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TOC ライブBlu-ray/DVD『TOC TOUR 2018“SHOWCASE”』特集



TOC ライブBlu-ray/DVD『TOC TOUR 2018“SHOWCASE”』特集

とにかく「面白い事」を提示したい――それが僕にとっての正義だと思うから

 2018年1月31日に初のメジャー・オリジナル・アルバムとなる『SHOWCASE』をリリースしたTOC。同作を引っさげて今年2月には全国5ヵ所をまわるツアーを開催し、全公演SOLD OUTを記録した。

 そんな話題を巻き起こした【TOC TOUR 2018“SHOWCASE”】が早くもBlu-ray/DVD化。2018年5月23日にリリースの本作について、ライブを振り返りながらTOCが語った。

スゴく愛を感じた 「一過性」では無いファンに支えられたという感触

 2018年1月にメジャー1stアルバムとなる『SHOWCASE』をリリースし、連動した全国ツアー【TOC TOUR 2018“SHOWCASE”】を、全公演ソールド・アウトの形で成功させたTOC。

「確実に今までで一番手応えのあるライヴ・ツアーになりましたね。これまでのソロ・ライヴを振り返ると、自己満足の部分が大きかったなと気づいて。もちろん、それまでの活動があったから、今の自分があるのも当然なんだけど、今回は、エンターテイメントとして、ショーとして、オーディエンスを楽しませる事として、自分の中で満足度の高い構成のライヴが出来たという、強い手応えがあります。動員の数値的にも、先行予約の段階から前回の動員を超えていたし、それぐらいの勢いを、これからも重ねていきたいっていう、一つの基準になるライヴになったと思いますね」

 そして、そのツアーの渋谷クアトロ公演を収めたのが、今回リリースされるライヴDVD『TOC TOUR 2018 “SHOWCASE”』。そのMCでも語られる通り、2015年に行われた【TOC TOUR 2015“IN PHASE”】は、同じ渋谷クアトロが、半分ほどしか埋らなかったという。

「正直、昨年行った【TOC LIVE TOUR 2017“過呼吸~アンコール~”】も、動員は芳しいものではなかった。だけど、ちゃんと音源を出して、丁寧に良いものを作れば、こうやって動員が増えるし、リスナーもついてきてくれるんだなって。だからアルバムへの自信にも繋がりましたね」

 その言葉どおり、渋谷公演では、開場前から多くのファンが会場周辺に集まり、開場と同時にフロアが埋まるほどの、強い熱気を持ったファンがフロアには詰めかけた。

「どの会場も、明確に『TOCのライヴが見たい』と思って、会場に来てくれる人が集ってくれたと思いますね。そして実際に、自分のキャリアの中でも屈指の盛り上がりが生まれたツアーになったと思う。それにはスゴく愛を感じたし、ずっと自分の音楽を聴いてくれる、ずっとファンとしてライヴに来てくれるっていう、「一過性」では無いファンに支えられたという感触があります。その中でも印象的だったのは、若い男性客が多かった事ですね」

 TOCのライヴは、確かに女性ファンの姿が多かった印象があるが、渋谷公演に限って言えば、男性が2,3人のグループで見に来ている姿も多く見られ、そのファン層の変化も興味深い。

「以前は男性は1割ぐらいだったんだけど、いまは4割ぐらいに増えて、そいつらがスゴく騒いだり、盛り上がってくれるのが、やっぱり嬉しいんですよね。街でも声を掛けてくるのは、最近は男が多いんですよね。逆に女の子から声を掛けられることが減って寂しい(笑)。でも、見た目はゴリゴリでは無いんだけど、強気な発言をしたり、「俺について来い!」みたいな、ある意味では俺の「マッチョ」なアプローチに、シンパシーを覚えてくれるのかなって。不良的な感じじゃなくて、「健康な男らしさ」というか」

 そして、今回のDVDに収録された渋谷公演は、アルバム『SHOWCASE』に収録された「1999」でスタートした。彼のラッパーとしてのキャリアを振り返る内容と、ハードなトラックが印象的な一曲であり、攻撃性の強いこの楽曲からスタートするのは、やや意外とも思える構成だった。

「アルバム『SHOWCASE』の構成通りに行くなら、「武器と勇気」からスタートする事も考えられたけど、ライヴというパッケージで考えたら、初っ端は「1999」だなって。こうやって、攻撃的だったり、強気な部分から始まるのが、TOCのやり方なのかなと思うし、ツアー自体が、僕の地元である新潟LOTSからスタートしたので、「新潟からTOCが行く」というリリックがある、この曲がスタートに相応しいと思ったんですよね」

 そこから華やかなカラーのある「武器と勇気」に繋がっていくのが、楽曲の緩急という部分でも、ライヴの展開の中で非常にスリリングな色合いを持つ。そして、その流れをDJとして支えるのは、前回のツアーからバックDJとして起用された、DJ AGETETSU。

「前回のツアーの段階では、まだタッグを組んだばかりだったので「テツと上手くやっていけるかな」って不安な部分もあったんですね。でも彼は本当に責任感が強いし、Full Of HarmonyやFire Ballといったベテラン勢のバックDJも手がけているから、経験値がとにかく高い。それは、なにか失敗があったら、言い訳しないで何が悪かったかを精査する真面目さに裏打ちされてると思うし、その部分でも安心感があるんですよね。だから彼は彼、俺は俺じゃなくて、一緒に高めあって、一緒に上がっていきたいと思える相手ですね」

