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キャット・デルーナ 『LOADING』来日インタビュー



キャット・デルーナ来日インタビュー

 米ビルボード・ダンス・クラブ・ソング・チャートで堂々の1位を獲得した「Whine Up」で2007年に鮮烈なデビューを飾った現在28歳のシンガー/ソングライター、キャット・デルーナ。NYブロンクスに生まれ、ドミニカ共和国で育ったこともあり、ラテン、レゲエやダンスホールなどを織り交ぜたオリジナリティー溢れる、パーティー・アンセムを次々とドロップし、一躍ラテン界を代表するポップスターに。

 世界的ブレイクする前のレッドワンをいち早く起用するなど、常にポップ・ミュージック・シーンをリードしてきた彼女が、2010年リリースの『インサイド・アウト』から約5年ぶりとなるアルバム『LOADING』を2016年10月7日に発表した。ここ5年の間にリリースされたシングルに加え、数多く収録されている新曲では自身のルーツに忠実でありながらも、EDM、トロピカル・ハウスなど最先端のサウンドを取り込み、来年リリース予定のフル・スタジオ・アルバム『Viva Out Loud』へますます期待が膨らむ充実の内容となっている。Billboard JAPANは、国内iTunes R&Bアルバム・チャートで1位を獲得した今作を引っさげて、約1年ぶりに来日したキャットをキャッチ。アーティストとして新たなフェーズへ突入した彼女に、『LOADING』はもちろん、新作について話を訊いた。

ファッションから音楽、すべてがインスピレーション

−−前回の来日は、1年前ですよね。

キャット・デルーナ:そう、プロモ・ツアーで来日してたわ。

−−今回の来日で楽しみにしていることはありますか?すでに、いくつかライブも行っていますよね。

キャット:米軍海兵隊キャンプ富士と沖縄のキャンプ・フォスターでライブをやったんだけど、すごくアメイジングだった。ちょうどニュー・アルバムがリリースされたばかりだったし。こんな場所にも私のファンがいるんだ、って知ることができた。それから大阪でもライブをやって、週末には東京でもライブをやるわ。アルバム・リリース・パーティーという名目だけれど、パフォーマンスをするのが好きだから、ライブもやるの。

−−ファンの人々も、さらに喜びますね。

キャット:そう、日本には1年に1回ぐらいのペースでしか来れないから。日本は大好きな場所だから、本当はもっと頻繁に来たいけど。さっき、スタッフに日本人の男性と結婚したいぐらい、って言ってたところよ。

−−(笑)。

キャット:ありえるかもしれないわよ。日本の文化やファッションも大好きだし。来日するたびに思うんだけど…日本に来るとすごくクリエイティヴになれるの。

−−なるほど、インスピレーションの源なんですね。

キャット:ファッションから音楽、すべてがインスピレーションよ。

−−日本人のアーティストの作品も聴くんですか?

キャット:特に好きなアーティストはいないんだけど、J-POPとそのサウンドが大好き。実は、J-POPのサウンドに影響を受けた楽曲を作ろうと試みているの。私が、J-POPって呼んでるだけかもしれないけど。こんな感じの、タララリララ~(歌いだす)…可愛い感じの。

−−女性ヴォーカル系のメロディですね。

キャット:すごく素敵よね。私は、60~70年代の音楽にも影響を受けているから、それに通ずる部分もあるな、と思って。

−−そして、最新作『LOADING』がリリースされました。iTunes JapanのR&Bアルバム・チャートでも1位になったそうですね。おめでとうございます。

キャット:ありがとう。まず、ナタルをフィーチャーしたシングル「Forever」が1位になって、とても驚いた。その上、アルバムも1位になったなんて。タイミングも抜群だった。私がちょうど日本に経った日で、その日は母の誕生日でもあったの。そして日本に到着したらすぐさま「1位になった、って聞いた?」って言われて。今作が、私にとって日本で初めて1位を記録した作品よ!とても驚いたし、感謝の気持ちでいっぱい。

−−今作は、ここ数年の間にリリースしたシングルと新曲が収録された作品なんですよね。

キャット:そう、実質EPなんだけど、自分では“プレ・アルバム”って呼んでる。なぜかというと、過去の曲に加え、次回作『VIVA OUT LOUD』に収録される楽曲の方向性を示す新曲が収録されているから。日本では、ある程度成功を収めることができて…考えてみれば、日本は過去のアルバムもアメリカより先にリリースされているのよね。だから、新曲「Make Me Sweat」、「No Another Me」とか、日本のファンにいち早く聴いてもらいたかったの。新曲をリリースするのは、いつでもグレイトな気分よ。これから私にとっての新たな一章の全貌が明らかになるわけだけど、まずその一部を聴いてもらって、その反響がいいと嬉しいものじゃない?だから、『VIVA OUT LOUD』をリリースするのが待ちきれないわ!音楽的なディテールや曲の内容、この世のものとは思えないほど素晴らしいものに仕上がってる。



