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<インタビュー>シクラメンの結成10周年を締めくくるアルバム『SHIKURAMEN』! そして新年へ…



シクラメン

 10月に自身最大規模の全国ツアーを終えたばかりのシクラメン。夏のお祭り騒ぎを終え、結成10周年イヤーも残すところ1か月ほど。そんな中、ニュー・アルバム『SHIKURAMEN』が、2017年11月29日にリリースとなった。彼らの新たな門出を華々しく飾るリード曲「ADVENTURE」、自身初のバースデー・ソング「おめでとう ありがとう」、『除湿剤』のCMソングが日本讃美歌として生まれ変わった「あっぱれニッポン!!」、そして、ひたすら“MUSIC”の力を信じて10年間走り続けてきたシクラメンにとって、この先の10年を共に歩むことになるニュー・アンセム「メロディー」など、バラエティ豊かな楽曲が揃っている。

 今回のインタビューでは、キャリアの節目にいるシクラメンが、ずばりその名を冠した新作に込めた思いを紐解くと共に、彼らが2018年以降に描く未来地図を浮かび上がらせる。結成10周年&新作リリース記念インタビュー!

丁寧なことをもう一回ちゃんとやろう

――33公演という自身最大規模のツアーを終えたばかりの皆さんですが、振り返ってみていかがですか? 皆さんにとってどんなツアーだったのでしょう?

DEppa:6月から10月まで、約5か月間のツアーだったんですけど、北海道と沖縄以外は全部車で廻ったんですよ。2~3万kmくらい走ったのかな。今年で結成10周年、そして事務所とレーベルも変わって、また一からやりたいという思いがあったので、そういう意味で本当の初心に戻って、自分らが全国の方々に会いに行こう、という思いで車を走らせました。こんなに濃密で濃厚な夏はなかったってぐらい、僕らにとって生涯記憶に残るであろう夏になりましたね。

電球:そうだね。

――今年の夏はとにかくツアーだったと。移動含めて。

肉だんご:そうそうそう(笑)。

DEppa:木曜に車で出発して金曜に着いて、土日にライブして月曜に出発して、火曜に着いて…みたいな。合間にアルバムの制作もして、またすぐ出発してっていう繰り返しでしたね。

――各地の名物や土地の空気感は楽しめましたか?

DEppa:前乗りできたところでは、行ったことない街を散策してみたり、その地域の人と触れ合ったりもできたので、リラックスして楽しみながらハードな毎日を過ごしてたって感じです。僕ら的には良い経験にしかなってない。

肉だんご:結構ご当地モノとかも食べれたので、ツアー中に3キロくらい太っちゃって…(笑)。

DEppa:ツアー中なら普通痩せるんですけどね(笑)。

肉だんご:前乗り、イイよね。

――ライブや移動で消費したエネルギーは十分補充できたということですね(笑)。その土地の人柄や食べ物にもそれぞれ色があるかと思いますが、前もってそれを感じ取ることで、そこでのライブに反映されることはありますか? お客さんのリアクションもそれぞれ違うかと思いますが。

DEppa:地方の方たちは「昨日〇〇行った」って言うだけで盛り上がってくれるんですよね。僕らはお邪魔しますくらいの気持ちで言ってるんですけど、みんなが喜んでくれるなら、ちゃんとご当地モノ食べたり、街を散策する時間も大事なのかなって。

――地方から遠征してライブに来てた方々にとって、自分の地元で地元ネタをアーティストが言ってくれるということは、特に嬉しいと思います。一方で、やはり初めてのお客さんもたくさんいらっしゃったかと思うのですが、そんな新鮮なリアクションなどはありましたか?

DEppa:ワンマン・ライブって、基本的には皆さんのことを味方だと思ってやってるんですよね。これやったらこう返ってきて、これやったらこう動いてくれる、っていうのが分かるというか。でも、地方だと「あ、あの人初めてだな」って方はやっぱ見てて分かるんですよ。今回のツアーでは、出会ってくれた全ての方々に「ありがとう」を贈りたかった。そういう意味で、初めての方も楽しめるように最初から気を遣ってました。今回のツアーは、楽しかったっていう声もすごく多かったし。

――初見の方がたくさんいる前提で?

