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シュガーヒル・ギャング 2017年イヤーエンドを盛り上げる伝説グループの来日直前インタビュー

The Sugarhill Gang インタビュー

 ラップ・ミュージックの存在を世界に知らしめた伝説的ユニット、シュガーヒル・ギャングが、「Rapper's Delight」のリリースから38年の時を超え、遂に日本へやってくる。それまでのメインストリームの音楽シーンに存在しなかった“ラップソング”を初めて特大ヒットに導いた彼らの記念すべき初来日公演を前に、長年グループを支え、後に正式メンバーとして加入したヘンドッグがインタビューに応えてくれた。

 オリジナルメンバーのワンダー・マイク、ヘンドッグ、DJのダイスティー、そしてキーボード担当のロブ・ザ・ノイズが選んだ「ベスト・ヒップホップ&ラップ・ソング」もそれぞれのコメントと共に掲載(1、2、12、13、14曲目をピックアップしたダイナスティーのコメントはナシ)。2017年の最後を盛り上げる彼らは一体どんな曲をチョイスしたのだろうか?!

 『文化系のためのヒップホップ入門』の著者である長谷川町蔵氏と大和田俊之氏の対談はこちら。

ファミリーと一緒に過ごす忘れられない一夜になる。ポップコーンを忘れるなよ!!!

−−シュガーヒル・ギャングとして、今まで日本で公演をしたことがありますか?

ヘンドッグ:いや、実はシュガーヒル・ギャングとして日本でパフォーマンスをしたことはないんだ。これが初めての日本公演になる。日本のオーディエンスに会って少しでも日本の文化を学んだり、メシを楽しんだり、新旧問わずみんなに最高のヒップホップ・ミュージックを届けたいと思っているよ。

−−ラップ/ヒップホップ・ミュージックを世界に広げたグループとして知られていますが、オリジナルメンバーの3人(ワンダー・マイク、ビッグ・バンク・ハンク、マスター・ジー)は元々知り合いだったのでしょうか?また、実際にはどういった経緯でグループとなったのでしょうか?(故ビッグ・バンク・ハンクは、ピザ屋でバイト中にシルビア・ロビンソンに声をかけられたという話がありますが。)

ヘンドッグ:3人はもともと知り合いというわけではなく、それぞれのラップ・グループに所属してステージ上でバトルをしていたんだよ。シルビアの話はホントさ。彼女と息子のジョーイがイングルウッド・アヴェニューにある「Crispy Crust Pizza」っていうピザ屋で働いていたビッグ・バング・ハンクに声をかけたのさ。

−−「Rapper's Delight」は1テープで録ったとされていますが、たった一度で15分もあるラップをするのは難しいと思います。レコーディングまでにどれくらい練習をしましたか?

ヘンドッグ:その頃はラップのレコーディングの手本なんてなかった。だから「Rapper's Delight」の最初のバージョンは15分にもなったんだ。マイクとジーと、ハンクはステージでやっているように自分のバースをラップして次に繋げるということをやっていただけさ。聴いてもらえれば分かると思うが、次にラップするやつのことをきちっと紹介しているんだ。だからあのバージョンは練習でもなんでもなく、ちゃんと彼らがステージでやっていたことを収録しているんだ。

−−「Rapper's Delight」がレコードとしてリリースされてから38年。当時、ヒップホップがここまで大きな/人気なジャンルになると思っていましたか?音楽シーンにおいて、すごく大きなものを動かすことになると想像していましたか?

ヘンドッグ:ワンダー・マイクだけがそれを想像していたと思う。シュガーヒル・ギャングの創ったものが山火事のように世界に広がり、いまの音楽シーンで最も大きなジャンルの一つになると。

−−2014年に、オリジナル・メンバーの一人でもあるビッグ・バンク・ハンクが亡くなり、その後は、あなたがシュガーヒル・ギャングのメンバーとして加入し、2016年に世界ツアーを廻ったようですね。どのような経緯でグループに入ったのでしょうか?

ヘンドッグ:俺はシュガーヒル・レコーズのプロデューサー兼作曲家だったんだ。23年以上、ハイプマンとして、シュガーヒル・ギャングの一員としてパフォーマンスをしていたんだが、その後フロントマンになり、2005年にビッグ・バンク・ハンクの代わりとして正式加入した。T ダイナスティーとワンダー・マイクと俺がシュガーヒル・レコーズを離れてジーと一緒にシュガーヒル・ギャングを再び結成をした後のことだ。

−−ラップについての質問です。よくジャズ・ミュージシャンなどがラップやスキャットのような言葉遊びは子供の頃からやっていた、と言っているのですが、シュガーヒル・ギャングのみなさんもそういった遊びを子供の頃にやっていましたか?