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ファニーでちょっと風変わりな性格に見えるかもしれないけど、根はとても真面目
歌、作曲、共同作曲、なんでもやる

−−では、まず『LOADING』のオープニング・トラック「Waves」について教えてください。まさに夏にピッタリな1曲ですが、これまでのキャットのサウンドとは全く違い、驚きました。

キャット:イエス!よく言われるんだけど、嬉しいわ。そこがアーティストである醍醐味―常に成長し、変化していかなければならない。みんな忘れてるかもしれないけど、私ってもともとオペラ・シンガーだったのよ。そう聞くとちょっとダサいイメージだけど、私はクールで、ダンスやファッションにも興味がある。この曲を聴いた時、なぜかその当時の記憶を呼び起こした。当時、私はパフォーマンス・アーツ専門の高校に通っていた―ホイットニー・ヒューストン、サラ・ヴォーン、セビアン・グローバーなど名だたる人々を輩出した学校よ。だから、インスピレーションが夏ってわけではないけど。メロディとビートが、私のアーティスト魂を燃えさせるの。(歌いだす)ララララララ~、すごくビューティフルな曲でしょ。



−−そして「What A Night (feat. Jeremih)」では、ザ・フォー・シーズンズの名曲を取り上げ、モダンにアップデートしていますが、これも新鮮な試みでしたね。

キャット:たしか、2014年にタヒチで初めて聴いたの。私がこれまでに行った最大規模のショーだったんだけど、せっかくプロモーターが素晴らしい大豪邸を手配してくれたにもかかわらず、一緒にパーティーする人がいなかった。だから、クルーやスタッフを全員招待して、パーティーしたの。その時に、この曲で取り上げたザ・フォー・シーズンズのバージョンを聴いたんだけど、ハイチだからフランス語だった。思わず聴き惚れてしまったわ。私は、北ニュージャージーで育ったんだけど、のちにザ・フォー・シーズンズも同郷出身だって知ったし。

その後、スタジオで新しいサウンドを模索しながら、 A-WALLやUKのDa Beat Freakzをはじめ、様々なプロデューサーと作業をしていた。彼らは、クレイジーなアイディアを思いついてばかり。ある時、私が「December, 1963 (Oh, What A Night)」のメロディをジョークで、歌いながら歩いてたら、「ちょっと、こっち来て。それまた歌ってみて。」って言ってきたの。「え、これザ・フォー・シーズンズの曲よ。」って答えたことがきっかけとなって、ヒップホップ・ヴァージョンを作ることになった。既に素晴らしい曲だったのに、あのジェレマイが参加してくれることになった。すごい驚きだったわ。一か八かで打診したら、快諾してくれたから。

−−ジェレマイを選んだのは、彼の独特なヴォーカルに惹かれてですか?

キャット:彼のヴォーカルは、すごくしなやかでしょ?同様に、私もしなやかに歌いたかったのよ。それに彼がスタッカートをつけて歌うのが好きなの。私自身は、逆に力強く歌いあげるタイプだから。一緒にスタジオに入った時に彼に「キャット、その歌い方じゃダメだよ。喋るように歌わないと。」って言われたわ。だから、この曲は私にとって新たな挑戦だった。最終的には、いい感じに仕上がったけど。

−−しかも、曲中にプリンスへのオマージュもありますよね。

キャット:え!?

−−“Party like it's 1999”という詞の部分です。

キャット:言われてみれば、そうね!全然気づいてなかった。きっと作詞したサムが入れたんだわ。今度、彼に訊いてみなきゃ。それこそアメイジングよね!



−−「Make Me Sweat」では、キャットのルーツであるダンスホールやラテンを最新のエレクトロ・サウンドで昇華させています。

キャット:実は、この曲は今作に入れるか迷った曲なの。新しいサウンドをトライしたいけど、自分のルーツを捨てることはしたくなかった。私が2007年にデビューした時、自分のルーツを織り交ぜた、今までにないサウンドを提示した。私はラティーノだけど、アメリカ人でもある。その部分は失いたくなかった。それをみんなに思い出させるような曲を作りたかった。曲を聴いた時、2007年になぜこの組み合わせが、あんなにもヒットしたんだ、って理由がわかったような気がした。偶然ではなく、意図的なものよ。私には、“ラテン・ソング”が必要!そして今回はさらにポップに仕上げたかった。だから、今までほどラテンに傾倒していないけれど、セクシーで、そのヴァイヴが感じ取れると思うの。

