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モーニング娘。'15 鞘師里保卒業インタビュー



モーニング娘。'15 鞘師里保卒業インタビュー

 モーニング娘。の鞘師里保を超えていく為の卒業。
 17歳の決断、終わりなき空へ。

武道館の空間を自由に探検させてもらって……うふふふ(笑)

--鞘師里保にとって最後のモーニング娘。ツアー、昨日で全工程終了。おつかれさまでした。ツアーを終えた今の率直な心境を聞かせて下さい。(※このインタビューは、ツアー最終公演翌日12月9日に行われた)

※モーニング娘。'15『冷たい風と片思い』(Morning Musume。'15[The Cold Wind and Lonely Love]) (Promotion Edit)
※モーニング娘。'15『冷たい風と片思い』(Morning Musume。'15[The Cold Wind and Lonely Love]) (Promotion Edit)

鞘師里保:まだ浮かれてます(笑)。

--浮かれてる?

鞘師里保:ハハハハ!

--武道館を「わーい! すごい! ひとり占めだぁ~!」と走り回っていたときの幸福感がまだ続いてる?(※詳細はこちら→http://www.billboard-japan.com/d_news/detail/33734

鞘師里保:はい(笑)。

--よっぽど楽しかったんですね。

鞘師里保:いまだに「わーい!」感が凄い。だって、武道館ですよ? 武道館が私の赤一色になるって凄いなぁと思って!(※赤は鞘師里保のイメージカラー)

--うんうん。

鞘師里保:ひとりでセンターステージに出て行ったときに「凄いな、これ!」「めっちゃ私のこと見てる、みんな!」と思って。約10000人。最後は私ひとりだったんで、みんな私のことを見ていたと思うんですよ!

--間違いなく見てましたよ(笑)。

鞘師里保:それが凄いなと思って! そのときの感覚がまだ抜けない。

--先輩の卒業公演で会場が一色に染まる場面は見てきたと思うんですけど、自分の色でそれが体験できるとは想像もしていなかった?

鞘師里保:そうですね。以前は自分が卒業するなんて考えてもいなかったので、その光景が目の前に広がっていることが不思議でならなかったし、先輩方の卒業公演でそういう光景は観てきましたけど、昨日みたいなダブルアンコールってあんまりなかったと思うんですよ。卒業するなら卒業セレモニーでお手紙を読むか、考えてきたことを話すかだったと思うんですけど、あの瞬間、私は本当に自由にやらせてもらっていたので、本当に満喫した感じがします。あの武道館の空間を自由に探検させてもらって……うふふふ(笑)。すごく楽しかったです。

--完全に童心に戻ってましたもんね。公園で遊んでいるかのように武道館で遊ぶという、贅沢な時間(笑)。

鞘師里保:本当に無邪気に楽しんでいたというか、純粋に嬉しかったです。凄かったですね。本当に「わーい!」って感じでした。

--ただ、ツアー終盤は、千秋楽まで休みなしで連日ライブ。正直言って肉体的には限界超えていたんじゃないですか?

鞘師里保:めちゃくちゃ心配でした、「武道館あるのに大丈夫かな?」って。しかも盛岡の夜は恒例のわんこそば大会もやってたんですよ! 内臓にも負担かかってるから大丈夫かなって(笑)。そう思っていたんですけど、全然疲れてないんですよ。不思議です、本当に。メンバーと「なんで今日こんな元気なんだろう?」っていう話をしていて……心配はしていたけど、全くです。全く大丈夫でした。

--それだけ良いツアーが出来たのかもしれないですね。

鞘師里保:とにかく楽しかった。充実感に溢れたツアーになりました。

--その中で迎えた最後の武道館公演にはどんな印象を?

※モーニング娘。 「One・Two・Three」 (MV)
※モーニング娘。 「One・Two・Three」 (MV)

鞘師里保:私も最後のツアーだったんですけど、モーニング娘。'15と名乗っていられる最後のツアーでもあったので、全国廻ってきて「集大成を見せたいな。モーニング娘。'15はこうです! こうでした!っていうものを見せたいな」って思っていたので、その気持ちは届いたんじゃないかなって思うし、体力的にもどんどんどんどんキツいセットリストになってきている中で……毎回「これはキツ過ぎる!」ってマネージャーさんに言いたくなるんですけど(笑)、それでも頑張ったら出来ちゃうんですけど! 毎回毎回私たちの限界を観せられた気がしています。「今観せられるギリギリまで観せてます!」みたいなツアー、そして武道館公演が出来たと思います。

--では、完全燃焼感はある?

