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GLIM SPANKY 3rdアルバム『BIZARRE CARNIVAL』インタビュー



GLIM SPANKY  3rdアルバム『BIZARRE CARNIVAL』 インタビュー

「今後10年、20年先、世界のロック・シーンの中でポジションを確立するために」

GLIM SPANKYがBillboard JAPAN.comのインタビューに初登場! 松尾レミ(vo,g)、亀本寛貴(g)二人の関係性や音楽リスナーとしての彼ら、そして9月13日にリリースの3rdアルバム『BIZARRE CARNIVAL』の話では楽曲の話はもちろん、サイケデリック的アプローチをする理由について多くを語ってもらった。そこでの話、GLIM SPANKYの二人からは真摯に世界のフィールドで戦っている意識を感じる。シンプルに、楽しそうに音楽を語るGLIM SPANKYの二人を是非チェックしてもらいたい。

GLIM SPANKY松尾&亀本の関係「尊敬しますね。同じミュージシャンとして」

GLIM SPANKY 3rdアルバム『BIZARRE CARNIVAL』インタビュー

--誕生日にプレゼントを送ったりと、お二人は非常に仲が良いですね!

松尾レミ:高校時代の先輩後輩(松尾レミ 高1、亀本寛貴 高2)の間柄からの付き合いで、もう10年になりますけど、いつもこんな感じです。

亀本寛貴:実際歳が1つしか変わらないし、本当そうですね。

松尾レミ:高校のときは亀(=亀本)が先輩なので、いまほどフランクじゃなかったかな…

亀本寛貴:フランクだったでしょ(笑)。

松尾レミ:まあフランクだったけど。当時は先輩がバンドに入ってるって感じだったんですけど、高校卒業しちゃったらもう関係ないんで、言いたいこと言いまくってたらこんな感じになりました(笑)。

--こうして自然と二人でGLIM SPANKYを続けて来れたのは、お互い信頼する部分があったからなんでしょうか?

松尾レミ:そうですね…。自分が作る曲をまず亀に渡して、ギターリフとかアレンジして返ってくるアイデアは信頼できるというか。高校生のときに初めてそうやって作ったときから「この人はちゃんと曲のことを考えて、曲が求めるサウンドを、ギターリフを作ってくれるんだな」と思ったのがキッカケで一緒にやろうと思ったので、そういった面は尊敬と言うか、いまも変わらずあります。

亀本寛貴:センスが良かった?(笑)

松尾レミ:んー、ちゃんと私の思い描いていた音に+αをつけて返してくれる。そこは良いところです。

--亀本さんは?

亀本寛貴: 「自分の創作活動とかに対して粘り強い」なんか成績表に書いてあるコメントみたいになっちゃった(笑)。僕は細かいことは気にしない性格で、それも考えすぎない的な良さがあると思うんです。でも、松尾さんは粘り強くて、最後まで納得がいくまで労を惜しまず頑張るってところが凄くエライなと思いますし、尊敬しますね。同じミュージシャンとして。

松尾レミ:そうなんだ、わからん(笑)。

亀本寛貴:それと、松尾さんがいつもと違うお化粧とかしてきたら「今日の色違うね!」っていうと、

松尾レミ:「よくわかったねぇ!」

亀本寛貴:って、褒められることはありますね(笑)。あと服とか「そんなの持ってたんだ?」って聞いたり、僕ってすぐ気付くじゃん?

松尾レミ:そうそう。私にゲイの友達がいるんですけど、彼らってオシャレに対してすごく敏感なんですよね! そういう友達はマスカラの色をちょっと変えただけでも気付いてくれるんですよ。その友達以外で気付いてくれる男の人は、亀くらいですね。それは亀の面白いポイント。

亀本寛貴:音楽以外で松尾さんの良いなと思うところがあって、よく僕は注目を浴びようとふざけるんですけど、松尾さんだけがちゃんと反応してくれるんですよ。これは本当に嬉しい! 僕がうぇーい!とかやってると周りのみんなは面倒臭がって完全無視するんですけど、松尾さんだけはクスクスって笑ってくれるんです。

松尾レミ:私的には面白いから(笑)。

亀本寛貴:ふざけたものに対して、誰かに笑ってもらえたらやった方の勝ちですよね(笑)。だから、松尾さんが笑ってくれるのはマジで嬉しい。

--本当いい相棒ですね(笑)。 逆に、ここはちょっと…的なところは?

