Billboard JAPAN


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【#BJMA】2014年ビルボードジャパン・チャート解析/佐藤讓

【BJMA】特集


セルフ・プロモーションとは自分を知ることからはじまる


 SNSの発達による活動の透明化で、多くのアーティストたちが音楽を含め様々な局面で自身を発信することに関して無自覚ではいられなくなったこの時代において、ビルボードのチャートアナリティクスは“最良の気づき”を得るひとつのきっかけとなることだろう。

 また、マネージメント・サイドにとっても、アーティストの持っているパワーを最大限に活かすため、適性やマッチングの最適化を計る上でのまたとないツールとなるはずだ。

 人と人との間に相性があるように、音楽も聞き手との間にも相性が存在する。それは解釈の幅を広げれば、アーティストが作り上げる音楽とメディアとの間にも相性もあるということだ。

 ビルボードのチャートアナリティクスには5つの項目があり、それぞれ個性的なランキングを形成している。ラジオとの相性のいいアーティストや楽曲があれば、ソーシャルで話題になるアーティストと楽曲、フィジカルが強い、またはデジタルが強いアーティストと楽曲もある。その相性を知れば、アーティストは自身のストロングポイントを理解し、マネージメントはよりしっかりした戦略を立てられることになる。

 様々な価値観が混在し、“The Big One(ひとつの確かなもの)”がなくなっていく中で、あらゆるチャートを束ね、解析していこうとするチャートアナリティクスをオープンに公開していくことは、今の時代の要請に応えたものでありながら、非常に野心的な試みとしてシーンに素敵な波紋を投げかけることだろう。願わくば、多くのアーティストやマネージメントがこのアナリティクスに刺激を受け、新たな視点を持つことを願う。

BJMA2014


プロフィール写真

佐藤讓 コンテンツ・プロデューサー。1976年、静岡生まれ。国内外で活躍している作曲家、マンガ家、シンガー、プロデューサー、イベンターが連動し、多角的なコンテンツ制作や企画を展開している会社、株式会社一二三の代表取締役。自身はコンサルタント、放送作家、原作作家、演出、音楽/コンテンツ・プロデューサーと多彩な顔を持ち、ネット時代のプロモーションやコンテンツのあり方を提案している。

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