鞘師里保:ありますね。もしかしたら次のツアーで他のメンバーが「前のツアーより凄いことやってますよ」って言うかもしれないけど、でも今出来る限りのことはやったと思います。

--卒業公演ではないけれども、モーニング娘。での最後のワンマンライブ。気持ちの置き所に戸惑ったりはしなかった?

鞘師里保:私のわがままかもしれないんですけど、モーニング娘。'15としてのツアーをちゃんと終えて、その後の12月31日に卒業コンサート(※ハロー!プロジェクトのカウントダウンライブ)がある流れのほうが気持ちを持っていきやすいと思ったんです。多分、昨日が卒業公演だったら私の本領は発揮できていなかったかもしれなくて。アガり性なので! 卒業発表のときもそうだったんですよ。1回ブログに書いて発表して、そのあと改めて広島で自分の言葉で伝えたんですけど、最初の発表が広島公演だったらファンの人にちゃんと届かなかったかもしれないなって思ってるんです。だから本当に私のわがままなんですけど、段階を踏んで卒業に向かっていくことが自分には合ってるやり方だなと思って。だから武道館で泣いちゃったのは自分の中では後悔なんですけど(笑)。でもいろんな思い出を1日でバババって作るんじゃなくて、モーニング娘。'15の単独ツアーでも作る、その後のイベントでも作る、バスツアーでも作る、そして最後のハロコンでも作る。時間はその分かかるんですけど、でもひとつひとつちゃんと思い出を噛み締めながら卒業していくほうが良いなって思っていたので、武道館もやりづらさやもどかしさはなかったです。

--12月31日【Hello!Project COUNTDOWN PARTY 2015 ~ GOOD BYE & HELLO ! ~】は鞘師さんの卒業セレモニーもあるんでしょうか?

鞘師里保:その予定で進んでます。

--そこで鞘師里保のモーニング娘。人生は完結する訳ですが、鞘師里保個人の人生としては「まだ何にも終わっていない」という想いもあったりしますか?

※モーニング娘。 『まじですかスカ!』 (鞘師里保 Solo Close-up Ver.)
※モーニング娘。 『まじですかスカ!』 (鞘師里保 Solo Close-up Ver.)

鞘師里保:私はモーニング娘。での5年間にすごく満足しているんですけど、ファンの皆さんから見たら「もっとモーニング娘。の為にやるべきことはあるんじゃないか?」「まだ早すぎるんじゃないか」と思うかもしれないなとも感じていたので、自分で満足しているから卒業を決めた訳なんですけど、それこそ武道館で盛大に送り出してもらうのは申し訳ない気持ちもちょっとあって……自分の安心できる空間で卒業したかったんです。それと、丸5年というタイミング。私は1月2日に加入したんですけど、ハロー!の1年は1月2日に始まって12月31日で終わるので、ちょうど丸5年になる12月31日、私が「モーニング娘。になりましたぁ!」と言った中野サンプラザ。私が一番安心できる場所で卒業するのが一番良いなって思って。だからそこでちゃんと自分の気持ちが言えたらいいなって思っています。でも完全に芸能界から消えるっていう可能性は今のところ低いので……

--続けていくつもりではいるんですよね?

鞘師里保:そうですね!

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本能のままに、気持ちのままに、感覚のままに生きている

--では、核心に迫りますが、何故このタイミングでの卒業なんでしょう?