−−では、これまでリリースしてきた「Stars」や「Wild Girl」をさらにモダンした、EDMの要素も感じられる、ナタルとのコラボ・トラック「Forever」の制作プロセスについて教えてください。

キャット:これは、長年構想を温めてきた曲。常にスタジオで過ごしてるから、100曲ぐらいストックがあるって言ったら、本当に100曲あるの。ファニーでちょっと風変わりな性格に見えるかもしれないけど、根はとても真面目。歌、作曲、共同作曲、なんでもやる。あなたがEDMの部分に着目したのは面白いわね。トレンドに意識的ではある。この曲の詞は、歌い方によってはありきたりなポップ・ソングにもなりえるから、ヴォーカルにこだわった。次回作の大きなヒントとなる曲よ―サウンドとヴォーカル面において。アルバムに収録されているどの曲にもストーリーがある。たとえば、この曲ではヴォーカルのとり方をもっと意識的にやりたいとか、この曲ではラテンを探求したいとか。

−−わかりました。ちなみに、プロダクション面に関してはどの程度携わっているのですか?

キャット:私たちは、“ビッグ”かつ“スモール”なチームなの。創造力に関しては“ビッグ”だけど、人数は最小限だから“スモール”。みんなに可能な限りにクリエイティヴになってもらって、そこから私が良し悪しを判断していき、こういうサウンドに仕上げてほしいって、意見する。まずは、<Cape Republic>や私のキャリアにおいて多大な影響を持つタイローン・エドモンドらと、クリエイティヴ面において今後のプランを立てて進めていく。すべて計画されたことなの。ある程度はね。自分を制限したくないから。

私ってとにかくクレイジーなんだ。「キャット、この音符を歌ってみて。」って言われても、レコーディング・ブースに入るまでにどの音譜か忘れちゃって、違うのを歌っちゃって、「こっちの方がよくない?」ってなることもあるし。



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自分らしくあり続けること、そして音楽活動を始めた頃の自分を忘れないことが大切

−−「Over You」に参加したイェーミ・アラデとのコラボはどのような経緯で実現したのですか?キャットが、女性ヴォーカリストとコラボするのは稀ですよね。

キャット:私は力強い女性が大好きで、イェーミはその一人。彼女は自分が愛することを貫くというスタンスを象徴している。アフリカ出身で、これまで実りのあるキャリアを歩んできた。彼女のことは、私のプロダクション・チーム、Da Beat Freakzを通じて知ったの。彼らもアフリカ出身だから。コラボに関しては、新入生みたいなフレッシュな見解を持ってるの。「あの人が気になる。あの人と何かやってみたい。」ってぐあいに。で、実際に打診してみて、実現するか、しないかよ。今作を作るのに1年半かけた。一般的には時間を長くかけすぎ、と思われるかもしれないけれど、とてもリラックスして取り組めた。彼女の歌声は、ほんと最高よね!

−−普段から新たな才能を積極的に発掘するように努めていますか?

キャット:そうね、私だけじゃなくて、私のスタッフもアンテナを張って、教えてくれる。「この人となら相性がいいんじゃない?」とか。で、私が実際に聴いてみて、「いいじゃん!」って。それに新鋭プロデューサーと仕事するのが好きだし。ビッグネームじゃないからって、才能がないとは限らない。私はとても恵まれていると思う。これまで自分よりビッグなアーティストと何度もコラボする機会を与えられた。それは、音楽面においてリスペクトされているという意味でもあって、とても感謝している。



−−この数年間で、ソングライティングのアプローチに変化はありましたか?

キャット:成長するとともに、変わっていくもの。でも、駆け出しの頃の“子供らしさ”を決して忘れてはダメ。私が初めて曲を書いたのは9歳の時だけど、「曲を書こう」と思って出来上がったものではない。当時、ドミニカ共和国からアメリカに引っ越してきて数年しか経っていなくて、英語もほぼ話せなかった。それに両親が離婚する寸前で、どうしたらいいかわからなかった。いまだに、その曲を大事にとってあるんだけど、9歳の子が書いたとは思えない詞よ。自分らしくあり続けること、そして音楽活動を始めた頃の自分を忘れないことが大切ね。なかなか難しいことだけど。ヒット曲は毎日生むことができるものではないけど、毎日少しずつ努力してる。「Drop It Low」は、ラジオでヒットするような曲ではなかったし、「Wanna See You Now」だって今までアルバムに収録されていない曲で、ファンのために作ったものだけど受け入れられたしね。

−−では、ヴォーカルに関してはどうでしょう?