GLIM SPANKY 3rdアルバム『BIZARRE CARNIVAL』インタビュー

亀本寛貴:あるんだけど…、言ったら松尾さん怒るから……。ってところが怖い!

松尾レミ:だって、言われたら嫌なことって人間だれにだってあるから。

亀本寛貴:そう言って怒るんでしょ?

松尾レミ:だって、ヤなこと言われたら嫌じゃん!

亀本寛貴:僕は別に嫌じゃないよ。「ごめんな」って思う。

松尾レミ:って言うのがイヤ!(笑)

亀本寛貴:別に僕の嫌なところとかないんでしょ?

松尾レミ:ひと言多い! デリカシーがない! でも、そういうのはもう家族みたいな感じなんで、しょうがないなってなる。

亀本寛貴:そうそう。僕もしょうがないなって思うから、別に直してほしいところとかないんですよね。

松尾レミ:そうだね。でも、面白いポイントでもあるんだけど、迷惑に思うところがあって、(亀本が)よく奇声をあげるんですよ。変な恐竜の生まれたときの鳴き声みたいなのを街ナカとか電車内でやるんですよ! で、周りのみんなが驚いてこっちを見るのが恥ずかしい。

亀本寛貴:でも面白いでしょ?(笑)

松尾レミ:ちょっとおもしろい(笑)。

リスナーとしてのGLIM SPANKY/この夏に見た印象に残ってるアーティストは?

GLIM SPANKY 3rdアルバム『BIZARRE CARNIVAL』インタビュー

--そんな一面も聞けて嬉しいです(笑)。話は変わりまして、これまで多くの楽曲に触れてきていると思いますが、リスナーとしての二人はどのように音楽を聴いたり、知ったりしていますか?

亀本寛貴:ストリーミング・サービスなども利用していて、月にたくさんの曲を聴いていますね。買うのはだいたいLPを1~3枚/月、多いときで10枚/月とかですね。定期的に買うようにしていて、CDも含めると5枚/月くらいフィジカルを買ってます。

松尾レミ:私はホントに好きなアーティストがアナログ盤を出したときには絶対買います。最近買ったのはテンプルズ(Temples)ですね。Apple Musicとかサブスクで見つけたいいなと思うバンドの作品もたまに買うんですけど、それもやっぱりレコードです。それと、私は結構Shazam(音楽検索サービス)したり、知り合いのDJとか、カルチャーに詳しいレコード好きの方に「最近ビビッときた音源ないか?」って聞きまくってます。

亀本寛貴:松尾さんはインディーとか、まだあまり知られてないアーティストを探したりするよね?

松尾レミ:そうそう。気になるインディーのアーティストの作品とかあるんですけど、日本だとあまりレコードが置いてなくて買えないんです。

亀本寛貴:僕は逆に誰もが知るようなビッグネームの名盤から最新の作品ばかり聴いてますね。だから、あまり幅は広げていってない感じです。

--GLIM SPANKYは今年も多くのフェスに参加して、海外のアーティストのライブを見る機会も多かったと思うんですが、この夏に見た印象に残ってるアーティストは?

亀本寛貴:個人的には【ソニックマニア2017】のカサビアン(KASABIAN)が凄かった! それと、【フジロックフェスティバル '17】で観たザ・レモン・ツイッグス(The Lemon Twigs)も超ステキだったよね?

松尾レミ:ザ・レモン・ツイッグスはめっちゃ良かった! 今日の私服も彼らのTシャツ着てきたんですよ! そのくらいライブがめっちゃ良かったですね。若さ溢れるあのライブは、やろうと思ってできるライブじゃない。あとビルボードライブで見たKTタンストール(KT Tunstall)も凄かった! 一人でのライブなのにあれは凄いと思いましたね。めっちゃ酔っ払って観てたんですけど(笑)。

亀本寛貴:あれもすごいし、楽しかった! 結構ライブ見に行くよね?