ヘンドッグ:それぞれ自分たちの好きなことをやっていたのだろう。でも、ほら、既にみんな知っているように、ラップはニューヨークのブロンクスで生まれ、それが、俺達が結成した地ニュージャージーにも広まったんだよ。

−−ヒップホップはサウス・ブロンクスのブロック・パーティーから始まったとされていますが、みなさんの出身は川を越えたニュージャージーです。当時の音楽シーンについて教えて頂けますか?また、サウス・ブロンクスのブロック・パーティーに行ったことはありましたか?

ヘンドッグ:当時ディスコが流行っていて、多くの人が自宅の地下や都市公園でブロック・パーティーを開いていた。DJがマイクやターンテーブルのスキルを見せつける場でもあり、チケットはかなりプレミアだったんだ。そうやってMCが育っていったんだよ。当時の人は誰もがブロック・パーティーに行った経験があるし、シルビアだってラップをレコードにしようというアイディアがひらめいたのも、彼女がブロック・パーティーに参加したからなんだ。

−−初めて世界ツアーをしたヒップホップ・グループだと思いますが、そのときのオーディエンスの反応はどうでしたか?(まだヒップホップが世界的に広まっていなかったと思うので。)

ヘンドッグ:観客の反応は最高だったね。大勢の人達が両手を広げて迎えてくれたんだ。人々は常に次のヒットとなる新しいものを探し続けているが、まさにそれだ。もちろんすぐに受け入れられない人だっていただろうが、それはただ、きちんと最初から呑み込めていなかったんだろう。

−−最近のヒップホップ・シーンをどう思いますか?注目しているアーティストがいれば教えてください。

ヘンドッグ:俺達の身のまわりの生活用品同様、ラップ・ミュージックも進化し続けている。その進化は絶え間ないね。ジェイ・Z、コモン、リック・ロス、ウィズ・カリファ、ドレイクなどが好きだ。

−−今回の日本公演はどんなステージなりますか?

ヘンドッグ:フィーリング・グッドなパーティー・ミュージックが盛りだくさん。過去から現在までのタイムトラベルにお連れするよ。俺達の音楽ヒストリーに乗せてな!

−−最後に日本のファンへメッセージをお願いします。

ヘンドッグ:ファミリーと一緒に過ごす忘れられない一夜になるはずだ。ポップコーンを忘れるなよ!!!


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来日メンバーが選ぶ「ベスト・ヒップホップ&ラップ・ソング」

01. The Sugarhill Gang - Rapper’s Delight

 この曲が世界中で聴かれた初のラップソングだからな。画期的なことだ。(ヘンドッグ)

 歴史に残る重要なもので、それに聴いてて楽しい曲だからな。(ワンダー・マイク)

 その斬新さと歌詞、メロディがいいだろ。(ロブ・ザ・ノイズ)

02. Grandmaster Flash and the Furious Five - The Message

 俺が知っているような近所の実状を初めて反映したラップで、リアルなメッセージが込められている。(ヘンドッグ)

03. The Notorious B.I.G. feat. Faith Evans and Mary J. Blige - One More Chance/Stay with Me (Remix)

 叙情的な内容がいいね。(ヘンドッグ)

04. Run-D.M.C. - Walk This Way

 ラップとロックの初コンビ。(ヘンドッグ)

 ラップとロックの見事の融合だ。(ロブ・ザ・ノイズ)

05. 2Pac - Dear Mama

 彼のライフストーリーを描いた歌詞がいい。(ヘンドッグ)

06. 2Pac feat. Digital Underground - I Get Around

 西海岸独特のスタイルと次々と流れ出るリリックが最高。(ロブ・ザ・ノイズ)

 スムーズなジャジー・スタイルに、どれも違うライムで韻を踏んでいてかなりクール。(ワンダー・マイク)

07. The Notorious B.I.G. - Hypnotize

 こっちは東海岸独特のスタイル、あと次々と流れ出るリリックも最高。(ロブ・ザ・ノイズ)

08. Dr. Dre - The Chronic (Intro)

 これも西海岸独特のスタイルと次々と流れ出るリリックが最高だね。(ロブ・ザ・ノイズ)

09. Whodini - Funky Beat

 ビートがインパクトあって、グランドマスター・ディーのラップが本当にイケてて好きなんだ。(ワンダー・マイク)

10. Lil’ Kim feat. Lil' Cease and The Notorious B.I.G. - Crush on You

 スムーズでまるでジャズだよな。それにそのメロディに合わせたリリックも最高にクール。(ワンダー・マイク)

11. Heavy D & the Boyz - Nuttin’ But Love

 ヘヴィ・Dは俺がずっと好きなMCで、上手くてかなり面白いライム・スタイルの持ち主だ。それにこの曲を聴いていると様々なシナリオが思い浮かぶ。(ワンダー・マイク)

12. The Notorious B.I.G. - Juicy

13. Public Enemy - Fight the Power

14. Eric B. & Rakim - Follow the Leader

Billboard JAPANのApple Musicプレイリストはこちらから>>>

ヘンドッグからビデオ・メッセージが到着!

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