キャット:力強くなっている。

−−表現力も年々増しています。

キャット:ありがとう。これだけは言いたいんだけど、ファンは表向きの部分しか見ることできない。特に2007年にデビューした時は…何かと箱に押し込められた。みんなが次にどんなことをするのか、ってあら探しをしたがる。最初にソニーと契約した時、彼らは本当にいい仕事をしてくれた。けれど、もともとシンガー・ソングライターだからって、ずっとバラードばっかり歌ってたら、今どうなってるかな、ってたまに考えることがある。熱烈なファンだったら、私がオペラ調に歌い上げることもできて、8オクターヴ歌えることを知っているけど、そういった側面をすべて見せきれていない。そこで自分らしくなりたいと思って、<Manhattan Records>と<Republic>と契約した。いま、私はとてもハッピー。まだ、ここでは終わらない。今後リリースされる新曲をぜひ聴いてほしい。『VIVA OUT LOUD』では、ヴォーカリストとしてさらなる成長を遂げているから。

−−では、気になる『VIVA OUT LOUD』について明かせることがあれば教えてください。完成しているのですか?

キャット:既に完成していて、来年リリースする予定よ。出来には、ハッピー&エキサイトしていて、これだけ時間がかかったことにも満足している。じゃなきゃ、『LOADING』もリリースされなかったわけだし。アーティストの人生は様々で、どのキャリアにも物語がある。一気にブレイクするアーティストもいれば、時間がかかるアーティストもいる。身の回りのスタッフやチームにはものすごく感謝しているし、ひとつも変えたいことはない。

ひとまず『LOADING』を楽しんでほしい。レコーディングをしてる時は、曲や創造プロセスにどっぷり浸るのがエキサイティングだけど、いざリリースされるとそこから独り歩きしていって、みんなのリアクションはもちろん、曲に新たな見方も生まれる。だから、とてもエキサイトしてるの。

私が収録曲の中で一番気に入っているのは、「No Another Me」。曲の中に、“I'm breaking free”っていう詞があるんだけど、一人の女性、人間、アーティストとして、様々なレベルにおいて今の自分を的確に表現してるから。

−−今後の曲のテーマはどんなものになりそうでしょうか?

キャット:やはり、自分の実体験に基づいたアウトプットをすることが大切だと思う。『LOADING』では、一人の女の子、そして女性であることを探求した―失恋、恋愛、パーティー。それにタブーなことも取り上げている。みんなが話さないような…。

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−−タブーの話があがったので質問なのですが、かなり挑発的で際どい「Bum Bum」のミュージック・ビデオに込めた想いは?

キャット:(笑)。当時、キム(・カーダシアン)が、ああいう際どいことをやってたじゃない?今もまだやってるかもしれないけど。「私は女性よ。だから何?これが私。」みたいなアティチュード。私も日本のように伝統を重んじる小さな島国育ちで、あんな風に振舞うのは特にタブーだった。「胸が見えすぎ」とか言われてね。でも、だから何?みんな同じ人間じゃない、って感じでしょ。そして多くの女の子たちが、そういうアティチュードを公にするようになったから、私もやってみたい、やろう、って決意した。デビューしてから、そんなに肌を露出することもなかった…そうする必然性もないけど。女性であるということには、ものすごく力強いパワーがあると思うの―髪、目、肌、神が作ってくれたありのままの姿。裸であるのは美しい、裸の赤ちゃんが美しいように。だったら、それを受け入れなきゃ。常に「女性はこうあるべき。」って言われても、それに従わなくていい。自分が好きなようにすればいい。それを伝えたかったの。

ビデオに関しては、トレイにレコーディングされているという設定ね。私は小さな箱に入ってるでしょ。この年齢でこんなこと言うのは変かもしれないけど、一応ママに「Tバックを履いてて、肌の露出も多いんだけど…」って、確認した。そしたら、「自分がやりたいことを貫きなさい。」って言ってくれた。インスピレーションは、ケイト・モスと素晴らしいメイクアップ・アーティストで写真家のケヴィン・オークイン。反響も良かったから、やって良かった。それに、あの三つ編みは自分で作ったのよ。



−−非常にトレンドの移り変わりの激しいポップ・ミュージック・シーンで、自分や自分のヴィジョンに忠実でいるのは難しいことですよね。

キャット:まず、朝コーヒーを飲むの。しかもエスプレッソを3杯も。そして自分にこう言い聞かせるの。「キャット、思いついたことはすべて言葉にしなさい。」って。クレイジーに聞こえるかもしれないけど、本当よ。人生を最大限に謳歌してるし、楽しいことが大好き。私の悩みはプラス思考なことで、どんな人を見てもポジティブな部分を見い出す力がある。曲、人生をいかに良くしていくか、それしか頭にない。そうやって、自分に正直であり続けるの。家族も超“リアル”だしね。特にママは最高。彼女のことは心から愛してる。

−−では、現代のポップ・ミュージック・シーンは、エキサイティングだと感じますか?