松尾レミ:常に行けるものは見に行ってますね。参考にもしてます。

亀本寛貴:普段からよくライブは観に行ってるんですけど、特に夏はイベントも多くて。大きなイベントだと、誰もが知るアーティストがどのイベントにも出演されていて、ほぼ先輩の方だったりするんですけど、そのステージを観たときに、自分たちと同じフェアな環境で、また一味違った音を出していたりするから非常にやる気が出ますね。あのレベルへ到達するには、もっと研究して、根本的にもっと音楽に対する考え方をアップデートしていかないと とか、イベントに出させてもらうときは感じますね。

松尾レミ:ステージの作りとか、照明の演出とか、そういうものもすごく勉強になりますね。

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今後10年、20年先、世界のロック・シーンの中でポジションを確立するために

GLIM SPANKY 3rdアルバム『BIZARRE CARNIVAL』インタビュー
▲初回限定盤

--今回のアルバム『BIZARRE CARNIVAL』の話になりますが、この気になるジャケットは松尾さんが主に手掛けたとか?

松尾レミ:そうですね。衣装はみんなと古着屋に行って、「アレがいいんじゃない? コレがいいんじゃない?」ってやって決めました。例えば1800年後半~1900年初頭のヨーロッパのマジック・ショーとか見世物小屋とか、そういった世界観がもともと好きで。
それをロックに落とし込んだりしているのが1960年台のザ・ビートルズとか、その周辺のミュージシャンで、サイケデリックなロックと絡めて摩訶不思議な世界観を表現していったわけですけど、それがもともと好きで、今回の作品のサウンドもやっぱりサイケデリックなロックに仕上がったので、そういう世界観を表現したのがこのジャケットになります。なのでジャケットにいる変な連中は、正体も性格もわからないような奴らを作ろうと思って、旅行で買ってきたお面とか私物でデザインして、こうなりました。顔書いて、粘土で角作ってとか、色々やりましたね(笑)。

--GLIM SPANKYのもともと持ってるサイケ感が、今作ではもっとも顕著に感じられました。お二人は『BIZARRE CARNIVAL』を完成させて、どんな感想でしょうか?

松尾レミ:今回は以前よりもナチュラルにできたなって思います。これまでは名刺代わりの「はじめまして」的な作品を出してきた印象もあって、その中でいろんなロックに挑戦して、自分たちの引き出しを増やしていったんですけど、今回のアルバムでは「もう名刺代わりの一枚はいい」って思って、より私達の深い部分というか、好きなサウンドをしっかり出して、まだ見せていなかったGLIM SPANKYの引出しをやっと見せることができたと感じてます。
結構ミドルテンポの楽曲も多いんですけど、もともとGLIM SPANKYはそっちが多いバンドだったので、私的には本当にやりたかったことをやりたいままに、ナチュラルに表現できて、『BIZARRE CARNIVAL』のできには満足しています。

亀本寛貴:“サイケデリックな作品がもともとやりたい”という話はしていたんですけど、大衆的で商業的で華やかな世界というよりマニアックな世界になってしまうんじゃないかとか、そんな思いもありました。だけど、音楽がちゃんとロック的で、アートワークがちゃんとアート的に仕上がっていいバランスになる。しかも、カラフルだから派手じゃん?って。サイケデリックって、GLIM SPANKYの音楽を表現する上で一番ぴったりな土俵というか、「ロック的でアート的で見栄えも良い」それが僕らの一番やりたかったことなんですよね。
とはいえ、「GLIM SPANKY=サイケ」ではなくて、それに近いような見せ方はすごく良いと思っているし、海外に出てもサイケデリック・ロックってやっぱりアジアの音楽とも親和性が深いし、今後10年、20年先も考えてGLIM SPANKYも世界のロック・シーンの中でポジションを確立するためにも、「サイケ」は重要視しても良いんじゃないかと考えています。もともとリスナーとしては大好きな音楽なのでどんどん取り入れていこうと、だからこそ今回、僕ら的には普通に、ナチュラルに制作できました。

--今の時代だとサイケが”大衆的ではないかもしれない”という懸念があった?

