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フィリップ・フィリップス 初来日インタビュー

フィリップ・フィリップス インタビュー

 ロックとフォークを融合した心地よいサウンドとソウルフルな歌声が魅力の米ジョージア州出身、現在24歳のシンガーソングライター、フィリップ・フィリップス。米人気オーディション番組『アメリカン・アイドル』シーズン11に出演、ファイナル・ラウンドで披露し見事優勝を勝ち取った「ホーム」は、米ビルボード・シングル・チャートで6位を記録、現在600万枚のセールスを突破。続く2ndシングル「ゴーン、ゴーン、ゴーン」は250万枚以上を売り上げ、この2曲を収録した2012年のデビュー・アルバム『ザ・ワールド・フロム・ザ・サイド・オブ・ザ・ムーン』は米ビルボード・ロック・アルバム・チャートで1位、総合アルバム・チャートでは4位となりミリオン・セールスを達成した。2014年には待望の2ndアルバム『Behind the Light』も発表している。
 そして遂に8月に日本デビューすることが決定し、アルバム・リリースに先駆け7月末にプロモーション来日を果たしたフィリップ。来日中にはショーケース・ライブも行われ、チェリストのデイヴ・エガーとともにアコースティック・ライブを披露してくれた。「やっと時差に慣れたのに、この後すぐ帰国するんだよ…。」と残念そうに話すフィリップを来日最終日にキャッチ、デビュー作やライブについて話を訊いた。

パフォーマンスに音楽ごころを持たせ、音楽を存分楽しみたい

Gone, Gone, Gone
▲ 「Gone, Gone, Gone」 MV

――先日の初来日ショーケース・ライブ、素晴らしかったですね!

フィリップ・フィリップス:ありがとう。楽しんでくれて、嬉しいよ。

――最近だと、あれぐらいの規模の小さな会場で演奏することは少ないんじゃないですか?

フィリップ:ラジオ局に招かれて何曲か演奏する時、ああいったサイズの会場で演奏することはよくあるんだ。僕自身すごく楽しくて、観客もクールだったね。

――観客が直接フィリップに話しかけたりしていて、とてもインティメイトな雰囲気でしたよね。

フィリップ:限りなくインティメイトだったよね(笑)。みんな、すごく楽しんでくれたみたいで、とっても光栄だよ。

――曲の途中ではレッチリのリフを織り交ぜたり…。

フィリップ:そうそう!気づいてくれたんだ。ライブに面白味を持たせるために、可能な限りそういう試みを行っているんだ。

――ライブだと、アルバム・バージョンとは異なる魅力が味わえたと感じるのですが、曲作りをする際にそういったことは意識していますか?

フィリップ:もちろんだよ。曲を作って、レコーディングする時、ライブで演奏可能かどうか、っていうのは大前提。なるべく曲に変化をつけることでライブ感を出して、毎回同じ演奏はしないように心掛けてる。僕にとって“ライブ”というのはとても重要で、ジャムったり、パフォーマンスに音楽ごころを持たせたりして、音楽を存分楽しみたいんだ。曲を最初から最後までただ演奏するんじゃなくて、その都度グルーヴに身を任せて演奏して、とにかく楽しむ。演奏を間違えても、それはそれで楽しいしね。

Trigger
▲ 「Trigger」 / Phillip Phillips & Dave Eggar

――間違えちゃうことって、よくあるんですか?

フィリップ:しょっちゅうあるよ!とは言え、アコースティックの場合でもそうだけど、バンドとして意思疎通がとれてるし、間違えてもすぐにお互いをカバーするできるんだ。あとは観客が気づかなかったことを祈るのみだね(笑)。

――現在のバンド・メンバーとは、どれぐらい一緒に演奏しているのですか?

フィリップ:そうだな~、ここ数年かな。デビュー・アルバムの頃からコアはほぼ変ってなくて、レコーディングも一緒に行ってるよ。

――昨日、ショーケース・ライブでチェロを演奏していたデイヴ・エガーとは?

