Billboard JAPAN


Special Contents

[Alexandros]『SNOW SOUND / 今まで君が泣いた分取り戻そう』リリース記念特集



[Alexandros] 『SNOW SOUND / 今まで君が泣いた分取り戻そう』 インタビュー

『JR東日本 2016-2017 JR SKISKI』“冬が胸にきた。”篇 CMソングとして話題の[Alexandros] ニューシングル『SNOW SOUND / 今まで君が泣いた分取り戻そう』を記念して、同作と歴代タイアップ曲の総合レビュー! [Alexandros]のメジャーデビュー以降の歴史を紐解いていく。

なぜ彼らはいま生粋のラブソングを歌うのか? 普遍性から紐解く[Alexandros]の深化

 2017年2月1日、[Alexandros]がニューシングル『SNOW SOUND / 今まで君が泣いた分取り戻そう』をリリースした。表題曲にはどちらもタイアップがついており、「SNOW SOUND」は「JR東日本 2016-2017 JR SKISKI」“冬が胸にきた。”篇のCMソングに、一方の「今まで君が泣いた分取り戻そう」は2月25日から公開となる映画『きょうのキラ君』の主題歌に抜擢されている。生粋のラブソング。今までの彼らにはあまりなかった傾向である。

 現代の日本では恋愛に興味を持たない若者が増えているとはいうものの、それでもやはり人類共通のテーマであることに間違いはないだろう。だからこそ名作として昇華するのは難しい。過激な言葉や突飛な内容で人を惹くのは案外簡単だ。もちろんその発想はひとつの能力ではあるものの、誰もが胸の内に秘めているだろう想いをストレートに表現しながら、凡庸、安直、軽薄……云々の域を出るにはかなりの力が必要となる。

 例えば村上春樹によるあのベストセラー小説『ノルウェイの森』は本人曰く“100%の恋愛小説”とのことだが、それまで村上春樹の作品を特徴づけてきたシンボリックなものが可能な限り削ぎ落とされ、長編小説としては初めて主人公に名前がつけられた。普遍的な社会を淡白なほどの文体で表現してリアリズムを突き詰めることにより、小説家としての力量を上げるという目的があったようだ。

 そういった意味で『SNOW SOUND / 今まで君が泣いた分取り戻そう』は、[Alexandros]の“変化”ではなく“深化”が見られる作品である。既にミュージックビデオも公開されている「SNOW SOUND」は、70~80年代的シンセの音と歌謡的なメロディが印象に残る冬のラブソングだが、約40秒と長めのイントロでは、ドラム、ピアノ、シンセと、段階的に音を重ねていくことによって、冬空のような開放感が生み出されている。低めのAメロからサビで一気にキーが跳ね上がり、四分音符で丁寧に下降するシンプルなメロディも秀逸だ。声の音域が広い川上洋平(vo,g)の魅力をよく引き立てている。

YouTube「『きょうのキラ君』本予告 90S」
▲YouTube「『きょうのキラ君』本予告 90S」

 一方、その川上が、映画の原作や台本から読み取った“大切な人に対しての包み隠さない愛情”を落とし込んだという「今まで君が泣いた分取り戻そう」は、序盤からストリングスを導入するなどサウンドに厚みを持たせながらも、構成は非常にシンプルなラブバラードとなっている。

 表題曲以外には、既存曲である「Dear Enemies」と「Swan」のライブ音源を収録。楽曲内に録音されているMCでは「俺たちのライブでは音源通りにやることが実はあまりないんです」と語られているが、[Alexandros]を“深化”させた「SNOW SOUND」と「今まで君が泣いた分取り戻そう」がライブではどのように“変化”するのか。2015年にメジャーデビューを果たしてから約2年、ここで一度、王道路線に足を踏み入れたことは、これから活動していく上でも極めて大きな意味を持つ。

テキスト:佐藤悠香

NEXT PAGE
  1. 「ワタリドリ」~「I want u to love me」
  2. Next >

「ワタリドリ」~「I want u to love me」

「ワタリドリ」(2015年)



●ショウゲート配給映画『明烏』主題歌 / アサヒビール『アサヒ ザ・ドリーム』CMソング
●シングル『ワタリドリ / Dracula La』収録

メジャーデビューシングルの表題曲として発表され、リリースから1年以上経ってからラグビーの五郎丸歩選手が出演のアサヒビール『アサヒ ザ・ドリーム』CMソングにも起用された。YouTubeの再生回数も自身最多の3700万回超という代表曲。