DEppa:振付がある曲の時は、ちゃんと振付を教える時間をとったり。置いてけぼりになる人を作りたくなくて、難しい動きがあるやつはなるべく振付講座をやるとか、そういう丁寧なことをもう一回ちゃんとやろうって気持ちがありました。

肉だんご:今回のツアーでは、MCごとにそういうのあったよね。「次に歌う曲はこういう思いで…」とか「次にこういう曲を歌うので一緒に歌ってください」とか。

――そういう意味でも「初心に戻って」のツアーだったと。特に印象に残っている場所はありますか?

桃紅茶:僕は初ライブをした山形公演ですね。母方の田舎なんですよ。山形公演は僕のピックアップ公演みたいな感じで、一人で舞台に立って歌ったり。

電球:桃のあれが一番面白かったかなぁ。あれどこだっけ?

DEppa:あれ、秋田。

電球:秋田で桃がいきなり大号泣して。

肉だんご:(爆笑)

DEppa:あれ面白すぎたなぁ。ちょっと東北愛が強すぎて。

電球:泣くと思ってなかったから面白すぎたんだよね。

肉だんご:僕ら3人が一番印象に残ってるの、たぶんそれだよね。普通に僕が喋って、電球が喋って、じゃあ桃が喋るってなった時に、急に「ゥ…ゥ…」って(笑)。

――感極まってしまった?

DEppa:あんだけ舞台でお客さん忘れて腹抱えて笑い転げたことないよ。

桃紅茶:僕の東北愛が強すぎるっていうのもあって、東北ばっかり贔屓してるみたいなことも言われたりしてて、言うのやめようかなって思ってた時もあったんですよ。でも、メンバーが「お前は東北愛を公言してていいよ。東北愛を貫いていけ」って言ってくれたのを東北のみんなに伝えたくて、それを言ったら感極まって(笑)。

肉だんご:急カーブすぎたよね。

桃紅茶:でも、そういう普段言えない気持ちとかも言えるのはライブならではだなと。

肉だんご:今回のツアーは特にそういうの伝えやすかったよね。ありのままでいってた。

――盛岡公演ではエステー除湿剤のCMタイアップ発表と同時に、電球さんがカッパ姿で登場しましたが。

DEppa:あれも思い出深いですね。あと、結構ツアー中に台風直撃したんですよ。九州の3公演は中止も視野に入れたぐらいだし、北海道でも食らったし、最後の沖縄も食らった。

桃紅茶:遠いところばっかり(笑)。

――もはや追いかけられてるんじゃないかっていう(笑)。

電球:九州から東京まで台風と一緒に帰ってたもんね。

DEppa:それでも10年やってきたおかげか、パニくることなく、例えば集合写真撮る時に、「台風のポーズしてください」とか、ネガティブじゃなくポジティブに捉えて、逆に忘れられない公演にしてやろうっていう思いになれましたね。

肉だんご:今回のツアーはライブ前に結構話し合ったよね。あとは、ライブ終わる度に「この曲は違う」とか「次はこの曲をやってみよう」とか。

――日々練り上げてきたツアーだったと。

肉だんご:そういう感じですね。

――ライブの内容も右肩上がりになっていったな、という実感はありますか?

DEppa:今回のツアーってリピーターの方が1,000人以上いたんですよ。1公演行くつもりだったけど2公演に増やしました、みたいな方が1,000人以上いたんですけど、それって僕らのライブを楽しんでくれた証拠だと思うので。

――「もう1回観たい」っていう反応は、つまりこれからもっと面白くなっていくっていう期待ともとれますね。

DEppa:33公演コンプリートしてくれた方が2人だけいたんですよ。

――すごいですね。なんなら移動の車に乗せてあげちゃっても…。

肉だんご:本当ですよ(笑)。

DEppa:その方たちに何をしてあげられるだろう、って考えなくちゃいけないくらい。

肉だんご:その方たちも車で来てたもんね。

DEppa:感謝しかないですね。

――セミ・ファイナルの東京公演では、元日のライブが発表されましたね。これはどういった経緯で?

DEppa: 2018年を迎えるにあたって、1年の目標をどこで掲げようって話し合った結果、それは1年の始まり、1月1日しかないだろと。2018年はその1年のことを考えながら走っていく年にしようってことにしてるので、ちゃんと目標を打ち立てつつ、それを自分たちだけで打ち立てるのではなく、お客さんに公言する。それをやるなら1月1日しかないだろということで、初めて元日にライブやります。僕ら的には…ものすごく休みたいんですけど!