フィリップ:彼もデビュー・アルバムからの付き合いだよ。とても変わった経歴を持っていて、本当に素晴らしいアーティストなんだ。

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Where We Came From
▲ 「Where We Came From」 (Live)

――これまで演奏したライブやツアーで一番印象に残っているのは?

フィリップ:今回のプロモ来日で行ったライブは印象に残ってる…絶対にフル・バンドで日本に戻ってきたいね。南アメリカで行われた【Rock in Rio】でブルース・スプリングスティーンとジョン・メイヤーの前座を務めた時のことはすごく印象に残ってる。カナダも楽しいし…。一度だけフィリピンに行ったことがあるけど、あの時も楽しかった。南アフリカもそうだし。僕、結構色々な国で演奏したことがあるんだよ。これからもっともっと色々な国で演奏したいと思ってるんだ。

――ジョン・メイヤーとは長期に渡り一緒にツアーをしてましたよね。

フィリップ:そう、最高だったよ!夏から秋にかけて6か月ぐらい一緒にツアーしたけど、ジョンは本当にクールさ。彼も、彼のクルーも本当に親切にしてくれて、ライブの反響も素晴らしかった。彼のファンたちも最高で、中には僕のファンになってくれた人もいて嬉しかったね。

――因みに、ジョン自身がフィリップのことを前座に選んだのですか?

フィリップ:そうだと思うよ。とっても光栄で、自分がラッキーだったとしか言いようがないね。前座を務めることが決まってからしばらくの間死にそうに怖かったんだ。彼を失望させたくなかったから。

――そんなフィリップにジョンからアドヴァイスなどありましたか?

フィリップ:とにかく突き進め、そして楽しめばいいって言ってくれた。ジョンが僕のライブを楽しんでくれたのは、僕にとって特別な出来事だったよ。

写真
2015.07.27 PHILLIP PHILIPS @ 初来日ショーケースライブ

Unpack Your Heart
▲ 「Unpack Your Heart」 MV

――そしてデビュー・アルバムが日本でも遂にリリースされますね。アルバムが完成してから何年か経っていますが、改めて振り返ってみて如何ですか?

フィリップ:とても誇りに思っている作品だよ。このアルバムは3週間で作ったんだ。これは既にアメリカでリリースされている2ndアルバムについても同じことが言えるけど、振り返ってみると、やっぱりああすればよかったとか、何でこうしたんだろう、って思っちゃうんだよね(笑)。特に曲をライブで演奏すると。とは言っても、2作ともとても誇りに思ってるのは、変わらないよ。

――3週間という短期間で作られたものの、その中で学んだことはありましたか?

フィリップ:収録曲は、数年前に書き上げて、アルバムの為にアップデートしたものやレコーディングの直前に書かれたものだったけど、今言ったとおり、本当に短期間で仕上げた作品で、アルバムを作るのには尋常じゃないスピード感だった。楽しかったのと同時にストレスが溜まるプロセスでもあったんだ。そのゆえ学んだことは多くあったけど、一番は実験することを恐れないということだね。

――制作過程で様々な新しい経験をしたと思いますが、特にプロダクションの面では初めてのことが多かったのでは?

フィリップ:それまで義兄と一緒に何度かレコーディングしたことがあったけど、プロとしてスタジオに入ったのはあの時が初めてだった。デビュー作に限らず、常に学んでいるよ。既に3rdアルバムのために曲を書いているんだけど、スタジオで学んだことをソングライティングに応用することも増えてきてるしね。

――曲作りは、普段から行っているのですか?