※モーニング娘。'15『今すぐ飛び込む勇気』(Morning Musume。'15[the courage to jump in right now]) (Promotion Edit)
※モーニング娘。'15『今すぐ飛び込む勇気』(Morning Musume。'15[the courage to jump in right now]) (Promotion Edit)

鞘師里保:「私はモーニング娘。に10年いるメンバーじゃないんだろうなぁ」って活動している中で思っていて。「道重さんたちみたいに格好良く卒業したいなぁ」っていう理想はあったんですけど、それでずっと気を張ってステージに立ったりとか、発言したりとか、今までしてきたんですけど、どこかで「自分らしく」っていう考えが芽生えたというか。それで私の本当の姿でいられるんだったら、それが一番かなって。もしかしたら何かに言い訳しているのかもしれないけど、そういう風に思ったんですよ。それで突然の卒業発表だったり、発表してからラストライブまでが2ヶ月という短い期間になったりしたんですけど、すみません! これが私のやり方なんです! ……それを受け入れてもらえるように最後まで活動していかなきゃなって思ってます。

--なるほど。

鞘師里保:あと、卒業を決断したのは、いろんな人に支えられてここまでやってきたんですけど、17歳で卒業するのは若すぎる感じもすると思うんですけど、でも大人になっていくにあたって、小学生からモーニング娘。にいたので「社会勉強しなきゃ」っていう不安もあって。感覚も他の同世代の子とは違うと思うし、もしかしたら知らないうちに非常識なことをしちゃうんじゃないかっていう。大人になってから。大人になって出来上がってしまったら治しきれないんじゃないかなっていう不安もあって、「だったら今のうちに」っていう気持ちもあったし、私はパフォーマンスすることが大好きなので、そのパフォーマンスの、表現の幅を広げられるようになりたいなと思って。

--その為の卒業でもある?

鞘師里保:モーニング娘。にいるおかげでここまで私は成長できたけど、でもやっぱり外に出てみたら違う感覚を得られる訳じゃないですか。どこに行くにしても。そこで新しい発見をしたいなっていう……それを考え始めて迷ったり、悩んだりしながらモーニング娘。にいることは……申し訳なかったというか、嘘をついてる感じがする。嘘をついてる感じがしてならなくて……2ヶ月っていう期間。半年とかは違うなって。なんて説明したらいいか分かんないんですけど。

--飛び出そうとしている気持ちのまま、それこそ卒業を発表してから半年もモーニング娘。で在り続けることは、申し訳なく感じた?

鞘師里保:そうですね。だけど、ファンの皆さんは今までずっと応援してくれていたから、そのお礼はちゃんとしなきゃいけないし、したいと思ったからそれに十分な時間は欲しかったんです。それが2ヶ月。

--かつて宇多田ヒカルが活動休止したのも「15才からずっと音楽ばっかりやってきました」「とても偏った経験しかしていません。人として、成長しなければなりません」といった理由でしたが、鞘師さんの卒業理由もそれに近い感覚?

鞘師里保:どうなんでしょう? 私はめちゃくちゃ大スターって訳でもないので(笑)。でもだからこそちょっとしたズレにも気付かなかったら不安。私がめちゃくちゃ大スターで大金持ちだったら(笑)それはそれで吹っ切れていいと思うし、なんとなく未来の想像はつくと思うんですよ。でも私はそうじゃないから、ここでちゃんと未来のことを考えなきゃいけない。

--いつ頃からそういうことを考え始めたんですか?

※モーニング娘。'15『夕暮れは雨上がり』(Morning Musume。'15[The Sunset After the Rain]) (Promotion Edit)
※モーニング娘。'15『夕暮れは雨上がり』(Morning Musume。'15[The Sunset After the Rain]) (Promotion Edit)

鞘師里保:未来についてはここ2年ぐらいで考え始めて、ちゃんと卒業するかどうかを考え始めたのは今年に入ってからです。モーニング娘。'15としてまた新たな形を、若手メンバーだらけになったモーニング娘。だけど、ちゃんと世間に伝えたい。そういう想いに対して、自分個人の考えがどうしても入ってきてしまっていたので、考え事が多くなっちゃって……。

--そこから決断に至るまでの気持ちの変遷を探らせてもらってもいいいですか?

鞘師里保:はい。

--鞘師里保は、野中美希(12期)も言っていた通りストイックな一面を持つメンバーでしたが、それはモーニング娘。への愛情。「私がこのモーニング娘。をもっと凄いグループにするんだ」という気持ちの表れだと思っていました。そこはどう?