肉だんご:12月31日の過ごし方がまじで分からないよね。今までと違いすぎて(笑)。

――31日はリハーサルとかになるんですかね?

DEppa:下手したら夜は早めに寝るよね。今までだったら夜中に蕎麦食って、朝に初詣行って、6時くらいに帰ってきて、昼くらいに実家でおせち食べ始める、みたいな。

桃紅茶:でも、メンバーと一緒にお正月を過ごすって意外とないので、逆に面白いかなって。

肉だんご:じゃあもう31日から集まっとく?

DEppa:でも電ちゃんは毎年5日くらいからウチにいたよね?

電球:いた(笑)。

――1日にライブということは、2日に反省会や打ち上げ…?

DEppa:そこは丁重にお断りしました(笑)。

肉だんご:1日は頑張りますからって(笑)。2日からは携帯の電源切ろうかと思ってるもん。

DEppa:でも、ビックリするくらい応募が多かったんですよ。350キャパくらいの小さなホールなんですけど、1,000件近く応募が来てて、1月1日になんで来れるねんっていう。

肉だんご:ありがたいよね。

DEppa:しかも発表してすぐにバーストしちゃった。みんな意外と正月ヒマなのかな…?

――むしろヒマではあると思いますが…。

DEppa:この時期は地方からの移動費も高いじゃん。だからすごいなと思って。

肉だんご:きっと夏のツアーを経て期待感が上がってるっていうことですよね。

――年始のライブということで、その日ならではの演出も?

DEppa:そうですね。今考えてるところです。

肉だんご:夏ツアーとはまた全然違ったものになるよね。

電球:2部構成だしね。

DEppa:まずは袴を着て新年の挨拶をしようかなって。そこからその格好で歌ったら面白いかな。

――第一声も「あけましておめでとう」ですかね。

DEppa:本当の「あけましておめでとう」ですからね。

肉だんご:「今年もよろしくお願いします」だね。

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今はどうしたって誰かの顔が出てきちゃう

――11月29日にニュー・アルバム『SHIKURAMEN』がリリースされますが、グループ名を冠したタイトルにはどんな思いが?

DEppa:結成10周年という節目の年であり、レーベルと事務所を移籍して新たな冒険の始まりということで、これからシクラメンを知ってくれる方もたくさんいるだろうし、今までお世話になった方々にも改めて「僕たちがシクラメンです!」っていうのを、ここでもう一度皆さんに届けたかった。それなら『SHIKURAMEN』というタイトルしかないだろうと。曲ができる前からアルバム・タイトルは『SHIKURAMEN』でいこうって決めてました。

――内容もタイトルに先導された部分が大きい?

DEppa:そうですね。シクラメンというタイトルをつけてるので、シクラメンはどういう人たちなんだっていうのを分かってもらえるような曲を入れようと。シクラメンらしさを全面に出せば良いアルバムになるってことは、この10年で分かりましたし。

――新たな名刺代わりになるようなアルバムだと。

肉だんご:そうですね。

――だからこそなんでしょうか、これまでより一層バラエティに富んだ楽曲が揃っているなという印象です。

DEppa:シクラメンってジャンルレスというか、やっぱりポップスなので、静かな曲もあれば、おバカな曲もあったり、力強い曲もある。そういう意味でもシクラメンらしさがすごく出てると思います。

――参加ミュージシャンも大勢クレジットされてますね。

DEppa:今回は生サウンドが多かったよね。

電球:今までで一番多いですね。

――それだけ幅を持たせることができた?

DEppa:そうですね。新たな旅立ちということで、昔からのシクラメンらしさを残しつつ、新たなシクラメンの成長も今まで応援してきてくれた方々に見せたかったんですよね。シクラメンはイナタさが良さだと思ってるんですけど、今作ではスタイリッシュさも盛り込めたと思うので、生バンドにした意味はすごくあると思います。

――リズム隊にはMAGIC OF LiFE、ホーン隊にはCalmeraのメンバーが参加しています。

DEppa:今までは業者に頼んで弾いてもらう、みたいな感じだったんですけど、今回はチームとして作りあげた感があるので、サウンドにそれが憑依してると思いますね。

――10周年だからこそ出せる一体感、10周年あってのグルーヴですね。それは編曲の段階で感じられましたか?