フィリップ:ツアー中だったり、家にいる時でも、何かアイディアが浮かんだら、すぐに曲にしてるんだ。

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Thicket
▲ 「Thicket」 / Phillip Phillips & Dave Eggar

――昨年全米リリースされた2ndアルバム『Behind the Light』では、サウンド面において大きな変化を遂げていますよね。

フィリップ:うん、僕のロックな面をさらにフィーチャーした作品に仕上がっているんだ。僕らのファンキーで、ロックなライブ・パフォーマンスがより反映されている。

――「Fly」のラストを締めくくる豪快なソロがいい例ですよね。

フィリップ:あれはペダル・スティール・ギター奏者のロバート・ランドルフが演奏しているんだけど、最高にイカしてるよね!本当はデビュー・アルバムにも参加してもらいたかったんだけど、時間がなくて…。あの曲は、ライブで演奏した時にもすごく映えるんだ。アルバムを通して、ライブ感のある作品にしたかった。完成寸前の曲や既に書き終えた曲を元にバンドと一緒にジャムって、フィーリングを掴みながら進めていくことで、より音楽ごころと深みのある作品に仕上げた。「Thicket」、「Trigger」や「Fly」なんかは、今まで書いた曲の中で一番気に入ってるよ。

――「Thicket」は、日本盤のデビュー・アルバムにも収録されていますね。

フィリップ:日本のファンのために特別なデビュー・アルバムを作るって聞いた時、この曲は入れなきゃって思ったんだ。自分でも本当に、本当に気に入ってるから(笑)。デビュー・アルバムが完成した直後に、曲の冒頭のリフを思いついた。しばらく頭から離れなくて、頻繁に弾いていたんだ―コード進行がギターの練習にもなるから。多分1年ぐらい詞も付けずに、ひたすらそのリフを弾いてたんじゃないかな。スタジオに入って、2ndアルバムのために本格的に曲作りを始めた時に、そのリフと一緒にプレイするとさらにインパクトが増すギター・リフを書いて、残りはバンドとジャムりながら完成させたんだ。この曲もライブではとんでもない代物になるんだ(笑)。

写真
2015.07.27 PHILLIP PHILIPS @ 初来日ショーケースライブ

――それにストリングスが加わることで、さらにインパクトが増しますし。

フィリップ:うんうん。曲をどうやって始めようか考えていて、元々は僕のギター・ソロからだったんだけど、それじゃインパクトが足らないな、って思った。既にデイヴにストリングスのパートをレコーディングしてもらっていたから、じゃあこれで曲を始めたどうかな、って試してみたら完璧で、僕がギターで作った冒頭の気味が悪い、短いイントロとデイヴが演奏してくれたストリングスで曲が始まるんだ。

Raging Fire
▲ 「Raging Fire」 MV

――では、これまで書いた曲の中で、一番誇りに思っている曲は?

フィリップ:「Tell Me A Story」はすごく気に入ってる。とても美しい曲で、ギターパート、詞、共に誇りに思ってる。後は「Man On The Moon」とツアー中に書いた「Trigger」、そして「Thicket」と「Fool For You」かな。

――曲のアイディアはどのようにひらめくことが多いですか?

フィリップ:大体の場合は、ギターを弾きながらかな。自分が気に入ったメロディやリフに合わせて、存在しないめちゃくちゃな言葉で歌いながら…(笑)、形にしていくんだ。

――詞に関しては、どんなものにインスピレーションを受けますか?

フィリップ:成長、家族や友人との関係や愛…最近はフィアンセについての曲が多いね。「Raging Fire」は人生を謳歌することについての曲。悲しみについての曲もあるよ、悲しみは世界共通で、多くの人が共感できること。常にハッピーな人間なんていなからね。様々なことについて曲を書くけれど、共通しているのは何らかの感情を呼び起すという点だね。

――フィリップがソングライターとして一番大切にしていることは?

フィリップ:自分に正直で、リアルであり続けること。そして素晴らしいストーリーを語り続けること。ビル・ウィザースのように。彼は大好きなストーリーテラーの一人なんだ。

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  2. 共演者だけではなく、
    セキュリティーや番組の制作スタッフだったり、
    たくさんのかけがえのない友情が生まれた
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共演者だけではなく、
セキュリティーや番組の制作スタッフだったり、
たくさんのかけがえのない友情が生まれた

Home
▲ 「Home」 MV

――話は変わって、ショーケースの時にとても緊張していたと言っていましたが…。

フィリップ:最高にね!