鞘師里保:その気持ちはもちろんあったんですけど、ストイックって言われると「ストイック?」って思います(笑)。昔に比べたら全然減ったけど、寝坊癖もあるし、どの部分に対してストイックだと思われていたのか正直分からなくて。少なくともマネージャーさんは私のことをストイックだとは思っていない。

--寝坊するし、忘れ物するし(笑)。

鞘師里保:書きものの〆切守らないし(笑)、ストイックと思われたことはないと思うんですけど、でもコンサートに対してはすごく本気というか。自分の好きなことだからだと思うんですけど。

--以前、リハーサルの合間に鞘師さんにインタビューしに行ったら「首が動かなくてすみません!」って言ってて、どこまで自分を追い詰めるんだ?と思いました(笑)。

鞘師里保:ハハハハ!

--そういう面がストイックに映っていたんじゃないですか?

鞘師里保:普段から大きい作業に対しては「やるの、めんどくさい」っていつも思うんですけど、やり始めたら「時間ですよ」って言われても止められないんですよ。一度熱中すると「もうちょっと待ってください!」ってなる。基本は面倒くさがりやなんですけど、突き詰めたいと思ったらやり通すタイプ。自分が「今、やりたい!」と思ったら徹底的に練習する。本能のままに、気持ちのままに、感覚のままに生きているので、多分「モーニング娘。の為なら!」という想いよりは、純粋にモーニング娘。の曲が好きだし、パフォーマンスすることが好きだったので、この5年間、自分の中で極め続けたいと思えたし、それで自分の成長を自分で感じられたら観てほしいし、伝えたいなって思うんです。やっぱり自信のない姿でステージには立ちたくない。その為にいっぱい練習して自信が持てるところまで変われたから「今のモーニング娘。を観てほしい」と思えた。

--また、昨年11月の道重さゆみ卒業を受け、彼女のイズムみたいなものを継承しながら新しいモーニング娘。を作っていく。その意思は鞘師さんの中にも強くあったと思うんですが、実際のところはどうだったんでしょう?

※モーニング娘。'14 『時空を超え 宇宙を超え』(Morning Musume。'14[Beyond the time and space]) (Promotion Ver.)
※モーニング娘。'14 『時空を超え 宇宙を超え』(Morning Musume。'14[Beyond the time and space]) (Promotion Ver.)

鞘師里保:道重さんの「モーニング娘。が大好きだ!」っていう気持ちがあって、モーニング娘。を大事にしてきた姿は見てきていたので、「自分もモーニング娘。でいるんだ!」っていう意識とかプライド、そういうものは忘れないでいたいなと思っていて。最近、アクロバットとかダンスだけを見せる場面があったりとか、新しいことに挑戦していて形は変わっていっているけど、でもモーニング娘。には歴史があって、今までがあるからこそ今があることは忘れないようにしようって思っていたし、それこそリーダーの譜久村聖ちゃんはモーニング娘。のこともハロプロのことも大好きだから、誰よりもそういうことを考えてメンバー全員と話し合ったりしていて、それは後輩たちにも伝えていけているかなって。12期の4人にも徐々に染み渡ってると思います。

--鞘師里保もその伝え手で在り続けると、それこそ道重さゆみ卒業以降は鞘師さんがエースとしてモーニング娘。を引っ張っていくんだと、信じて疑わなかったファンもたくさんいたと思うんですけど、それが分かっている中で卒業を決断するっていうのはプレッシャーだっただろうし、相当葛藤したんじゃないですか?

鞘師里保:いろんなことを考えたんですけど……

--例えばどんなことを考えました?

鞘師里保:……まず卒業についてすごく考えたんですけど、モーニング娘。をこれから何年かは引っ張っていくべきなんじゃないかな? そういう期待はあるのかな? 期待されてるのかな?っていう気持ちがあって。だけど、そうやって思ってるから「頑張らなきゃいけない」って続けてると逆に良くないんじゃないかな?とも思ったり。

--「頑張らなきゃいけない」だと苦しいですよね。鞘師さんがモーニング娘。じゃない未来を考え出したきっかけって何だったんでしょうね?

鞘師里保:ファンの皆さんが私のパフォーマンスを観て「心が打たれた」って、そういう風に言って頂けることがすごく増えたんですけど、そうやって思ってもらえることを増やしたいなって思ったし、その力をもっと強くしたいと思って。普段からいろんな動画を見たり、いろんな人の曲を聴いたり、パフォーマンスを観たりするようになってから、そこでいろんなものを吸収して、その吸収したものを自分のオリジナリティに変えていくことが出来るんだって知ったんですよ。実際そうやって学んだものをモーニング娘。に活かすことも出来たし。だからこれからはいろんなものを観るだけじゃなくて、実際に体感してみたい。っていう気持ちがあるんです。

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モーニング娘。を切り離してしまう……人生で一番苦しかった。

--向こう側の世界に実際に足を踏み入れてみたい?