亀本寛貴:60年代後半ぐらいからはザ・ビートルズ、ストーンズとか「売れるためにはサイケだろ」「売れるにはテロテロの金ピカのシャツだろ」って風潮で、みんなサイケを商業的に取り入れていたじゃないですか。だから、いまこうしてサイケデリックな作品を出すことはもしかしたら「古臭いだろ」って思われてしまうかもしれないけど、だからと言って、このアルバムが売れないかもねって話ではなかったですね。
時代が回っていっているので古臭いものは実際無くて、あると思うのなら古臭くてなんぼというか、そこら辺も自分たちの中で納得しているところはあります。じゃあ「最新って何だ?」っていう話にもなるし、めっちゃデジタルで角々していてシャキッとしているのが最新なのか?って言うことにもなるわけで。

松尾レミ:さっきの話に出たテンプルズとか、ザ・レモン・ツイッグスとかもめっちゃバリバリの60'sのサウンドを鳴らしているわけだしね。とは言え、私達が懐古主義ということではなくて、60~70'sの楽曲も好きだけど、別にそれだけが好きなんじゃなくて、そうなりたいわけでもない。フラットに時代を考えたときに自分たちがイケているなと思ったものをこう形にしていて、私たちは常に新しいものを作ろうと思ってやっているので、なんかあんまり古いも新しいも関係なく、いまカッコイイと思うものを純粋に届けるっていうところから(今回のアルバム『BIZARRE CARNIVAL』に)行き着いているので、本当にナチュラルなんですよ。

亀本寛貴:商業的な面を考えても、最新だからと言って売れるわけではないですよね。変な話「目立つこと」の方がプロモーションにつながっていくと思うし。だから、とりあえず目立って「コレなんだろう?」って手に取ってもらって、聴いてもらいたい。内容にはめちゃくちゃ自信があるから、とにかく目立ちたいですね。あとは聴いてくれた人がどう評価しようが、どういった風に捉えるかは僕らが決められないけど、できるだけ多くの人に聴いてもらいたいアルバムです。

松尾レミ:いま日本ではサイケデリック・ロックをやっているバンドがなかなか出てないので、だから私たちはそのイスが空いていたから、そのイスに座ったって感じ。

--日本のサイケデリック・ロックといえば個人的に「ゆらゆら帝国」なんですが、今作M-6「END ROLL」を聴いたとき、ゆら帝の後期の作品に覚えた気持ちよさを感じました。

松尾レミ:へぇー、意外です! 解散間近のゆら帝はミドルテンポの作品をリリースされてましたよね。

--お酒を飲みながら聴いていたら、すごく気持ちいいんですよね。

松尾レミ:それはスゴくいいロックの聴き方ですね(笑)。

亀本寛貴:僕は基本お酒飲みながら音楽を聴いて楽しむタイプなんで、自分が作るときもリスナーが気持ちよくお酒が飲めるようなサウンドを目指して作ったりしていますね。

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松尾レミの怪しい体験! 「奴らは「クスリを買う人かどうか」見定めていて…」

GLIM SPANKY 3rdアルバム『BIZARRE CARNIVAL』インタビュー

--M-2「BIZARRE CARNIVAL」は"ザ・松尾レミ”って感じですね。

松尾レミ:私の好きなケルト文化の要素だったり、60'sのサウンドも取り入れていたりしていて、「BIZARRE CARNIVAL」、M-3「The Trip」は私の趣味全開って感じですね(笑)。

亀本寛貴:ほんとザ・ビートルズ(The Beatles)っぽいメロディに仕上がったよね。「The Trip」のAメロとか、テッテッテ~♪って、ね?

松尾レミ:んー、ちょっと音痴すぎてわからん!

一同:(笑)

松尾レミ:私は出来上がったのを聴いて、バーズ(The Byrds)をまず感じたかな。そんな’67~8年くらいのサウンドだったり、自分が影響を受けてきたものが詰まった楽曲になりましたね。

--M-5「Velvet Theater」は満を持して今作に収録されておりますが。

松尾レミ:そうですね。「Velvet Theater」は大学1,2年のときに作った曲で、ライブではずっとやっていて、ホントいつリリースしようかなって感じだったんですけど、やっと今かなってタイミングが来たと思ったので入れました。

--サイケなダンスナンバー的M-6「END ROLL」なんですが、亀本さんがサウンド面でこだわったポイントは?