――『アメリカン・アイドル』出演やワールド・シリーズでの国歌斉唱など、数々の大舞台に立ってきましたが、今でも緊張することってあるんですね。

フィリップ:パフォーマンス前やパフォーマンス中は、どんな時も緊張する。特に今回は、日本で演奏するのが初めてで、言葉の壁もあるし、みんなが曲もちゃんと知ってるかどうかわからなかったから。でも、みんなが曲を一緒に歌ってくれたことで、リラックスできて、楽しみながらパフォーマンスすることができたんだ。

――ライブ前に緊張をほぐす為に必ずやることってありますか?

フィリップ:そわそわ行ったり来たりして、間違えないないように祈ること(笑)。

――『アメリカン・アイドル』への出演がきっかけとなり、アメリカ国内に留まらず、世界中に名を知らしめることとなりましたが、今振り返ってみて自分にとってどんな番組でしたか?

フィリップ:一生の思い出だね。共演者だけでなく、セキュリティーや番組の制作スタッフだったり、たくさんのかけがえのない友情が生まれた。僕の人生において、多くの目まぐるしい変化が起こっていた時期で、すべてが真新しくて、エキサイティングだった。もちろん、今でもエキサイティングなことはたくさんあるけど、あの時は右も左も分からないような状態だったから。一生忘れない思い出だよ。

――番組に出演していた時に、自分にとって転機となった出来事はありましたか?

フィリップ:う~ん。本当に何が何だがわからない状態だったから、これと言ってないかな。まさか自分が優勝するなんて思ってもいなかったし。様々なことを出来るだけ早く吸収するのに精一杯だったよ。

――次のシーズンで打ち切りになるというのは聞きましたか?

フィリップ:あぁ、聞いたよ。『アメリカン・アイドル』は、オーディション番組という一大ムーヴメントの火付け役だから、恋しく思う人が大勢いるんじゃないかな。

――優勝後、地元に帰ってた際に周りの人に気づかれたり、声をかけられたりはしましたか?

フィリップ:うん、たまにね。最初は、内心ちょっと怖かったんだ。殴られるのか、ハグされるのが分からなかったからね!年齢も幅広いよ。ライブに足を運んでくれるファンも子供から90代の人までいるんだ。

――瞬く間に有名になったのにも関わらず、地に足が着いてますよね。

フィリップ:僕が少しでもクレイジーをことをし出したら、家族や親友やフィアンセが止めてくれるからその点は心配ないよ(笑)。

――最後に、インタビューの冒頭でフル・バンドで戻ってきたいと言っていましたが、仮に来日が決まった場合どんなショーになるでしょうか?

フィリップ:エネルギーに満ちた、最高に楽しいショーになるよ。みんなちゃんと大声で歌ってね(笑)。一晩は大きな会場で演奏して、次の晩はもっと小さなインティメイトな会場でアコースティックで演奏するのもいいかもね。

フィリップ・フィリップス「フィリップ・フィリップス」

フィリップ・フィリップス

2015/08/19 RELEASE
UICS-1298 ¥ 2,420(税込)

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Disc01
  1. 01.マン・オン・ザ・ムーン
  2. 02.ホーム
  3. 03.ゴーン、ゴーン、ゴーン~ずっと君のために
  4. 04.ホールド・オン
  5. 05.テル・ミー・ア・ストーリー
  6. 06.ゲット・アップ・ゲット・ダウン
  7. 07.ホエア・ウィ・ケイム・フロム
  8. 08.ドライヴ・ミー
  9. 09.ウォンテッド・イズ・ラヴ
  10. 10.キャント・ゴー・ロング
  11. 11.ア・フールズ・ダンス
  12. 12.ヘイゼル
  13. 13.ウィキッド・ゲーム
  14. 14.レイジング・ファイア (ボーナス・トラック)
  15. 15.シケット (ボーナス・トラック)
  16. 16.アンパック・ユア・ハート (ボーナス・トラック)
  17. 17.サーチライト (ボーナス・トラック)
  18. 18.ホーム (ライヴ)
  19. 19.ゴーン、ゴーン、ゴーン~ずっと君のために (ライヴ)

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