 そして会場の女性ファンをエスコートしての「2FACE」や「高嶺の花」といった、TOCならではのエンターテイメントも印象的だ。

「会場で手を上げてるのに、指名しても出てこなかったり、エンターテイメントとしてちょっと危ない部分があるんですが(笑)、それでも、ああいった女性をエスコートするような演出は、もし自分が誰かのライブで見たとしても上がると思うし、実際にフェスなんかだと、同業者が袖に集まるんですよね。「TOCが面白いことやってるな」って。そういうオリジナルのエンターテイメントになってると思うし、かつ、フェスや対バンで、他のファンの子をあえてステージに上げて「君を俺色に染めたい」っていうダブル・ミーニングを提示したり、そういった面白さを提示したいんですよね。ただ、気づかないで同じ子を2回ステージに上げたことがあるらしいんですよね。よっぽど好みだったんだなって(笑)」

 ラップのライブというと、ややハードな印象もあるが、こういった広がりのあるエンターテイメント性や、非日常を演出する事も、TOCのライヴの醍醐味の一つであろう。

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とにかく「面白い事」を提示したい――それが僕にとっての正義だと思うから

 ライヴ中盤では、「World View feat.TwiGy」や「Swag in my skill」などの楽曲を、メドレー形式でタイトに披露していく。

「自己満足って、良い側面と悪い側面があると思うんですね。良い側面としては、自分のやりたい曲を提示する事があると思うけど、それが過剰になると、悪い自己満足になってしまう。だから、自分のエゴの部分をスムーズにアウトプットするには、楽曲をショート・ミックスで繋いでいくのが良いのかなって。そしてテツは以前にバックDJを務めてくれてたDJ松永と違って、ターンテーブリスト・タイプでは無いので、こういった構成力の高い、ミックス的な繋ぎが相応しいと思ったんですよね。実際にこの並びはテツが組み立ててくれたし、一緒に作り上げた感じがありますね」

 今回のツアーには客演として、「NEW RULE feat.LITTLE」に参加したLITTLE(KICK THE CAN CREW)、「START UP feat.チアキ」に参加したチアキ、そして大阪公演にはTOCがレーベル・ヘッドを務めるDRESS RECORDSに参加している弘Jr.が参加した。

「チアキは赤い公園を卒業して、バンド畑から新たなスタートを切ったんですよね。ただ、ヒップホップのライヴ方式としては普通な「オケに自分のコーラスが乗る」っていう構成で歌うことが始めてで、それに最初は戸惑ってて。だから模索しながら成長していく過程を、今回のツアーでは見ることが出来たし、俺は「見守る兄」感がありましたね。一方でLITTLEさんは、逆に俺が弟として、兄がきっちり盛り上げていく様を見せて貰って、改めて衝撃を貰いました。マイクに対してのボーカルの当て方っていうか、音圧が違ったし、流石先輩は違うなって」

 後半での「DISOBEY」から「リスキーダイス」の流れは、とにかくハイ・テンションで全力ダッシュを続けていくような、TOCと会場が一体になって踊り続ける様が非常に印象的だ。

「こういった楽曲が、もしかしたら今後のTOCのメインになっていくような気がしますね。「DISOBEY」は下拓の曲に僕が客演参加した曲なんだけど、俺のライヴで披露しても、とにかくライヴで盛り上がる曲になってるし、そのトラックを作ったBUZZER BEATSに、それと繋がるような曲が欲しいという事でオーダーをして出来たのが、「リスキーダイス」だったんですね。分かりやすく盛り上がって、乗れて、しかもちゃんとラップである事、っていうのが、この二曲の肝だと思うし、この盛り上がり方は、Hilcrhymeを含めて、自分のディスコグラフィには今まで無かった曲なんですね。その曲で会場が爆発的に盛り上がるのは、自分としても嬉しいし、こういう馬鹿騒ぎできる曲が、今後のTOCの大きなコンセプトの一つになるかも知れない」

 この二曲は、ロック/ミクスチャー的でも無ければ、TRAPよりも明確に「跳ねた」感触があり、ダンス・チューンとしては独特の方向性を示している。

「今のトレンドを明らかに意識したものとは少し違う内容なんだけど、この楽曲がこれからトレンドになったら面白いし、そうなる可能性も感じるんですよね。その方向にファンを誘導出来て、この盛り上がりが広がれば、俺の大きな武器になる予感がしてるんですよね」

 ダンス・チューンという意味では、トロピカル・ハウス的な感触のある「HATE」も披露、収録されており、その「ノリ」の違いもまた興味深い。そういった盛り上がりと同時に、「過呼吸」や「I'll Light You」といった柔らかな楽曲もTOCの持ち味だが、それについてもこう彼は話す。

「そういった曲に見られる、歌の比率はもしかしたらTOCでは減るかも知れない。その方がHilcrhymeとの差別化がより明確になると思うし、TOCのライヴを見に来てる人は、ラップが見たいんだって事を、このツアーで感じたんですよね。だから涙やエモーショナルはHilcrhymeでしっかりと形にして、TOCのライヴは騒げる場所、ストレス発散できる場所にした方が良いのかなって。それがこのツアーでの気付きでもありますね」

 ソロのキャリアとしての充実と進化、そしてこれからの展開への期待を話すTOC。それはこのツアーでの手応えに寄るものであるだろうし、その感情はライヴ一本勝負のこの映像作品からもしっかりと伝わってくる。

「ライヴで見ても、そして映像で見返しても、みんなが「良い顔」をしてるのが本当に嬉しいですね。客席の明かりがついて、みんなの表情を見た時に、男子も女子も、色んな年代の人も、みんなワクワク輝いた、ときめいた表情をしてたんですよね。そこで、自己満足って部分から完全に切り離せたなと感じたんですよね。映像作品としても、それが伝わってくれると嬉しい。これからのTOCの動きは、音楽やライヴ、もしかしたら映画だったりするかも知れない。それぐらい幅広く考えているけど、でも、とにかく「面白い事」を提示したいですね。それが僕にとっての正義だと思うから」

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