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エリオット・ヤミン 来日記念特集&最新インタビュー

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 27歳でアメリカの大人気オーディション番組『アメリカン・アイドル』にエントリー、米ビルボード・チャート史上デビュー作が最も売れたインディーズ・アーティストとなったエリオット・ヤミン。11月には待望の4thアルバムのリリースし、ビルボードライブで来日公演を行う“奇跡の歌声”の輝かしいキャリアを辿る。

 米・カリフォルニア州ロサンゼルス出身のシンガー・ソングライター、エリオット・ヤミン。『アメリカン・アイドル』出演を機に2007年に全米デビュー、翌年に日本でもヒットを記録したバラード「ウエイト・フォー・ユー」は、洋楽ファンならずともどこかで耳にしたことがあるだろう。

 幼い頃からホイットニー・ヒューストンやスティービー・ワンダーなど、ソウルフルなボーカリストに憧れを持っていたというヤミン。音楽を愛する「平凡な少年」だったという彼の人生にとって、第一の試練が訪れたのは13歳のとき。右耳の鼓膜の損傷により右耳の聴覚を90%失ってしまう。

 さらに彼の試練は続く。16歳のときに1型糖尿病であることが発覚し、過酷な食事制限とインシュリン値のモニタリング、定期的な注射など、病魔との戦いに青春のほぼすべてを費やすこととなってしまった。そんなティーンエイジャーの頃を“楽しいこととは無縁でまったく楽しくなかった”と振り返っているヤミン。17歳から様々な仕事を転々としながら暮らしていたヤミンにとって大きな転機となったのは、それから10年もの月日が経ってから。当時全米の人気オーディション番組『アメリカン・アイドル』へのエントリーだった。当時27歳、ヤミンの人生は一変する。

人生を変えた『アメリカン・アイドル』への出演

 ここで、これまでに数々のアーティストがメジャーデビューへの切符を手にしてきたTV番組『アメリカン・アイドル』について改めて紹介しよう。『アメリカン・アイドル』は2002年にFOXにて放送開始され、審査員だけでなく一般視聴者の電話投票により勝者が決定する「誰でも番組に参加できるオーディション番組」として爆発的人気を博した。番組の初代優勝者はケリー・クラークソンで、シーズン2以降はルーベン・スタッダード、ファンテイジア、キャリー・アンダーウッドと続き、彼らのデビュー作は軒並みヒットを記録し、社会現象に。

 また、優勝者以外でも同番組出演によって注目を集めデビューを手にしたアーティストも多いのも特徴で、ヤミンもそのうちの1人。代表的なのがシーズン3のファイナリストとして注目を集め、やがて映画『ドリームガールズ』で一躍スターダムへとのぼり詰めたジェニファー・ハドソンやシーズン8の準優勝者アダム・ランバートなど。こうして数々のアーティストを輩出したことにより国民的人気番組としての地位を獲得した『アメリカン・アイドル』だが、最近は全盛期に比べ視聴率も低迷し、2016年の第15シーズンをもって終了することが発表されている。

 話は戻り、ヤミンが友人の薦めにより出演したのは2006年に放送された同番組のシーズン5。これまでに知人のジャズ・バンドで歌ったり、スタジオの手伝いをしたり、多少仕事で音楽に携わる機会はあったものの、本格的なボーカル・トレーニングやステージ経験が無いまま番組に挑んだというヤミンだが、ソウルフルな歌声はもちろん、彼と同じくハンディキャップを抱えた人々やそれらに共感する人々の支持を受けながら、順調に勝ち進んでいった。そして、運命の瞬間は訪れた…

 憧れの人、スティービー・ワンダーとの対面だ。ゲスト&指導者として番組に登場したスティービーのボイス・トレーニングを受け「もうここで終わってもいい」と思ったほど感激したというヤミンだが、スティービーもまた彼の歌声を絶賛し「音楽の道に進むべきだ」と太鼓判を押したのだ。その後も順調に勝ち進んだヤミンは優勝こそ逃したものの見事3位に、全米視聴者に大きな印象を残した。番組出演で獲得した抜群の知名度と、憧れのスティービー・ワンダーからの助言に背中を押され、2007年3月、ついにアルバム・デビューを果たすこととなった。

全米史上最もデビュー作が売れたインディーズ・アーティスト

V.A
▲『ウエイト・フォー・ユー』
(2008)

 自身の名を冠したデビュー作は、インディー・レーベルからの発売ながら初週で9万枚のセールスを記録し、“全米史上最もデビュー作が売れたインディーズ・アーティスト”として米ビルボード・アルバムチャート3位に輝いた。その後もアルバムはロングヒットを記録し、同年10月には累計売上50万枚を越え、見事ゴールドディスク認定となる。

 全米での大ブレイクの流れに乗り、同アルバム収録曲のバラード「ウェイト・フォー・ユー」が少し遅れて日本に上陸。哀愁溢れるメロディーとエモーショナルな歌声で洋楽ファンのみならず、多くの人の心を掴んでいった。そして、翌2008年5月にアルバム『ウェイト・フォー・ユー』で日本デビューを果たすと、人気情報番組の看板キャスターが絶賛したことも追い風となり10万枚を越えるセールスを記録、同年には初来日公演も実現した。ちなみに、日本デビュー時のキャッチコピーは「男だって泣きたい時もある…」であった。

