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【再掲】レイ・パーカー・Jr.&レイディオ 来日記念特集

 (本記事は2015年11月に掲載された記事の再掲です。)
 来月12月に来日公演を行うレイ・パーカーJr.&レイディオ。70年代末から80年代にかけて数々のR&Bヒットを世に放った彼らが昨年に引き続きまたしてもBillboard Liveのステージを盛り上げる。

 今回はそんなバンドの中でも、絶対的なリーダーとしてグループを率先するレイ・パーカーJr.を特集。90年代のレイディオ解散後はソロキャリアを邁進し、あの伝説的な映画主題歌のヒットも飛ばした彼は、実はデトロイト=モータウンのコネクションから誕生した腕利きのスタジオ・ミュージシャンでもあった。キャリアの初期から、円熟したプレイを見せる現在まで、その足取りをともに追ってみよう。

デビュー前は気鋭のスタジオ・ミュージシャンとして活躍

 レイ・パーカーJr.のミュージシャンとしての活躍は、他の多くのビッグ・アーティストと同様、スタジオ・ミュージシャンとして始まる。


▲The Honey Cone「Want Ads」(LIVE)

 パーカーは1954年、ミシガン州デトロイトに生まれた。50年代のデトロイトと言えば、やはり「モータウン」の影響を外しては語れないが、それはパーカーにしても同じだ。彼が10代の頃からハウスハンドの一員として活動の拠点としていたデトロイトの伝説的クラブ「The 20 Grand」は、しばしばタムラ/モータウン系のアーティストも出演した。若きパーカーはそこで腕を磨き、モータウン関連のリリースにも参加。その代表的な作品として、モータウンの派生レーベルであるホット・ワックスから71年にリリースされた、ハニー・コーンの「Want Ads」が挙げられる。パーカーが得意とするカッティング・ギターが冒頭からフィーチャーされた同曲は、全米1位という華々しい結果を残した。




▲Stevie Wonder「Maybe your baby」(LIVE)

 さらに、やはりモータウンつながりで、72年、パーカーはスティーヴィー・ワンダーの転機作『Talking Book』の「Maybe Your Baby」に参加。あのセント・ヴィンセントをして“自分が書きたかった曲”と言わせるこの珠玉のファンク・トラックでパーカーは、サイケデリックかつ変幻自在なギターを披露している(当時のライブ映像には若きパーカーも登場)。さらに翌73年には、次のステップとしてバリー・ホワイトズ・ラブ・アンリミテッド・オーケストラに加入。その他にも、1977年のレイディオの結成まで、スティーヴィー・ワンダー、ボズ・スキャッグス、アレサ・フランクリン、ハービー・ハンコック、ダイアナ・ロスなど、錚々たる面子のサポートで活躍し、プレイヤー/スタジオ・ミュージシャンとして、まずはキャリアを確立する。


順調なステップアップ~レイディオ結成からソロへ

 そんなパーカーにも独り立ちの時期が訪れる。1977年、キャリアの新たなステップとして、パーカーは4人組バンド、レイディオ(Raydio)を結成する。バンドは、パーカーの他、ジェリー・ナイト、 アーネル・カーマイケル、 ヴィンセント・ボナムというメンバーで、曲作りとレコーディングを開始。1年後の78年には、1stシングル「Jack And Jill」をリリースし、いきなりの全米8位を記録する。同年リリースしたセルフタイトルのデビューアルバム、『Raydio』も全米27位(R&Bチャートで8位)とセールス好調で、早くもバンドは軌道に乗り始める。


▲Ray Parker Jr., Raydio「A Woman Needs Love」

 そこからバンドはほぼ1年おきに2nd、3rdとアルバムをリリース。シングルでもヒットを飛ばし順調に活動を重ねていく。そして1981年、4thアルバム『A Woman Needs Love』をリリースすると、R&Bアルバムチャートで1位。さらにタイトル曲の「A Woman Needs Love (Just Like You Do)」は全米チャートで4位を取る大成功を収めた。バンドはそのヒットを置き土産にするように解散。パーカーは自身のソロキャリアへと歩を進めて行くことになる。