電球:録ってる時も、こう言えば伝わるっていう計算ができてるだけで全然違いますね。未来を見てのアレンジができたというか。1年目じゃそれはできないし、そこはありがたかったです。

DEppa:電ちゃんも10年で成長してるってことだよね。

――他アーティストさんの現場、いわゆる外仕事での経験が本体シクラメンへ還元されてるなと感じたりは?

電球:外仕事って単身だし、エンジニアさんも参加ミュージシャンも知らない人ばかりなので、成長かどうかは分からないですけど、チームのありがたみとかは感じることができたし、ホームへの思いも強くなりました。そこがメンタルの部分で言うと一番大きいですね。

――アレンジャーとして引き出しが増えた実感は?

電球:あ、それはありますね。昔の話になるんですけど、ゆずさんの楽曲に参加させていただいた時とか、スタジオで一緒にベース・トラックを作らせていただいたんですけど、「あ、こういう作り方もあるんだ」とか。そこはすごく勉強になったというか、経験値になりましたね。

DEppa:10年歌ってこれるってなかなかないですよね。1年1年それなりに成長して経験値を増やして“なんとか”10年やってこれた。それは全員が成長してる証なんだと思います。

――その原動力とは?

DEppa:一番の原動力は支えてくれるスタッフさんやシクラ族の皆さんを夢のデッカイ舞台に連れて行って、「シクラメンに携わって良かったな」とか「こいつらを事務所で受け持って良かったな」とか「応援してて良かったな」とか言わせたいという思いですね。自分らが売れたいとか有名になりたいとか、もちろんあるんですけど、一番大きいのはそこでみんなで笑いたいとか泣きたいとかが大きい。そのために頑張ってるんだと思います。

――曲の話をすると、3曲目「JUMPMAN」は先日の東京公演でもかなり盛り上がってましたね。

DEppa:昔は曲ができて「ライブで盛り上がるかもしれないからやってみよう」みたいなやり方だったんですけど、今は「ライブでの曲順はこうで、こういう風にテンションを上げたいから、こういう曲作ろうぜ」っていうやり方になって、「JUMPMAN」はまさにそういう曲です。その「JUMPMAN」がライブで自分らの思っている以上に愛されてて、「まだまだ伸びしろあるんだ、俺たち」っていうのを感じましたね。

――作詞作曲のスタイルも10年を経て変わってきた?

DEppa:そうですね。昔は対象者がいないまま、自分の思いだけで書いてたんですけど、今はどうしたって誰かの顔が出てきちゃうので、逆にそれをしないままで曲を書くのが目標というか。無になって、誰のことも考えないで自分の思いとか感性だけで曲を書くってことのほうが今は逆に難しい。

――今作にそういった曲は収録されてますか?

DEppa:いや、今回は対象者ばっかりですね。

肉だんご:今回はそういうコンセプトもあったので。

――そうでした。誰かに対しての名刺になるアルバムを作ったわけですもんね。それでいて、曲の世界観やサウンドにこれだけ幅が出てるのは、それだけ色んな人に向けたいという思いの表れなんでしょうか。「JUMPMAN」の歌詞にある“宙を舞う姿 まるで神様”はマイケル・ジョーダンのことを指すと聞きましたが…。

肉だんご:(笑)。

DEppa:それもここ数年、僕がバスケ好きで、バスケを毎週やるようになって、中学校の時のマイケル・ジョーダンへの思いと、今のマイケル・ジョーダンへの思いは全く違くて。神様は神様なんですけど、バスケをやるようになって本当にすごい人だったんだっていう思いが出てきた。なので、この曲の対象者はジョーダンですね(笑)。

――そして4曲目「mahalo」は、もともと爽快なドライブ・チューンだったのが、気づいたらラブソングになっていたとのことですが。

DEppa:なんか曲を作ってるうちに素敵なロマンチックな音になってきて、歌詞の内容を変えたんですよね。

――「mahalo」って、ハワイのわりとフランクな挨拶ですけど、根底には相手のことを思う深い気持ちが込められていたり。そんな曲名も楽曲の制作過程となんだかマッチしているような。

DEppa:「ありがとう」って意味と「あなたが魂の中にありますように」っていう意味が「mahalo」にあるみたいで、そういうのも知ってピッタリだなぁと思って。

――作曲してから、あるいはトラックができあがってから歌詞を変えることって結構あるのでしょうか?