来日公演の予習はこのアルバムで

V.A
▲『マイ・カインド・
オブ・ホリデイ』

 以降、これまでに5枚のアルバムをリリースしているヤミン。残念ながらデビュー作を上回るヒットには恵まれていないが、豊かな表現力で歌われるストレートなバラード曲を筆頭に、数々の名曲を生み出している。

 そのほか、2008年リリースのホリデー・アルバムでは「ジングル・ベル」や「メリー・クリスマス、ベイビー」「バック・ドア・サンタ」など、数多くのアーティストがカバーしてきたスタンダードにも挑戦している。これからの季節にぴったりなホリデー・アルバムは来日公演に向けて気分を盛り上げるのにオススメの一枚である。

V.A
▲日本企画のベスト盤
『ベスト・フォー・ユー』

 そして、2013年には日本のファンに人気の高いナンバーと未発表曲で構成されたベスト・アルバム『ベスト・フォー・ユー』もリリースされているので、まだ彼の歌声を耳にしたことがないリスナーやライブの予習にぜひチェックしてみて欲しい。

 また、来日直前となる11月4日には待望のニューアルバムのリリースも予定されているので、こちらの続報も来日とあわせて楽しみに待ちたい。

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自分のサウンドやリズムを再び見つけるのに大きく貢献してくれて、
一緒に作り上げた今作をとても誇りに思っている

V.A
▲『『As Time Goes By』

−−まずは、近況を教えてください。昨年のビルボードライブ公演後はどのように過ごしていましたか?

エリオット・ヤミン:前回の来日後、たくさんの新曲を書いて、レコーディングをした…ニュー・アルバムの制作に取り掛かって、USツアーも行ったよ。

−−4年ぶりとなるニュー・アルバム『As Time Goes By』を11月にリリースするそうですが、レコーディング中の面白エピソードなどあれば教えてください。

エリオット:僅かだけど、「Katy」という曲は、僕らのケイティー・ペリーに対しての執着心がベースとなった曲。ある晩LAのシルヴァーレイクにある“Stella”という有名なバーで、偶然彼女に会った後、彼女について曲を書いてみよう、とインスパイアされたんだ。

−−アルバムを制作する上で、特に困難だったのは?

エリオット:最大のチャレンジは、少ない予算で制作しなければならなかったのと作品をリリースするレーベルを見つけること、それだけだな。プロダクション・チームのディスプレイ(Display)は、ここ数年間僕のバンドの一員でもあったんだけど、やっとスタジオで一緒に曲作りや創作活動をすることができて、最高だった。自分のサウンドやリズムを再び見つけるのに大きく貢献してくれて、一緒に作り上げた今作をとても誇りに思っているよ。

−−歌声を維持するために心掛けていることはありますか?

エリオット:別に特別なことはしてないけど、気管支を開くためにエキササイズや走ることを心掛けてる。それぐらいかな。あと、ショーの前も少し走ったり、ヴォーカルのウォームアップをして、ヴォルテージを上げてる。

−−11月のビルボードライブ公演はどんなものになりますか?

エリオット:新曲をたくさんプレイする予定。昔の曲はメドレーとして披露するよ。もちろん、バンドの演奏にも期待してて。こんなにも素晴らしいバンドと演奏できるなんて、本当に光栄さ!

−−世界中のファンに比べ、日本のファンのユニーク、または特別な部分は?

エリオット:彼らの忠誠心、優しさ、そして僕の活動へ対する深い理解だね。ライブに足を運んでくれて、プレゼントや手作りのカードもくれる。全部持って帰るために、いつもバッグを余分に1つ持ってきてるんだ。

−−最後に、公演楽しみにしている日本のファンへのメッセージをお願いします。

エリオット:8年前に初めて日本を訪れた時から、心の底から感謝の気持ちでいっぱいだ。来日する度に前回を上回るエキサイティングで、最高な思い出になってる。これはファンのみんなのおかげ!みんな大好き!僕が愛する“音楽”をやり続けることを可能にしてくれてありがとう、そしてそれを僕と分かち合ってくれてありがとう!

エリオット・ヤミン「AS TIME GOES BY」

AS TIME GOES BY

2015/11/04 RELEASE
AVCD-93167 ¥ 2,200(税込)

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Disc01
  1. 01.ミーニング・オブ・ラヴ
  2. 02.フレンドゾーン
  3. 03.ギヴ・イット・トゥー・ユー
  4. 04.ケイティー
  5. 05.ワールズ・アパート
  6. 06.アズ・タイム・ゴーズ・バイ
  7. 07.サムワン・ライク・ユー
  8. 08.マグネティック
  9. 09.ファンタジー(リヴィン・イット・アップ)
  10. 10.ホワット・キャン・アイ・ドゥ・ライト
  11. 11.イン・マイ・ドリームス
  12. 12.レット・イット・ゴー <日本盤ボーナス・トラック>

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