※モーニング娘。'15『One and Only』(Morning Musume。'15[One and Only]) (Promotion Edit)
※モーニング娘。'15『One and Only』(Morning Musume。'15[One and Only]) (Promotion Edit)

鞘師里保:はい。

--表現者として正しい欲求じゃないですか。

鞘師里保:モーニング娘。は春夏秋冬コンサートツアーをやらせてもらえてるし、素晴らしい環境だと思うんですけど、もしかしたら「表現する」「何かを伝える」という意味でまた何か違う形で出来ることがあるかもしれないと思って。最近、ライブのカメラの動きとか演出ってどうやって考えてるんだろう? 照明はどんなことを考えながら仕込んでるんだろう?って気になったり……ファンの人には「裏方には回らないで」って言われるんですけど(笑)、でもそういうことにもすごく興味を持ったりしていて。私たちがパフォーマンスをしてるんですけど、それを引き立ててくれているものにもすごく興味を示すようになって、そういうことまで理解できるようになれば自分のダンスや歌にも良い影響が出るかもしれない。

--以前の鞘師さんの単独インタビューで「鞘師里保というひとつのジャンルというか、ひとつの形を確立して、違う土俵に立てるようになりたい。突き抜けたいです」と仰っていたんですけど、その気持ちが鞘師里保の基盤にはあるんですかね?

鞘師里保:それはあります。それがやっと見せられるようになってきたかな?っていう感じがします。歌もダンスももっと凄い人はいるかもしれないですけど、鞘師里保っていう形はこの5年間で作ることが出来たかなって。

--ここまでの話を聞いて、モーニング娘。の中で成長しながら活躍する鞘師里保を見ているのも楽しかったんですけど、モーニング娘。という枠を超えて鞘師里保がどんどん凄くなっていく姿も見たいなと思いました。

鞘師里保:凄くなれるかどうか分からないです。ここまでかもしれないし。でも何でも知りたがりなので、とりあえず「知りたい」と思ったら知りたいんですよ! だから出来るならば若いうちにいろんなことを知りたいなって思ってます。

--その想いと「ここで終わらせていいのか、私のモーニング娘。人生」という想いの葛藤がここ数ヶ月ずっとあったと?

鞘師里保:そうですね。

--やっぱり大きかったですか? モーニング娘。は。

鞘師里保:これから何かのきっかけでモーニング娘。みたいにテレビも出ることが出来たりとか、ライブが出来たりするようになったとしても、私の人生の中で一番大きかった思い出はモーニング娘。っていうことに変わりはない、と思います。モーニング娘。に憧れてダンスも始めたし、モーニング娘。にいた5年間でここまで来ることが出来たし、モーニング娘。にいたからこそいろんなことを知れたり、「もっと勉強してみたいな」という気持ちも生まれたし、モーニング娘。にいたおかげで……(ここでお腹が鳴る)すみません、お腹が空いてきた。

一同:(爆笑)

--このタイミングで!?

鞘師里保:すみません(笑)。モーニング娘。にいたおかげで!

--お腹空いてきちゃった?

鞘師里保:空いてきちゃった(笑)。

--仕切りなおしましょう。モーニング娘。にいたおかげで?

※モーニング娘。 『彼と一緒にお店がしたい!』 (鞘師里保 Solo Ver.)
※モーニング娘。 『彼と一緒にお店がしたい!』 (鞘師里保 Solo Ver.)

鞘師里保:……優しさを学ぶことができました。人の気持ちもしっかり考えられるようになったかなと思うし、難しい言葉を覚えられたのも、言葉遣いを知ったのも、全部全部モーニング娘。のおかげだから。買い物に行くと店員さんに「え、17歳なのにめちゃくちゃしっかりしてますね!」って言われるんですけど(笑)、それもモーニング娘。にいたからなんですよ。だから何よりもモーニング娘。に5年間いれたことは大きいと思います。

--鞘師さん、どれぐらいモーニング娘。が好きだったと思います?