DEppa:ありますね。トラックだけ先にできて自分で聴いてみて「これめっちゃ良い曲になるだろ」と思って歌詞とメロディーを乗せてみると、「あれぇ?」みたいな、「もっと良い曲になると思ったんだけどなぁ」みたいのは、しょっちゅうありますね。でも逆もありますよ。みんなが歌ってくれて、ちゃんとミックスすると「あ、良い曲になった」みたいなのも多い。

肉だんご:DEppaが「この曲あんまりなんだよな」って言ってるけど、他の3人は良いって言ってる曲も結構あるよね(笑)。「いや、これで良いと思うよ」っていうのがたくさんある(笑)。

――今作でそういった曲は?

肉だんご:今作は全体的に最初から良いって感じだったよね。

DEppa:いやぁ、それでも「え~」みたいなのあったよ? だって俺、「おめでとう ありがとう」もそんなに良いと思ってなかったもん。スタッフさんが「良い曲できたね!」って。「ADVENTURE」もそうです。最初は煮え切らない思いがあったんですけど、Aメロ→Bメロ→サビの状態で、「なんか…まぁまぁなんですけど…」みたいな感じでみんなに聴かせたら、レーベルの方とかが「いや、これリードでしょ!」みたいな。俺は「え!?」みたいな。「じゃあ、頑張って作りまーす!」って感じでアレンジも全部変えてすごく良くなりました。

肉だんご:「ADVENTURE」はMVもでかいよね。MVのイメージとかも知ってもらうと、もっと曲を好きになってもらえると思う。


――ヴォーカリングの面でも曲によって意識的に変えた部分は多いのでしょうか?

肉だんご:そうですね。結構こだわったところは多いですね。基本、電球とDEppaが指示をくれるんですけど、「もうちょい優しく歌ってもらいたい」みたいなのは、今回は結構多かった感じはあります。

――その中で新境地だなと感じた部分は?

肉だんご:僕は「ずっとそばにいる」が今までにちょっとない感じの歌い方というか。今までの勢いでいってた感じの歌ではなく、歌詞の一文字一文字がちゃんと入ってくるように気を付けて歌いました。

桃紅茶:僕は「君は太陽」で下ハモを全部歌ったんですよ。下ハモを歌うことって今までほとんどなかったんですけど、今回は電球がプリプロの段階で言ってくれてて。

電球:「100年初恋」っていう曲で、桃がサビの一部分で下ハモを歌ってるところがあるんですよ。それは別の作家さんが書いてくださった曲で、下ハモもその方がくださったアイディアだったんですけど、それが結構新鮮で、「あ、こういう生かし方良いな」っていう思いがずっとあったんですよね。やっとそれができそうな曲ができたので、1回やってみたいなと思って。優しさとアンニュイな感じが出たらなと。

――なるほど。そして7曲目「その先の鳩オヤビン -skit-」ですが…、これがある意味一番新境地なのではないかと…。ます鳩オヤビンとは…?

DEppa:“進めば見えてくる。スズメの大オヤビン”という歌詞があるんですけど、スズメのオヤビンとはつまり…。

――鳩だと。

DEppa:そういうことです。

肉だんご:みんな知らないだろうけど、スズメたちは鳩に牛耳られているんじゃないかと。

――あんな平和の象徴にもなる鳥が…。そのまま聴いてたらいきなり「旅に出ましょう」とか言い出すし。

DEppa:これも振り幅ですね。

――このおふざけ要素もまたシクラメンらしさであると。「おめでとう ありがとう」「ずっとそばにいる」と丁寧に紡いできた流れを良い意味でぶった切るというか。これってほぼアドリブですか? “電気”のくだりなんて…。

DEppa:あれは完全に偶然の産物ですね(笑)。

桃紅茶:偶然の産物の面白さってやっぱあるよね。

電球:それを伝えたくて作りました。

DEppa:3テイク目くらいで疲れてたんだよね。これ、僕がディレクションしてたんですけど、やっぱ調子良い時と悪い時があるんで(笑)。良い時を使いたいじゃないですか。

肉だんご:レコーディングとしては一番難しかったかもしれない(笑)。

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「三十路が夢見て何が悪い」

――からの「あっぱれニッポン!!」です。エステー除湿剤『ドライペット』の新CMソングですが、これはCMのために書き下ろされたものですか?