キャット:う~ん、どうかな。自分がどこの国いるかにもよるけど。チャレンジングって言った方が妥当かな。今の音楽業界は、ものすごいスピード変化していっている。日本が好きなのは、フィジカルにまだ価値があるから。ポップ・ミュージックは絶え間なく生まれ、次から次へと消費されていく…。ヒップホップやR&Bがポップ・ミュージックに浸透していっているのはいいことだと思うけど。

−−テイラー・スウィフトがケンドリック・ラマ―とコラボをしたり、隔てが無くなっていますよね。

キャット:そうね。私が作ってきたポップ・ソングも色々なサウンドがミックスされたものが多い。ポップはモンスターだけど、真剣に取り組む価値があるもの。これまで、ポップやR&Bチャートにランクインできて、成功を収められたことも感謝してるけど、かなりタフよ。でも、私はすごくハッピー。

−−音楽を作る理由に変化はありますか?

キャット:イエス!駆け出しの頃は、シンガーになりたいという、単なる夢だった。そしてパフォーマンスを続けていき、マダガスカル公演では1万人の観客が観に来てくれた。タヒチでは4万人。アメリカでは、あまりパフォーマンスしないんだけど、他の国では大規模なコンサートに出演できるようなった。自分の音楽がそんなにも大勢の観客が共鳴していることは、私にとって贈り物でしかない。だからこそ、ハッピーな曲しか歌わない。私の思い通りになるんだったら、死ぬまで世界中のステージを股にかけ、人々にポジティヴになれることを証明したい。

−−最後にキャットのファン“DeLunatics”との長年の関係性について教えてください。

キャット:彼らはアメイジング!かれこれ10年の付き合いになるんだけど、他にはいないわ。とても忠実で、音楽に関しても頭が切れる。地に足のついた、ハッピーな人々で、心から愛してる。私は、ファンだけじゃなくて、様々な人々に影響を与え、必要な時に頼れる存在になれれば、と思ってる。

−−ポジティブなサイクルですね。キャットがファンに影響を与え、ファンもキャットに影響を与えていて。

キャット:その通り。たまに、彼らが気に入らないことをやって、追い込んでしまうこともあるけど、私だって人だから。インタグラム、スナップチャットも頻繁に更新してる。最近、SNOWもダウンロードしたの。沖縄に行ったときに、12歳ぐらいの日本人の子たちとSNOWを通じて友達になったわ。とってもキュートな子たちよ。

−−それでは、日本の“DeLunatics”にメッセージを。

キャット:サンキュー、アリガトウゴザイマス、アイシテル!日本からのサポートは、私と私のキャリアにとって大きな意味がある。みんながいなかったら、私はキャットではないわ。2007年に初来日してから、どれほど人生を大きく変えてくれたか、言葉にできない。アイラヴユー。これからもっと曲をリリースするし、ニュー・アルバムのリリースも楽しみにしてて。これからもみんなで一緒に成長していこう!

キャット・デルーナ来日インタビュー

キャット・デルーナ「LOADING JAPAN DELUXE EDITION」

LOADING JAPAN DELUXE EDITION

2016/10/07 RELEASE
LEXCD-16023 ¥ 2,530(税込)

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Disc01
  1. 01.WAVES
  2. 02.WHAT A NIGHT (FEAT.JEREMIH)
  3. 03.MAKE ME SWEAT
  4. 04.FOREVER (FEAT.NATEL)
  5. 05.WILD GIRL
  6. 06.OVER YOU (FEAT.YEMI ALADE)
  7. 07.CLOSE MY EYES
  8. 08.BUM BUM (FEAT.TREY SONGZ)
  9. 09.NO ANOTHER ME
  10. 10.STARS
  11. 11.GETAWAY
  12. 12.WANNA SEE U DANCE (LA LA LA)
  13. 13.DROP IT LOW (FATMAN SCOOP MIX)
  14. 14.WHAT A NIGHT (FEAT.JEREMIH) [DBB “TROPICAL” REMIX]
  15. 15.WHAT A NIGHT (FEAT.JEREMIH) [2WISTED REMIX]
  16. 16.WAVES (DJ FUMI★YEAH! REMIX)

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