「Dracula La」(2015年)



●MBS/TBS系ドラマ『女くどき飯』主題歌
●シングル『ワタリドリ / Dracula La』収録

「ワタリドリ」とのダブルA面シングルの一角としてメジャーデビューを飾った。歯切れ良いギターカッティングに絡ませたキャッチーなシンセフレーズや、サビメロで一気に弾ける展開など、彼らの武器がいかんなく発揮された痛快なパワー・ポップ。

「Girl A」(2015年)



●関西テレビ・フジテレビ系ドラマ『サイレーン 刑事×彼女×完全悪女』オープニング曲
●シングル『Girl A』収録 / アルバム『EXIST!』収録

制作サイドのオファーにより、同ドラマのオープニング曲として書き下ろされた。90’sのデジタル・ロックを思わせるアグレッシブな疾走感の中にあっても、強烈に耳に残る川上洋平(vo,g)のハイトーンなボーカルメロディは圧巻。

「NEW WALL」(2016年)



●スマートフォンアプリ『テイルズ オブ ザ レイズ』テーマソング
●シングル『NEW WALL / I want u to love me』収録 / アルバム『EXIST!』収録

「ワタリドリ」に通じるマーチング調のリズムや、荘厳なストリングスの音色、高らかに響く雄叫びのようなコーラスなど近年のUKロックのムーブメントを感じさせるスケールのあるサウンド。新たな壁を前に放たれる力強いメッセージが胸を打つ。

「I want u to love me」(2016年)


●MBS・TBS系ドラマ『女くどき飯 Season2』主題歌 / NEC『LAVIE』TV-CMソング / 『KKBOX』TV-CMソング
●シングル『NEW WALL / I want u to love me』収録 / アルバム『EXIST!』収録

キャラクター性の強いイントロのリフをはじめ、白井眞輝(g)のギターが前面に押し出されたポップなロックチューン。畳みかけるようなリズムや小気味よいサビメロなど、軽やかな曲風ながら情感あふれるブレイクを挿入するなど、らしさを感じさせるアレンジも楽しい。
NEXT PAGE
  1. < Prev
  2. 「Swan」~「Aoyama」
  3. Next >

「Swan」~「Aoyama」

「Swan」(2016年)



●関西テレビ・フジテレビ系ドラマ「ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子」主題歌
●シングル『Swan』収録 / アルバム『EXIST!』収録

オートチューンを施した幻想的なボーカルメロディで幕を告げ、徐々に熱を帯びていく展開が壮大な意欲作。特に終盤、強烈なサビメロが轟く中にあってもスリリングに展開していくサウンドには凄味があり、シリアスな猟奇ミステリーに挑戦したドラマを彩った。

「Nawe, Nawe」(2016年)



●映画『ターザン:REBORN』日本版主題歌
●シングル『Swan』収録 / アルバム『EXIST!』収録

大地を揺るがすドラムロールとストリングスからはじまり、迫力のサウンドで綴られるミディアム・バラード。映画の監督がデモ音源を聴いて気に入ったため、日本語吹き替え版の他、字幕版や2D版、3D版でも主題歌に起用されることになったという逸話も。

「ムーンソング」(2016年)



●ユニバーサル・スタジオ・ジャパン『ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド』BGM / 三井住友カードApple Pay CMソング
●アルバム『EXIST!』収録

心地よいテンポの4つ打ちに歯切れ良いギター・カッティング、浮遊感のある幻想的なサビメロ、終盤に向けて高揚感を増していく展開などなど。彼ららしいアレンジも加えながら、あえて普遍性の高いアプローチに向かい合ったような潔さが印象的だ。

「Feel like」(2016年)



●カジュアルブランド『GLOBAL WORK』TV-CMソング
●アルバム『EXIST!』収録

一方、こちらはオシャレなギターフレーズに太めのリズミカルなベースと、近年大きなムーブメントになっているシティポップ調の軽やかさが耳に楽しい。なお、GLOBAL WORKのMusic Making Movieでは、メンバー4人のインタビュー動画も公開中。

「Aoyama」(2016年)