DEppa:CMソングを書き下ろさせていただいて、その曲のフルサイズが聴きたいという声がすごく多かったんです。ファンの方々はもちろん、関係者の方々が「あのCM良いから、フル尺で作れば?」っておっしゃってくれて、それで2時間くらいで歌詞書きましたね。メロディーもすぐ作って、すぐプリプロしてもらって…。この曲が一番スピーディーだったよね。

電球:うん、そうだね。

――まず最初に、エステーさんから投げられたコンセプトがあったんですか?

DEppa:いや、全くなかったです。もう自由にやってくれって。ただ湿気の歌を2~3分歌うのはキツイなと思って、“日本は”って歌詞があったので、シクラメン風日本讃美歌じゃないですけど、そういう感じにしようかなと。ただ47都道府県入れただけなんですけど。

――これをツアー各地で歌ったら盛り上がりそうですよね。

DEppa:そうですね。サビはもうその都市にしてあげればいいんだよね。

桃紅茶:じゃないと各都市、一拍くらいで終わっちゃうからね。

DEppa:埼玉に関しては埼京線の“さいきょう”が最強で入ってるだけだからね。

肉だんご:でも、この「あっぱれニッポン!!」で初めて電球がちゃんとヴァースを歌ってる。

電球:持ち歌ができました(笑)。

肉だんご:そこらへんも気づく人は気づくはず。「いつもと声が違う」って。

――僕、埼玉出身なんですけど、埼京線は最寄り通ってないんですよね…。

肉だんご:(笑)。

DEppa:スイマセン(笑)。

――でも、埼玉でライブがあった時にはこの曲で埼玉がフィーチャーされるかもしれない。

DEppa:そりゃもう、その時はサビを全部埼玉にします。


――そして次の「カマンティーノ」が、地元について歌った曲。

DEppa:やっぱり僕ら、日本全国を旅しながらも拠点は蒲田なので、今まで地元の歌はこんなにカッコよく作ってなかったし、今回はカッコよくふざけようかなと。

――そしてラストを飾るのが「メロディー」。満を持してのCD収録ですね。

DEppa:「MUSIC」という曲があるんですけど、その曲を10年歌ってきて、音楽の力をまざまざと体感してきました。シクラメンの“MUSIC”、そして“メロディー”でこれからもたくさんの人を元気にしたり支えていきたい。一番聴いてほしい曲を最後に持ってきました。

――この「メロディー」自体はどれくらい前からあった曲なのでしょう?

電球:2年ぐらい前ですね。

――何かきっかけがあっての?

DEppa:「MUSIC」をデビュー時ぐらいに作って、それからずっと歌ってきたんですけど、これだけ色んな曲を出しても、一番愛されるのが「MUSIC」だったんですよね。これを超える曲が欲しいという思いで作り始めたのが「メロディー」でした。

――ある意味、過去の代表曲に囚われている状態で、そこから脱したかったと。

DEppa:そうですね。アンサー・ソングとはまた違うんですけど、僕らを10年支えてくれた「MUSIC」、そしてその先の10年を「メロディー」と共に支えていくみたいな。

――今作で特に苦労した曲ってありますか? 鳩オヤビン以外で。

DEppa:やっぱり「メロディー」は一番苦戦しましたね。曲はできてたんですけど、もっとできるんじゃないかっていう。

――納得ができなかった?。

DEppa:そうですね。だから2年前に作った時も、すぐ近くにアルバム発売があって、最初はそこに入れようとしたんですけど、結局あえて入れなかった。それからライブでやったり構想を練り始めて、今回レーベルと事務所を移籍して、アルバムを生バンドで作れることになって、自分らの理想に近い「メロディー」になったので収録しました。一番温め、一番苦戦した曲は間違いなく「メロディー」でしたね。

――寝かせてきた期間がそのままハードルとして立ち塞がるわけですもんね。ヴォーカル録りの時もそれは感じられましたか?

肉だんご:難しかったですね。曲自体もみんなでどんどん練って変えてきたし、歌い方も変えてきたんですよ。そういうのもあって、どれが一番良く聴かせられるかっていうのを本当に悩んだので、これに関してはヴォーカルも結構苦戦しました。

桃紅茶:何パターンも録ったもんね。

DEppa:でもツアー33公演を通して歌い続けながら、その合間に録った曲なので、フックとかはすごく良くなりました。良いメロディーのサビができたなと。

――他に苦戦した曲はありますか?

