 WOWOWシネマにて放送(字幕版)
10月20日(日)午後1:00 WOWOWプライムにて放送(吹替版)

Bohemian
(C) 2018 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

 1991年に45歳という若さで亡くなったフレディ・マーキュリーのその生きざまと音楽にかける情熱、類まれなる才能に焦点を当てた映画『ボヘミアン・ラプソディ』。【第91回アカデミー賞】で<主演男優賞>、<編集賞>、<録音賞>、<音響編集賞>の4部門に輝き、その輝かしい功績がさらに作品を後押しして、結果的に国内の興行収入が130億円を突破した。SoundScan Japan調べによると、本作のDVD/ブルーレイの販売累計は約39万枚、オリジナルサウンドトラックは26.7万枚超えと、フィジカルセールスも非常に好調だ(2019/9/17現在)。映画のヒットが牽引して、音楽のデジタルとフィジカルの両領域でも国内シェアを広げたクイーンは、フレディの死から28年経った現在、老若男女が愛するバンドとして再びその地位を確立。もともと日本での人気が高かったが、この映画によって、若い世代がクイーンにハマり、ダウンロードやストリーミングに繋がった。これは洋楽のシェアが下落している日本において、洋楽ヒットのチャンスが全く失われたわけではないことを示す好例と言える。

 本作はそのストーリーはもちろん、クイーンのオリジナル音源が劇中でそのまま使用されている点も魅力のひとつと言える。見た目から仕草まで、世紀のスーパースターを徹底研究して役に挑んだラミ・マレックの完璧なフレディ像に、フレディ本人の歌声が被さることで、観客はフレディ本人を見ているかのように、映像にどっぷり集中することが出来る。28年の時を経て、五感でフレディを感じることが出来るのだ。2018年11月9日の日本公開から10か月経った今でも、全国のどこかで劇場上映されており、その人気とリピート率の高さも凄まじい。ラスト21分のライブパフォーマンスに涙する観客が続出した【ライヴ・エイド】のシーンでは、フレディのピアノの上に置かれたドリンクの位置まで徹底されたといい、その再現度を確かめてみるのも面白いだろう。

Bohemian
(C) 2018 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

 ここで、映画の鑑賞前に知っておくと面白い情報をひとつ。本作にフレディ像を唯一無二の歌声で現代に継承するアダム・ランバートがカメオ出演していることをご存知だろうか。劇中でクイーンの初北米ツアー中にフレディが公衆電話から彼女のメアリー(ルーシー・ボイントン)に電話するシーンがあるのだが、恋人と会話をしているフレディに怪しげに視線を送るこの男性をアダムが演じているのだ。アダムはクイーン+アダム・ランバートとして2020年1月に来日が決定しているが、すでに全公演ソールドアウトと、クイーンの人気ぶりが伺える。

 日本だけでなく全世界でクイーン現象を巻き起こした『ボヘミアン・ラプソディ』。何度でも味わいたいその感動を、もう一度体感してみてはいかが?

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貴重な映像とともに
バンドそしてフレディ・マーキュリーに迫る
『フレディ・マーキュリー:キング・オブ・クイーン』
10月19日(土)よる6:45 WOWOWシネマにて放送(字幕版)
10月20日(日)午後3:20 WOWOWプライムにて放送(字幕版)

 2018年に制作されたフレディの生前を振り返ったドキュメンタリー作品。生前の彼を知るレコード会社の社員やジャーナリストのインタビューなどから、映画『ボヘミアン・ラプソディ』で描かれたエピソードや取り上げられなかった逸話などを紹介する。


『クイーン Music Video Collection』
10月20日(日)午前8:15 WOWOWプライムにて放送

 クイーンの数えきれないミュージックビデオの中から「ボヘミアン・ラプソディ」や「伝説のチャンピオン」、「愛という名の欲望」といった50本以上の珠玉の音楽ビデオを3時間半以上に渡ってお届け。


『洋楽主義~QUEEN Special~』
10月20日(日)午後0:00 WOWOWプライムにて放送

 ワン・アーティストに的を絞り、その魅力に迫るWOWOWオリジナル番組『洋楽主義』が限定復活。MCに田口トモロヲを迎え、過去のライブ映像やミュージック・ビデオ・コレクションなどを交えて彼らの魅力に肉迫する。