鞘師里保:家族みたいだなぁって思っていて。今、リアルお母さんに対して反抗期なんですけど(笑)、そんな感じでモーニング娘。がイヤになっちゃうときもあって、今は「モーニング娘。にいれて本当に良かった」って思うんですけど、厳しすぎて仕事に行きたくなくなったりもしたし、自分の歌の調子が悪くて「コンサートに出たくない! 本当に出たくない!」って思うときもあったし、そういうときはモーニング娘。がイヤになったりもしたけど、でもやっぱりメンバーといると安心するし、ファンの皆さんの顔を見るとホッとするし、幸せだなって思うし、それも全部含めて家族みたいだなって。反抗期もあるけど、やっぱり親のことは好きだし、ケンカもするけど、やっぱり姉妹のことは好きだし。そういう感覚ですね。

--今日までモーニング娘。で在り続けられたのはなんでだと思いますか?

鞘師里保:綺麗事とかじゃなくて、本当にファンの皆さんの顔を見たら……「朝、本当に起きたくなかったけど、ちゃんとコンサートに出てよかったな」って思うし(笑)、会えて良かったなって思うし、「もう眠いからブログ書きたくないなぁ」って思っても頑張って自分の気持ちを書いたらいっぱいコメントくれるし、それが本当に……この5年間の支えでした。ファンの皆さんです。間近で私の歌とかモーニング娘。の歌とか聴いて自然なリアクションをしてくれている姿を見ると、めちゃくちゃ嬉しいんですよ。そういう顔を見るのが本当に好きです。

--そんな大好きなモーニング娘。という場所からの卒業。気持ち的にも相当頑張った上での決断だったと思います。悩まない訳ないし、苦しくない訳がない。

鞘師里保:苦しかったです。人生で一番苦しかった。……今の現状をスパッと自分から切り離してしまう、モーニング娘。を切り離してしまう。それはすごく不安でした。でもそうやって決めることが出来て、ちょっと強くなれた。それが自信に変わった気もします。

--では、後悔はない?

鞘師里保:後悔は……ないですね。……あんまり。

--素直(笑)。でも鞘師さんがそこまで考えて決めた卒業は尊いと思います。そこから広がる未来を応援したい人は多いと思いますよ。

鞘師里保:ありがとうございます。

--個人的には、モーニング娘。の鞘師里保を超えていく為の卒業だと思っているんですが、そこはどう?

鞘師里保:そうですね! その気持ちが大きいです。どういう面で超えていけるのかは分からないんですけど……自分がこの時期に卒業を決めていっぱい迷惑もかけたけど、「この時期に決めて良かったな!」って自分の中で思えたらいいなって。もしかしたら「しばらくはブログやったら?」「ツイッターやっていいよ?」って言われるかもしれないですけど……

--福田花音は卒業翌日から始めましたよ?

※アンジュルム『わたし』(ANGERME[I am.])(Promotion Edit)
※アンジュルム『わたし』(ANGERME[I am.])(Promotion Edit)

鞘師里保:アハハハ! ファンの皆さんのことを想ったときに、メンバーのことを想ったときに、胸を張っていられる状態でいたいなって。そうじゃないと自分もイヤなので。

--この5年間、モーニング娘。で突っ走ってきた鞘師里保。客観視するとどんなメンバーだったなって思いますか?

鞘師里保:面倒くさいメンバーだったと思います(笑)。いきなり卒業するとか言っちゃうし、人付き合いもあんまり上手くないし、とにかく面倒くさい人だな~って思います。でも5年間いた中でやっと私らしい私を見せれるようになったかなって。やっと、今。

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私がひとりになっても……………………

--私らしい私というのは具体的に言うと?

