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2019/12/07

生演奏に溢れた、アメリカ最南端の街、キーウエスト<フロリダ・レポート>

 文豪アーネスト・ヘミングウェイがこよなく愛し暮らしたキーウエストは、海、音楽、アートに溢れたリゾート地。メイン通りのデュバルストリート、桟橋、ヨットハーバーなどに立ち並ぶバーやレストランでは、毎日と言えるほどライブ演奏があり、店内を盛り上げている。

 マイアミからレンタカーか観光バスで行くのが定番で、およそ160マイル(約250キロ)を南下。約40の橋で結ばれた多くの島を渡り、4時間くらいでアメリカ最南端の町にたどり着く。観光名所のひとつが“サザンモストポイント”で、キューバまで90マイル(約145キロ)と表記されたアメリカ合衆国の最南端を示す写真スポットだ。記念撮影は後ろに並ぶ人が撮ってあげるという暗黙のルールがあるようで、皆、親切に撮影しあっていた。

 サンセットクルーズでは、トリニダード・トバゴ発祥の打楽器スティールパンのライブ演奏を満喫。軽やかで美しい独特の音色で「Don’ t worry be happy」「I can see clearly now」「Under the sea」などハッピーなヒット曲ばかりが披露された。歌詞の通り、心の洗濯のような時間で、ゆったりとしたトロピカル気分をプレゼントしてくれた。横揺れサウンドを聴きながら、思い浮かんだのはトム・クルーズ主演映画『カクテル』だ。主題歌は、ザ・ビーチボーイズの「ココモ」でBillboard HOT 100でも1位を獲得したヒット曲。これまでに、何度もビルボードライブで来日公演を行ったことも、記憶に新しい。

 「ココモ」の歌詞にはカリブの島々の名前が出てくる。アルーバ、ジャマイカ、バミューダ、バハマ、キーラーゴ…。そしてココモと呼ばれるパラダイスがあり、スティールドラムの音色を聴きながら恋に落ちるのだ。暮れゆくカリブの海を眺めながら、いつかまたザ・ビーチボーイズのステージをビルボードライブで聴けるようにと、思いを馳せた。Text:KIYOMI

◎KIYOMI
学生時代、友人のバンドライブで司会をした経験から、テレビ、ラジオなどマスコミの仕事を始める。その後、単身移住したNYで(1986年~1993年)NY初日本語ラジオ番組を発案・設立。DJ・制作・広報・営業を手がける。1993年帰国。FM802、FMCOCOLOのDJ、関西初のサルサダンススタジオ(CHEVERE)主宰、映画コメンテイター、TV・RADIO出演、新聞・雑誌寄稿、司会、講師などで活動。好奇心に任せた様々なレポートを発信中。