亀本寛貴:ただハッピーに「踊ろうぜ!」だけじゃなく、ちょっと怪しくお酒を美味しく飲めるようなノリを出すっていうところをまず一番重視しましたね。あと、やっぱギターリフのサウンドも、単音で弦1本しか弾かないから結構ヤバメな音にしてます。いろんな方がよく使っているんですけど、ファズファクトリーっていうヤバイ音にするやつ(エフェクター)があって、それをずっとかけっぱなしみたいな感じで。

--M-7「Sonntag」(ゾンターク)これはドイツ語で日曜日という楽曲タイトルですが、怪しい物語を感じる一曲ですね。

松尾レミ:これ実はですね、去年の11月に亀とマネージャーが車の免許を取りに行くってことで「私は取らない!」って、海外へ旅行に行ったんですよ。フランス、ドイツ、ニューヨークと。それでM-6「END ROLL」にパリって出てくるんですけど、私はまずパリに行ったんですよ。で、パリで思ったことだとか、そこで感じた匂いをこの曲に書いているんです。次にドイツ・ベルリンに行ったんですよ。その時のベルリンの日曜日の出来事、私の休日の日記が「Sonntag」という曲になったんです。

その日の夜、チーズフェスタがやっていて、そこへ行きたかったんです。でも会場となっているところがベルリンの中で1,2番くらい犯罪の多いめちゃくちゃ治安の悪い駅で、ベルリンからその駅に電車に乗って向かうんですけど、ホントこの歌詞のまんま。気温も-3℃くらいで、いざ目的の郊外の駅に着いたんです。電車を降りたらもう凄いんですよ。お金くれだの、お花を売りつけてくる家のない人がいたり。そのすぐ目の前に真っ暗い公園があって、いろいろと事件が起こるんですね。そこには常にクスリを売る奴らがいるんですよ、奴らは「クスリを買う人かどうか」見定めていて、やっぱ日本人はお金を持っていると思われて今にも声をかけてきそうになるんです。それが3メートル毎くらいにいっぱいいて、チーズフェスタはこの公園を抜けないとたどり着けないっていう……、そのまんまの曲なんです(笑)。

--無事で何よりです(笑)。 対象的に、すごく癒されるようなM-10「白昼夢」は?

松尾レミ:これは実家のベランダで寝そべって、昼下がりの午後に弾き語って作った曲ですね。

「挑戦的で、その構成がすごく好き」「トドメをさす!みたいな感じで(笑)」

▲GLIM SPANKY-「吹き抜く風のように」Music Video(Short.ver)
▲GLIM SPANKY-「吹き抜く風のように」Music Video(Short.ver)

--リード曲M-4「吹き抜く風のように」の歌詞で、熱く込められた何かを感じるんですが読み解けなかったです。

松尾レミ:それはこの曲を書くキッカケの出来事がありまして、今年の春くらいに私の祖父が他界したんです。家族が死ぬという経験は初めてで、実家に帰って、私は普通にお葬式があるもんだと思っていたんですけど、そのとき実家が完全なる無宗教であることを知ったんですよ。なのでお葬式もなくて、「お別れ会みたいになります」ということを聞かされて、お坊さんも来ないし、だから「レミが歌ってもいいよ」って言われて弾き語りをしたんですけど。

この時に、日本で生きていると手を合わせるだとか、仏教的な教えが知らない間にすり込まれていたんだなって驚きましたね。道徳であったり、人は死んで天に昇るだとか、仏様がいるだとか…、いろいろな宗教的な教えが私の中にもあったんだなって。でも実家は完全な無宗教で、家族が死んでも何もなかったので、ちょっと不安になったというか、おじいちゃんはこの後どうなるんだろう、仏様になるのかといったらそんなこともないし、それを祈ることもしないし。そういうのがすごく不安になったんですよ。

はじめて宗教というものをちゃんと考えて、宗教のある家が羨ましく思いましたね、心の拠り所があるわけだから。無宗教だったらその拠り所がない。そこで自由の怖さっていうか、自由ってみんな求めることだけど、自由って実は怖いことで、自分がしっかりしていないと、すごく儚く脆いものであるということが突きつけられた現実で、それがこの曲になりました。

--そうだったんですね。

松尾レミ:そういう気持ちから「私には縛られるものもないし、宗教も私にはないし、戦争をすることはないけど。だからこそ、ブレちゃいけない魂を握りしめているんだ」っていう覚悟を歌ったんですけど、それぞれの解釈でそこは聴いてもらえるのが一番いいですね。

--アルバムのラストM-11「アイスタンドアローン」ですが、前作のミニアルバムでは表題曲にもなってました。「ワイルド・サイドを行け」の時もそうでしたが、ミニアルバムが次のフルアルバムのラストナンバーになる流れは意図的なんでしょうか?