モーニング娘。'15 鞘師里保卒業インタビュー

鞘師里保:今まではインタビューで「これからのモーニング娘。どうしますか?」って聞かれたら「先輩たちにも格好良いって思ってもらえるモーニング娘。にしたいですし、紅白にも出たいですし!」みたいな。そういう感じだったと思うんですけど、今は本当の自分の気持ちを交えて喋れるようになって。「こういう言葉が格好良いな」と思ってそれを言っていた部分があったんですけど、そうじゃなくて自分の格好悪いところも……別に暴露していく必要はないんですけど(笑)見せれるようになったし、「私の言葉を受け止める人にとってプラスになるかマイナスになるか」っていうのを考えすぎずに喋れるようになった。ちゃんと自分の気持ちを伝えられるようになったなって。

--鞘師里保のことは卒業後も注目していきたいと思うんですが、あとは鞘師さん卒業後のモーニング娘。ですよ。「どうするんですか?これからのモーニング」と、まーちゃん(佐藤優樹)も昨日武道館で言っていましたが。

鞘師里保:いやぁ~、まーちゃんは良いこと言うんですけどね(※ちなみに先日の武道館では「やっさんが後悔するぐらいモーニング娘。'16、'17、'18? すごく成長していきたいと思いますので、今後も見張ってて下さい!」と宣言した)。うーん……「じゃあ、本当に見せてもらうよ?」っていう感じです。

--まーちゃんに限らず、武道館でのみんなからのメッセージにはどんなことを感じました? (※各メッセージはこちら→http://www.billboard-japan.com/d_news/detail/33734

鞘師里保:まず12期が「ちゃんと自分の気持ちを伝えてくれている」っていうのがちゃんと感じられたというか。私が入ったばかりのときは、憧れていた先輩たちに囲まれていたし、それまでのモーニング娘。のことも知っていたし、あまり自分のことをさらけ出せなかったところがあったので、先輩の卒業セレモニーでも「もしかしたらちゃんと自分の気持ちを言葉で伝えられていなかったんじゃないかな?」って思っていて。最初の1,2年は毎日ビクビクしながら過ごしていたところがあったので。だけど、そういう想いを12期には……せっかく年齢も近いし、私たちが先輩たちに感じていた距離よりも近く感じてもらいたいと思って、私たちも話しかけやすかったり、ツッコみやすい感じにしていたので、それが正解だったと思えたというか。もしかしたら12期は気を遣ってる部分もあったかもしれないけど、でも自分の気持ちをちゃんと伝えてくれたり、ファンの方たちにも話すことが出来ていたのが私は嬉しくて。あとは、ああいう改まった場面じゃないとメンバーの気持ちを聞けなかったりするので…………「モーニング娘。'15っていう仲間!が私にはいたんだ」っていうのをすごく感じました。それが嬉しかったし、「本当に私の内面まで見てくれてるんだ!」って思ったので、モーニング娘。の鞘師里保もそうだけど、本当の鞘師里保に対しても向き合ってくれていたメンバーに「感謝したいな」っていう気持ちです。

--石田さん(石田亜佑美)は「ダンスバトルが出来なくなっちゃう」と寂しがっていましたけれども。今後どうなるんですかね?

鞘師里保:どうなるんでしょう?

--生田さん(生田衣梨奈)は「一生懸命、センター目指して頑張りたい」と、あのタイミングで宣言してましたけれども。

鞘師里保:良いところに差し込んできましたね(笑)。

--これからのモーニング娘。にはどうなっていってもらいたいですか?

鞘師里保:メンバーたちと一緒にこれまでも「こういうモーニング娘。になるとは思わなかった」っていうものを見せてきた、それこそ昨日の武道館でも見せられたかなって思ってるんですけど、これからモーニング娘。'16、'17……と続いていく中でも「モーニング娘。って今こんな感じなんだ!?」って私が見ても驚くぐらい、自分たちの新しいスタイルを作ってもらいたいなって思います。「これが今のモーニング娘。です!」って言えるモーニング娘。'16が見たいです。

--鞘師さんがいた'14や'15がそうであったように。

鞘師里保:そうです!

--鞘師里保は、12歳~17歳、5年の歳月をかけてどんなアイドルになれたと思いますか?

鞘師里保:最初は「アイドルらしくしなきゃいけないのかな?」って思ってピンクの洋服着たりしてたんですけど、活動していく中で「いろんなアイドルがいていいんだ」って気付いてからは、世間が思うアイドル像には添わなかったと思うけど、ちゃんと“鞘師里保”っていうアイドルにはなれたかなって思います。

--という話を聞いておいてアレなんですが、いろいろ修行してからモーニング娘。再加入というパターンはなしですか(笑)?

鞘師里保:そうやって言ってくれるファンの方もいるんですけど、ほとんどの方に迷惑をかけることになると思うので(笑)。だからちょっとでもそういう気持ちがあっても戻ることはないと思います。

--でもハロプロ自体は卒業しないんですよね?