●Sound Reality seriesワイヤレスヘッドホンコラボムービー曲
●アルバム『EXIST!』収録

グルーヴィンなリズムが心地よいミドルテンポのダンサブルな1曲。前2曲も収録していたアルバム『EXIST!』は、デビュー以降の勢いを凝縮させた前作のスマッシュヒットを受け、さらに豊潤に開花した4人の音楽的素養をたん能できる楽曲が揃っていた。

[Alexandros]「SNOW SOUND/今まで君が泣いた分取り戻そう」

SNOW SOUND/今まで君が泣いた分取り戻そう

2017/02/01 RELEASE
UPCH-7226 ¥ 2,484(税込)

詳細・購入はこちら

Disc01
  1. 01.SNOW SOUND
  2. 02.今まで君が泣いた分取り戻そう
  3. 03.Dear Enemies (live at Zepp Tokyo 2016.12.5)
  4. 04.Swan (live at Yokohama Arena 2016.11.16)
Disc02
  1. 01.[Alexandros] 「EXIST!」 Launch Party at Roppongi Hills

関連キーワード

TAG

EXIST!
[Alexandros]「EXIST!」
2016/11/09
[CD]
¥4,212(税込)
購入画面へ
EXIST!
[Alexandros]「EXIST!」
2016/11/09
[CD]
¥6,264(税込)
購入画面へ
Swan
[Alexandros]「Swan」
2016/08/24
[CD]
¥1,404(税込)
購入画面へ
DJ KAORI’S JMIX Ⅶ
DJ KAORI 三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE [Alexandros] DOBERMAN INFINITY CAPSULE 水曜日のカンパネラ MINMI CTS「DJ KAORI’S JMIX Ⅶ」
2015/12/16
[CD]
¥3,024(税込)
購入画面へ
Girl A
[Alexandros]「Girl A」
2015/12/02
[CD]
¥1,404(税込)
購入画面へ
Girl A
[Alexandros]「Girl A」
2015/12/02
[CD]
¥2,484(税込)
購入画面へ

Special Contentsmore

小室哲哉×AbemaTV『TK MUSIC FRESH! by AWA』連載第1弾インタビュー
小室哲哉×AbemaTV『TK MUSIC FRESH! by AWA』連載第1弾インタビュー
小室哲哉が語る『TK MUSIC FRESH! by AWA』
スペンサー・ウィギンス初来日記念特集&思い出ソングのプレイリストを公開!
スペンサー・ウィギンス初来日記念特集&思い出ソングのプレイリストを公開!
“サザン・ソウルの秘宝”スペンサー・ウィギンスが奇跡の来日!鈴木啓志氏が軌跡を辿る。
ジャズの帝王マイルス・デイヴィスの甥ヴィンス・ウィルバーン・Jr.にインタビュー
ジャズの帝王マイルス・デイヴィスの甥ヴィンス・ウィルバーン・Jr.にインタビュー
ヴィンス・ウィルバーン・Jr.のインタビューと、バンドメンバー厳選のジャズプレイリストを公開
モーニング娘。'17(小田さくら単独/加賀楓&横山玲奈)『BRAND NEW MORNIN
モーニング娘。'17(小田さくら単独/加賀楓&横山玲奈)『BRAND NEW MORNIN
小田さくら「その歴史を守らないで何がモーニング娘。だ!」加賀楓&横山玲奈「モーニング娘。を引っ張っていける存在に―――」
小室哲哉『JOBS#1』インタビュー(Billboard JAPAN×RakutenMusic/楽天ブックス)
小室哲哉『JOBS#1』インタビュー(Billboard JAPAN×RakutenMusic/楽天ブックス)
小室哲哉、2017年春の音楽論。
マイケル・キワヌーカ 来日直前インタビュー
マイケル・キワヌーカ 来日直前インタビュー
「詞やサウンドの変化は、僕の新たな面だと受け止めてもらえれば」
SPRING FRESHNESS~フレッシュな才能たちによる今春注目の来日公演をピックアップ
SPRING FRESHNESS~フレッシュな才能たちによる今春注目の来日公演をピックアップ
マイケル・キワヌーカ/デヴェンドラ・バンハート/L.A.サラーミ/ユセフ・カマール
japan(finds) vol.14:Stephen Bishop
japan(finds) vol.14:Stephen Bishop
スティーヴン・ビショップが選ぶ”日本人に聴かせたいお気に入りの作品”とは?

Chartsmore