『クイーン オデオン座の夜 ~ハマースミス 1975』
10月20日(日)午後4:30 WOWOWプライムにて放送

Odeon

 「ボヘミアン・ラプソディ」を収録したアルバム『オペラ座の夜』で全英チャートNo.1に輝いたクイーンが、そのリリースから約一か月後の1975年12月24日に英ハマースミス・オデオンで行ったライブ映像をお届け。メンバー4人揃って長髪にタイトスーツに決めたルックスが印象的だが、オーディエンスとステージのその距離の近さにも驚かされる。ライブは意外にも最新アルバム『オペラ座の夜』の収録曲は少なく、定番ナンバー「ナウ・アイム・ヒア」や「キラー・クイーン」、デビュー曲「炎のロックンロール」など過去のアルバムからバランスよく披露。当時大ヒット中だった「ボヘミアン・ラプソディ」のイントロがかかった瞬間に観客が一気にヒートアップする光景は鳥肌ものだ。ライブ中盤には、ブライアンのソロパートもたっぷり含まれているので、こちらも要注目。


『クイーン ライブ・アット・ウェンブリー・スタジアム 1986』
10月20日(日)午後5:40 WOWOWプライムにて放送

Wembley
(c)Getty Images

 【ライヴ・エイド】出演をきっかけに復活を遂げたクイーンが1986年のアルバム『カインド・オブ・マジック』を携えて行った【Magic Tour】のハイライトとなる英ウェンブリー・スタジアムの2日目の模様を記録したライブ映像。本ツアーはメンバー4人が揃った最後のツアーで、2日間で延べ15万人を動員したウェンブリー公演では、「アンダー・プレッシャー」や「地獄へ道づれ」、「ボヘミアン・ラプソディ」、「RADIO GA GA」、「ブレイク・フリー(自由への旅立ち)」など数々のヒット曲が余すことなく披露された。ラストの「伝説のチャンピオン」は号泣必至だ。日が沈み暗くなっていく中、クイーンと数万人のオーディエンスが一体となる光景は見逃せない。


『フレディ・マーキュリー アントールド・ストーリー』
10月20日(日)よる7:00 WOWOWプライムにて放送

untold

 フレディの貴重なオフショットに加え、メンバーのブライアンやロジャー、ジョンなど彼をよく知る人たちの証言から彼のパーソナルな側面を浮き彫りにしていくドキュメンタリー。フレディ個人にフォーカスし、45年の短い生涯を鮮烈に生きたスーパースターの知られざる素顔を様々な角度から浮かび上がらせていく。本作はボックスセット『The Solo Collection』(2000)にDVDとして収録されたが、当時の国内流通盤には日本語字幕はついておらず、2006年に字幕付きで限定劇場公開されたレアな作品(※注記:今回放送するのはテレビ版で、劇場公開版とは異なる)。映画『ボヘミアン・ラプソディ』でさらりと描かれていたシーンに深みを与えるエピソードも。


『クイーン ~デイズ・オブ・アワー・ライブス 輝ける栄光の日々-PART1』
10月20日(日)よる8:00 WOWOWプライムにて放送
『クイーン ~デイズ・オブ・アワー・ライブス 輝ける栄光の日々-PART2』
10月20日(日)よる9:00 WOWOWプライムにて放送

 2011年に結成40周年を記念して制作されたバンドのオフィシャル・ドキュメンタリー。クイーンの歴史を約2時間に凝縮した本作は、BBCで2日間にわたって放送され、同年には日本盤も合わせてDVDとしてパッケージ・リリースされた。PART1はクイーンの結成前夜から下積み時代、そして世界的大ブレイクを果たした70年代を中心に構成。自分たちの信じた道を突き進んでいく若きフレディたちの鮮烈な青春が刻まれた様子は、映画『ボヘミアン・ラプソディ』のサイドストーリーのようだ。映画にも登場したマネージャーやプロデューサーら関係者も多数出演し、70年代のクイーンがいかに画期的な存在であったかを、サウンドとカルチャー的側面の両方から詳細に描く。

 PART2は低迷と試行錯誤、そこからの復活、そして第二の全盛期の中でフレディの死という悲劇を迎えるまでを追う。『ボヘミアン・ラプソディ』のその後の物語と【ライヴ・エイド】後に再び全盛期を迎えたクイーンの軌跡、そしてフレディの最後の日々も克明に記録されている。『ボヘミアン・ラプソディ』のストーリーとは違い、実際にフレディが自身の病について知ったのは【ライヴ・エイド】の後のことなのだが、その真実の物語が本作のクライマックスになっている。壮絶な痛みに耐えながらフレディが臨んだ「輝ける日々」のミュージックビデオの撮影風景は、胸が締め付けられる。

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