鞘師里保:居場所を作ってくれていて有難いです。

--自分自身としては、これから先、どんな未来を歩めたらいいなと思っていますか?

鞘師里保:いつもファンの皆さんが待ってくれているからこそコンサートが一年中いっぱいあって、イベントもいっぱいあって、1年間の予定が見えていたんですけど、これからは予定が真っ白になると思うんで、それを良いことに感覚でいろんなことにチャレンジしたいなっていう気持ちです。「ここまでにこれをやって、その次はあれをして」っていう感じにすると逃してしまうものもあると思うので、そのときの感覚でやりたいことをやっていきたい。

--今回のシングル曲「ENDLESS SKY」の歌詞と重なる感じですか? 今の心境は。「自分で選んだ未来だから」という。

※モーニング娘。'15『ENDLESS SKY』(Morning Musume。'15[ENDLESS SKY]) (Promotion Edit)
※モーニング娘。'15『ENDLESS SKY』(Morning Musume。'15[ENDLESS SKY]) (Promotion Edit)

鞘師里保:めちゃくちゃ重なってます! いろんな捉え方が出来ると思うんですけど、私自身にとっては、これからの未来に対しての想いと、モーニング娘。を離れるということを決めた想いとすごく重なります。仮歌聞いた途端に号泣したんですけど(笑)、それぞれ聴いてくれる人のいろんな経験にも重ね合わせることができる曲だと思います。

--再び表舞台に戻ってくるとして、そのときはどんな自分でありたい?

鞘師里保:…………今は「踊ったら凄いね」みたいな。「普段は普通だけど、踊ったら凄いね」みたいな見られ方をしているんですけど、もうそこに居るだけで「なんか凄そうな人だな!」って感じてもらえるような空気感を自分で創れる人になりたいなって思います。パッと見ただけで「成長して帰ってきたんだろうな」って分かるぐらい成長していたいです。

--このままいつまでも話を聞いていたいのですが、時間が迫ってきました。鞘師里保にとってモーニング娘。とはどんな場所、存在だったと思いますか?

鞘師里保:常に夢や目標を与え続けてくれる場所。モーニング娘。に入ること自体も夢だったし、入ってからも「歌も上手くなりたい」とか「ああいう表現が出来るようになりたい」とかいろんな目標が生まれていったので、常に向上心を持っていられたし、それこそ私が「新しいことに挑戦したいな」って気持ちもモーニング娘。にいたから芽生えたものなので。そういう意味でずっと夢や目標、希望を持っていられるグループだなって思います。

--では、最後に、これまで共に歩んできたモーニング娘。のみんなにメッセージをお願いします。

鞘師里保:私はみんなの力になったりとか……することが出来なかったかもしれないけど、それこそ私がダメになりそうなときにはみんなが支えてくれて。支えられてばっかりだったんですけど…………モーニング娘。'15のみんなと「13人でモーニング娘。'15」って言えたことは本当に誇らしかった。自慢のグループだなって思ってるし、本当にメンバーのことが大好きだなって思ってるからこそ、私がひとりになっても……………………LINEしてほしいなって思います。

--(笑)

鞘師里保:連絡やめないでね。

--やっぱりぼっちはイヤなんですね。

鞘師里保:LINEしてね、大好きだから(笑)!

Interviewer:平賀哲雄

Music Video

モーニング娘。’15「冷たい風と片思い/ENDLESS SKY/One and Only」

冷たい風と片思い/ENDLESS SKY/One and Only

2015/12/29 RELEASE
EPCE-7164/5 ¥ 1,728(税込)

詳細・購入はこちら

Disc01
  1. 01.冷たい風と片思い
  2. 02.ENDLESS SKY
  3. 03.One and Only
  4. 04.冷たい風と片思い (Instrumental)
  5. 05.ENDLESS SKY (Instrumental)
  6. 06.One and Only (Instrumental)
Disc02
  1. 01.冷たい風と片思い (Music Video)

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青野美沙稀×上澤津孝 ミニアルバム『1959 ~Magical Rockabilly Night~』リリース記念対談
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ロカビリーシーンの新旗手!
確かなDNAを持つキュートなシンガー誕生!!

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