亀本寛貴:意図的というわけではないんですけど、僕らの中ではお決まりになってきているというか。年一でミニアルバムを作ってからフルアルバムの制作という活動になってきて、ミニアルバムが今年のGLIM SPANKYの方向性、テンションを表している事が多くて、それが「ワイルド・サイドを行け」「アイスタンドアローン」もそうで。アルバムって、だいたい今回で言うとM-10「白昼夢」みたいな、ふわっと締めていくスタイルをとることがメジャーな気がするんです。でも、「僕らの言いたいことはコレなんだ!」って最後にバンって言ったほうが、リスナーにもGLIM SPANKYの言いたいことが残って、しっかり伝わる気がして。アルバムの最後に、もう一度言っておくってことが僕は挑戦的で、その構成がすごく好きですね。それが今作でもうまい具合にハマったなって思ってます。

松尾レミ:トドメをさす!みたいな感じで(笑)。

亀本寛貴:それが2作続いたんです。でも、実は1stフルアルバム『SUNRISE JOURNEY』の「リアル鬼ごっこ」もそうで、アルバムの制作に取り掛かってから作った曲ではなかったので1stミニアルバム『焦燥』には入っていなかったんですけど、その頃の僕らが一番訴えたかったことを書いた曲でもあったのでアルバムのラストに入れたんです。そうしたら「僕らはまだまだ これからもガツンと行くからな!」ってアルバムに仕上がったんで、「これはイイ!」ってなって、この構成を毎回採用しているって感じはありますね。

--最後に地元・長野でスタートして~アジアもまわるツアーのお話を。GLIM SPANKYはこのツアーでどんな思いを掲げていこうと思っていますか?

松尾レミ:今回のツアーだからってことではないんですけど、GLIM SPANKYのライブでは、振り付けがどうとか、こういうノリ方でだとか、そういうのは決めたくない。自分の聴き方で、自分のノリ方で、それぞれが自由に楽しんでほしいってのが私たちの求めるロックのライブなので、年代もノリも関係なく、みんなが自由な空間をそこに求めて、自分を表現する場所を求めて来てくれるようなライブにしたいなと思っています。

今回は海外・アジアもまわるので、ここでも変に気合を入れずに同じアジア人として同じロックを共に楽しむってくらいの気持ちでツアーを全うできたら良いなって思うので、それが一つの目標ではあります。それと今回のアルバム『BIZARRE CARNIVAL』ではサイケデリック的な表現が強いので、ライブの見せ方もビジュアル的に表現できるところでは、例えば映像を使ったり、ゲストを入れたり、そういった演出を加えて、ひとつ進化したGLIM SPANKYのライブにしていきたいなと思っています。

GLIM SPANKY「BIZARRE CARNIVAL」

BIZARRE CARNIVAL

2017/09/13 RELEASE
TYCT-69116 ¥ 3,996(税込)

詳細・購入はこちら

Disc01
  1. 01.THE WALL
  2. 02.BIZARRE CARNIVAL
  3. 03.The Trip
  4. 04.吹き抜く風のように
  5. 05.Velvet Theater
  6. 06.END ROLL
  7. 07.Sonntag
  8. 08.ビートニクス
  9. 09.美しい棘
  10. 10.白昼夢
  11. 11.アイスタンドアローン
Disc02
  1. 01.アイスタンドアローン
  2. 02.時代のヒーロー
  3. 03.褒めろよ
  4. 04.ダミーロックとブルース
  5. 05.闇に目を凝らせば
  6. 06.お月様の歌
  7. 07.Freeder
  8. 08.怒りをくれよ
  9. 09.夜風の街
  10. 10.美しい棘

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Next One
GLIM SPANKY「Next One」
2016/07/20
[CD]
¥3,996(税込)
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ワイルド・サイドを行け
GLIM SPANKY「ワイルド・サイドを行け」
2016/01/27
[CD]
¥1,620(税込)
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ワイルド・サイドを行け
GLIM SPANKY「ワイルド・サイドを行け」
2016/01/27
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SUNRISE JOURNEY
GLIM SPANKY「SUNRISE JOURNEY」
2015/07/22
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¥2,700(税込)
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2015/07/01
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GLIM SPANKY「褒めろよ」
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焦燥
GLIM SPANKY「焦燥」
2014/06/11
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GLIM SPANKY「MUSIC FREAK」
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