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ソロ期、そして運命の「ゴーストバスターズ」


▲New Edition「Mr. Telephone Man」

 パーカーをソロキャリアに押し出したものの一つが「A Woman Needs Love」の大ヒットで得た自信であったことは想像に難くない。ソロキャリアと並行して本格化したプロデュース業では、シェリル・リンの『In the Night』(1981年)、ニュー・エディション『New Edition』(1984年)、ランディ・ホール『Love You Like a Stranger』(1988年)、そして鈴木雅之『Love Overtime』(1989年)などを手がけた。中でも、ニュー・エディションに書き下ろした「Mr. Telephone Man」は、まさに「A Women Needs Love」以降のレイ・パーカーJr.印が満載の一曲で、こちらも全米12位のヒットになった。


 また、パーカーは70年代中盤に自身のスタジオ「Ameraycan Studio」(!)を設立。そこを拠点にソロ作品を発表していく。82年のソロデビューアルバム『The Other Woman』はR&Bチャート1位、翌年の2ndアルバム『Woman Out of Control』はR&Bチャート18位と、やや順位を落としたものの、安定した人気を誇っていた。


▲Ray Parker Jr.「Ghostbusters」

 そして1984年、パーカーにとって運命の一曲となる「ゴーストバスターズ(Ghostbusters)」が84年にリリースされる。改めて言うまでもなく、同名タイトルの映画『ゴーストバスターズ』のために書かれたこの曲は、映画の主題歌であると当時に最高にノリノリのパーティー・チューンでもあるという2つの車輪を持ち、文字通り世界中で大ヒット。パーカーにとって初の全米1位、さらに全英でも2位となり、まさに時代の1曲となった。また、パーカーは89年の『ゴーストバスターズ2』の公開に際し、ランD.M.Cとコラボした新版「ゴーストバスターズ」もリリースしている。


ゴーストバスターズ以降~ミュージシャンとしての円熟

 同映画がきっかけとなったのか、その後パーカーは俳優業にも進出。その一方でソロ活動を継続し、91年までに3枚のアルバムを発表。また87年のシングル「Over You」ではデュエットにナタリー・コール、共同作曲にバート・バカラックを迎えるなど、音楽性の拡大にも意欲を見せた。その後、一時的に活動ペースが落ち着いたものの、2000年頃からまた徐々に活動が活性化。旧知の中であるボズ・スキャッグスの『Dig』(2001年)等にセッション・ミュージシャンとして参加する一方、『Ray Parker Jr. with The Stage Of The Rhythm』と題し、2002年に日本の川崎・クラブチッタで行った本田雅人らとのセッション音源をリリース。また、2006年には約15年ぶりとなるオリジナルアルバム『I'm Free』をリリースしている。


▲Boz Scaggs - MEMPHIS (Official EPK)

 近年でも、やはりボズ・スキャッグスの『MEMPHIS』(2013年)、『A FOOL TO CARE』(2015年)やネイザン・イーストの初ソロ作『Nathan East』(2014年)に参加し、味わい深いギターを披露するなど、そのギターの実力は健在どころか、表現力の面ではむしろ高まっているとすら言えるかも知れない。現在公開中の前述の『MEMPHIS』のメイキング映像でも、豪華メンバーに交じってギターを披露する様子が確認できる。その意味で、今回の来日ステージは、往年のヒット曲と、今なお素晴らしいギターを同時に楽しむ絶好の機会となりそうだ。

レイ・パーカーJr.「グレイテスト・ヒッツ」

グレイテスト・ヒッツ

2016/12/21 RELEASE
SICP-5282 ¥ 1,080(税込)

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Disc01
  1. 01.ゴーストバスターズ
  2. 02.ジ・アザー・ウーマン
  3. 03.ユー・キャント・チェンジ・ザット
  4. 04.レット・ミー・ゴー
  5. 05.ウーマン・ニーズ・ラヴ
  6. 06.I STILL 愛してる
  7. 07.ジャック&ジル
  8. 08.恋するジェイミー
  9. 09.バッド・ボーイ
  10. 10.誓いのセイム・タイム
  11. 11.フォー・ゾーズ・フー・ライク・トゥ・グルーヴ
  12. 12.プリーズ Mr.DJ
  13. 13.ガールズ・アー・モア・ファン
  14. 14.二人のクリスマス

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