DEppa:「おめでとう ありがとう」に関しては、シクラメン初の誕生日ソングなので、パーティー・チューンにするか、心温まる曲にするか悩みましたね。心温まるほうが難しいとは思ったんですけど、やっぱり初めて作るんだったら、みんなが涙を流しながら笑えるような曲にしたいっていうのがあって、これも結構考えました。

――東京公演でも披露されてましたが、当日誕生日の方はいなかったという展開に…。

肉だんご:意外といないんですよねー。

DEppa:これがアリーナ・クラスだったら3人くらいいるよ? 東京公演は600人くらいだったから。でも、1年って365日しかないし、600人くらいいるなら「いてよ!」っていう思いも(笑)。

――ツアーのセミ・ファイナルだぞ!っていう(笑)。でも本当に当日が誕生日だったらめちゃくちゃ嬉しいでしょうね。

DEppa:それに合わせてきてくれたリピーターの方もいましたよ。このツアーで誕生日の曲があるっていうのが噂として広まって、東京の方が「誕生日の当日、福岡公演なんだけど」みたいな感じで、遠征に来てくれるとか。

電球:ありがたいよね。

――そしてアルバムを引っ提げたツアーも発表されました。タイトルは、【ADVENTURE TOUR ~三十路が夢見て何が悪い~】。

DEppa:僕らの当初からの目標は日本武道館、そして横浜アリーナでライブをすることなんですけど、それはずっと変わらないので、「三十路が夢見て何が悪い」っていう言葉通り、今からでも夢は全然見れるという思いが込められてます。

――決意表明ということですね。

DEppa:そうですね。

――ツアーもあるということで、改めて2018年の目標や抱負をお聞かせいただければと思います。

DEppa: 2018年はもちろん翌年以降もみんなに期待を持たせるような、自分らが自分らに希望を抱けるような、そんな1年になると確信してます。種まきというか、僕らは来年も準備段階だと思ってるので。大きな場所に行くため、夢の舞台に立つための大事な準備期間だと思ってるし、ガムシャラにやろうかなという思いが一番強いですね。

電球:僕は個人的には、“神曲”を作りたい。まぁ常々思ってることではありますけど。絶対作ってやろうと思ってます。

肉だんご:今年はシクラメンらしさを再確認できた気がするので、2018年はもう1個、何か4人でしか出せない強みっていうのを見つけたいなと思ってます。今年はシクラメンらしさをすごく出せたし、ここにまたプラスアルファ、武器を4人で見つけるのを裏テーマにして頑張りたいなと。

桃紅茶:今年1年間はものすごく充実してて、良い雰囲気のチームになれたと思ってるので、来年はさらに横の繋がりとかを拡大していって、スタッフさんとかにも愛されるようなアーティストになりたいなと思ってます。



Interview by Takuto Ueda

シクラメン「SHIKURAMEN」

SHIKURAMEN

2017/11/29 RELEASE
UICZ-4415 ¥ 3,000(税込)

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Disc01
  1. 01.ADVENTURE
  2. 02.メッセージ
  3. 03.JUMPMAN
  4. 04.mahalo
  5. 05.おめでとう ありがとう
  6. 06.ずっとそばにいる
  7. 07.その先の鳩オヤビン -skit-
  8. 08.あっぱれニッポン!!
  9. 09.カマンティーノ
  10. 10.オリジナルライフ
  11. 11.君は太陽
  12. 12.メロディー

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2018年3月19日、東京Zepp DiverCityにてLIVE vol.1開催決定!詳細は1月12日発表。
シェネル 10周年記念オールタイムベスト『10th Anniversary ALL TIME BEST』インタビュー
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私の目指すシンガーに、ホイットニー・ヒューストンがいる
和楽器バンド『軌跡 BEST COLLECTION+』全員インタビュー
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「日本のバンド=和楽器バンド」に辿り着きたい。
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【HOT 100】、【HOT ALBUMS】、【TOP ARTIST】年間ランキングを詳しく解説。
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100タイトルの中から音楽ライターの熊谷美広氏が「初心者でも楽しめる作品」、「マニア垂涎の作品」を5枚ずつピックアップ
KISSのフロントマンによる渾身のソウル/R&Bプロジェクト、ポール・スタンレーズ・ソウル・ステーション来日記念特集
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なぜ、いまポールがソウル・クラシックスのカバーに挑むのか? 増田勇一が解説。

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